Arm用Windows 10が64bitのエミュレーション動作に対応、現在はInsiderで …… 果たしてAppleのためかそれとも……

PC Watchの記事である。


AA64(Arm Architecture 64bit)のプラットフォーム(2020年9月現在はSnapdragonのみ)でのx64(x86-64)対応ソフトウェアの実行をサポートするシステムサービス(実行環境/VM/Virtual Machine)がテスト段階に入るという。

Insiderで11月からテストを開始するそうだ。
ただ、実際にそれに触れて書かれている内容は、たったの1行の文字列で、Windows On ARM でのアプリケーション開発やOffice Appの内容の方が、長く書かれているので、来年早々の2103のアップデートに載るかは分からない。無難にいくなら2109のアップデート、最悪2203までには導入するつもりだろう。


タイミングとしてみると、初代のApple Siliconには間に合わない可能性がある。
まあ、そもそもARM macが仮想環境をサポートするかどうかは分からない。例え、ホストして仮想環境をサポートしてもマイクロソフト社がWindows On ARMを単体で店頭またはオンライン販売してくれないと、Windowsを入手することが出来ない。Intel Macを用いてWindowsでの作業をしていた人は、その辺りの状況が分かってから、将来のApple Silicon macを選ぶのか、PC(Windows PC)を選ぶのか、はたまた今Intel Macを決めて買うことをお薦めする。

プレビューのタイミングから見ると、Microsoftがこれに舵を切ったのは、Intel側の限界が影響しているのかもしれないと思えてきた。

Tiger Lake-Uがクロックを抑えれば、モバイルでも何とか来年は持ちそうな雰囲気なので、それが耐えられる間に、ARMへの最適化を進めないとMicrosoftにとってはOSのライセンス数が減りかねない状況になるとかそういう懸念だ。それだけ、Intelの低電力技術が期待出来ないと言うことでもあり、歩留まりが悪い(出荷出来る数量が少なくなる)ことを懸念している可能性がある。

思った以上に電力枠が広いTiger Lake(ラインナップを少なくして広い範囲をカバーしている)やAVX2も有効にしなかったLakefieldを見ると何となくだが、Intelが今後供給できるクライアントプロセッサーの数量などにも懸念が出はじめているのではないかと私は思っている。逆に言えば、Intelもクライアントの数量を減らしサーバーの方にシフトしたいという気持ちを持っている可能性も否定できない。サーバーやエンスージアストは元々大型のコアを使うので性能がある程度競合と競えるラインなら、付加価値を高くして売ることが出来るからだ。言い方は悪いが、雑で歩留まりが悪いノードでも、サーバー用なら高く売れて利益が出るって訳だ。

そうなると、ファブレスでTSMC頼みのAMDだけでは数量が確保出来ないため、ノートPCのような基本的に組込と大差ないハードウェアは、Armに逃がすのが合理的である。もし、AppleがSiliconでWindows対応をしないなら、ここに、Appleのそれもたまたま重なっただけだろう。Apple自身もIntelの歩留まりが悪化していることは知っていたはずなので、たまたまじゃなく同じ時期になるのは必然だが、その可能性もある。まあ、MicrosoftがARM版のWindowsを単体で出すなら、マ社は両方を踏まえたのだろう。

ちなみに、IntelのTiger Lakeに次ぐ製品群Golden Cove世代の製品も、少なくともデスクトップ版の熱設計電力は良くない恐れが示されている。AMDのZenシリーズは徐々にその部分もカバーしつつあるが、今の段階でもx86のシェアは3-4割前後程度(コンシューマの一部製品群では~6割ぐらい埋めている製品もある)であり、まだ6割以上がIntel製品とされる。これを更に増やすにはAMDの努力だけでは足りず、製造を委託しているTSMCがそれに乗り気になってくれないと厳しい。そんな中で、Intelも7nm世代ではTSMCに負ぶさる見込みだ。

即ち、今Intelの歩留まりが安定しないままで10nm⇒7nmと推移すると、TSMCの状況次第で、早晩製造するパソコンの製品数量が確保出来なくなる恐れがある。だから、x86に固執するのは拙い。だったら、x86じゃなくても使える部分は、混在に進んだ方が良いと言うわけだ。例え、多少オペレーション性能が下がっても……。使う目的が限定されているなら、Atom系でも納得して使う人はいるぐらい目的は多様化しているのだから。

Intelも、もしかすると、徐々にそちらに傾いているかも知れない。Altera CorporationのFPGA事業があるため、IntelもARMを製造することは出来る。既に技術はMarvell Technology Groupに流れているが、Digital Equipment Corporationから買収し、自社でオリジナルの改良を加え続けていたStrong ARM(Xscaleブランド)も作っていた歴史がある。

10nm以下の大型ダイでは欠陥率が高くなるというだけなら、フロントエンドでの複雑な分岐デコードが少ない、ARMベースのモバイルプロセッサーに置き換えることでダイを小さくして自社のDGグラフィックスを使う選択肢も出来るからだ。歩留まりが安定しにくい少し大柄なx86を作るより、1割でもサイズが小さく、欠陥率を下げることが出来るARMベースの方が利益は出やすくなるとしたら……ということだ。


まあ、実際にIntelがそういう方針に向かうかは分からないが、可能性として、結構高まっているように思う。
むしろ、その選択をIntelがしないなら、2030年にIntelはCPU製造や設計をするメーカーとして認識されなくなっているぐらいの変化がこれから起きる可能性も出てくるだろう。何せ、リーマンの時もITバブルの崩壊の時も、前と後では社会生活として意識しなければ大差はないように見えたが、廃れるものと、売れるものの落差は大きかった。即ちトレンドは大きく変わったからだ。
 コロナ後という世界も相まって、PC(Windows)というプラットフォームも、長年続いたx86では古いと言われる時が本格的に近づいているのかもしれない。
x86じゃなければと思っている人は、そうなるかは分からないが、なる可能性も踏まえる必要があるだろう。

即ち、今後x86-64エミュレーションをいち早くテストしたいなら、Surface Pro Xを買うしか無いということだ。
きっと実効性能はそんなに良くないと思うので、必要性がない人がわざわざ買うものでもないだろうが……。今持っている人には朗報だろう。


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント