「電源タップにも寿命があります」火災の原因にも …… 寿命と事故を混同した酷い記事。

酷い記事だった。事故(誤使用や点検の不備)と寿命(絶対に壊れる限界点)を理解していない人が書いているから、こうなるのだろう。そして、FNN(フジニュースネットワーク)が、ちゃんとこれらの部分を校閲していないのも問題だ。まあ、他のテレビ局や新聞社も結構やらかしているが……これは酷い。

寿命というのは、命数とも呼ばれる。簡単に言えば人や動物で言う老衰の時期である。病気等が無くても、それ以上は何がどうひっくり返っても、絶対に超えられない命の炎が消える日であり、生き物の場合は、遺伝子に組み込まれた分裂の上限に基づく限界である。人の場合は、絶対限界が120年とされるが、たいていの場合はそれよりだいぶ早い時期にやってくる。

家電や車両や機械などの道具も同じで、多くの場合、寿命になるとどんなに新品同様に大事に使っていても、パタリと使えなくなるとか、折れて仕舞うとかそういうことが必ず起きるものである。

尚、寿命と事故は別物である。

一般的な電化製品や、機械製品、輸送運輸製品における、寿命は、破損による火災などを伴わず使えなくなる。損失はその商品が使えなくなるだけのことだ。どんなに愛着があってもその日を境に使う事は出来なくなるから悲しいことだ。これを寿命を全うしたという。

火災などの損失・損傷に繋がるものは寿命では無く事故である。これは、使い方の間違いなどによって生じる物と、製品側の欠陥によって生じる物の2つがある。前者は、ユーザー側の責任、後者は作っているメーカー側の責任になる。どちらになるか確定していない責任も時々ある。
事故は寿命とは別物であるが、電化製品、機械、輸送運輸製品の場合は点検の不備や使い方の誤りで生じるユーザー事由もあることを忘れてはいけないし、メーカー事由もゼロではないことも合わせて理解しておかねばならない。


この違いを理解していないから、こんなAN・PON・TAN(あんぽんたん)な話になる。

この記事の問題点は、いくつかあるが、一番の問題は、3年から5年で寿命が来てしまうと書いていることだ。
事故と寿命の違いが分かっていたらこんな記事にはならない。ここが問題となる。そして、ここが悪いからメーカーの問題と、ユーザーの問題をわけることも出来ていない。即ち、駄記事になるわけだ。

そもそも、延長コードが適正な使い方をしていて3年や5年で寿命と呼ばれる火災がやって来るなら、それは粗悪品であると言われるだろう。
元々延長コードは、どこにでも使われ、使える品だからだ。場合によっては屋内の戸屋裏内部配線で、生活している人が気が付かないところで存在している可能性だってあるかもしれない。そういうのも含めて考えると、この発言は酷いとしか言えないし、この発言をそういう製品を作るメーカーの団体が言っているなら、ちょっとこの国はおかしいし、この団体は不味い団体だ。

それを堂々と発言したということは、対象の会社はそういう品を作っている恐れもあるということだ。
被覆材や内部の結線材に劣化し易い物を使っている可能性もあるということだ。もし、そんな製品を作っていて、PSEマークを付けているなら、そのメーカーに対して消費者庁などが調査するべきだろう。

また、高温になる場所で使わないというのは、使い方だけでは無く温度をちゃんと示さないと意味が無い。
高温にもいろいろあるからだ。人によっても、高温というのは感じ方が変わる。そして、ケーブルの種類によって温室条件は変わるというのも注意が必要な点だ。通常は、こういう曖昧な見解を示すべきでは無い。まあ、日本政府が会見で曖昧に終始するので、こうなってきているのかも知れないが……。

買ったコードに書かれている注意事項に従って、温度や使える電流・電圧の範囲内で使ってください。必ず、説明書きを読んで下さい。と言うべきである。(たいていの場合、当該の記事で書かれている内容は延長コードの説明書に書かれている事故防止のための注意書きに書かれていることと同じである)

尚、現在販売される延長コードセットはPSEに基づく基準を満たす必要がある。


その中で、延長コードを束ねて使う事は禁止する旨を説明書や外装などに掲載するよう取り決めが成されているのでこれは当たり前である。
また、電流や電圧などの容量規定は、ケーブルの外装に記載されたり、コンセントプラグを差し込む場所に必ず明記されているので、それと繋ぐ電化製品の定格電力や最大電力を確認して使う事が求められる。

後は、説明書に書かれている注意事項や禁止事項をしないことである。具体的には思い家具や椅子・机などで配線を踏んだりしないこと。濡れた手でコンセントに触れない。ケーブルの耐火温度を超えた高温になる場所で使わない。{暖房器具やガス器具の熱が直接当たる場所(水平または直上)などでの利用は禁止}。埃や湿気がコンセントプラグに付かないようにするなどだ。

それを守れば、通常の延長コードは短期間で壊れることはないはずだ。

問題はここからだ。
PSEで定める電気線の基準を満たしたものは、屋内用であっても出力/入力の規定量内であり、適正な利用をしているにも関わらず、発火などが生じるということは数年では殆ど無いはずだ。もし、それが頻繁にあるなら消費者庁などに商品について相談した方がよいかもしれない。

PSEでは二重被覆を推奨しているため、屋内での光線劣化も規定では殆ど起きないはずだし、熱量も規定の温度下で規定の電流電圧の元なら殆ど発生しない。但し、屋内用を屋外で使って補償を受けられるものではない。(屋外用は防水等の基準を満たすことになる)
適正な利用(掃除などもしっかりしているもの)で3年から5年で壊れる品なら、それは不良品である可能性も出てくるかもしれない。特に、踏みによる短絡などがなく発火するようなことがあるなら、リコール対象になり得る。

