PS5(プレステ5)でも再生できる「Ultra HD Blu-ray(UHD BD)」って何?…… Read Only Mediaから始まるUHD BDの意味と仕様。

ITmediaの記事であるが、分かり易く書くとこんなものでも良いのかもしれないが……

それでもRead Only Media(27日時点でもしかすると修正されるかも知れない)は誤字なのかそれとも、敢えて(そうだと思って)そうしたのか、後者ならちょっとどうかなと思う。これが、なかったからこの記事は書かなかっただろう。これがあったので、重箱の隅を突くぐらいの記事を書くことにした。

記事を書くからには、この際、全部説明してしまおう。

UHD BD-ROMとは、Ultra High Definition Blu-ray Disc-Read Only Memory※という。
直訳すると「極端に(超)高精細度なブルーレイディスク-読み出し専用メモリー」という。尚、BD-ROM v2.0については後述する。

より優れたと言う意味で使う「超」のSuperとは違って、Ultraはぶっ飛んでいる(過激な)という意味合いもある。単純な上位というより、ブレークスルーを超えて何世代が飛ばして進化したような時などに使われることが多いかもしれない。きっとPCを長く愛する人ならSCSIを思い出すぐらい安直な名であるのだが、Ultraを付けてしまうと、その次がもしある場合、名前がさらに長くなることが結構あるので、私はあまりこのUltra命名は好きじゃない。

これはITUが策定した4K(8K) Ultra HD(UHD)から名を取ったものであり、それ以外の他意はない。そして、最初から接頭語として4Kと8Kが付けられるようになっている。もしかすると、16Kなども将来UHDになるかもしれない。


※(Read Only Mediaは誤り-もし媒体だけを示すならBD-ROM mediaでディスクだけを示す。Read Only Mediaでも読み出しメディアというの媒体から「読み出す」には日本語表現としてなるが、伝達の手段=「媒体」なので、媒体が記録物であることを示さないと、そういう名称の人でも媒体になり得る。
記憶または記録された媒体という意味でROMはRead Only Memoryの媒体<Media>としなければいけない。日本人は英語を短絡してもそれで伝わればよいと思っている人も多いが、これは技術英語であり短絡<ショート>させると完全に誤用となる。元々そういう規格である以上はちゃんと短絡させずに伝えなければその時点で失格となる)


普通はこれだけでも良い気がするが、いっそUHD BDについて全部書いてしまおう。

詳しくは後述するがUltra High Density(極端に高密度)という直接の意味は最初から無い。まあ、一部の登壇などで冗談半分(後述する)の商業的な意味合いでHigh Densityの意味にも取れる場合もあるねという話をしているケースはあったにはあった。しかし、実際の規格での名付けと商業の売り文句は別だ。2つの意味もない。

<UHDの始まりは放送映像規格>

Ultra HD(UHD)の名称由来は

元々はITUの解像度呼称だ。ITUがHD放送(NHKが言うハイビジョン放送)に次ぐ放送映像規格として、4K8K規格(これは現在で言えば、8K放送のこと。4K放送は当時2K4Kである)を採用(採択)することにしたことから始まる。

これは、Super Hi-Visionの商標を持つNHKや他の放送団体などの放送業界/テレビビデオ映像業界が7680×4320ドットの映像規格を世界標準になるように申請したことから始まる。

ただ、Super Hi-VisionはNHKの商標であり、それは世界共通の呼称として使う事が出来ない。だが、解像度には呼称がなければ規格策定できない。そこで、その名称と定義(規格の範囲)をセットで考えることになった。その際に、2K(FHD/Hi-Vision)と8K(Super Hi-Vision)の間にあり、一部で採用活動が活発化していた4Kもセットで策定されることになった。これがHD放送に対して、上位であるため、4K Ultra HDと8K Ultra HDという名称で定義を纏め策定された。

Super HDでなかった理由は、分からない。ただ、安直に予想されることとして、NHKが既にSuper Hi-Visionを商標化している中で、分かり易いとか分かり難いとか、4Kも加えるならSuperを使わない形でとかあったのかもしれない。(NHKが定義するSuper Hi-Visionは8K放送のみである)

