Alder Lake登場、定格が125W、Max Turbo Powerが241WのCore i9-12900Kは電気代高騰時代に高いエンゲル係数を受け入れられるかが課題か!?

開発コード:Alder Lakeの正式発売日が11月4日と発表された。価格も同時に発表されている。

ちなみに開発コードの読みはアルダーまたはオルダーと読むことが多いようだ。英語読みだと巻き舌で「あ」「え」「お」を混ぜるような形なので、実際には聞き手がどう感じたかでアルダー、オルダー、エルダーと好きなように呼べば良い。一応、アルダーかオルダーと呼ぶ事が多いようだが、日本語の50音にはないオァ<ァの部分で下を少し巻くような感じ)に近い音なので開発名は好きに呼べば良いと思う。尚、今は聞こえで判断するのでオかアを使うが昔ならエルダー(おとあの間のどちらのかわりにもなる表現)である。


しかし、PC Watchの記事などでもIntelがこの商品に掛ける意気込みが分かる一方で、絶対性能重視がどこまで市場で評価されるのか?というのは気になる。既に、M1MAXが65Wクラス(多分サーマルリミットの限界までオーバークロック出来たとしても120W前後だろう)と推定される電力性能を示し圧倒してきた状況で、MTPが241Wの最上位である。力業も過ぎると評価は下がる。


ちなみに、AMDのRyzen 9 5950X/5900Xは公称で示している最大は142Wであるが、サーマルリミッターの極限で可能なオーバークロックで分かっている最大は190-200W辺りとされる。それを50Wも公称で超えている辺りが……まあ、噂通りである。

私はこんなプロセッサー買う予定はない。プロセッサーが働きまくったときのエンゲル係数(電気代)の上限が高すぎる。
これに、dGPUなどを載せようものなら、年々消費電力を下げてきたエアコンより遥かに電気を食うだろう。いや、冬場はこれだけ電力を食うと、エアコンなしでも狭い部屋なら暖房代わりになりそうだが……

EUもAppleのインターフェースに規制を掛けるより、プロセッサーの消費電力に目的別の上限を設けることを検討する方が先だろう。


<性能が高いのは既に確定しているが……世代交代は早いかも>
尚、既にES(Engineering Sample)品による性能評価のデータは市場にいくつか出ており、パフォーマンスがRyzenを超えるのは分かっている。フルパワーで動かせば圧倒的であるが、フルロードで動かすと爆熱で暴食であることが分かっている。

一方で、Core i5-12400(TDP:65W)が、200ドル台でRyzen 5と同等か若干上回るケースがあることも。これらはそれほど大きな電力消費はないようだ。MTPは90W-150W未満だろう。(理由は後述する)
ちなみに、K版ではない12600(300ドル台)もTDP:65Wになると思われるが、今回は発表されなかったようだ。年末商戦までに上位を売ってRyzenを潰したいというのもあるのだろう。

ただ、Intelにとってこれが最善だったのかは難しい。今のところ、Intelにまだ良い風が吹いているわけではないからだ。
これまでなら、確かにハイパワーでも圧倒的な性能があれば、評価は上がったが、今は原油高などが生じていて且つ、SDGsを売りにする時代に代わろうとしているのだ。そこで、パフォーマンスが圧倒的でも消費電力も圧倒的というのが、未だにIntelの評価を抉っている。

これは個人的な見解だが、まずIntelは下位の比較的クロックが低い製品を投入して、それでもRyzenと互角でこの電力だと売り込んだあと、上位を出した方が多分評価も高く売れただろう。本当に性能を求める輩は、取りあえず我慢できずi5でも購入して、その後2ヶ月後により上位のi7やi9が出たらまたプロセッサーだけでも追加で買うし、TDP枠が下位のものでもライバルと互角に戦えるならそれで十分だからだ。何より、電力パフォーマンスのバランスを示すにはこの方がよい。

そうしなかったのは、まだ大量に販売されるであろう下位の生産量が心許ないか、上位のプロセッサーでファームチューニング(Intel Tread Directorの改善によるパフォーマンスワットの改善)をしたいのかもしれない。

まあ、最新の噂が正しければAlder Lakeの時間は短命で、その後ろにはRaptor Lakeと呼ばれるマイナーチェンジ版(量産ノードの僅かな変更とGPUまたは統合ホストの若干の改良が加わると思われる)が出る予定である。そのあと、Meteor Lakeという抜本的なノード変更と製品の世代交代が2023年頃に行われる見通しだ。

元々、2022年にMeteor Lakeは予定されていたがIntel 5(旧7nm)の遅れなどが影響し、Raptor Lakeが生まれる予定となっているようだ。本当に出るかはわからないし、全ラインで置き換わるのか、それとも上位だけまたは下位だけ、またはモバイルだけで置き換わるのか分からないが……。


