Windows 11発表、ベースはWindows 10Xかな?…… ストアにAndroid x86の技術を導入した模様。サポートCPUは事実上Haswell以降。

Windows 11が発表されたようだ。既にリークが出ていたので、驚くような内容ではないが、マ社とAmazonとの繋がりが強まっているのが印象的だ。何せ、Android アプリをAmazonのストアでサポートするのだから。




コアはWindows 10X!?


このOSのコアはWindows 10Xなのはほぼ確定している。当初予定していた2画面タッチモデルであったSarface Neoが性能の不足なのか、半導体不足なのか知らないが遅れることになり、そこにSARS-CoV-2が重なったことで、PCがバカ売れしたこともあり、Windows 10Xのコアで全体を置き換えることにしたのだと思われる。Windows NT Neptune(5.0/2000 Homeの予定だった)と、Windows NT Odyssey(2000 Professional Second Edition相当になるはずだった)がWhistler(Windows XP)になった時に近いのかも知れない。
あのときは、カーネル自体をNT5.1に刷新して、Pro/Home(2001年)と2003 SV/IA-64(2002~2003)が開発された。

今回は、Windows 10Xという専用派生と、Windows 10に10Xの一部技術を組み込む方向であくまで、Windows 10がフルセット、10Xが派生になるはずだったものを、10を廃止する方向に切替、10Xを11に格上げして全体に適応する方向に切り替えたようだ。これは、何となくだがダブルプランがあったわけではなく、この半年~1年ぐらいで秘密裏に行われていたと思われ、思った以上に内部では好評だったのか、採用されることになったのだろう。

しかし、10Xの開発中止が出たのが4-5月頃で、11が出ることが分かったのは先月から今月である。
ここまで、関連企業でもごく僅かな人にしか情報が出ていなかったことがわかる。いわゆるサプライズである。
マ社としてここまで直前まで隠したのは、初期のWindows 1.0とか2.xとか、その頃を除けば、これまでのOSの歴史を見ると概ね初だろう。

そういう点では、今までのWindowsやMS-DOS、MS OS/2などとは比べものにならないほど短時間で、これからPC系のエンジニアには辛いヴァリテーション(相性確認)の作業が求められる訳で、死んだ魚の目のようになってしまう人も多いだろう。

チーン。合掌と言いながら、私も死んだ魚なような目をしている。


スタートメニューも変わる


今回の大きな目玉はスタートボタンの位置が中央に寄ったことだろう。ただ、消費者がこれを喜ぶのかというと……特段、喜びはしないと思われる。
ユーザーインターフェースを変更するのであれば、OSのブランドをWindowsから別の名前に変えればよいのにと私は本気で思っているが、結構そう思っている人は多いのでは無いだろうか?

そうすればWindows10が最後のOSとしていた辻褄も合っただろうに。何故消費者に既に浸透しているUIまで変えてWindowsに拘るのかがもう分からない。この辺りは評価が割れるところだ。


開発者のお財布に優しいストアとAndroidアプリ対応の謎


実際の売りはストアの仕様だろう。アプリ開発者に対するストアの扱いがより柔軟になり、ストアからダウンロードしたアプリでも、ストア標準を使わないオリジナルの決済システムをサポートするようになったことがポイントとしては大きい。
また、タイトルにも書いたがAmazonアプリストアを通じてAndroidのアプリを導入できるのもポイントである。これにはIntelが開発していたAndroid x86で培った技術が使われているようだ。 だから、Amazon アプリストアなのだろう。

一応、何故Google Playではないのかを書いておく。既にAndroid x86の提供はかなり縮小されているため、Google Playでは結構なアプリがx86版のAndroid環境では動かない。Android x86で動作するアプリはx86向けに作られた並列バイナリーが無いと動作しないという問題があるためだ。

AmazonのFire OSは最新版ではベースコアがAndroid 9.0 Pie(API Level 28、ABM32、今年の最新モデルからABI64対応)だが、Androidと名乗るための要件は満たしていない。何故かというと、Androidの要件を満たすにはAndroid Open Source Projectの指針に合わせて設計を統一しないといけないという要件があるからだ。それを満たさないような改良をするとAndroidを名乗れなくなる。