話を戻そう。4KのBD規格(仮称4KBD、BD4Kと呼ばれていた)は、ITUの映像規格に準拠しているため(4K) Ultra HD Blu-rayとしてITUの呼称を使う事にしたのだ。元々4KにはDCIなど他にも規格がある。このように統一した方が売りやすいという観点もあったと思われる。
これが、Ultra HD(UHD)と呼ばれるBDが生まれた理由である。

<大容量BD……BDXLの存在がHigh Densityの意味を与えなかった>

尚、何故High Density(高密度)の意味は無いと言えるのかというと、当該記事の注釈でも書いてあるとおりで、STD版50GBもあることと、元々先行してBDXL規格があるからだ。4KBDの物理技術は、先行して策定済みのBDXLのBD-RやREの技術をROMに応用して使っている。BDの大容量媒体はBD-ROM切っ掛けで始まったものではなく、先行していたBDXL(BD-R TL、QL、BD-RE TL)を基にしているというわけだ。

2010年策定で、2010年末頃に投入が始まったXL媒体、RやREのTriple LayerやQuad Layerを使うには、既存ドライブやプレーヤーでは互換性の問題があった。既に存在した既存の2層BD専用ドライブでは使えなかったのだ。

だから、TLやQLのディスクを使うには、再生出来る装置かどうかを示すためのブランドロゴを示すことにした。今ではどれも当たり前に扱えるため、XLという言い回しは殆どされないが、最初は互換を知るためにBDXLのロゴがあったのだ。それが、BDXLという存在になったが、今ではXLと呼ぶ人は減っているはずだ。3層とか、4層と呼ぶ人の方が多いかも知れない。既にある程度ハードがそれ対応になったため、XLと差別化する必要が無くなったのだ。もちろん今でもロゴはあるし、ドライブの仕様書には書かれるが、BDXLという言葉を使う人は減っている訳だ。

Ultra HDでは3層媒体をBDXL ROMとは呼ばれない。何故なのかというと、上記の3層と呼ぶ方が広がっているという影響も1つにはあるが、
Ultra HDでは論理フォーマットの仕様が変わるためというのもある。他にも物理仕様が変わっているのも影響している。

3層メディアはXLをサポートしないと再生出来ない。即ちBDXL技術を使った高付加価値版で高解像度な仕様と、既存の安価なメディアの利用で安価なバージョンと、いいとこ取りしたある種新旧が混じるような仕様を作ったのだ。そのため、全部がXLではない以上、無駄に分かり難くなるXLを付けることは出来なかった。

尤も、BDXL-ROMの名称を使っていない以上、HDにHigh Densityという意味を含むのもおかしい。含んでしまうと50GB版との整合性がとれない(規格上の話は後述する)ため、High Densityの意味を確実に持たせられないのだ。

だから、一種の冗談としてそういう話を出すケースはあるが、実際にはそんな意味は微塵もないものとなった。いわゆる知っている人は、冗談として笑って流すフェイクである。それが、時々知っている人の間で冗談として使われていた。それをたまたま知らない人がHigh Densityも含んでいると本気で思ってしまって広まった可能性が高い。


<RやREが先で2010年に策定されたなら
            何故BDXLを既存のBD-ROMで使わずにUHDで初めて使ったのか?>

一応BDXLの技術がUltra HDに応用されるまでの経緯を説明をすると、先にBDAV(録画用のBD規格)とBD for DATA(BD-R/REのデータディスク)で使われていた規格だったことは上記で書いた。
これは、2010年に策定された規格であり、BD-ROMでも応用できる技術として策定されていたが、ROMでやる意味が当時の段階では無かった。
策定当時は、BD-ROMに応用し利用することも出来るとしていたが、結局UHDになるまで規格は策定されなかった。理由は推定になるがいくつかある。

1つは、フルHDではテレビの連続番組でも扱わない限り50GBで十分に事足りたからだ。一番ROM需要がある日本では、そもそもセルのテレビ番組(連続ドラマや連続アニメーション等)は初版で1枚のディスクでも本編は2話(50分~100分未満)~4話(100分~200分未満)ぐらいの話数しか記録せず高額で販売していたからだ。(今も大差ない)

皆無の需要に対してみんなで集まって議論する意味など無かった。もう一つ本命の理由がある。それは、そもそもそれをやると、過去の2層までにしか対応しない製品との互換性が失われるため、その損失を考えるなら今はまだやらない方が良いと判断したというものだ。日本などで需要があった、録画ならばテレビドラマワンクールとか1枚におさめたいという需要などがあるにはあった。そういう人は、自分で所有するビデオとしてしか使わないため、互換性は自分の持つハードだけで良かった。

しかし、同じ解像度、同じ音声なのに3層や4層セルビデオ(映像コンテンツを予め収録した映像ディスク)が再生出来ない規格を追加するとなると、既にドライブやプレーヤーを所有している人から不満が出てくる恐れがある。コンテンツ制作会社も容量が違うだけでそれぞれにコンテンツを作るのか?という話になる。それに、そもそも50GBのBDに収まりきらないほど長時間のコンテンツも作るつもりはないため、HD規格ではXL化が見送られた。


<現在のUHD BD規格と足りないバージョンのお話で
                 厳密にHigh Densityの矛盾を書くと>

その後、4K/8Kの映像需要を見込んだときに、データ容量が多くなり、一部の長編コンテンツを50GBのBDではおさめられなくなったり、ビットレートが不足することが分かった。だから、BDXLを利用するROM媒体を出すことにした。これを気に、転送速度を3~4倍速で等速扱いにまで上げて、映像圧縮も変更し、さらにセキュリティをAACS2.0にまで拡張した。簡単な規格は以下のようになる。

BD-ROM DL STD    /50.050GB/HEVC(Main10,High Tier,Level5.1)-72~92Mbps*1(既存BDの高速化)
BD-ROM DL addition /66.735GB/HEVC(Main10,High Tier,Level5.1)-92~144Mbps*1(新規*2)
BD-ROM TL       /100.103GB/HEVC(Main10,High Tier,Level5.1)-92~144Mbps*1(BDXL)

※音声フォーマットはBD-ROMの既存とほぼ同等。色空間にITU Recommend.2020が追加され、HDR10などの(Display)High Dynamic Rengeをサポートする。*1 最高転送の144Mbpsは、内周回転速度を5000rpm以内にするため、求められる転送速度は標準速度から144Mbpsの範囲となる。尚、STDでは92Mbps、その他では123Mbpsが標準速度であり、最高速度はHigh Transfer-Rate(TR) option、最小はLow TR optionとなる。*2 DL additionはUHD BD-ROM Part.1/2 v2.0、Part.3(BDMV) v3.xで初めて登場した容量規格。

である。
これは次の規格から構成されている

BD-ROM Part.1(ベアディスク、ハードの要求仕様、Physical Layer相当) v2.0
BD-ROM Part.2(FS、ファイルシステム、論理フォーマット、Logic Layer相当)  v2.0
BD-ROM Part.3(MV、Movie Video/Application Layer相当) v3.0/3.1

※VはVersionの略である。

上記3つの規格を基にしているのだ。
これら3つを別々に述べるのは面倒なので、All Bookという規格書でUHD BDのROMはv4.0(4th)としている。即ち、UHD BD-ROMはセルビデオ規格上はVesion 4.0となる。

尚、最新はAll Book 5.0(BDAV v6.0/BD-RE Part.3 V5、BD-R Part.2 V3……などなどを加えた4K放送と8K放送の家庭用録画規格)である。尚、5.0ではROM版の規格変更はほぼ※ない。

