Intel、2023年に7nmのコンピュートタイルを持つ「Meteor Lake」を投入……目処って、また遅れてますがな!

PC Watchの記事である。これを見て素晴らしいと思ったあなたは、ゲルシンガーマジックに掛かっている。


<Meteor Lakeは当初2021年⇒2022年(昨日まで)だった。そして今……>

⇒2023年になったわけだ。果たして本当にその通りの計画で実行されるのかは分からない。
目処が立ったということだが、これは準備が出来たのではなく、目処が立った(実行できそうな日取りが見えてきた)に過ぎない。
そして、これトップの言い回しの問題でイメージが違っているというだけであることが分かる。

要は、2022年の予定を23年に延期と言えば、悪いイメージになるが、目処が立ったので2023年には出荷するぞと断言すると、22年の品が23年になっても、やっとまともになるのか!というイメージが付くわけだ。

まあ、発表の通りなら、多分Intelは次の7nmもハイパースケーリングを捨てる選択をしていると思われ、目下アーキテクチャの見直しとテストも行われているのだろう。もしかするとTSMCから技術ライセンスの一部を取得する方向かも知れない。(これについては、発表がまだされていないので、協議が行われているのかも定かではないが)

だから、23年は死守するという発表会でもあると思われる。

これは、何があっても死守したいはずだ。今、欧米では、中国とロシアの共産、社会主義圏に対する脅威度が上がっており、中華民国(台湾)の中国による完全吸収が行われるのかどうかについても、かなり脅威度の高い話題として、見られている。中国が台湾をもしも、香港のように取り込もうとすれば、台湾海峡を挟んで紛争では無く、戦争になる可能性もあるほどに……。

日本ではその話は殆ど成されないが、現実問題として台湾にはTSMC、鴻海精密工業、ASUSTek、BenQ、RealTek、MediaTekなどなどハイテク企業の本社が集積しており、いずれの企業も何らかの世界No1シェアを有している。

しかも、台湾は検閲対象にはなっていない自治領(国として認めている国は少ない。日本も台湾を国として認めていない)であるため、いわゆる民主社会故に、ハイテク産業の拠点となり得た。

ただ、これが中国共産党によって法改正までされた香港のようになれば……この先、台湾にあるハイテク企業は、一気に厳しい状況に追い込まれるだろう。テンセント、アリババなどのように。これらの中国企業は、業績の影響もあるにはあるのかもしれないが、社長の交代が最近進んでおり、アリババに至っては、メディア事業の売却を強制されようとしている。即ち、強い検閲を入れたい政府の意向が働き始めているわけだ。民主的でカリスマなトップをおくと、それが中国共産党にとって脅威になり得るため、こういう部分にも影響力を与えている訳だ。

これが多分台湾でも起きることになる。そうなると、そのメーカーから部品を納入しつづけるのは難しくなることも予想される。香港問題を見れば分かる話なのだ。

そうならないように、守りたいという発想が、欧米にも出てきているわけで、紛争や戦争もあるのではという話も少数だがある。
日本のように台湾を独立国として認めていないところも多いので、戦争とはなりにくいだろうが、少なくとも時間稼ぎをして、技術移転が民主的な間に行われるかどうかは関係なく、台湾が中国に飲みこまれれば関係性は変わっていくだろう。

もし、吸収され完全に統合されれば、半導体は中長期的にSamsungとIntelなどのファウンダリーにシフトせざる終えなくなるかもしれない。
その前に、Intelの体制を少なくとも、TSMCやSamsungと同等にはしておきたいというのが、米国の狙いだと思われる。

もう一つの、x86のIPを供給する理由は、単純にIntelとしてプロセッサー領域を広げたいだけだろう。自社でアイデアを出すのには限界があるので、他社に頼まれればオリジナルを作るよとか、一緒に設計してARMより良い製品を作らないかという話だ。Fabの準備に遅れ停滞したIntelは、自社のプロセッサーだけでは今後、製造量に対してファブの稼働率が下がる可能性があると見ているのかもしれない。そうなる前に、戦略を転換していこうということだろう。


実際に、Meteor Lakeの1年延期で、且つ一部を単純化するという話があることを考えると、1年前の計画から見て、例え今回の発表通りに推移してもIntelが狙ったとおりのプロセッサーからは2023年時点でも後退すると思われる。即ち、状況としては決して楽観できる状況ではないが、守りの説明をしても評価は得られないから、敢えて攻めの発表をすることにしたというところかもしれない。

どちらにしても、2021年の後半~2022年の初頭にAlder Lakeが登場し、その後1年はそれで凌ぐのがIntelの計画ということになる。

果たして、それで徐々に低下してきているIntelの求心力が維持出来るのかと言われると判断は難しい。今は、半導体の製造ライン不足でIntelの手(プロセッサー)でも借りたい状況だが、世界情勢や社会の変化も見通しが立ちにくい中で、Intelの計画は後ろズレする定番だけは見通しが立っている辺りが、残念である。

まあ、何度も書くがこれはきっと死守するはずだ。しないと、ファウンダリーとして見た時に、米国の威信という点でも、評価が下がりかねない。
中国がもしもTSMCのある台湾を完全に飲み込めば、半導体産業の先端技術は中国本土にも流れていくのだから……。Intelにはそういう重責ものしかかっていく可能性の方が高い。

しかし、今後が難しいのは、Intelもそうだが、AMDやnVIDIA、Qualcomm、Appleなどのファブレスメーカーも現実問題として厳しい状況が始まっている。
彼らは、より良い製品を設計していても、それを作る製造工場が現在パンク状態にある訳で、作れば作っただけ売れるのは確かだが、その作る工場がない。さらにその工場をもつメーカーの本社も地政学的リスクに曝されている。コロナ渦という未曾有というかある種の人災を含めた災難を見れば、地政学的リスクがゼロになるとは思えない。むしろ、今回疲弊しバランスが崩れた経済の影響で、これは拡大していくだろう。

そう考えると、彼らもTSMCやSamsung以外への委託ではない選択を考えなければいけないときが来ているのかもしれない。


世の中はあらゆる方向で、机上の計画や会議での計画通りにことが運ばない時代に突入してきている。技術も簡単に革新できる時代じゃ無くなり、1つの技術が量産出来るまでに掛かる時間は、年々伸びている。その割に、利益は生み出さない。未来の技術開発において遅れる状況が5年以上続いているのに、目処を強気で発表できる企業はまだ幸せである。




















ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント