少子化時代、東京-金沢が日帰りになる現実に経済効果がどこまであるか?
今の現実は厳しい。
投資の方向性も、株高も演出と思われかねない状況である。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0M004420150304
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0LV11L20150227/
北陸新幹線の金沢駅開業まで10日となった。
金沢の経済効果は100~200億円規模だという話もあるが、それには衰退する産業を計算せず伸びる産業のみの数字を計算しているというからくりがある。また、経済効果は中長期ではなく短期の見積もりになることが多いため、一般に行く予定の(行きたかった)人が、それを機に纏めて押し寄せるなどの傾向がある。
たとえば、オリンピックなどが4年に一度行われ、これでテレビが売れるといった話もあるが、そういう商品にお金を掛けて、需要が出れば別の部分の余暇費が削られることや、もう数ヶ月後に買い換えた人が、先買いすることもあるため経済効果が長期的な経済成長には結びつかないのである。要は、こういう数字はあくまで、ビジネス上の特定投資に用いられるもので、庶民の景況感に左右されるものではなかったりする。
では、金沢の人には悪いが現実にどうなるか?実を言えば、海外客などが増えなければ今更新幹線が開業しても、中長期で良い傾向は起きることは、人口規模がある程度大きいと残念ながらないと言って良いかもしれない。
新幹線が開業して大幅に成長が期待できるケースと、見事に衰退するケースがあることはご存じだろうか?大幅な成長が期待できるケースは、通勤圏内が広がり、大都市のベッドタウンになるケースである。
また、これまでに交通手段がさほどないが、リピートする日帰り旅行が多かった場合は、大きく発展する可能性がある。これは、利便性の向上によってこれらの客が今まで以上に、そこに行く機会が増えるためである。また、大都市のベッドタウンというケースは、地価が比較的安い場合などに言える。
このようなケースでは、人口が大幅に増えたり、経済活動が活発化する。また、これに加えてハブとしての機能を持つ場合も、効果が大きい。これは、大阪、福岡駅がその象徴である。JR九州とJR西日本で乗り換えが発生する(さくらなど九州と西日本相互乗り入れを除く)場所では、そこで一度乗り換える需要があり、駅周辺の商業が発展する。また、そこから先の線路ができない場合で、尚且つ都市圏から遠い場合も、そこでの宿泊などの需要があるのだ。
それに対して、真逆となるのがストロー効果で都市圏が近づき、実家に帰省するのが楽になるなら、いっそ東京、大阪、福岡、名古屋など都会に住もうというケースである。既に中規模以上の都市の場合は、たいていの場合は衰退する。その理由は、そういう都市は一時的に脚光を浴びるが、後々経済効果目当てで進出した企業が、本社のある都市に事業を引き上げるためである。その際に、従業員で優秀な人材も一緒に吸い上げていく。
これが、実際に多くの地域で新幹線駅が開業して起きたことである。また、ビジネス客はその日の間に仕事を終えて、帰るため・・・既にビジネスで多くの人が来る場所だと宿泊需要が低下するかもしれない。そこで、一つでもビジネス客を泊めるホテルが減れば、就職先が減るため・・・。
これがリニア新幹線になるとさらに時間が短くなるため、日帰り需要は増えても、地方の経済は長期的に発展しないという現実が訪れる。
<新幹線の経済効果は少子化に不向き?>
では、何故新幹線に経済効果が期待されるのか?
