NTTドコモの完全子会社化で、公正な競争環境は担保できるのか?…… 今のところは他にとっては厳しい話だが……

ケータイWatchの記事である。これは、日本電信電話公社が、日本電信電話株式会社(NTT)として、民営化し生まれた経緯も含めて、見ていかないと分からない話だ。歴史は繰り返すと言うが、歴史が繰り返される背景には、その歴史を知っている人がいなくなることから始まる繰り返しもある。それはあらゆる面で存在する。

尚、今回、私の個人的な感情としては、NTTがドコモを事実上吸収し完全子会社にすることが良いか悪いかの判断は出来ていない。政府が関係しているのは確かだろうが、この思惑の先にまともなビジョンがあるならその価値はあるからだ。ただ、これまで料金値下げ運動をしてきた政府の動きや、政府の専門家の状況を鑑みると、この記事が書いている内容に基づく問題が起きる可能性は十分に(過半数以上の確率で)ある。


<先ずは歴史から……>

ちなみに、電信電話(電電)公社は、郵政省の外郭というよりは、一番の大本は逓信省(ていしんしょう)である。
何故逓信省が、この(電気)通信と郵便をやっていたのかというと、元々の通信は電信(電報)・電話の2つで、電話より電信の方が主力だったからだ。お祝いぐらいでしか(それも若者の多くは知らないはずなので、かなり少ないはず)、今は電報も殆ど使われず知らない人も多いが、各家庭で電話が普及する以前は、電気通信を使った文字通信を使い各世帯に急ぎ届ける方が主体だった。だから、逓信省が電気通信と郵便の両方を管理するのがちょうど良かった訳だ。逓信省があったのは概ね戦前だったのもある。(この双方を持てば情報統制<検閲>をするのに都合がよい)

これが、電気通信省(電信電話公社の原型)と郵政省に分離された。
その後、電気通信省の事業が段階的に、他の省庁に移行した結果、電気通信に関する規制を所管する組織が、郵政省に移り、その時に電信電話局を管轄する電電公社という公社化が行われた。即ち、郵政省の外郭で生まれたのでは無く、電気通信省を廃止する際に、郵政省管轄に移管されたのだ。
このときに、電報(電信)電話局(いわゆる現在の地域基幹基地局-現在は所在がない地域もあるがNTT○○支店だった場所)は電電公社へと移管された。

尚、現在電気通信や郵政に関する所管省庁は総務省である。

一応電報についても書いておこう。このサービスは現在もあるので、興味があり、送りたいと思うなら、後述するURLを見て貰うと良いだろう。

電報というのは、緊急の連絡(弔電等)を行うために使われる通信事業(情報伝達サービス)である。現在は、固定電話、携帯電話、メール、SMS、SNSと進化した情報通信サービスが普及したため、弔電や緊急の手段では使われず、祝電(キャラクター電報、ウェディング電報など)が圧倒的に多いはずだ。

想像が付かない若い人でこれが身近になるとしたら、「となりのトトロ」で「レンラクコウシチコクヤマ」というめいとさつきの母が入院する病院からの急電(急速充電ではなく、緊急電報、急配電報)がある。

電報は各戸に電話もそれほど普及していない時代にはよく使われていた方法で、速達(郵便)より速く届く方法だった。その仕組みは地域にある電信(電話)局に駆け込んで、電報の内容をこの住所でと依頼しお金を払えば、そこから通信士が当該の電信(電話)局に送り、その情報を配達先の電信局員が文字に書き起こして、配達局員が即配送してくれた。但し、昔(といっても平成になってから漢字への対応はなされた)はカナ電報(電信で電信技師が送るため無数にある漢字は送れない)のみだった。これは、電信技師が覚える電信用の文字コードが伝えられる最低限の五十音をベースにしていたからだ。

今は、かな漢字電報となっている。

尚、現在の依頼方法は以下で確認でき、NTT東西と、KDDIのでんぽっぽがサービスを展開している。
料金はオプション(ぬいぐるみなどが付くキャラクター電報は高め)によって変わる。結婚式とか、出産祝い、入学式などではキャラクター電報が喜ばれるかも知れない。また、誕生日や母の日、父の日に何かしたいけど、買う時間がないという場合にも、結構使える場合があるかも……。


<通信市場は変わり続けてきたが、市場の動きも変わった>

上記を知っていると、今の5Gとか6Gはさほど新しく何かが変わるという話でもないといえる。いや、変わっては行くし、4G、5G、6Gという技術を否定する訳ではない。

ただ、郵便⇒電信⇒電話⇒携帯⇒インターネット(IP)への進化に比べれば大したことがない。
情報伝達で1度にやりとりできる情報量が増え、人の感覚上感じ取れないほどの遅延率の中で、さらに遅延が短くなるだけだ。既に大多数の社会にいる人にとって、それが必要だと思う人は平時の生活においてはほぼないだろう。あるという人は、概ねよほど何かに拘りを持っているか、平時の生活にビジネスが直結した経営者や開発者ぐらいだ。自動運転なら必要。MRやVRを使った低遅延の品質管理をリアルタイムに無線でしたいなら、必要かもしれない。
また、ゲームや動画配信で必要とする人もいるかもしれない。

ただ、情報通信という分野だけで見ると人がダイナミックにもっと要らなくなるとか、これ以上減らせるとも言い難いほどに減っている。
まあ、それでも減らさないと、料金を下げろという政府の力と配当を増やせという株主(投資家)の反応もあるので、難しいだろう。

そこに対してどういうアプローチを国がして社会が求めているかというのが、この完全子会社で見なければいけない点だろう。


<企業は利益を生み続け成長し続けないといけない中で……資本が不安定になりやすい>

基本的に自由資本を持つ企業は、成長し続けてより新しい商品を売り続けないと、倒産する危険がある。
だから、企業が存在する間はずっと何らかの利益を生み出すための挑戦をし続ける必要がある。もちろん、自営業なら社長や社員が出来る範囲で徐々に縮退することも出来るだろうが、大企業は縮退させれば他が成長して、市場を奪われ負ける(潰れる)こともある訳で、難しい。

そんな市場で、今は特に難しい問題がある。
それは、短期的な目線でお金が動いているということだ。これは一般の人にはあまり関係ない、どちらかというと投資をしている人に関係することだ。
自由な資本の中で動くには、お金を稼ぐ前に資本金(元手)が必要である。即ち、材料などを買う、従業員を揃えるなどの資金だ。このお金は、銀行から借りるか、自分で貯めるか、賛同する知人などから少しずつ出資して貰って用意することが多い。

株式会社の場合は、それを株券という形で売り出し買って貰う代わりに、利益が出たときなどに利益の一部を配当として渡したり、何かサービスを与える事で、出資を得る方法も使われる。

これが、実は今日本の通信業界やこれから成長するかも知れない企業にとって必ずしもプラスにならない効果を及ぼしている。
どういう効果かというと、長い目で見て持っていれば配当がずっとあるから持っていようとか、そういう人よりも、電子取引で毎日株価の上昇、下落に遭わせて売買し、その変動する価格差(差益、差損)を利用して稼ごうという人が増えた。しかも、それが個人だけではなく大口でも起きている。


その結果、ソフトバンクグループのように嘘か誠か分からないようなデカいプロジェクトを発表して注目を集めると美味くそれが機能する間は、確かに、株価は上がるが……実直に業績に素直な発表している企業は、株価が安定しにくい状況がやってきたのだ。簡単にいえば、大風呂敷を敷けばその時株価は上がる。しかし、堅実だと雰囲気で善し悪しが判断され安定しない訳だ。

それが何を生むかというと、結果的に従業員や研究開発への投資、または消費者へのある程度の還元よりも、配当や株主優待への優遇へと繋がりやすくなり、むしろ技術開発が衰退してしまうことがあるのだ。これは、日本に限らずどこの国でも既に起きていることだ。通信に限らず。