Fire OSの場合は、Google Playをサポートしないことや、いくつかのカーネル設定を変えることで、AndroidではないOSになっているわけだ。その代償として、最新版のAndroidでもなくAndroidと同じ機能をサポートした場合、セキュリティ上の問題も起きやすいという欠点もある、だからこそGoogle Playをサポートしていない。(だから間違ってもFire OSでGoogle Playをサポートするための野良アプリは入れないことだ。)

逆に言えば、Amazonのアプリストアは元のAndroidがサポートしていないものをサポートし易い環境とも言え、一方で最新のAndroid向けの機能をサポートしにくい環境になっているという意味でもある。これは、Fire HDなどを持っている人なら分かるだろうが、実際にAmazonのアプリストアにあるアプリの多くは、熟れた有名どころが一通り揃っているが、最先端のゲームなどは殆どない。Fire HDの性能が低いからと思っている人もいるかもしれないが、そもそも最先端のAPIをサポートしておらず、Androidと要件が同じでも微妙に違う側面があるからと言える。

ここを見てマ社が選んだのがAmazonだったのだろうと思われる。
そして、Amazonが今回Android 9.0 Pieから上にOSのビルドを上げなかったのもこれが絡んでいたからかも知れない。

現在、Android x86はAndroid 9.0R2まで開発が終わっているが、10.0は登場していない。
そう考えると、x86のAndroid 10が準備されるまでFire OSもアップグレードされないなんてこともあるのかな?ないとは言えない。

尚、このお陰でWindowsが魅力的に変わるかというと……はっきり言うがFire HDと同じアプリが使えるということが、Androidのスマホと同じ事が出来るという話ではないので、現段階での魅力は……。アプリがこの先増えればよいが、Fireは安価を売りにしているため、性能が付いていかないという問題があり、Amazonのストアにあるアプリの魅力はAndroidに比べて低い。マ社がサポートすることでこれから変わっていくかも知れないが、当初はMicrosoft Storeとどっこいかそれ以下だと感じる人も多いだろう。


まあ、新しいアプリをサポートすることよりも、今持っているソフトウェアが動くかの方がたいていのWindows利用者からすれば気掛かりだろうし、企業などだとあのハードのドライバーサポート終わってるけど、動くだろうか?という方が怖いだろう。まあ、そういう人や企業はまだ2025年までWindows 10のサポートはあるので、無理にアップグレードする必要もないと思うよ。どうせ、最初は不具合多いだろうし……。

最後はサポートするハードウェアの話だ。ちょっと回りくどく書いていく。

事実上終わるSandy Bridge Ivy Bridge(Core i 3000)までのCPU


今回、CPUの要件は32bitが排除され、64bitプロセッサーのみとそこでの切り離しだけに見える。Sandy Bridgeおじさんが安心しそうだが……

残念なことに
GPUの要件がWDDM 2.0対応に変更された。
これで、外部GPUを搭載しないPCを持っているSandy BridgeおじさんとIvy Bridgeおばさんは、事実上Windows 10止まりを余儀なくなれるだろう。

何故って、この2つのプロセッサーに内蔵されているIntel GPUはWDDM1.3までしかサポートしていないからだ。では何故、CPUの要件を変えなかったのか?それは、単純にIntel AtomのCPU性能を危惧してと考えれる。Atom系やAtom系Celeron、Pentiumは最新のTremontクラスでやっとSandy Bridge並である。そのため、CPU要件を下手に変更することは、Intelも認めなかっただろうし、MicrosoftとしてもSurfaceにAtom系モデルがあるだけに、外したくなかったと思われる。

結果、WDDM2.0のGPUを求める事で、事実上Sandy BridgeとIvy Bridgeを閉め出すことにしたわけだ。
もちろん、これらの製品でもiGPUを使わず、dGPUを使えば動く可能性はあるが、もう買い換えた方がよいだろう。

尚、AMDでもA/C/E系のAPUの殆どでWindows 11へのアップグレードサポートが終了することになる。
以下でThe following products have driver support for Windows® 10 and DirectX 11:の下に書かれている型番は対象外になる。

nVIDIAの場合は現行でドライバーアップデートをサポートしない製品は動作保証外である。以下が対象となる。

尚各社の製品でOSのアップデートが出来るかを確認するには、
Windows10のタスマネージャーを開き、パフォーマンスタブにGPUという項目があるかを確認すると良い。

