東急不動産、利益率0%台の「東急ハンズ」に改革圧力 …… 元々大きくはないけど。

日本経済新聞社の記事である。ここは都市型ホームセンターと雑貨店を一体にしたような店として、一時期人気だとテレビで紹介されていたことがある。
しかし、その当時もそうだったが、儲けはここ数年あまり大きくない。この東急ハンズは都市型のいわゆるテナント店舗も多いので、ショッピングセンターや商業ビルが客(ウィンドウショッピング客)を呼ぶためのテナントとして重宝されていたから、スポンサー関連でいろいろ思惑があってそういう紹介がされていたのだろう。

そして、不景気に突入しようとしている今、都市型のこの手のホームセンターや雑貨屋スタイルの店が生き残れるのかというと、現状では簡単ではないのかもしれない。

ホームセンターとして見ると、東急ハンズはどちらかというと雑貨屋とDIYを扱うホームセンターの間に近い。
ニッチで変わった品があるのだが、店舗の作りとして見ると、DCMホールディングス(ホーマック、ダイキ、カーマ)、コメリ、コーナン、ナフコ、カインズなどの有名どころには勝てない。だから、本来のホームセンターの役割である農作業やDIY向けの商品における安くて泥臭かったり、加工材料(セメント、レンガ、タイル、木材、金棒など)を買って家で組み立てたりというのからは少し遠い存在だ。まあ、都市型だからなのだが……都市型のおしゃれな雑貨屋を都市型ホームセンターという括りにした感じの方が近い。

だからある意味、このコロナ下では利益を出しにくい会社になるかもしれない。都市部にあることが影響して、客入りが悪化するだろうし、いわゆるテナントスタイルの店舗作りなので、郊外で駐車場があって、大きな品物を買って車に乗せて持ち帰るスタイルが多い店舗ではない。だから、都市部の周囲にDIY系や郊外型ホームセンターのような施設がない場所の客層には喜ばれるかもしれないが、必ずしもホームセンターによく行く人が買い物をする店にはならない。一般のホームセンターにないものが揃うことはあるが、全部を揃えるのが難しい場合もあるからだ。これは、即ち都市の狭いタイプの店舗を個性的にすることで、稼いできたが故の欠点だ。

実際に以下の店舗の情報を見ると分かるだろう。この東急ハンズは殆ど商業ビルとイオンモールや百貨店のショッピングセンターのテナントとして出店している。


それに対して、カインズやDCM、ナフコ、コメリのような店舗だと殆どが駐車場を持つ郊外型または、都市近郊のロードサイドの平屋から2階程度の店舗で駐車場を備えるものが多いはずだ。SC型の店舗でも、NSC(ネイバーフットショッピングセンター)に出店していることが多く、イオンタウンのような平面型のショッピングセンターが多いはずだ。

これには重要な意味がある。まず東急ハンズは、所場代が高いということだ。そのため、同じ数量同じ価格で売ることが出来ても、賃貸に掛かる費用を差し引くと利益が他の店舗より下がるという点がある。

次に都市型なので店の広さが狭くなりやすいという点だ。これがあるから、個性を出そうと東急ハンズオリジナル(独占)の製品を売ったりしていた訳だが、逆に言えば、いわゆるホームセンターなら当たり前にあるだろうという物が見つからないことはあり得る。東急ハンズを知らない人が、ホームセンターが駅前になったな~と思って立ち寄ったら、欲しい物がないということも……

尚、最近は大手のホームセンターも品揃えをより充実させている。地方の一部ホームセンターでは、これは売っていないのかと聞かれただけで、商品を置き始めるような、本当に凄い品揃えのホームセンターもある。また、東急ハンズで扱っているものの多くは、Amazon、楽天などでも似たようなものや全く同じものが、買えるため、個性的な商品だからという売り方だけでは成立しない流れも生まれつつある。

ここにコロナが来ると、簡単に逆転は出来ないだろう。

個人的には、アークランドサカモトがLIXILビバを買収したが、ああいう買収の流れの中に上手くくっついて、東急グループと他社とで持ち株を作るぐらいが生き残るには妥当かも知れない。そうすると店の在り方も変わるはずで、儲けの出やすい自社商品の開発なども進む可能性はあるだろうし、郊外型の店舗の中に東急ハンズを入れて、差別化を図ることも出来るだろう。そうすると、都市型店舗の運営費をある程度補える可能性はある。


まあ、コロナ下では都市型の商業施設自体が今のところ以前より厳しい状況にある。
都市の中心部より郊外を目指して人は動く傾向が強まったからだ。そして、その流れはコロナが収束するまで続くと思われ、収束後に前の状態に戻るのかと言われると分からない。何故なら、別に郊外の店でも成り立つ事がわかり、ネットでも買えるならその方が便利だと知ったからだ。それが長く続くと、ウィンドウショッピングはしても、実際の品は郊外やネットで今以上に買い続ける可能性も高くなる。

これは、リモートワークが広がれば、電車出勤、自動車出勤はさせる気もなくなるという企業の経営計画でも見られることだ。病気が終熄すれば終わらせても良いが、長くなれば一時的な対応も、終わらせる理由が失われ、続けた方がコストが安く効率的になるという流れもあるわけだ。すると、人の流れは変わる。平日に集まるオフィスの需要が継続的に減ることも有り得、住宅街に人が居続ける事も有り得る。

それが始まる可能性が高まる中で、都市圏で販売や営業をする企業の一部は、本当にコロナが終わればとか、そういう発想とは別の方向を模索し始めている。

もう、戻らないかも知れないということも頭に入れて、戻る場合、戻らない場合、戻るにしてもずっとずっと時間が掛かる場合を想定して、廃業や休業、事業計画の根本的な見直しをはかる企業も多い。その中に、東急ハンズも入っていくということだと考えれば、この先、アークランドサカモトがLIXILビバを買収したような何かが、東急ハンズ周辺で起きる可能性もあるだろう。


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