そこに通信業界はさらなる問題がある。
それは、設置開発維持コストの増大だ。これもまた、世界で見られ始めている傾向だが、実は2Gの頃より3G、3Gの頃より4G、4Gより5Gと設備コストが増している。日本では、そこに少子高齢化と災害なども重なっており……将来の見通しは厳しい。


だから、少なくともNTTの完全子会社になれば、ある意味で資本面での揺らぎは減る。NTTの利益率はドコモを喰らえば上がる可能性が高いからだ。
逆にドコモは、配当に相当する部分を下げることも出来るため、結果的に料金を下げたり、設備投資に回すことが出来る可能性がある。これが、政府の影響もあって狙っている方法なのかは分からないが、そういう目線で見れば確かに価値はある。


<順風とは行かない問題>

じゃあ、これが果たして良いのか?というとまたそれも難しい。これが、当該の記事にある内容だと思われる。
元々、日本の電気通信(電信電話)の民営化は、欧米の電話事業民営化と同じ系譜にある。まあ、日本はその先(郵便事業の民営化)まで行い上手く行っていない程度に、長い目で物を見ずに政府も民衆も時の社会で踊りやすい傾向がある。(ちなみに、郵便<小包を除く>まで民営化して上手く行っている国は少ない。)

電話通信サービスは米国だと国営化はしないだろう。AT&T(基はAmerican Telephone&Telegraphである)とVerizon Communications Inc.(これはAT&T傘下のBell Systemが元祖であるこれはスピンアウトされた)が根付いているからだ。まあ、日本とは電信電話の歴史的スタンスも違うので、比較にはならない。

これまた、歴史になるが日本は電信電話の民営化が進む最盛期に
国際電信電話株式会社(KDD)、日本高速通信、第二電電(DDI)、日本テレコムの4社がある程度大きな設備を持つ事業者として存在した。これと巨大なNTTが戦ったのだ。
このうち、元々国策系の会社は現在のNTTグループと国際電信電話株式会社(国際通信専用の特殊法人として作られた企業)の2社だけであった。ただ、アナログ固定回線でNTTの牙城を崩すことは、概ね出来なかった。

何故なのかというと、単純だ。当初のサービスでは回線はNTTで交換する際に他の業者を選ぶようになる仕組みだったからだ。NTT以外で使う場合は、頭にどの交換プロバイダーを使うかを示すプレックス番号を入れる必要があった。これを自動で最も安い事業者を選んでくれるようにした電話機や交換機が、LCRと呼ばれる装置である。これが生まれたことで少しずつ他の業者が利益を上げるようになったが、事業としてはNTTの独壇場といって良かった。

ちなみに、最近LCRの話を聞かないと思うが、デジタル契約時代に合わせて、マイラインが生まれたことで、回線そのものの契約を、NTT以外にすることが可能になったためでもある。尚、今も昔も実はこの回線において過半数を持つのはNTTであるが、ある時点からNTTの牙城を、KDDIやCATV、その他の通信会社(プロバイダー)などが崩すようになった。

それは何があったかというと、通信用のデジタル加入者線である。ADSLの普及と、FTTH(光ファイバー)の家庭や企業回線への普及があったからだ。しかも、2番手、3番手の業者が自分達のシェアを伸ばすために低価格化を急いだ。中でも、イーアクセスとアッカネットワークス、Yahoo!BBというADSL専用業者が生まれたことは大きかった。
これによって、消費者が回線をアップグレード(工事して取りつける)する際に他に移ることが増えたのである。
まあ、既にそれも一巡が終わっているため、大きく変わる事はないが、価格も下がらなくなったのは、このシェア競争が安定して止まってしまったことと、光では、ADSLで破壊者だったYahoo!BBが消えたことも大きい。(ソフトバンク光は、NTTの光コラボレーションサービスであるため、Y!BBとは少し中身が違う。)

尚、このうち日本テレコムは現在ソフトバンクテレコムである。日本高速通信、KDD、DDIはKDDIだ。そして、NTTは未だに過半数のシェアを持つ。
日本は大体こうなることが多い。

