サンマ初水揚げ 過去最高値を更新 1匹当たり5050円 北海道・釧路 …… これが明るいニュースなのか!?

毎日新聞社の記事である。この記事で驚いたのは、競り落とした人が明るいニュースと言っていることだ。そもそも、サンマは安くて脂がのって美味しい大衆魚だから、誰もが食べられる訳で人気があるのだが……。初物とはいっても1匹5000円を超えることを明るいとは口が裂けても言えない。もっと言えば、これで農産品や食肉などにおいて、今年の秋以降の需給バランスが悪化することが分かると、危機が来る恐れもある。
コロナ下で(コロナが直接の影響とは言えないが)これは、一番懸念されていることだ。

<値上がりする大衆食料品と、近づく食料生産や確保の崖>

この数年、食料品の価格は値上がり傾向にあった。米や麦などの食品でも、国内では高齢化で生産量が減り、災害で安定供給が絶たれることもあり、海外でも新興国消費による争奪競争が激化し、平均価格は上がる傾向にあった。それは、いわゆる誰もが毎日食べる食料品という分野において、少しずつ確実にじわじわと人々に影響を与えていた。

そして、これは鮮魚などの部分でも同じようなことが起きていた。これまで大量に取れていたサンマ、鰯などの魚の漁獲がアジア諸国、特に中国などとの競争で減少し、マグロなどの大型魚も今減少傾向から規制が始まり、ウナギに至ってはシラスウナギが激減した(20年前の1/10~1/20以下)中で、前年より多いから豊漁だとかいう始末になった。これでも、店では加工した食品が廃棄(堆肥加工や有機燃焼ペレット系のバイオ燃料に加工)される。

いわゆる飽食の結果、物が余る程度に販売され、余ったら捨てられる訳だが、数量も減っているから価格も上がるだから、買わない人も増えるという状況に突入している訳だ。

そんな中で、今年の秋から来年の夏にかけてが、ある種先進国も含めた、食糧問題が起きる可能性も出てきている。何が起きているかという話をしよう。


<蝗害-こうがい->

現在、最も世界で懸念されているのはアフリカ~中東、インド、中国北東部でのサバクトビバッタによる蝗害だ。中国ではこの他に日本でも昔からあるイナゴによる蝗害も重なっており、今年の秋以降に食料難が襲う可能性が高まっている。何故秋以降なのかというと、春~夏にかけて植えた種が実るのは秋だからだ。しかし、夏に既に蝗害が起きている中では、秋に実りは減る。


<水害、山火事、地震噴火などの天候地質災害>

日本と中国ではこの影響で田畑がかなり浸水している。この影響はかなり甚大なものになっている。耕作地が流されてしまうと日本の場合は、耕作地そのものが山間部や川沿いに多いため、回復までに1年とか2年とか掛かるだけでなく、農業従事者が高齢であることが多くそこからの流出による耕作放棄が進むことになる。食料受給率は日本では低下すると言うことだ。その結果、さらに食品価格が上がったり、災害で乱高下しやすくなる。
海外ではこの他に山林火災なども有り得る。

<コロナウィルス/SARS-CoV-2>

コロナウィルスの影響で、一部の地域からの流通は低下したままだ。これは、ウィルス感染を恐れてこれまで以上に検疫が厳しくなっているからだ。
それが、結果的に流通の遅れなどに影響し、価格を押し上げることもある。
また、学校給食用の牛乳や野菜がそうであったように、コロナで学校閉鎖などが起きて給食が止まると、その業者が潰れることで、日本の食品需給のバランスがおかしくなることもある。

<家畜伝染病>

豚コレラは、世界的な豚肉の流通に影響した。日本でも昨年流行ったが、家畜伝染病は他にも、新型インフルや、口蹄疫、狂牛病などいろいろある。また、新型コロナウィルスに感染するペットや家畜もいる。これらの伝染病は年々増加しているため、これが人類がコロナと戦っている今流行れば、厳しいことになる。


