9月ショッピングセンター売上高は前年比21.6%減=協会 …… 前年比で見るなら最短来年の2月3月頃迄厳しいが……現実はもっと非情か?

ロイター通信社の記事である。


SC協会の数字ではSC販売統計調査報告の9月単月の速報集計で、消費税増税前の駆け込みがあった昨年より21.6%減となったそうだ。

尚販売統計の過去データは以下で確認できる。

それを元に、この5年間の状況を纏めると、以下のようになる。
JCSC_1509-2009.png
サンプルは常に1000SCである。そのうち有効回答率がxxx/1000で表として纏めている。
2020年9月は-21.6%という脅威的な悪さだが、前年の消費増税前の駆け込み需要というのを加味しても、2.6倍落ち込んでいる。
はっきり言って、2016年の4%減をとり戻すのに3年掛かったのに、2020年9月の今年はそれを遥かに凌ぐ勢いでSCの売上げは低迷していることになる。

もちろん、これは小売り全体ではなく、ショッピングセンター(複数の商業テナントが集まったショッピングモール-クローズドとは限らないので注意)に該当する商業施設であり、該当する店舗は以下のPDFに記載の店舗(2017年現在で3217SC)のうちの480~500店舗の話であるため、全ての店舗型小売業がこの数字に当てはまるわけではない。

この20年はSCの増加によってSC同士の競合も酷かった。そこで飲食、アミューズメントの売上げを伸ばしていた事業者は多い中で、それも上手く売上げに貢献できていない。大きな施設に沢山の人が集まるという滞在型という状況が感染を生み出すため、多くの人は屋内型の施設だと、長時間滞在しなくなっているからだ。

即ち、映画館やフィットネスジム、新形態ゲームセンターや遊び場など「こと消費型」にシフトしようとしていたが、それが結果的に三密を生み出す環境となったことで、稼働率を下げたり、衛生管理を徹底せざる終えず、売上げを落としているのだ。

ただ、記事によると映画は徐々に持ち直しているそうだ。映画館でマイクロクラスターといった報道が流れない限りは、暫くは映画館も前月比でプラスにはなるかもしれないが、前年比プラスになるのは、最短でも来年の3月以降だろう。

現実はもっと危険だが……。

<間違いなくこれから2年3年で大きく変わる社会>

今年の自粛が始まった頃に比べて、来年はマシになっている可能性もあるだろうが、人口も減っているこの国で、完全に戻る日がくるかというと極めて厳しい。今も世界で感染が減る傾向はない(死者は減っているが)のが、生活スタイルの見直しに伴う定着という諦めに変わりつつあるからだ。
生活のスタイルが1年違うと、子供など順応性が高い世代は、それに慣れていくものだ。それが便利だと思うものや、より安全であると思うようになれば……完全には戻ってこない可能性もある。

特に乳幼児などは、一歳の時に外ではマスクをする生活を始めたら、それは1年も経てば当たり前の日常になるぐらい受け入れることもある。そういうのを感じている保護者もいるだろう。子供は経験が浅い。だからこそ、短い期間の強制でも、それが人生の何分の1ではなく、過半数になる訳だ。すると、それが日常の標準であり当たり前になる。それが染み付けば、社会は大変革を起こす。大人が幾ら元の生活にと思っても、三つ子の魂百まで……が根底では染み付くわけだ。

乳幼児だとそれぐらい極端だが、多感な思春期の子供、学生なども今回の影響は受けている。
以下は、米国心理学会のレポートの記事だが、米国でZ世代(18~23歳)の心理的不安感が急増しているということが書かれている。

景気が大幅後退をはじめた事、今の大統領選挙の状況、さらにウィルス感染の拡大による各種不安(行事やスポーツの自粛など)が重なり、彼らの未来計画は大幅に狂ったのだ。今や、自分が夢に見ていた未来は来ないかもしれない、絶望的だと思っている人が若者に急増しているのだそうだ。だから、その不安に対して社会や家庭で何が出来るかなどがレポートで書かれている。(ちなみに、労働者や他の世代の精神状況の変化も書かれているが、Z世代ほど悪化はしていないようだ)

日本の心理学会はこういう一般向けのレポートを出していないが、米国はこういうのがあるのが凄い。たぶん、皆保険制度ではないからこそというのもあるんだろう。

それはともかく、こういう若者の心理的な変化は、今やってはいけないと言われ始めたことに対して、短期では失望する。しかし、中長期ではそこで、諦めなくても良い新しい楽しみ方を標準化しようという動きに変わっていくものだ。それが、徐々に起きてくるとどうなるかというと、これから2年3年後にコロナを克服できたとして、去年以前の状況が戻ってくることは……難しくなっていく。大人が築いた世界を、これから大人になる子供達が今回の反省をして、変え始める訳だ。

そのように考えて、観光、飲食、販売業は新しいスタイルを考え続けないと、なかなか厳しいだろう。SCなどで大手や資本力がある事業者ならそういう模索を凄い勢いで進めるだろうが、それでもどれだけのSCが生き残れ、どれだけのSCが消えていくか、またコロナのお陰で今好業績の業種も、果たしてそれがコロナ後も生き残れる証なのかというと……現実はそんな軽い話にはならないだろう。

特に、中小や個人のお店、地域の零細SCなどはこの辺りをいつかは戻ってくるではなく、テナントの在り方や店の雰囲気作りも含めて考えていかないと、厳しくなりそうだ。

百貨店がウンタラという記事が国内では今活発だが、そんなもう何十年も落ちぶれることが分かっていた業種全般の話より、コロナ後の世界が2年3年で同じ状況に戻るだろうという考え方に対して、もっと真剣に見極めて行く話をしていかないと、窮地を脱することが出来ない企業を増やすことになるという方が、今は喫緊の問題であると考えるべきだろう。




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