<Kではない製品の登場が待たれる>

フラッグシップ製品というのは、マニアの間では真っ先に組み上げて動かしてベンチを取って見せて、見せびらかしたい花形だったが、流石に大食いでエンゲル係数(電気代)が高い製品を組み上げて常用しようとする人は今では減りつつある。これからは尚のこと電気代などが上がる不安定な時代が来かねない状況にあり、今日はその電気代を許容できても、来年許容できる電気代かどうかは分からない。

だから、消費電力が今と同等水準で性能が上がるものを人は求めるのだ。

電力を浪費すれば性能が上がるというのは、昔から半導体では当たり前だった。マルチソケットのマザーを買えばCPUを2個刺すだけで2倍の性能になったのだから、リーケージを極限まで増やしてもクロック周波数を引き上げれば、クロックを上げた分だけ性能は上がったのだ。

それを今、x86プロセッサーを開発してきた最大の企業が、発表時点から公言していてそれが長年続いた後に出した混信のプロセッサー群でも続いている。それは、コロナ後で変わり始めている世界の状況に対して、置き去りにされはじめた事を示しているように感じてならない。この状態を続けてさらに電力量を増やす真似をすれば、Windowsも微妙な中で、共にx86も落ち始める恐れすら感じる。


じゃあどうすれば良かったのかというと、問題は圧倒的な性能よりも電力と性能のバランスが悪く、上位が特に注意製品と電力面で乖離があることにある。

元々半導体の特性として、クロックが一定を超えるとリーケージ(漏れ電流)は増えることが知られているが、それがAlderでは本来製品として定格をそこまですべきではないものまで上位に入れていることで、はっきり出ているのが問題なのだ。
今回のAlderはPコアのクロック周波数を4.5GHz未満ぐらいに留めればかなりリーケージを抑えられるのではないかと私は見ている。

そのぐらいを狙った製品も1つぐらいOEM専売とレビュー専用でも良いから出して、示した方が良かったのではないか?なんて思うのは、ちょっとムシが良すぎるのだろうか?いや、それだけでも十分だっただろう。どうせ、この先の製品でもプロセスノードが予定通り進めば、圧倒する自信があるのだろうから。

まあ、どちらにしても、一般の人にとっての本命は、i7のKなしか、i5だろう。Kシリーズは性能も化け物だが消費電力がそれ以上に割に合ってない。これは、昔のオーバークロッカーが挑戦するギリギリに近いレベルをメーカーが公式にやったという感じに見える。

<昔は考えられなかった爆熱時代>

今から約20年と11ヶ月前、IntelはNetBurstマイクロアーキテクチャを搭載したPentium 4、Willametteを発売した。1GHz時代に突入したばかりの時代に、1.4GHzと1.5GHzまで一気に駆け上がったこのプロセッサーは、9ヶ月ぐらいで2GHzまで達した。ただ、当時このプロセッサーは爆熱と呼ばれた。冷却フィンだけでも冷却できていたPentium III(大半が35W以下のTDP)に対して50W~80Wあったのだから。
あの頃からファンレスは消えるようになった訳だ。一時期はフォームファクターまで冷却に適したBTXにしようとする動きまであった。

だから、モバイル版はPentium MとしてPentium IIIの改良版、後のCoreシリーズに繋がる製品が使われたわけだ。

その後、Pen4は100Wオーバーになり、流石にAMDと比べた時の性能や電力の差が大きく、Core 2に置き換わることになった。デスクトップでも35W-65Wまで落ちたが、性能も爆発的に向上した。これでIntelは見事復活した訳だ。

あの時と同じ事が今のIntelは出来ないのは半導体プロセスノードが追いついていないからだから仕方がないが、あの頃の自分なら今のこの200W時代を信じないだろう。それぐらい、性能があってもそれが電力の犠牲のもとに成り立っているということを示している。特に家庭やワークステーション以外のオフィスで使うこの手のプロセッサーに対して、本当にこれが妥当なのかは、買う側も考えねばならないのは、既に間違いない。

性能が高いことは何にでも使え、しかも短時間で処理出来て確かに魅力的だが、性能競争のためだけに電力設計の枠をメーカーがどんどん増やし続けていては、選んでくれる人も徐々に減っていく事に繋がるだろう。

まあ、今回は復活のためのプロセッサーなので、仕方ないとしても今後の製品はこの熱枠や電力枠をピークに少なくとも8割程度に抑え、その先では更に同じ性能水準で引き下げる努力をして欲しい物だ。そうしなければ、環境エネルギーで社会を回そうという時代に、電力不足がより深刻になっていくだろう。それでも、プロセッサーはあらゆる面で必要とされる時代である。
























































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