ここまでが、固定回線の話だ。

携帯電話(ポケベル)・PHSは、NTTドコモ&パーソナル、DDIのセルラー&DDIポケット、日本高速通信系の日本移動通信(IDO)、日本テレコム系のデジタルツーカー、それからアステル、そしてポケベルだけのテレメッセージが存在した。そして、3Gの後発としてイー・モバイル、インテル等とKDDIが共同で推進したWiMAXを利用するためのUQなども生まれた。
これらが携帯及びその関連会社になる。

このうち、既に存在しないのはPHS・ポケベル系のNTTパーソナル、アステル、テレメッセージだ。これらは事実上消滅している。ポケベルは概ね電報の個人版に近いし、メールが広がれば消えるのは当然だ。PHSは携帯が普及すれば終わるのは明確だった。

名前が変わったのは、DDIポケット⇒ウィルコム⇒ウィルコム(Wireless City Planning分離)⇒Y!モバイルと(いずれもソフトバンク子会社)
セルラーとIDOはau by KDDIである。
デジタルツーカーは、J-Phone⇒Vodafone⇒ソフトバンクモバイル⇒ソフトバンクになっている。
イーモバイルは、ソフトバンクに買収された後、4Gの回線をソフトバンクモバイルで利用するようになり、暫く放置した後、同じ残りカスのウィルコムとくっついてY!モバイルになった。(ソフトバンクグループ)

即ち、3陣営になった訳だ。
悲惨な点があるとすれば、日本ではスマートフォン普及の中で、iPhoneを長く各社が売り込みすぎたことと、公取委や総務省がそれに対して動かなかったこと。ソフトバンクがイーモバイルを買収することを、当時の公取委が認めた事だろう。これで、スマホの機能性は、ガラケーより低下し、通信料金もハードの価格も変な方向に安定してしまうようになった。

まあ、その後ワンセグもNHK受信料対象という最高裁の判決も出たりしたので(私は忘れちゃいないが間違いなくワンセグが始まるときに、受信料の対象ではないとNHKだったかは知らないがテレビ局の局員自身が放送で言っていた。ただ録画していないのが残念だ)、このままいろいろな意味で衰退は続いてきた。

実はここに、今新しい風が入っては来ている。それが、楽天モバイルである。
しかし、楽天も自社回線の普及にはまだ時間が掛かると同時に、今の時点で利用出来る電波の周波数が1系統しかないため、他と戦うのは難しい。
結局、KDDIの回線を借りてKDDIの回線利用率の方が高く、その影響を受けるという状況が、厳しさを物語る。


携帯の価格が大きく下がったのは、携帯普及機の90年代終わりから2000年代(10年代に入る前)までである。
何故その頃までは下がり続けたのかというと、携帯電話を誰も持つようになった時期であり、投資が加速し回線もどんどん増強されていた時代だったからだ。
それだけではなく、J-Phoneの写メールや、ドコモのiモードおサイフケータイなどの新たなサービス技術も普及を後押しした。価格を大きく下げるのに貢献したのはKDDIだ。KDDIがCDMA2000(Qualcomm 3G/ブランド名はCDMA 1X WIN)の普及を狙って発表した通信料金定額プラン(EZフラット/ダブル定額、ダブル定額ライト)で通信がパケット単価で行われるという常識が崩れ、価格破壊が起きた。

これによって、特に若者を中心に2Gの回線から3Gへの劇的な買替えが進むことになり、ある程度通信量が必要な着うた、着うたフル、一部の携帯動画サービスやゲームなどが花開くことになった。

しかし、それは永遠のものではなかった。iPhoneの登場とiPhoneが利用者の多くを占めるようになった頃から、定額でも安定して通信できないという話が出はじめたからだ。それを逆手に利用した会社は、ドコモである。4G LTEで7GB/月(超えると128Kbps)という制限を行い各社が同じ道を選んだ。ちょうどその頃、価格破壊を続けていたイーモバイルがソフトバンクに飲まれたのも結果的に、それを後押しすることになった。