※セキュリティ要素などの都合でApplication Layerが3.0⇒3.1にアップしているが、5.0扱いはされていない。

これを基に書くとITmediaにあるBD-ROM v2.0というのは、説明矛盾がある。
これ、Part.1をさすなら(通常はその意味で使われるので間違いではない)、Ultra HD BDの物理層(ベアディスクとそれを再生する機材のハードウェア上)の規格である。容量も、ハードとしての速度も、媒体に対してどういう要求が求められ、ハードでどれだけのエラー制御をするとかそういうのが決まっている。いわゆるメカニカルな部分がここで決まる。この場合は、BD-ROM DL STD(UHD BD)も3種類がある以上、50GBだけを切り離してはいけない。切り離すなら除外する理由に物理要素を説明しておく必要がある。即ち、「50GBもあるけど、先述の通りファイルシステムやコーデックなどが変更されているから」というだけでHigh Densityにしてはいけない。
元々、速度仕様がPart.1 v1と異なるため50GBは絶対に含まれるからだ。だからこそ除外することが出来ない訳だ。それを除外するなら、DL STDの速度(データレート)の仕様と後述するApplication Layerの部分で除外できる理由を書かないといけない。

話を続けよう、BD-ROMv2にはFS(File System/Part.2)も存在し、物理層とFS(論理層)はPart.1とPart.2として今のところ同じバージョンで対になる。FSの仕様は、v1とは変わっている。これは正しい。

そしてアプリケーション層が出てくる。
これは、BD-ROM Part.3(MOVIE VIDEO)と呼ばれ同じBD-ROMでもバージョンが違う。v3.0/3.1という形にして策定されている。こちらは、映像やセキュリティ、音声、字幕、メニューなどの制御や記録方法(端的に言えばファイル・フォルダ名などを含む記録情報)が定義される。これが、違うのも当然で正しい。

即ち、Part.2/3の部分は注釈で説明されていたわけだが、ROM Part.1 V2.0で定められている部分が説明出来ていないのだ。容量だけでBD-ROM versionを見てしまいアプリケーション仕様にもファイルシステムにもなく、その仕様要求にあるはずの転送速度を1.0と同じだと思い込み外してしまったからだ。

即ち、UHDのBD、BD-ROM version2.0だから、Ultra High Densityを示しているという意味はないということになる。


とやっぱり、小姑が埃を指でなぞるような記事になってしまった。

実際には、初心者向けの記事なので経緯とかどうでも良いし、文字数などの話もあろうから、多少大げさでも書いたのかな?とも思う。
しかし、これは逆の意味でHigh Densityの意味がありそうで無いの方が、実はそうだったんだといける記事でもあり、こっちの方が複雑だがきっと面白い。

まあ、Mediaがなければ多分この記事を書いていない。読んではいただろうが、軽く読み流して、こんなもんかなと飛ばしていただろう。


尚、UHD BDが魅力的なコンテンツかというと……どうだろう。所有欲がなければネットのビデオサービスでも十分だろうし、2KのBDやDVDでもコンテンツを見るだけなら十分だと思う。よほど画質に拘りがあるとかそういう場合を除けば、UHD BDなどのパッケージのメリットは低下し続けている。そもそも、買ったディスクを生涯で何度見るのか?というのもある。

そういう意味で考えると、ゲーム機はゲームの扱いで見た方がよい。コンテンツディスクを所有する所有欲があるか、またはネットワーク回線が脆弱な環境では、光学ドライブ搭載モデルを買った方がよいだろう。
ダウンロードに時間が掛かる可能性があるからだ。もちろん、BD版でも差分アップデートがあるだろうが、容量がある程度減るはずだ。
だから、そういう場合には光学ドライブ搭載モデルを選ぶのが良い。

そうでなくフルダウンロードで100GBクラスみたいなコンテンツでも、回線制限などが発生しないとか、人気ゲームのDLで帯域制限が生じても待てる、価格は安いほど良いぐらいなら、BDドライブ搭載じゃなくてもよい。ゲーム機というのは実は付加価値としてのBD再生機能より、ゲーム機として光学メディアレスでも問題がないかどうかの方が重要である。人気コンテンツなどはダウンロード時に接続速度を制限するケースもある訳で、ディスクで揃えた方が楽な場合もあるのだから。

まあ、PS5をBDのために買うなら、Xbox One XやXbox One Sを買った方が、良い気もする。何せ、PS5はたぶん暫くは簡単に手に入らないような気がするからだ。







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