Tiger Lake搭載ノートの性能はメーカーの熱設計次第で大きく変化 …… 不思議な説明。

PC Watchの記事である。


はっきり言えば、熱設計<TDP/熱設計電力>の話は、製品(実機)レビューが実際に動いている機種で、いくつか出て来ないと分からないぐらい意味が分からない。

基準を(Intelの立場での説明によれば)、よりフェアなものに変えたのでこれを元にすればAMDよりよいはずだと言っているように聞こえるし、CPUの性能も、君たちの過半数はAdobeを使っているはずだ。AdobeはAIとかの処理にかなり力を割いているので、それこそ重要とか、そんな感じだ。
そのアプリで性能が出ないなら、Adobeを買えば良いじゃない!と言われているように見えるのは、違和感がある。これなら、機械学習(ML/DL)に力を入れたので、その設計を容易にするためのIntelのSDKを元に最適化していけば、AMDを上回るポテンシャルがあると述べた方が、評価は上がるだろうに……。こういうのはIntelのx86製品群に関する幹部取材では概ね初めてだろう。


<違和感と謎>

ここから見える推測は、いくつかある。

1つは、発熱が明らかに大きくなり、電力も上がっているのが明らかだと言うことだ。その分、周りの回路の電力をCPUの一部に組込削減したり、パフォーマンスノートの大半に搭載するdGPUを無くすことなどで抑え込むと同時に、iGPUの性能をdGPUのいわゆる下限並か少し上程度に引き上げることで、トータルの電力パフォーマンスを上げているということ。
端的に言えば、性能は間違いなく上がったが、それは電力(熱設計電力)を増やすことで得ており、使い方によっては望まない代償を生んだ恐れがあるということだ。

もう一つは、性能面の底上げに際して、Intelが望んだ性能にTiger Lakeは達しなかったか、次の世代に継承できない問題があるからという点も見え隠れする。
既に、噂では出ていることだが、AVX-512が個人向けのクライアントPCの次世代からは消えるのではないかという話がそれなのかもしれない。(実際に消えるかどうかはまだ不明だ。サーバー向けやX系のラインナップから消えるという話はなく、クライアントからいくつかの命令セットと共に消える噂がある。)
そのため、SDKで今後最適化されれば、もっと沢山のアプリが高速化するだろうという話が出せず、今後も継続するML/DP系の処理をiGPUやCPUでアシストする部分や絶対に残るAV1のデコード支援に特化して説明することにしたとしたらこういう煮え切らない話になるのかもしれない。

これに発熱の増加によってクロックが上がらない問題が重なり、望んだ性能が出ないとしたら……

最も大きな部分は、ライバルのAMDが間もなく発表するZen3の存在だろう。実際にそこまで上がるかは分からないが、性能はクロック辺り、1割弱~2割弱のアップを見込んでいるという。Zen3世代では、APUモデルのGPUもRadeon DNAベース(Raden DNA 2になるかもしれない)へと代わる見込みで、来年の春~夏までには確実に出てくるだろう。さらにTDPの低い製品もラインナップを増やし追加される見込みだ。(これについては初期はZen/Zen2ベースになるかもとされる)

こういう部分を組み合わせて考えると、強気で述べても、AMDが短期で抜けばそれは終わるため、今そしてこれからも確実に勝てる部分だけを、述べて慎重になっているように見える。逆にいえば、Adobeを使う人なら、Tiger LakeはAMDの次期製品ML/DLも含めて考えるなら負けないぞと言えるし、Intelの考える使い方の指標で見れば、電力性能や全体の性能が高くなると言うわけだ。いわゆる、自分がこれまで強気で見せていた定番の土俵を自らで避けることにしたのであると考えられる。


<Intelの転換期>

転換点にあるのはもう確かな事だ。そこをどのように軟着陸させバトンを落とさないようにするのか、Intel側はそこと消費者の期待(性能などへの期待)を見せることの2つの狭間で苦労しているように見える。そこに、刷新されたものの過去のIntelブランドに比べて意味合いが分かり難いブランド名の導入があるのかもしれない。

はっきりと分かるのは、今のIntelは既に今までのIntelのようにプロセス技術が一歩以上他より先進的な先にあった時代とは違うということだ。だから潤沢に最先端の命令や技術を取り入れていけるほどの余裕がこれからは無くなるだろう。これは、7nmの遅延とTSMCとの製造契約によって明確になったと言える。Tiger Lakeやその次に待つAlder Lakeとそこから先にあるであろう、meteor Lakeなどの7nm世代との関係性は時間が後の世代になるほど当初とは違う形に変わってしまい、設計も最初にこれらの開発名が出た時とは全く異なるものになっているのは既に確実である。

そのために、過去のIntelがやってきた新アーキテクチャは、今後最適化されれば他を凌駕するといった発言もなく、プロセス技術の進化で来年には同じアーキテクチャのRefreshで改善するとも言えない。だから、今ならまだブランドの評価が十分にあると見て、今までの指標から離れて考えて貰おうとしているように見える。

これが上手く行くのかどうかは、分からないが上手にシフトするには、今後登場する製品のレビューが重要になると思われる。
そのレビューで熱設計電力や動作時間のレビュー、GPUの評価がAMDより良好になり、この先出てくるだろうZen3とも良い勝負ができるかどうかで、ブランドの定着が出来るかどうかが決まると思われる。




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