そこからは、若者だろうが高齢者だろうが知っていることだろう。

これは結果的な話であるため、あの時違う選択肢を選んだら今より良かったかは分からない。ただ、合併が凄いスピードに進み、さらに特定のスマートフォンが激烈にシェアを奪ったことで競争が早く終わったのは間違いないだろう。今では戻らない現実だ。

露骨な囲い込みが始まったのもこの頃からだ。光、電気など他とのセット割引き(これで今雁字搦めの人も多い)2年だけ下がる。1年だけ1000円引き……。
ちなみに、今も契約後機間限定値引きというのがあるのは何故かというと、端末を2年払いなどで割賦契約する人が多いからだ。こういう人は、1年~3年の範囲で、分割のスマホ本体支払代金が上乗せされる。その時に、この1年○○円引きが負担感に対して効果を発揮する。

こういう小細工が増えた。

ここまで読めば何となく分かると思うが、通信料金が安くなる、活発に競争が起きるというのは、相応に事業者の入れ替えや参入が起き続けていて、かつ新たなサービスが花開くときだ。実は、日本はスマートフォンが普及を始めるときに、その方法を誤ったのだ。iPhoneばかり売り込めば、当然だがハードのライバルはいなくなるため、日本勢は消える。消えれば、安物は中国、良いのはiPhone、一部の拘りが日本メーカーになり定着する。すると、買替えも日本独特にあった開発意欲も落ちていくため、魅力を早くに失う。

すると、他のキャリアに移動する理由も価格以外では無くなる。そもそも、価格は横並びで、移動して欲しくないから、抱き合わせ販売を強化する。余計に人は移らない。だから、キャリアは守りに入るしかなくなる。これをどうすれば変えられるのかというと、新たな参入を促して、そこに補助金を出すか、または国の施策として下げるなら、どこかを国有化して、好きなだけ下げるか?または、何らかの規制を掛けて、追い込み漁をするか(下がることもあるが、失敗すると価格が上がる)、いずれかだ。

今回は、そのうち、NTTドコモをNTTが喰らう選択が行われたのではないかということだ。じゃあ、上手く行くのかというと……。

どうだろう?

Vodafoneをソフトバンクが買収し、イーモバイルを喰らうまでのような流れになる可能性もある。

どういうことかというと、価格を一時的に下げた後、力のない業者の体力が低下した時点で、どこかがドロップアウト(撤退や他と合併)し、その結果価格が上がるという流れだ。本来、市場競争を健全に行うつもりがあって、お金をあまり掛けずに長くそれの効果を出すには、実はシェアが最も小さい企業を、ある程度の競争力に自力で持って行けるようになるまで、支援した方が良い。

何故か?それは、下から這い上がってくる企業は上にとって脅威だからだ。絶対に対抗するはずだ。
しかし、上に立つ企業が、資本力をさらに上げたらどうなるかとうと、下にいる企業はこの業界で競い続けるのかを躊躇するようになる。
それが、閉塞している市場だと尚のこと、守ることだけに注力して、最終的には事業を大きな会社に高く売ることぐらいに目標を変えるだろう。

そうならないために、行政府は単に今の価格を下げることばかりではなく、中長期で果たして競争が維持出来るかどうかを見極めて承認プロセスへと進んだり、必要なら法整備もしなければいけない。今の政治はきっとそれをせずに、見守るだけの流れで且つ、もし一時的に価格が下がれば、喜ぶだけだろうから……。そこが怖いところだ。


<90年代の政治家と行政府ならば……>

もっと早い段階でいろいろ手を打っただろう。ただ、審議会で議論して規制とか、そういう安直な話になることは無かったはずだ。

具体的には、電波特殊法人を今の時代に合わせてもう一つ作って、そこに2つぐらい新しい電波を置きつつ、基地局を整備し、それを携帯3社とは別の事業者(MVNO)全体で使える公益電波として提供した可能性が1つと、3社または4社+(WCP,Y!モバイル、UQ)の回線使用者に対して、MVNOの普及を促進するための回線帯域義務(MVNOの利用率が全体の自社回線利用率の内一定を超えると税などの負担を軽減する措置)を強い権限で与えるとか、楽天モバイルの参入に際して、3キャリアの回線各社またはいずれか(たぶんドコモになるだろう)に1つの帯域だけ周波数を機間限定(同社の回線が整う2年~3年程度を目処に)で開放するように求めるというのもあったかもしれない。既に寡占化している市場で、途中から入るには呼び水が必要だからだ。

