4K8K放送機器が600万台突破、「五輪までに1,000万台目指す」…… もう凄いとは殆どの人が言わない。

AV Watchの記事である。


A-PABがBSデジタル20周年を前に行ったイベントでの発言だそうだ。テレビとして4Kを見たいから買う人は、この1年2年の間に激烈に減った気がする。
テレビを買ったら4Kだったが、購入動機の過半数だろう。

こうなってしまったのは、ハイビジョンでも事足りることが理由ではなく、視聴用の地上波コンテンツがろくでもないからである。そして、BSもさほど凄いコンテンツをやっている訳ではない。当初はBSではプレミアムコンテンツを結構やっていたが、少なくとも民放は他の有料放送やネットとのコンテンツ獲得競争に阻まれ、さらに取れるCMスポンサーが地上波より増えないことで、窮地である。だから、結果的に韓流番組をとか、ショッピング番組ばかりを流したりとか、最近はアニメーションに力を入れたり、地上波昔やっていた午後帯の再放送番組がBSに移った感じになったりとかしているわけだ。

その結果、地上波とんでもないほど情報番組だらけになった。すると、購入動機も故障したから買い換えたら4Kだったというオチになる。

それなのに「まだ」600万台なのだから、かなり厳しいことが分かる。4Kテレビが登場してから、数年……アナログ時代のMUSE HD放送より輝きがない。


<価値は変わった>

尚、テレビの役割もここへきてやっと変わりつつある。ハブデバイスとして徐々にGoogleやApple、Amazonの画面クローン技術が搭載されるようになり始め、使われるようになってきた。その結果、テレビでテレビを見る使い方から、テレビでスマホの画面やスマホから制御した映像を見ること、テレビのリモコンでAbemaなどのコンテンツを見る人も以前より増えてきているようだ。

長いこと定着しなかった技術が、テレビ放送の不甲斐なさのお陰で定着しつつあるのは、ある意味放送局様々だろう。逆に言えば、これ以上情報番組とか増やしていくと、多分放送局は心から要らないと消費者にそっぽを向かれ始めるぐらいまできていると言える。

また、4Kテレビの在り方も変わりつつある。今後はテレビ=テレビとしてではなくなるかもしれない。
実際に、PS5などを購入する人は、テレビを比較的上位の製品に買い換える人も多いようだ。その一方で、テレビだけの目的で上位のテレビを買う人は徐々に減っている。そもそも、BSで4K見るよりも、Ultra HD Blu-rayを見た方が画質は良い。それが、テレビのためより媒体の為という雰囲気を作った最初のテレビとなり、今ではゲームなどのディスプレイ用途の方がウェイトを占めようとしている。

これは、これまで日本の放送技術が発展する中で、過去に1度もなかった。アナログのMUSEハイビジョンは圧倒的だったし、デジタルのBS Hiも24~28Mbpsと当時圧倒的だった。しかし、BS4K/8Kは政治家がお馬鹿なことに、まだ行えてもいないオリンピックに間に合わせると前倒ししたがために、UHD Blu-rayより低い品質になってしまった。それこそ、MPEG-H Part.3(H.266/VVC)が策定された今年を境に本来は来年、チューナー仕様が策定されて、再来年40Mbps~100MbpsでBS 8K/4Kが登場していたのだろうが……


ついでに書いておくと、需要があればUHD BDもVVCを使って8K UHD BDを投入することが出来るだろう。これが出てくれば、解像度のアドバンテージも含めて、全て日本のBS放送は負けそうだ。何よりパッケージに負けるだけなら良いが、AV1が普及し始めて、ネットコンテンツが4Kや8Kに向かっていくことが万が一あれば、そっちの方が高画質で質が高いという結果も有り得るだろう。

その中で、600万台で1000万台を目指してますというのは、なかなか勇気のいることだ。はっきりいってJEITAが600万台と言うならよいが、放送サービス高度化推進協会(A-PAB)がそれを言っていると、自画自賛している場合じゃなく、協会の推進メンバーのテレビ局などと、日本にある彼らが持つコンテンツの在り方や、今制作している地上波放送に対する質の在り方について本気で考えないと不味いぞと言いたい。





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