部下がどんどん「指示待ち人間」に──絶対にしてはいけないマネジメント法…… マネジメントする側がそれで納得ならそれで良いけどね。
ITmediaの記事である。
最近ITmediaの記事はあまり読まなくなったなと思う。だんだんと、記事の面白味がなくコラムが増えているからだ。
その割に、中身はあまり流行らない自己啓発本のような内容になっている。この記事もその一つだ。
指示を待つ人と、報連相の区別が付いていない上に、部下が行うべき仕事を部下自身が理解していない(無知だ)からである。
これは、単純に的確な指示を出せば改善される訳では無い。何故なら、結局は誰しも指示で動いているからだ。
今回の指示待ち人間と言うのは、指示待ちしている訳では無い正しくは「責任」を避けている人間の行動である。共に言質を取ってからじゃないと動かないということだ。何かあった時にこいつが言うとおりに動かなかった、この人はこう言っていたからこう動いたと、さらに上や周りに示すことが出来る理由が出来た時だけ動くのだ。上司も部下も。これは指示待ちでは無く、組織無機能とでも言うべきだろう。
一人で全部回せると思っていたり、一人で言われて出来る範囲だけやれば良いと思っているのだから。この状態なら組織である必要もない。
<本来の人と組織における指示待ち>
そもそも、指示待ちというのは、何か予期せぬことが起きていて、上長(上司)に指示を仰いでいる状態を指す。指示待ちという状況は本来、日々の雇用契約業務にあるなかでもイレギュラー(変則)な事態で使う事だ。もっと言えばその状態は、指示を待って動きを止めているとは限らない。動くなと言われれば動かないで待つし、その場の状況に応じて、適宜対応してくれ責任はこっちで取るが、これだけはまだ待ってくれ、慎重にとでも言っていれば、次のステップまで進まずに、できる事をしてくれる時間稼ぎ状態になる。本来はこれが組織における「指示待ち」だ。
指示待ちというのは、言わないと動かないじゃなく、経験上動きくべき内容はいくつか知っているが、どの選択をするかなどを上が判断しなければならないときに、指示を仰ぐことだ。
これは、自分がすべき仕事を皆が理解していて、且つ下の人間をある程度上が信用しているからこそできる事だ。但し、下がミスをすれば自分がその責任を被る危険性もある。逆に言えば、上司がそれを怖がると下との信用がなくなり、自分がやらざる終えなくなるため、部下は無知になる。上に言われたことしかさせて貰えなかったり、失敗したら上が容赦なく下のせいにしてそれよりさらに上に報告するからだ。
アイデア出しなどで、何もしてくれないならそれは指示待ちではなく、上が下を信頼していないが故の機能不全(崩壊)である。
だから組織または部署として無機能になっているのだ。
まあ、今の社会において難しいのは下と上との繋がり(コミュニケーション)なのは確かだ。会社によってはテレワーク、在宅ワークでの仕事と出社との両立をしている組織もあるし、メールやチャット、SNSで連絡を取り合うケースもある。一方で、接触して向き合っての会議は減少傾向にある。Web会議が増加しているのだ。そうすると、会議後に部屋を出るときに、あの件どうしますかと確認するのも難しくなることは多い。
会議の前の会議、会議の後の会議とは言わないが、会議の隙間に人と人が歩きながらでも、軽く会話が出来ることで、円滑に進むケースもあるが、それが必ずしも出来なくなっているケースもあるわけだ。
そんな中で、新入社員などが2年3年も新人期間に社内でそういう会議をしてきた場合、臨機応変というのが難しくなる。
そもそも、教えてくれる人の距離も、仕事上で付き合う取引先や関連会社などの相手との距離も、電子的な付き合いが増えて、内に入り込むのが難しくなるからだ。そこで、何か難しいものが出てくると上司に確認せざる終えなくなる。それが増えていくことは往々にしてある。コロナ渦では特に、上に立つ人間ですら戸惑っていたからだ。
<教育、信用、協力に責任が加わると強くなる>
では、どうすれば思ったように人が動くのかというと、ある程度は失敗を許容するしかない。その代わり、2度3度、4度と同じ過ちをさせないように、失敗したらそれを正して指導(教育)するしかないのだ。厳しくという話ではなく、何が悪かったのかを教えたりするだけのことだ。
後は、動かす部下との接点を増やすしかなく、全部自分に回ってくるのが嫌なら、横(自分の部下同士)の繋がりを広げさせて、その代わり横で新人などの管理をしているものが、分からないとか悩んでいるときに相談に乗れる体制をつくるしかない。10人の部署で、これまで10人が各々に聞いてきたことを、二人で一組にすれば、相談してくるのは5組になる。それも一つの手だ。
尚、「新規事業何か考えてよ」というのも、例えば「君はこの仕事初めて何年目だけど(と聞いたけど)、君がこの職場に来てこんなことをすれば良いのにと思ったアイデアとかない?」と、ちょっとした合間で聞くだけでも、相手のやりたいこと、自分がして欲しいことを繋げることが出来る。このアイデアが良いと思うなら、もう一人ぐらい補助や経験者を付けて、一緒に計画書を出してくれないかと言えば上手く動く可能性は十分にある。
