スマホに「殺された」デジタル家電、復活・共存の道は? …… 殺されたではなく、奪われたである。

時事通信社の記事である。


最近、報道記事で使われる言葉が悪い意味で、無頓着になってきている。息を殺すなどの言葉があるものの、消えていくという意味で殺すという言葉を使うのは、本来、大衆社会に広く伝える新聞社や通信社が使う語として好ましいとは言えない。そもそも、この場合は完全に消えた製品ばかりではないため、殺すは不適切だろう。普通は、(シェアや市場を)奪われたとか、(立場を)追われたが適当である。

こういう、言葉の選び方を記事書きが大事にすることで、読み手の語彙も広がっていくのだということを忘れてはいけないし、そういう適正な言葉を使うことで、言葉が荒れるのを防ぐ役割があることを忘れてはいけない。最近は、無駄な○○化とか○○的も増えてしまった。

記事書きが生業でもないこっちが、それを気にして書くようになる始末だ。始末が悪い。
記事を書くプロが、急激に書き方を大衆に寄せていくのは必ずしもよいことではない思うのだ。

さて、本題である。

スマートフォンに追われて廃れていく製品というのは、記事に上げられている製品以外にも、存在する。例えば、携帯オーディオプレーヤー(ウォークマンなど)がその一つだ。私はガラケーの頃から携帯オーディオを止めて、携帯で音楽を聴いていたりしたが……。今は、オーディオ機器顔負けのアンプを内蔵している製品も多いので、音も良い。結果、携帯オーディオはほぼスマホに置き換わり、一部の高品質オーディオ機器のみが残る状況だ。

他に、携帯用のテレビやラジオも減少した製品の一つである。
まあ、今は防災ラジオとテレビがある程度売れているので、戻ってきているかも知れないが、それでも10年20年前より携帯テレビやラジオの需要は下がってしまった。これは、スマホにラジオ機能や、Radikoなどのアプリが搭載されたこととが影響している。

ちなみに、ワンセグ/フルセグの問題は、NHKの受信料問題でワンセグ訴訟が敗訴してから、一気に需要が失われてしまった。スマホでのテレビ利用者の多くが、若者だったのも影響しているのかも知れない。まあ、日本ではTVを見る人が減っているのも間違いなく影響していることだろう。

そして、実は売れ行きが昔より大きく落ちた物には大衆向けの腕時計というデバイスもある。
私は最近になって普通の腕時計を購入したが、15年ぐらいは持っていなかった。理由はスマホがあるからだ。スマートウォッチのお陰である程度売れてはいるが、大衆向けの普通の腕時計は、昔ほど売れていないはずだ。この最大の要因がスマホや携帯電話にある。これには、時計が搭載されていて、気になれば取り出せる場所にあるからだ。腕時計をしていても、スマホの方を見ることがある人は結構いるはずだ。但し、腕時計は宝飾品や貴金属としての価値があるため、出荷金額で見ると、ここ10年ぐらいは減ってはいないようだ。この辺りは差別化して生き残った製品と言える。

実はこれからまたは今現在、縮小傾向にあるものも存在する。それは、ポイントカードである。スマホやクレカ、FeliCaによる決済システムなどが普及したことで、ポイントカードがアプリとしてそれらに統合されているのだ。まあ、全部が全部アプリになるわけではなく、この先もカードは残るだろうが、今まで紙などで供給されていたカードはほぼ消えた。磁気カードですらこの先減って行く可能性が高い。

ちなみに、デジタルスチルカメラの出荷量が減っているというのは確かに事実だが、カメラ(センサー)製品全体で見ると、実はそうでもない。
ドライブレコーダーや監視カメラ、動体カメラ(自動運転、ロボットなどで使う視認カメラ、ドローンのカメラも含む)などの需要が増えているからだ。また、日本でデジタルカメラという範疇に入らないGoProのようなアクションカムも実は市場を伸ばしている。即ち、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラという商品分類には入らないカメラが今では沢山あり、それがそのカメラの代わりとしても使われている訳だ。

デジカメに勝機とかよく言われるが、こういうカメラの多様性が拡大する中で、デジタルスチルカメラやビデオカメラも完全に消えることはないというのが、現状だ。後は、製造する側が利益を維持出来るだけの体力を維持出来、販売網を最後まで用意出来るかどうかに掛かっている。まあ、だから半導体不足などもあって大した性能じゃないデジカメでも最近はちょっと高めになっているのだけれど。


電子辞書が市場を維持出来るのは、紙の辞書の需要を奪い始めているからだ。
そもそも、スマホで電子辞書の代わりをさせるには、電子辞書アプリを入れないといけない。たいていは無料ではなく、買い切りよりも月額制の方が増えているはずなので、常時使うには割高になる。学生などが使う場合は、スマホを使って授業中などに検索するのは、好ましくない。多機能故に、カメラなどの盗撮や音声録音などを使われると、授業の内容によってはカンニングなどと間違えられる恐れもあるからだ。
だから、電子辞書が売れる訳だ。電子辞書は、高齢者にとっても文字の大きさが大きいことなどから、人気が高い。

最も、当初、各キャリアスマホやガラケーには標準で辞書アプリがアドオンされている場合もあったのだが、現在はそういう差による違いの送出を止めめて1円でも安く売ることを目指している事業者も多い。結果、スマホで代替出来なくなったというのも現実にある。この傾向はパソコンでも大手メーカーがプリインストールを競った00年代と、BTO時代に入りソフトウェアの付属は最小になって来始めた10年代で見られる傾向と同じ流れだ。