即ち、しっかりした品なら燃えることなど決してない。それでも燃える場合は、ユーザー側の責任では無く、メーカー側が質の悪い物を売ったことが原因になるため、リコール対象になる。場合によっては、行政処分対象になるだろう。即ち、ここがおかしいのだ。

もちろん、漏電遮断や、落雷サージ機能を持つ製品だと、電圧や電流の変動が大きい場所で使うと、内部の保護回路が数年で壊れることもあるかもしれないが、火は出ない。況してや、ただの延長コードで何も付加機能がないなら、壊れること自体が希だ。ただの、延長コードだからだ。特別なパーツが使われていることもない。むしろ、それの差し込みが馬鹿になるとか、そういう問題があって、且つPSEマークがある製品なら、消費者庁などに確認を取ってそういう企業を是正して貰うことも大事なことだ。

メーカーが言うから、その通りにするのが好ましい訳では無い。本来メーカーは基準に沿った壊れにくい品、ユーザーに害を与えない品を作る責任がある。その責任に免責を与えるために、説明書通りに使っている物でさえも、長く持たないかも知れない、況してや燃えるかもしれないと思わせる報道は慎むというより、あってはならない。だって、手順通りに使っていて燃えるというのは、ユーザー側の不注意じゃないからだ。本来は、メーカーが被るべき責任であり、それをユーザーに投げている時点でおかしいのだ。

そして、それを報道しているFNNもどう考えてもおかしい。

スポンサーが必要だからと、団体に媚びているのかもしれないが、こういう酷い報道が増えると、商品の質の低下を容認することにもなりかねないからだ。
報道する側の人達だって、結局はこういう商品を買って生活しているはずなのだ。だったら、回り回って結果的に自分がこの害を受ける可能性があることも踏まえて、ちゃんと記事を精査し作らないと、こういう記事が嘘から出た実のようになり、5年経って火事の原因が、タップだった。5年で交換しなかったからとか言われる時代になってしまっても文句が言えないという時代が来る切っ掛けにもあるかもしれない。


しかし、なんでこんなことになっているのだろうか?

それは、結局事故と、寿命を混同しているからだ。事故を防ぐには点検が欠かせない。本来は、毎年最低でも1回はプラグ周りの掃除をする必要がある。
なぜかというと、特に冬前と夏前の梅雨時期は、結露や湿気によって、トラッキングが発生することがあるからだ。だから定期的にコンセントプラグ周りの掃除と緩みがないかどうかの確認をするのが好ましい訳だ。(もちろん全ての場所で出来るとは限らないが、見える場所ぐらいはやった方がよい)

それを、いつしか間違って解釈するようになったのだろう。この団体が……。
本来寿命が、そんなに短くてはいけない。これでは、扇風機、冷蔵庫などの家電製品より寿命は短くなる訳で、コードがそれではもっと複雑な家電製品など頻繁に買い換えねばならなくなる。これらの生活家電の寿命は10年であり、それを過ぎた場合はいつ壊れてもおかしくないため、点検を推奨している(というか部品の保持期限がそれより短い商品もあるので、実際に点検できるかは別問題である)。
一応、最近は短絡などによる発火を防ぐため故障回路を搭載し、ある条件を満たす故障が生じた場合、無理すれば動く場合でも、動かなくなるような仕組みとなっているだから、そこを過ぎて不具合が出ると最近の品は火も出ずに寿命で壊れることも多いのだ。そう、家電製品は今では、使い方さえ誤らなければ、寿命がちゃんと出来るようになった訳で、それを繋ぐ延長コードが、燃えるかもなんてあり得ない。


延長コードにそれと同じ機能があって、3年から5年なら確かにそうなのだろう。ただ、これは違う。火災の原因にも……と書いているからだ。


即ち、事故がそのぐらいで起きることが多いというだけだと思われる。それは故障や寿命では無く、いわゆる人が模様替えや小型家電商品の買い換えなどをするライフサイクルが原因だと思われる。配線の整理などをして繋ぐ物が変わるタイミングなどに事故が起きやすいということだ。延長コードのつなぎ替えの時に、ケーブルの出力と合わない電化製品と繋いだり、コンセント周りの汚れを綺麗にせずにつなぎ替することで、燃えることがあるとかそういうケースが多いのだと思われる。

本当はそこをちゃんと説明していれば、それだけでよかった。
しかし、それを寿命と唱え、況してや火災に繋がるかもと繋いだことで……大嘘になってしまった。

これは、我々消費者も理解すべきことだが、事故と寿命は別だ。寿命とは命が事切れることであり、決して抗えない運命にある終わりの瞬間だ。寿命の多くは事故とセットにならない限り他人を巻き沿いにしない。簡単に言えば、寿命で倒れることがあったとして、その前に他に人や物があって、巻き沿いになったなら、それは不慮の事故とセットになる。

しかし、寿命で命の炎が切れた時に、別の炎が湧き出して、事故になるなら、それは寿命では無くそもそも故障による事故だ。
故障の原因が、ユーザーにあるか、作った側にあるかを検証する必要はあるが、事故なのだ。
それが、日本人に理解出来なくなれば、この国は物作りどころか、経済も社会も滅んでいくだろう。自分が作る物、自分が使う物に対する責任の在り方を、その都度誰かの都合が良いように変えていくようになれば、もう良いものは作られなくなるからだ。そうならないことを願うが、だんだんそういう方向に向かっているような気もする。






























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