こうやって下から新しい事業者が参入してくる流れと、下から成長する企業が魅力的に見えるようになる仕組みを考えた可能性は高い。


<競争とは何か?>

競争にはいくつか種類があるが、ここでは4つを書いておく

1つ目は、ある基準の中で競い合う方法だ。一般に運動会などでの徒競走などに始まり、果てはいち早く何かを開発するとか、一番多く売るとかそういうあらゆる分野で他の人や他の組織と武器ではなく、決まった土俵で戦うときに起きるものだ。一般的な競争である。

2つ目は、過当競争だ。別に違反しているわけでもないし、誰が悪い訳でもない。ただ、他に負けないため、勝つことだけに拘っていると、頭がそればかりに向かうことで、興奮して周りや現状が見えなくなることがある。そうすると、実際にそれに割いている時間やお金、技術の費用に対して、割に合わない状況がやってくることがある。それが、過当競争だ。過剰に競争に当てる訳だ。

3つ目は、敵対して互いに潰し合う破滅競争だ。これは、戦争や、紛争なども含まれるもので、血が流れることもある。ハッキリ言って完全なモグラ叩きと殴り合い方式で何でもありなので、この方法は中長期的な成長を削いだり、科学などを衰退させることもあるぐらい悪い方法だ。これはいわゆる過当競争の慣れの果てである。

4つ目はちょっと異色なものだが、作られた競争というのもある。いわゆる八百長という奴だ。これは、元々競争しているように見せて実際には競争など無く、答えが決まっているというものだ。寡占・独占している市場や、利益が出にくい市場では間々ある。

一般に人々が望む競争は1つ目であることが多いが、実際にそれが上手に続くことは少ない。

例えば、1であっても、オリンピックの短距離選手と子供が本気で徒競走をしても子供が勝つことはないだろう。4番目に近い出来レースになり、何度やっても楽しい結果などないのだ。しかし、それが続く方法が存在する。それは、その子供を親や周りの人が励まし応援し続けると、その子は何度も挑戦しては破れ、大人になる頃にはその選手の最盛期を超える程の選手になっているかも知れない。

始まった(参加を始めた)時の競争能力は大きく遅れていても、いつか大きく花開く事はあるのだ。これが、本来あるべき、競争を育てるという姿だ。

諦めたら競争は生まれない。同様に、No1をとり続けるものだけを常に応援しても、下が育たずそのうち1以外の2や3(これは自分だけが求められていると思うようになる傾向が人にあるため、組織でも個人でも徐々に排除主義へと変わっていくからだ),4に変わっていくだろう。
本来競争するという意味は、これからを育てることで、それに対して上も下もフェア(公正)に奮起することであり、上がより大きくなることでもなければ、今競争関係にある企業を、ただ守ったり、評価することでもない。

尚、報道では国際競争力がという話をしているところもあったが、国内である程度競争を続けることが出来ないなら、世界をリードするような状況を生み出すこともまた難しいことを忘れてはいけない。日本の通信大手は、Verizon、Vodafone、AT&T、T-Mobileなどのグローバル通信キャリアに対して優位に立てるのかというと、既に難しいだろうし、技術が優れているから膨大な利益が出るわけでもないことは、既に日本の通信電気(電機)関連企業を見れば分かる。もちろん、基盤全体ではなく部品の一部等の競争では、ちゃんと競争原理が働き優れている企業が日本には多くある。それが、果たして通信キャリアのお陰ですと言えるのかということだ。

だから、フェアな競争力を国内で育み続けることが結果的に大事である。そして、今回のドコモの流れで、他のキャリアや人々の考え方も変化し、通信市場が、そういう方向に進んで行くことを願っている。





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