KRI Nanggala; 402(KRIナンガラ402)は何故沈没したのか?…… 事故か、故障か?それとも……予算の問題か?

AFPBBとCNNの記事である。


消息を絶ち、沈没が確認されたこの潜水艦は、インドネシア海軍のチャクラ級(Chakra-Class)と呼ばれる攻撃型潜水艦である。
ちなみに、製造元はドイツHDW(Howaldtswerke-Deutsche Werft)であり、U-209(Type 209)である。映画にもなったが、ドイツの潜水艦はUボートと呼ばれる。尚現在HDWの一般造船部門と造船設備はアブダビMARの傘下にあるようだ。(尚、軍事分野の設計技術は別と思われる)

駆動装置機関は、ディーゼルエレクトリック機関(電気ディーゼル機関)を利用した艦船であり、ドイツ製だけに大変優秀な潜水艦である。
尚、世界に名だたる潜水艦技術は、ドイツ、米国(元々は日本の伊の設計を取り込んだもの)、日本と旧ソ連などが保有していたが、近年は中国などにも技術が流出しているとされる。尚、内燃機関とバッテリによる駆動の最先端は、90年代~00年代初頭までは日本にあったが、今もそれが確保されているかというと……。


それはともかくとして、この潜水艦が製造プラットフォームで竣工したのは、1978年3月頃であり、完成したのが'81年7月6日、実際に引き渡されたのは、'81年10月5日である。元々は4隻建造される予定だったようだが、2隻の建造予算の問題から中止されたようだ。ちなみに、当該の402はチャクラ級2番艦のナンガラであり、1番艦の名称がチャクラである。

尚、この攻撃型潜水艦は型式としては古い機関であるため、2度のオーバーホールとオーバーホール+近代改修を行っている。1度は、90年代後半バッテリの交換などが行われている。2度目は00年代後半~10年台である。後者は大規模で大規模近代改修(これは船体を2分割程度に割って行うことが多い)とバッテリの交換が行われたとされている。故障など整備が原因だとしたら、改修が事故の原因という可能性も無きにしも非ずだが、改修後10年近く経過しているので、近代改修以外のいわゆる港などでの一般点検整備に見落としがあった可能性の方が否定できないだろう。

まあ、どちらにしても船体が割れているという点と爆発は起きていないようだという点からみると、事故は整備不良か、何かにぶつかったことで起きているか、または船内火災などで酸素を失ったことによる船員の意識消失または操船ミスのいずれかだと思われる。これらを調べるにはサルベージ船で引き上げることが出来るかどうかに掛かっているが、軍艦は機密の塊であり、信用のおける企業に頼む必要があり、予算も掛かる。しかも、潜水艦等の軍艦は一般の船舶と比べて装甲が厚く、隔壁なども多い。

それ故に沈むと、引き上げが簡単にはできない。

特に潜水艦はソナーなどによる探知を極力防ぐため可能な限り流線形をしている。
そのため、サルベージするにもワイヤーなどを引っ掛ける場所がなかなかなく、潜って引き上げワイヤーなどを設置するのも難しいだろう。

このように考えると、深さから考えても引き上げは行われず、海底をカメラ調査した上で、残骸の推定位置と、破断している場所から、事故原因を究明する形になると思われる。


数年前アルゼンチン潜水艦沈没の際には、汚職賄賂などによる整備不良があったとも言われている。
今回の事故でそういうことが明るみに出ることが無ければ良いが、難しいものだ。

この数十年どの国も経済が発展した国では、比較的平和になり軍事費の世論による削減の求めと、中国などの海洋進出との間での板挟みが、広がってきた。そして、予算を削減するために、安価に請け負ってくれる国に、修繕や新しい武器の開発や製造を委託したり、自国の技術で行う国も増えてきた。それらが、結果的にこういう事故を増やしてしまう状況だけは避けなければいけない。これは、軍事に限ったことでは無く、全ての安全技術に対して言えることだ。


尚、日本でも別の形でこういうことが起きる可能性は、高まっていると言える。
癒着する政治家も多く、中抜が行われる事業も多いためだ。元々物作りは作る人が求める予算を計上して作り上げなければいけない。

しかし、この国では既に、大きな企業が事業契約を結んで、下請けにいくつも迂回させてから、アルバイトや派遣社員が薄給で頼まれた最小限の仕事をする国になった。これでは、技術は残らないし、新しい技術は生まれない。むしろ、技術が漏洩する可能性の方が高まる。こういう国になった日本は、中国などへの技術流出も進んできた。これはインドネシアという別の国の話であり、韓国でオーバーホールしたからとか言う人もいるが、これを見て日本は本当に大丈夫なのか?同じような事故がこの先起きることにならないか?というのをしっかり考える必要があるだろう。

実際、この10年ぐらいは日本は大丈夫と言いながら、結果的に日本でも似たようなことが起きることが増えているのだから。








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