WDDM2.png

上記は2つあるが、これが1つでもある場合は、メモリーの要件などが満たせばGPUはアップグレード出来るだろう。Windows 10のFall Creators Update以降(2017年秋の更新以降のWindows)でこれが存在しない場合は、アップグレードは出来ないので、Windows 10をそのまま使い続けて2025年にサポート終了したらアップデートは終わりとなる。それまでにPCを買い換えるためのお金を貯めることをお勧めする。

尚、アップグレード対象のPCでもWindows 11用の安定したドライバーが提供されるかどうかは各ハードウェアメーカー次第である。

とここまでなら、良いのだが……調べて見るともう一つ要件がある。
これより新しいものが必須となっているのだ。

何かというと、TPM2.0のサポートだ。Windows 10でも早い段階で必要としていた項目だ。IntelだとSkylake以降では初期モデルでサポートなしがあるかもしれないが、ほぼ標準搭載されている(有効になっているとは限らない)が、それ以前だと搭載されていないものもある。そのため、Haswell世代などもTPM2.0のサポート(これで初期サポートしているのは、モバイルだと1.2までが多い。正式サポートしているのは1.2まで、デスクトップはTPM2.0対応のモジュールが販売されていれば後から対応出来る機種がある。)は標準対応として対応していないはずなので、事実上切り捨てられる。※

まあ、これに関しては、もっと早く切り捨てられる可能性もあった中では長く持ったモノだ。

※最初から対応製品はIntel MEファームウェアをサポートしているモバイルプラットフォーム製品でfTPM2.0(TCG2.0)のガイドラインに対応しているものである。そのため、Surface Pro 3など限られた製品と、TPM2.0 Moduleを後から実装したものになる。(当時は1.2のモジュールしか売っておらず後からBroadwell-CとSkylakeの初期製品向けに登場)即ち、Haswellは外れるモノも多い。

尚、Skylake以降の製品と、AMD Zen以降の製品は全てfTPM2.0に対応済みのはずである。一部最初期ののみ例外もあるかもしれないがWindows 10世代であるため、原則対応している。動作しない場合は、BIOS/UEFIで設定を有効にする必要があるので注意すること。

ちなみに、アップグレードチェックツールも既に公開されている。


総評としては、パソコンを買い換える予定がある人には、ちょっと気になる製品であることは確かだろう。

ただ、Windows向けのゲームや開発系のソフトを使うわけでもないなら、別にChromeBookでも良いし、M1 Macでも良いよなと思う人も結構居るはずだ。
昔のようにフリーソフトがバンバン出てきて遊べる感じでもなくなってしまった昨今。Amazon経由のAndroidアプリがどれほど充実するのかが勝負になり、UWPが主軸ではない当たりが、今のマ社の厳しさを物語っている。

アップデートに関しても最後のWindows OSと言っていたのに11出しちゃうし。10のアップデートも不具合が年々酷くなっているし……と思っている人には、Windows資産を継承し続けるメリットは薄くなっており、後は慣れとか親しみとかその範疇で選んでいるに過ぎない人も多い。

これが、そういう人をWindowsから遠ざけていくか、それとも引き戻してくれるかは、実際にモノが出てみないとわからないが、ホームではローカルアカウントではなくMSアカウントの利用などが必須になっているなど、ネット接続が絶対要件になっている点なども含めて、2025年まで10を使い潰す人もいるだろう。

ただ、アップグレードが出来る人の多くは、一度移ってみて試す人が多いのは間違いない。結局、移って慣れれば、使うはずで、昨年は新規に買った人や買い換えた人が多いので、それを狙って今回急遽マ社はアップグレードに飛んだのだろうと私は思っている。もう、このタイミングしか次のOSを出せるタイミングは無かったというわけだ。

たぶん、これで期待した成果を出せなければ、マ社はOS事業から撤退するか、オープンソースに移行するつもりではないかと思われる。そういう点でも、アプリをAndroid互換のAmazonと共有する道を選んだのかもしれない。

そういうのが分かるのはまだ先だろうが、ストアの利益も他社より落ちる自由な仕組みに切り替わろうとしている今、MicrosoftからWindowsを切り離す計画があってもおかしくない。


尚、この記事は現段階で発表情報から見た筆者自身の予想や見解を含んだものである。



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