電子コンパス(Electronic Compass/Digital Compass)ありとなしの違いとは何か?

Moto G7の記事で、電子コンパス(以下EC/またはDC=Digital Compass)レス仕様(国内向けモデル)ということが分かり、確認される方も多いようだ。Motoは価格が安いこともあり、猛烈な勢いで売れているようだ。性能が高い訳では無いが、一般のビジネスや動画再生、テーブルゲームぐらいの軽いゲーム利用で困る事は無い程度の性能を持つため、売れている訳だ。

ただ、今では国内ほぼ全てのスマホに電子コンパスが付いている中で、これがないのがどう影響するのか?搭載している機種もあるという噂がどう機能しているのかが気になる人も多いようだ。

<電子コンパスの種類>

G7の国内モデルでは電子コンパスはアクティベーションされていないのは間違いないようだ。一部海外からの並行輸入品はアクティベート済みのものもあるので、それだと利用できる。

尚、電子コンパスの制御に関わるチップは、日本であればKionix、ローム、TDK、旭化成などのメーカーが開発している。メーカーによってコンパスの仕様は異なり、ホール効果による磁界磁束検出装置(Hall)、磁気抵抗検出装置(MR)、磁気圧流比検出装置(MI)の3つのいずれか、またはこの中の複数の補助デバイスが必要である。そのため、これを搭載していない基板の場合は、これと繋がる回路の先が歯抜けになっていることが多い。基本的に、Snapdragonなどの中にこれが入っている訳では無いのだ。その変化値をGNSSなどと合わせて方位情報として計算する機能は、Snapdragonにも含まれている。(主にLocationエンジン、旧名称IZATが行っている)

ちなみに、GNSS/RNSS(衛星測位システム)も同じで、基本演算と信号処理部はSnapdragonの中にあるその昔IZATと呼ばれていたLocationエンジン部分で演算する。その三角関数による測量計算に使うための電波を受け取る部分は、アンテナメーカーや増幅器メーカーから部品を入れる必要がある。

だから、ハードウェアが対応していても、使える測位信号に差が出ることはある。

蛇足だが、GNSS/RNSS対応していない状態でも、何故か一部の非対応信号を取っているように見えることがある。ただ、取れていても信号の精度確認をしていないものは、ドライバーやファームウェアで省いている。それを直接取り出せるアプリではアプリ上では拾っているように見える場合があるのだが、その信号は精度情報未確定になり最終的には省かれている。衛星がある(飛んでいる)と示すだけなのだ。

話を戻そう。
ここからが本題となる。

<電子コンパスは疑似化出来る>

電子コンパスレスでも電子コンパスが動いているように見えることがあったり、電子コンパスがないのに位置情報が示せるアプリがあるのは何故?という話だ。そもそも、電子コンパスが無くても、移動しているならGNSS/RNSSの信号を受信でき移動方向に対する方位情報は検出できる。
さらに、地下街などGNSS/RNSSが使えない場所でもジオフェンスを使うために、4G LTE/3Gの+基地局、一部商用Wi-Fi(無線LAN)の基地局にはそのアクセスポイント自体に位置情報を示す信号が含まれていることが多くなった。

これは、スマホに限らず有線の回線収容局でも使われており、今ではGoogle検索などでエリアに正確な情報を示すために組み込まれているほどだ。たぶん、日本国内ならLTEの繋がらない古いトンネルのような場所や個人宅の地下などでなければ、かなり高精度に位置と方位を検出できる訳だ。

即ち、リアルタイムに移動している状態であればカーナビと同じように進行方向を元に電子コンパス擬きの模倣も出来るようになる。
そして、電子コンパスの動きほどではないが、筐体内のジャイロセンサー(加速度センサー)と傾斜センサーがある程度の方向変化を確認してくれるため、よほど細かい動き(複雑な動き)や定点での向きの変更でなければある程度それらが追従してくれるという特徴がある。

だから、町中や日帰りの山登り(山道を歩く)ぐらいの用途だと、実は電子コンパスのあるなしは殆ど分からないとされる。
しかも、電子コンパスは搭載されていなくても、コンパスがある体(フリをして)で動くハードは結構多い。そのため、確認をしっかりしなければ、あると思いこんでしまうこともあるのだ。

<電子コンパスの有無チェック方法>

尚、電子コンパスが本当に生きているか死んでいるかを確認するなら、磁石など磁場が生じるものが付近にないことを確認した上で、スマホを机や床、地面において、地図を開きスマホをその場でゆっくり回転させると良い。これで回転させて、地図の進路方位が回転方向に合わせて回転するなら電子コンパスを内蔵している。(Google Mapの場合は青い被写界範囲線が表示され、向きに合わせてリアルタイムで回転するはずだ。

被写界線自体は電子コンパスがなくても表示される場合がある。しかし、機能していない場合は定点でスマホを東西南北に回転させると、追従しないか、追従しているように見えて、おかしな方向に動くこともある。大事な点は手にもって動かさないということだ。

地面や床、机の上に水平に置くことで傾きや加速度を上下左右方向を中心に検出するジャイロの影響を極力抑え込むと、地磁気センサー(電子コンパス)の情報がなければ精密な東西南北の把握は出来なくなる。これを使って正確に把握することになる。


<電子コンパスがあると便利な用途、ないと困る用途>

では、電子コンパスはどういうときに必要なのか?これが必要な用途は、主に自然(アウトドア)用途が中心だ。例えば、山岳登山などで泊まりがけの山登りをする人は、コンパスまたは電子コンパスを持っていた方が良い。(本来はスマホの電子コンパスより普通のコンパスを持ち歩いた方が良い。)
同じ場所でビバークすることがあるからだ。また、特殊な測量などを行う場合にも必須であるが、スマホでそれをやる人は殆どいないだろう。海などでの航海でも確かにあると良いが、電子コンパスをスマホに頼る人が、船で遠洋に出るようならまず、出ることを考え直した方が良い。

即ち実はスマホに必須でもない。ただ、あれば万が一の時に困る事もないから、あった方がよい。そんなレベルで、あればそこに立っている状態でも自分がどっちを向いているかが分かるという点が利便。しかし、なければ数十メートルぐらい移動しないと方位が判別できないか、狂った方位が標準では表示される。それが不便なところだ。





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