Razer、「上下方向も聞き分けられる」THX Spatial Audio対応ヘッドフォン …… THXブランドは付いているけど。

AV Watchの記事である。THXは4年前までSound Blasterでお馴染みのCreativeが持っていたが、買収当時にサードパーティに供給するつもりだったオーディオプロセッサが殆ど売れず相乗効果が無く、Razerへと売却された。その間に、劇場用の映像、オーディオ技術としての地位も概ね失った。
そして、Razerに全ての知的財産権が売却された。

最近は、名を聞くことも無かったが、Gaming Audio(Certified Game)技術をベースにしてHRTFになるとは思ってなかった。

ちなみに、上下左右の音が聞き分けられる技術は、Sound BlasterのEAX HDでもサポートされていた技術である。THX CertifiedをSound Blasterに統合する際に、THX Certified Gameロゴを作っていた。その時の一部技術がTHXの中にも残っているのだろう。HRTF自体は既に原理が市場でありふれており、DSPさえそれなりの演算性能を持っていれば、いくらでも作ることが出来るので特別なものではない。後は、ブランド名称などでイメージがプラスになるかどうかであるが、個人的にはTHXの今のイメージは余り良くない。というか、Razerのブランドの使い方も良くないように見える。


THXは元々劇場(映画館)向けのオーディオ施設基準のライセンス認定として始まったものであり、今で言うDolby Cinemaなどに近い物だった。端的に言えば、映画館などでTHX認証を受けるには、THXの専属オーディオ鑑定士が、施設で実際の音響テストをマイクロフォンなどで音像を確認し、残響などをの評価を行い、基準に合っていることが分かったら認証を得られるというものだった。

それを、家庭用のオーディオにも追加したのが、THX SelectとUltra、Ultra2だったが、これらはアンプの出力定義(広さに合わせた出力があるかどうかの基準)としてのものだった。

これが、さらにゲームや他オーディオ機器ブランドなどに発展したのが、Creativeの時代であるが、これをやったがために、劇場の方は疎かになった。まあ、ルーカスが劇場作品をほぼ作らなくなりルーカスフィルムが事実上FOX傘下から、ディズニーになり消えたのも大きい。

その結果、THXはプロフェッショナルオーディオ認証の代名詞から、良く分からないけど凄そうなものに落ちてしまった。

今は、コンピュートオーディオにむけたRazerブランドとなり、本当に良く分からない代物になっているように見える。まあ、Dolby AtmosやDTS;Xが急激にコンピュートオーディオに進行する中で、THXブランドも早くより広い領域で使わないと価値を失う焦りのようなものがあるのかもしれない。ただ、このブランドの扱いならTHXを付けなくても良い気もする。THXを付けるなら、周波数帯域が現行の28KHzより広い少なくとも35KHz、出来れば40KHz付近まで広げてもう少し水準を上げた方が良い気がする。

即ち、これ、オーディオや映像鑑賞(劇場映画のPC鑑賞)用途だとちょっと物足りないかもしれないということになる。
まあ、HRTFによるバーチャルサラウンドの迫力さえあればよく、それが気に入っているならその限りではない。

ゲーミングであればRazerは定評もあるので良いが、THXがあるからといってそれ以上に期待するのはちょっと仕様上厳しいだろう。


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