それは、大量輸送や大量消費の生まれ始めた高度経済成長期とベビーブームの頃に新幹線が、全国への旅行客を増やす要素を持っていたためである。要は、日帰りで旅行をする。日帰りで遠くに商談に行くことができるという新幹線は、経済の活性化に大きな効果をもたらすことができたためである。全国から人を呼ぶのに鉄道は飛行機に比べて、大量の人を輸送でき、複数の地点を経由できるという強みがあったためだ。(飛行機でも○○経由は不可能ではないが、離着陸と搭乗の時間を考えると、鉄道の方が良い)
特に、人口が増えていく中では利便性を高め、客を増やすことの方がパイを増やすことが出来るため効果がある。
要は、交通網を整備すれば、気軽に立ち寄る人が増えるとともに、人口が増え続ければ地方に来る人も増えていくのだから、高速鉄道を用意したほうが、地方に人々が分散され、活性化するというものだった。人口増加によるベッドタウンの拡大という効果と、人口増加による大量の人をより早く大量に届けるという需要をマッチさせたのが、高速鉄道計画である。(これは空港も同じである)
しかし、現在人口が減少に転じている。
まもなく世帯数も減少に転じる。その中で開業、経済効果何億円、何十億円というのは、新幹線の走っている地域の人からすれば、「やっちまったな」と思う人も多いかもしれない。結局のところ、東京から人を定住させるぐらいの政策を地方が打ち出せなければ、食われるだけで終わる。しかし、今の金沢は観光の取り組みをしていても、それ以上の空気は見えない。これは、食われかねない状況と言わざる終えない。
<人口減少の影響は新幹線だけに留まらない>
政府などがもともと経済対策に箱物を作ることを推進する傾向があり、それで経済を刺激しないと経済成長が確保できない状況なので、あまり大きな声で言える話ではないが、現在やっている整備新幹線に限らず多くの国が関わる経済対策事業などは、修繕や補修を除けばこういう事業が多い。
そして、日本は何故人が減っていくのか、減っていくことで何が起きるのかを、真剣に議論しない傾向が強く、それの良い面と悪い面を考える人が少ない。
たとえば、適正人口は7000万ぐらいだという人がいるが、東京近郊の関東広域圏で5千万人いる。
全国で均等に人口が減少していると計算した場合、関東広域圏は4割減少する。3千万人になるのだ。しかも、その4~5割が近い将来高齢者になる。もし、人口が減るのが関東広域圏では少し遅いと仮定しても、高齢者世帯は実は関東の方が急速に増加するという点で、将来的にはとても不味い。
住宅などは、ほぼ半分以上が空き家になるのである。
そうすると、都市圏が縮小するため、鉄道などは廃線の可能性も出てくるだろう・・・。都市計画の策定に必要な人材が不足すれば・・・。公共サービスも受けられない。病院の医師は内科、外科の2つだけになるかもしれない。
窓口の受付はロボット対応になり、故障した場合にもロボットが交換に出かけるとしたら・・・まだマシだが、そこまで産業が発達しなければ、大きなカウンターの受付に6人いた受付が、3人か2人になるのである。
そして、絶対に減らせない人材(防衛、インフラ)などについては、人を減らせないため、その中から人を集めなければならなければ、きっとカウンターには一人の受付がおければよいぐらいかもしれない。
個人的な感情で言えば、新幹線もコンパクトシティもそうだが、発想が人口減少の中で、人口が増加するための手立てとしてではなく、如何に最後まで生き残るかぐらいの短期間の目線しかないことに、空しさを感じる。
日本では、テロリズムがなくとも、きっと自然に経済も社会も崩壊に向かうことが見えているぐらい、深刻な状況なのである。
人によっては、他の国より良いとかそういう話をする人もいるが・・・、今もその問題は進んでいることを考えれば、他より良いといった話ではないのである。
そこで、新幹線の開業に沸くというのは、あと何十年できるだろうか?
今後北海道新幹線も開業するが、そこに留まって何かしたいという人を増やすこと、そこで留まって子供を育てたいと思える場所を都市開発に加えることの方が本来は、優先課題となる。経済効果の多くは、先食いや他の産業の衰退という裏もあるため、それだけを理由に開発をするのは避けた方がよいだろう。
まあ、短期的投資だけでものを見るなら、ビジネスである以上、法的な問題がない限り、今の社会に止める術はないのだが・・・
そろそろ、地方自治体の中に、そういう部分を問題視して考える自治体が出てくることを願う。
投資の方向性も、株高も演出と思われかねない状況である。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0M004420150304
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0LV11L20150227/
北陸新幹線の金沢駅開業まで10日となった。
金沢の経済効果は100~200億円規模だという話もあるが、それには衰退する産業を計算せず伸びる産業のみの数字を計算しているというからくりがある。また、経済効果は中長期ではなく短期の見積もりになることが多いため、一般に行く予定の(行きたかった)人が、それを機に纏めて押し寄せるなどの傾向がある。
たとえば、オリンピックなどが4年に一度行われ、これでテレビが売れるといった話もあるが、そういう商品にお金を掛けて、需要が出れば別の部分の余暇費が削られることや、もう数ヶ月後に買い換えた人が、先買いすることもあるため経済効果が長期的な経済成長には結びつかないのである。要は、こういう数字はあくまで、ビジネス上の特定投資に用いられるもので、庶民の景況感に左右されるものではなかったりする。
では、金沢の人には悪いが現実にどうなるか?実を言えば、海外客などが増えなければ今更新幹線が開業しても、中長期で良い傾向は起きることは、人口規模がある程度大きいと残念ながらないと言って良いかもしれない。
新幹線が開業して大幅に成長が期待できるケースと、見事に衰退するケースがあることはご存じだろうか?大幅な成長が期待できるケースは、通勤圏内が広がり、大都市のベッドタウンになるケースである。
また、これまでに交通手段がさほどないが、リピートする日帰り旅行が多かった場合は、大きく発展する可能性がある。これは、利便性の向上によってこれらの客が今まで以上に、そこに行く機会が増えるためである。また、大都市のベッドタウンというケースは、地価が比較的安い場合などに言える。
このようなケースでは、人口が大幅に増えたり、経済活動が活発化する。また、これに加えてハブとしての機能を持つ場合も、効果が大きい。これは、大阪、福岡駅がその象徴である。JR九州とJR西日本で乗り換えが発生する(さくらなど九州と西日本相互乗り入れを除く)場所では、そこで一度乗り換える需要があり、駅周辺の商業が発展する。また、そこから先の線路ができない場合で、尚且つ都市圏から遠い場合も、そこでの宿泊などの需要があるのだ。
それに対して、真逆となるのがストロー効果で都市圏が近づき、実家に帰省するのが楽になるなら、いっそ東京、大阪、福岡、名古屋など都会に住もうというケースである。既に中規模以上の都市の場合は、たいていの場合は衰退する。その理由は、そういう都市は一時的に脚光を浴びるが、後々経済効果目当てで進出した企業が、本社のある都市に事業を引き上げるためである。その際に、従業員で優秀な人材も一緒に吸い上げていく。
これが、実際に多くの地域で新幹線駅が開業して起きたことである。また、ビジネス客はその日の間に仕事を終えて、帰るため・・・既にビジネスで多くの人が来る場所だと宿泊需要が低下するかもしれない。そこで、一つでもビジネス客を泊めるホテルが減れば、就職先が減るため・・・。
これがリニア新幹線になるとさらに時間が短くなるため、日帰り需要は増えても、地方の経済は長期的に発展しないという現実が訪れる。
<新幹線の経済効果は少子化に不向き?>
では、何故新幹線に経済効果が期待されるのか?
