笹子トンネル事故から9年…「悔しさは消えず増すばかり」遺族らが慰霊碑に献花 …… これは換気用天井板崩落事故だが……

読売新聞社の記事である。


これは、老朽化事故ではなく、施工ミスというかそもそも欠陥というべきか、いや時限爆弾を仕掛けたというのが正しいだろう。起こるべくして起きた事故である。トンネルが崩落したのではなく、トンネルの上端1/4~1/3ぐらいを天井版という板で仕切り、中央に仕切り板をもう一本入れ上り方向と下り方向から空気を入れて換気できるようにした排気ダクトとしていたのだが、その仕切り板が前触れもなく崩落したのだ。

その原因が、補強アンカーボルト強度不足と、接着用に使った接着剤が本来この重量を支えるのに必要だった容量を下回っていたことだった。
当初は老朽化としていたが、調査が進むに連れこれは事件ではないかという風潮へと変わり、最終的に検察審査会で関係者の強制起訴相当という結論が出たが再捜査の結果不起訴になった。なんか聞いたことがあるなと思う人も多い話だろう近年繰り返されている刑事で起訴出来ず終わった例の1つである。

この10年でこういう事件の不起訴は増えた。ちなみに、これが20年前なら多分検察審査会を介さなくても起訴された可能性はある。その上で、判決が無罪だった可能性は否定できない。今の日本は起訴をすることすらしなくなって、もう10年ぐらい経ってしまったので、もう若者は、これが当たり前だと思っていることだろう。


これは事件になれなかった事故である。だから、「悔しさは消えず増すばかり」という遺族の言葉が、その当時に大人やある程度事件の真相を知ることが出来た若者(子供や学生)で覚えているなら、理解出来るはずだ。逆に言えば、既にそれも知らないような世代が増えていくなかで、悔しさを重ね続ける彼らを思うと、この国が年々腐ってきたのだということも分かるだろう。

まあ、こういうのが本当に繰り返されてきた中で、これからこういう事態に我々が巻き込まれた場合も、きっとこうなる可能性は高い。だから、政治や公権力、そして報道はもっと国民に沿った存在であって欲しかった。もう当分の間は、以前の状態に戻るのは難しいだろう。知らない世代が育っているのだから。


そして、こういう公共の道路や乗り物などでの事故や事件に巻き込まれる事態はきっとこれから増えていくというのも忘れてはならない。
最近だと、道路の陥没、鉄橋などの崩落や橋脚のズレ、橋や高架橋から劣化したコンクリートなどの落下物が落ちるなどと言うのは、それなりにある。さらに、街路樹による倒木や、土砂崩れなども含めば……もういつ誰がこういう状況になってもおかしくはない。

だからこそ、本来は道路の新設やインフラの新設よりも、今あるインフラで重要な場所の整備費に力を入れて欲しい訳だが、人口が増えないくせに田舎では未だに新道路とか言い張っているところもある。今ある道路も渋滞しないどころか、センターラインや、路側帯の線はもちろん、歩道の草刈りすらままならないのに、よく言えるものである。


まあ、話を戻すと、この事故はいろいろな意味で、今考えると日本という国が自由経済の大国で優れた技術、信頼されるインフラというものを誇っていた時代を終えはじめた1つの切っ掛けだった。今では、その信頼もかなり弱ってしまって、セットで検察とか警察というものが特殊法人や政府関連を相手に訴えようとするときに、起訴出来ないといった、司法に委ねる選択肢も、救いもない結果になる時代を示した最初の頃の例の一つである。

こういう被害者とその家族が増えない社会がこれからもう一度早期に戻ってきてほしいものだ。
そして、今の遺族の方々の無念を、この事実を知らない世代に共有され伝えられていくことを願う。同じような事件が起きないように……



















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