日産、EV投資で1兆円超計画…次世代電池の開発加速 …… 目先しか見てない日本企業の現実と都合の悪いことを伝えない報道のコラボ。

読売新聞社の記事である。


これを読んで日産は素晴らしいと思う人が日本には多いのかも知れないが……そもそも、こういう頭の悪いその場だけの記事を日本の新聞社が量産するから、日本は遅れていくわけだ。はっきり言うが、これまでに日産がEV向けのバッテリー事業をどうしてきたかを書くことの方が大事であり、それを元にこれからの展望を見るべきだろう。


元々、日産はリーフなどに向けたバッテリー事業をNECと協業で行っていた。NECエナジーデバイスという会社を通じて開発していたのだ。これは東日本大震災の津波にも耐えたとして記事にもなった。

そのバッテリー事業、実は2018年-19年に売却された。中国系のエンビジョングループ(Envision Group)の傘下Automotive Energy Supply Corporationになったのだ。日産は25%ほどの株式を持っているはずだが……。

それが意味することがどういうことかは分かるだろう。即ち、1度は事実上電池事業から撤退しているということを意味している。それなのに、今になってここに戻ってきたわけだ。何故戻ってきたかというと、欧米や日本と中国との関係悪化と、バッテリー価格が上がる可能性が高まっているからだと思われる。何より、戦略的に先端バッテリーの技術を各国が囲い込もうと躍起になっていることで、これとくみ続けるのが不味いということになったのかもしれない。

逆にいえば、こうなることが分かって居たなら売却すべきでは無かったと言うことでもある。今更だが目がないことが見て取れる。こうやって、日本は中国などに技術を売ってきたわけだ。そして、今ではバッテリー技術でNo1ではないのに、未だにNo1だと思い込んでいるのである。

もし、No1を取り返すなら、先ずは技術や知的財産権を持っているであろうAESCを買い戻すなどすることも考えた方が良い。
そうした方が、次世代電池界初は早まるだろう。日産だけで無理なら、他の企業や自動車会社等と共同でも……。まあ、今更それは出来ないだろう。結局、それをやると自社で電池開発や工場を作るつもりなら、投資が遅れることになる。


<ライバルと比べて大きいようで小さい投資>

それからこの数字は大きいように見えるが、実際は小さい。2030年までに1兆円としたら、2022年から1250億円を投じる計算だ。研究費として考えると確かに大きいが、電池の生産を含めた話なら、大規模工場を1つ作れば、1250億円を超えるだろう。全固体電池を作ったからそれにすぐに置き換わる保証もないし、投じた分だけ早く開発が終わる訳でもない。そう考えると、1兆円の多くは工場投資だと思われることも重要だ。

それから、これで大事なのは、周りの企業がどれだけこれに投資しているかで見る必要がある。

例えば、VWグループはこの春の記事で、バッテリーを含めた5カ年計画を発表しており、EV関連投資は5年で350億ユーロとしている。バッテリー工場への純粋投資は10年で1兆円を超えると日経は3月に書いていることから、この日産の発表が特別大きな数字ではないことが見えてくるだろう。

まあ、日産ルノー三菱でこれと同等になるなら問題はないのだが、1兆2兆というのが凄い大きい訳ではない。
本来はそれだけこの競争が熾烈であることを示す必要性があり、それを見て投資適格性やこの企業の強さ、将来性を判断するのが妥当だ。
ライバルと比べて同等程度であることの方が実はこれにおいては重要であり、負けないかもしれないが勝利するかは分からない程度の投資である。

即ち、開発加速とは書いているが、これは日本企業に限ったことではないと言うことだ。逆にいえば、EV投資という観点なら日産は2018年~19年にミスった恐れがあるのだ。それを取り返すためにまた投資することになるわけだ。それも、EV投資というならば、VWが5年で350億ユーロと言う中で、日産は10年で1兆である。

多分、リーフなどの開発で先行してきたのでまだ遅れ始めてはいないだろうが、電力不足などの問題で、これが後退することがないなら、今のままだとアドバンテージどころではなく厳しくなるかもしれない。

まあ、中でぐだぐだやり過ぎた弊害が今出ているのかも知れない。



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

驚いた
ナイス