カーナビは、スマホでも代替出来るのだが、完全に置き換わらなかった。
理由はいくつかあるが、その一番大きな理由は、スマホのカーナビ機能に使う地図は、データ通信量をその都度消費して入手していることにある。
そのため、通信定額にでも加入しているか、ルートを設定する際に自宅などのネットワークで行き先までの地図を総ダウンロードしていないなら、データ容量をそれなりに食うという問題があった。これは、3G時代までと同じデータ定額時代が続いたならもっとえげつないほど喰らわれていただろう。

他にも、理由がある。
それは、地図の精度が変わると言うことだ。GoogleのMAPがそうだが地図のベースを供給していたZENRINが離れたことで、MAPの地図は精度が低下した。こういうことが起きる場合もあることが分かったことで、地図アプリから離れる人も出てきた。これは、他の地図アプリでも言えることだが、オンラインベースの地図というのは、地図の提供元が変化したり、サービスが終わったり、サービスの仕組みが変わることがあるため、その影響をいざ使おうと思った時に受けてしまえば、移動に支障が出ることを意味している。これも1つの要因であり、アプリのアップデートなどで不安定になることがあるのも影響している。
時々使うにはよいが、よく使う人はカーナビを買った方が安心だ。

そして、性能などを考えないなら最新地図のカーナビが安価に手に入るというのもあるだろう。


PCに関しては、残って当たり前である。そもそも、スマホがPCを置き換えるという話はない。置き換えるかも知れないとされていたのは、タブレットであり、小さなスマホ画面ではないのだ。まあ、そのタブレットもWindows 10が出た当初のような統合の流れはもうないだろう。iPadOSのようにスマホ、PCの間に位置するデバイス(必要性があれば欲する装置)として定着しているのだから。




尚、スマホによって花開いた商品もある。

1つは、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスである。但し、これ今のところ期待した程は普及していない。理由は、バッテリーの持ちがまだあまりよくないからということと、スマホほどの必要性がないからだ。ただそれでも、コロナ渦で血中酸素なども測れる商品が出てきており、ある程度の市場を安定して確保している。

2つ目は、汎用イヤホン、汎用ワイヤレスイヤホン、汎用ヘッドホンである。元々、ウォークマンなどには専用のイヤホンが付属していることが多かったが、スマホではイヤホンが付属しないモデルの方が多いので(付属する製品もある)、これの市場が広がったといえる。特にワイヤレス製品の普及に拍車が掛かった。

3つ目は、汎用充電器の他にモバイルバッテリーのような充電デバイスの普及である。汎用充電器が普及したのは、標準で充電器が付属しないからだ。モバイルバッテリーが普及したのは、スマホは携帯よりバッテリーの持続性が低かったこと。一方で、スマホがあらゆる便利機能を飲み込んだことで、バッテリー切れが起きると困る実用用途が増えた事が影響している。


4つ目がスマホケースである。これは、小さな時で且つスマホが比較的安い時には女性など一部の人にしか使われなかったが、今は多くの人が利用している。端末価格が莫大に上がったことと、スマホ本体が大きくなりすぎて、ポケットなどからの落下事故が急増したからだ。

そして、最近はスマホ用のカメラ制振装置(ジンバル)や、スマホスタンドもラインアップが増えて、花開いている。スマホスタンドの中には拡大鏡のような機能を持つスタンドなど高齢者などを狙ったものもある。この手のアクセサリーの充実は、今もペースは鈍化したものの続いており、きっとこれからも続くだろう。


そして、スマホ自身も変化している。

例えば、当初はバッテリーが交換できる製品が主流だったが、iPhoneがバッテリ交換をメーカーでしか交換できない仕組みで普及させたのを皮切りに、交換用バッテリーというビジネスはなくなった。その代わりに、モバイルバッテリーが普及し、バッテリーの摩耗で処分される製品が増えることとなった。

SDカード(MicroSDメモリーカード)も当初は全ての製品でサポートしていたが、今では搭載されない機種も多い。これも、iPhone切っ掛けだった。ただ、スマホ以外での利用は増えており、消滅することももうないだろう。

当初は小型だったスマートフォンは今では、大型が中心になり、その一方で薄型になった。これは、熱の問題が避けられなくなったことも影響している。高性能な製品ほど、大型になり薄い金属筐体などを目指すようになった。そして、これはストラップ文化も終了させた。ストラップホールは既にスマホには搭載されなくなった。まあ、ケースなどでそれが出来るものもあるが……。

カメラも単眼から、複眼になり、液晶(LCD)だったディスプレイも、有機EL(OLED)モデルが主流になった。最近は折りたためるスマホもある。これからも、大きな進化はなくても、個性的な商品が出続けるだろう。



これらの部分から言えるのは、単純にそれが追い立て、統合して消えたり、生産量を減らして棲み分けるしか道がない不利なものばかりでもないということだ。売上げ高などの面で、大きかったものを失った商品市場もあるが、逆にそこから生み出された市場もある。アプリケーション市場や、サプライ品市場のように……。これらよいところも悪い所も見て、そこからよい意味で、発展を考えて行くことが、これからの社会の求められる事だろう。

特に単純にデジカメと言っているが、デジタルスチルカメラやビデオカメラに分類されていない監視カメラやアクションカメラが今は市場に沢山ある中で、日本人がJEITAやCIPAの数字に固執してはならないことを示している。そこに参加していないカメラ産業が、別の意味でカメラに求められる枠を変えてきているからだ。それは、スマホに立場を譲ることが難しい専用市場が、これからの柱になりつつあることを示しており、デジカメも滅びない程度に残るのだと、カメラの多様性として示し始めていることになるのだから……。

要は、カメラは既にスマホともデジカメとも別次元に向かって進んで多くのデバイスに融合している訳だ。その最初が、携帯電話だったに過ぎない。











































































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