それは、大量輸送や大量消費の生まれ始めた高度経済成長期とベビーブームの頃に新幹線が、全国への旅行客を増やす要素を持っていたためである。要は、日帰りで旅行をする。日帰りで遠くに商談に行くことができるという新幹線は、経済の活性化に大きな効果をもたらすことができたためである。全国から人を呼ぶのに鉄道は飛行機に比べて、大量の人を輸送でき、複数の地点を経由できるという強みがあったためだ。(飛行機でも○○経由は不可能ではないが、離着陸と搭乗の時間を考えると、鉄道の方が良い)
特に、人口が増えていく中では利便性を高め、客を増やすことの方がパイを増やすことが出来るため効果がある。
要は、交通網を整備すれば、気軽に立ち寄る人が増えるとともに、人口が増え続ければ地方に来る人も増えていくのだから、高速鉄道を用意したほうが、地方に人々が分散され、活性化するというものだった。人口増加によるベッドタウンの拡大という効果と、人口増加による大量の人をより早く大量に届けるという需要をマッチさせたのが、高速鉄道計画である。(これは空港も同じである)
しかし、現在人口が減少に転じている。
まもなく世帯数も減少に転じる。その中で開業、経済効果何億円、何十億円というのは、新幹線の走っている地域の人からすれば、「やっちまったな」と思う人も多いかもしれない。結局のところ、東京から人を定住させるぐらいの政策を地方が打ち出せなければ、食われるだけで終わる。しかし、今の金沢は観光の取り組みをしていても、それ以上の空気は見えない。これは、食われかねない状況と言わざる終えない。
<人口減少の影響は新幹線だけに留まらない>
政府などがもともと経済対策に箱物を作ることを推進する傾向があり、それで経済を刺激しないと経済成長が確保できない状況なので、あまり大きな声で言える話ではないが、現在やっている整備新幹線に限らず多くの国が関わる経済対策事業などは、修繕や補修を除けばこういう事業が多い。
そして、日本は何故人が減っていくのか、減っていくことで何が起きるのかを、真剣に議論しない傾向が強く、それの良い面と悪い面を考える人が少ない。
たとえば、適正人口は7000万ぐらいだという人がいるが、東京近郊の関東広域圏で5千万人いる。
全国で均等に人口が減少していると計算した場合、関東広域圏は4割減少する。3千万人になるのだ。しかも、その4~5割が近い将来高齢者になる。もし、人口が減るのが関東広域圏では少し遅いと仮定しても、高齢者世帯は実は関東の方が急速に増加するという点で、将来的にはとても不味い。
住宅などは、ほぼ半分以上が空き家になるのである。
そうすると、都市圏が縮小するため、鉄道などは廃線の可能性も出てくるだろう・・・。都市計画の策定に必要な人材が不足すれば・・・。公共サービスも受けられない。病院の医師は内科、外科の2つだけになるかもしれない。
窓口の受付はロボット対応になり、故障した場合にもロボットが交換に出かけるとしたら・・・まだマシだが、そこまで産業が発達しなければ、大きなカウンターの受付に6人いた受付が、3人か2人になるのである。
そして、絶対に減らせない人材(防衛、インフラ)などについては、人を減らせないため、その中から人を集めなければならなければ、きっとカウンターには一人の受付がおければよいぐらいかもしれない。
個人的な感情で言えば、新幹線もコンパクトシティもそうだが、発想が人口減少の中で、人口が増加するための手立てとしてではなく、如何に最後まで生き残るかぐらいの短期間の目線しかないことに、空しさを感じる。
日本では、テロリズムがなくとも、きっと自然に経済も社会も崩壊に向かうことが見えているぐらい、深刻な状況なのである。
人によっては、他の国より良いとかそういう話をする人もいるが・・・、今もその問題は進んでいることを考えれば、他より良いといった話ではないのである。
そこで、新幹線の開業に沸くというのは、あと何十年できるだろうか?
今後北海道新幹線も開業するが、そこに留まって何かしたいという人を増やすこと、そこで留まって子供を育てたいと思える場所を都市開発に加えることの方が本来は、優先課題となる。経済効果の多くは、先食いや他の産業の衰退という裏もあるため、それだけを理由に開発をするのは避けた方がよいだろう。
まあ、短期的投資だけでものを見るなら、ビジネスである以上、法的な問題がない限り、今の社会に止める術はないのだが・・・
そろそろ、地方自治体の中に、そういう部分を問題視して考える自治体が出てくることを願う。
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