そもそも、職場の仕事というのは一人で孤独に回す物じゃない。特に部署のリーダーやマネージャーというのは、ある種中間管理で孤独だが、逆に言えば、上にも下にも味方を付けることが出来る最高のポジションでもある。下から上の悪口を聞きながら、上の苦労話を聞くことも出来る。自分が、同じように下にバカにされているかもしれないなと思いながらも、立場の差が生み出す視界の違いが見えるからこそ、どちらの立場でも行動できるわけだ。
そこで下が無能だという理由を付けて、顎で自分が思うように使う独裁で回すのか、それとも自分より優秀な人が沢山いるかも知れないと思って、一緒に仕事が楽に(楽しく)なるアイデアを練るのか、それこそ上に立つ者の能力になる。
相手が指示を待つなら、相手が望む指示をどう出すかを考えて、さらに自分も相手も楽になるように、その人が望んだ指示を上手く自発的にやりたくなるように仕向けることも大事だ。
失敗したら、その時、自分が動けば良い。自分が責任を被ればよい。そうならないように、周囲でフォローできる体制も考えることは出来る。
それを見れば、下も自分が信頼されていたことを知るだろう。
そして、それを見せた後で、部下に何を期待しているのかを示すことが大事だ。
これが「人を動かす」ということだ。人を動かすには人を育てるしかない。育てた人が、徐々に動いてくれるようになる。
そして、育てた人に横で繋がりを持たせると、動いてくれる人は更に効率的に増えていくこともしばしばある。
そのためには、
動かされている人が、信頼されていると思わなければ人は能力を発揮しないのだ。褒められれば動くし、叱られれば畏縮する。だけど一番怖いのは、信頼している人が、自分の代わりに自分の前に立って責任を取ろうと努力していることだ。それを見ると同じ事はしたくないと思うのは人の性でもある。その支えるために自分が背負っている責任を取るという勇気を上司が持つことも大事である。
酷い部署なら、最初は一番下っ端の人間の責任でも自分が被ることはあるだろう。ただ、最初の一人を育てれば、次はその人も一緒に周りを育ててくれるようになる。それが育ち始めれば、自ずと停止は無くなる。
<教育された職務経験に左右されるマネジメント>
何故上司の中にはあれやってこれやってで、見た目上手く回せる人と、言わないと回らない人を必死に動かしているように見える人がいるのか?それは、上司や管理者もこれまでの仕事の中で、自分の上司から学んでいった結果である。
新人教育をしっかりしてくれて、責任を取ってくれた上司を見て育った部下は、その上司と同じように教育をしていく、そして慣れてくると、部下の方から上司に提案してくれたりすることもある。上司はそれを判断するだけになる。あれやっといてで伝わるようにもなるかもしれない。その代わり、その上司は影で多くの責任を取ったり、さらに上の人に部下の良いアイデアについて、相談しているかもしれない。
そんな別の部署を見て、うちの部下はなんて動かないんだと思うのは、教育しない隣の部署だ。どうせ無能だから、言わないと動かないだろう。なにぃ!失敗したこんなのも出来ないのか?と不機嫌になる。そのくせ、責任は自分で取れと、上司として得意先に謝罪にも行かないとか……。どこかの政治家のような話も出るかも知れない。
結構有り得ることだ。この場合、部下は上司に指示されたことしか出来ないが、上司は上司としての仕事もやっていない。何故なら、責任を取って部下を指導するという当たり前のことをしていないのだから。
上司が部下と同じ仕事が出来るのは当たり前だ。上司なんだから出来なきゃおかしいし、部下より何らかの能率が高いはずだから、上司になったのだ。その上司に出来て部下が出来ないことに、自分は出来ていたで良いだろうか?凄く簡単に言おう。これは幼稚園児が「4×3」のかけ算が出来ないことを大人が、かけ算も出来ないのかと馬鹿にするのと同じぐらいだと思えばよい。教えられていないから分からないのは当然だろう。それで、叱って頭がおかしいのはどっちか分かるはずだ。
自分より出来ないなら指示通りに動かそうではない。それは、あなたが上司や管理者になれた理由の一つ(人より出来ること)かも知れないが、あなたに求められる上司や管理者としての役割ではない。あなたをその立場にした上司は、きっとこの人なら、これだけの能力があるから、上司としての役割を勉強して育つはずだと思ったのだ。だから下の出来ないことを見て嘆いてはダメなのだ。
上に上がった時点であなたは、職務上の上長査定を除いて、全体を協調して育てるという役割も加わる。それが、管理者の仕事でもある。多数を纏める力が求められるのだ。そして、下や周りのやる気を出させないといけない。そのためには、自分は出来た。自分は上司の動きを見て先回したではダメなのだ。自分が部下や周囲に求めるその人達の役割をまず伝えて、その役割が組織にとって大切でやり甲斐のあるものだと、理解してくれるように育てることこそ大事なのだ。
これが、やるべきマネジメントだ。
尚絶対にやってはいけないマネジメントは法令違反をしていなければ、特にない。別に叱ろうが、嘆こうが、騒ごうが良い、指示を細かくやっても良い。指示待ち人間だらけにしてもそれで満足ならそれで良い。ただ、楽を出来るようになるには、ある程度、自分と意思疎通が出来る人が育たないと無理である。それだけのことなのだ。