<魚も根こそぎ>

ちなみに、日本では漁獲枠などの規制があって世界でも先進的だと思われがちだが、今では日本は規制で後進国である。
そもそも、日本は漁獲オーバーをしても、厳しい罰則はないし他の先進国では禁止されている網を使った漁も許諾されていたりする。さらに、稚魚でも食う文化(シラスなど)と称する古い考えがあり(なんでも文化と言っていたらそのうち全部手に入らなくなるだろう)、それに対して漁獲量の強い規制(違法な漁獲をそれで得た利益を全て相殺して余る程の罰則で取り締まること)や厳しい免許を設けていない。まあ、簡単に言えば違法な漁をして、10tの魚を過剰に捕って違反金が発生しても、100万とか1000万とかの範囲で終わるのだ。それで10億儲けていても……。

まともな法治国家なら、経済や社会で不正に儲けた場合は、その儲けを相殺するだけの罰金が発生するが、日本はこの手の経済や環境関連の罰金が、明治大正昭和のまま使われているので、安ければ科料、高くても何百万とか固定である。税法は結構頻繁に改正されるけどね。だから、不正をしたもの勝ちになるのが、日本だ。

ロシアで日本の漁船が拿捕されるときには、漁獲超過に対して幾らとかで違反金が生じる。普通はそれが当たり前だ。だから、日本近海の海洋資源は減るし、中国などが進出することでさらにそれは加速度的に減って行く。もっといえば、高い魚ほど高く売れるから、必至になって不法操業してでも探す人も出てくる。

特に、決まった魚だけを狙って大量に水揚げしている船団型の近海猟師(何ヶ月も遠洋で漁業をする遠洋漁業を除く)は、その傾向が強くなる。古くからいる自分の漁場で捕れる物を捕るという漁師はその周辺海域を守る活動もしていたり、生活に必要なだけしか捕らない人も多いが……。これに海水温の上昇や、災害の増加によってゴミや砂が漂流し、漁場が荒れるといった問題が起きると、より捕れなくなる。

特にシラス(各種魚の稚魚)の大量水揚げは本来禁止するべき事だが、それをせずに名物にしている地域もあるから、数はどんどん減るだろう。中国とかそういう話の前に、自分が食べている魚が何なのかを理解出来ていないこともこれに拍車を掛ける。


<このような問題がある中で>

秋の実りが減ると、農家から出荷される農産品が減るため翌年の食料販売や流通に影響を与える。それでも、コロナの影響で流通網は緊縮モードに入っている中で、実は一部の国が備蓄していた飼料や食品用穀物を今年は全部ではないが放出している訳で、そこに大衆魚なども初物でお高いとか、言われてご祝儀相場だと喜ぶ人は少ないだろう。ご祝儀というのは、大衆魚じゃなく、日頃でもそれなりに貴重な品物が高くなることである。

だが、そういう視点に向かわない辺りが、日本の致命的なところかもしれない。

これはどう考えても明るいとかそういう領域からは外れている。まだ、魚体が大きいとかなら救いはあるが、小ぶりで取れる量も少ないとなると……もう誰もが食べられるほど、サンマは近海にいない恐れもあるだろう。そうなると、また一種類、大衆が食べられる食べ物が減ると言うことになる。私は、本当にこれは危機的状況だと思うが……それを商売にする人は馴れてしまって思わないのか?それとも、思っているけど声に出さないのか……。


まあ、今後捕れるようになる可能性もあるので、まだ希望は残したいところだが、もしも漁獲が今年も大きく減少するなら、かなり海の状況も変わってきているということだろう。正直、海外で日本食ブームとか高く売れるとか言ってる場合じゃなくなる可能性も今後の、気象状況や世界情勢によっては有り得る。本当に家庭菜園とかやっていない人は今はまだ趣味でも、将来的なことを考えて、本気で、今のうちに練習しておいた方が良いかもしれない。


こういう商品を売る人も商売だから、彼らを否定することは出来ない。ただ、ニュースで明るいといった辺りまで扱ってしまったのは、もう1テイク取ってでも変更できなかったのだろうかとも思う。これみてしまうと本当に、近い将来、日本でも餓死する人が当たり前に出てくるのでは無いかと思えてならない。



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