東京の4月死亡者数は例年に比べ1割増、新型コロナの超過死亡を示唆 …… このデータでは可能性はあるが無いとも言える程度だが興味深い。

ブルームバーグの記事である。

この手の都道府県のデータには、病名分類がないので正直判断は難しい。
興味がある人は以下の「次の国勢調査人口が公表されるまでの人口推計」の5月分(4月確定分)を見ると良いだろう。

今年は暖かかったので確かに、前年などと比べて4月の死者数が多いのは、怪しい。
ただ、死因が何だったのかが分からなければ、それが超過によるものかは分からないだろう。
東京都の集計ではこの死因を月集計することはないと思われるので、結果は分からない。

尚年集計は行っているが、今あるのは2018年までである。

ちなみに、全国集計の4月分は来月7月にならないと出ない。確報(死因などが分かるもの)はさらに数ヶ月後にならないと出ないので、秋になる。今出ているのは2019年11月分である。

そのため、忘れた頃に正確なデータがやってくることになる。その頃までに第二波第三波が来た後で、今回の流行に対する評価が間に合わないとかそういうことが無ければよいが……。本当は、こういう確報データの処理をもっと迅速に行える体制の拡充なども、国会や部会で議論すべきで、ブルームバーグはあくまで世界経済中心の記事なので関係ないが、国内の大衆紙や、報道に出ているであろう専門家が声を上げて欲しいのだが、足の引っ張り合いと、誰に金を蒔くかぐらいしか考えやしないのだから、遅くなったりデータが不正に歪められる可能性はあっても、より正確で詳しく迅速にということは期待出来ないだろう。

即ち、分からないということだ。最低でも夏が過ぎ、冬の足音が早い北海道では雪が山沿いなどで降り始めた頃にやっと全国の分析データが4月分で出てくる。

だから、ブルームバーグの記事は正しいかも知れないし、間違っているかも知れないが、まあ、良いところを狙って書かれていると言える。
何せ、通年のこの国における統計の時期で考えると、示唆(暗にそれとなく気付かせる)と書くことに対する答えは、国の統計では、皆が忘れた頃ぐらいまで後にならないと出ないので、これ以上は現時点で分からないし、東京都に至っては年を相当に跨ぐことになる。そのため、下手をすればこの病気がある意味本当に終熄した後とかそういう時期になってやはりそうだったのかとか、そういうことになるからだ。それまで、この記事を覚えておける人はきっとよほどこれに思い入れがある人だろう。

まあ、これを今の社会情勢に合わせて調べて公開するぐらいの配慮が出来るかどうかは、その都道府県や国、担当大臣、後は部署の余力ややる気と頭の回転次第だ。そこまでやると、本当に「新型」コロナに危機感を覚えているということを示す最高のチャンスかもしれない。まあ、こういう記事が出てそれを読んでからやるなら、その人の手柄とは言い難いが、やれば評価されるだろう。

尚、これが新型コロナウィルス(SARS-CoV-2/COVID-19)関連であったとしてもなかったとしても、実はこのデータが示している死亡者数の例年に比べて1割増は悪いデータだ。以下がその集計となる。

年月
東京都
人口推計
死亡総数(4月中)前年同期比人口比死亡率
2016年5月13,605,7608,7790.0645%
2017年5月13,716,9749,118103.8615%0.0665%
2018年5月13,820,3258,89197.5104%0.0643%
2019年5月13,921,3259,418105.9273%0.0677%
2020年5月14,002,97310,107107.3158%0.0722%
東京都:次の国勢調査人口が公表されるまでの人口推計より抜粋
スマホでは表が途切れることがあるので画像がこちら

内容を見ると、前年比で2%上昇率が高い。人口比死亡率は昨年より0.0045%高めに出ており、他の年より人口比の死亡率の上がりが大きい。
その点から、何か良くないことが単月では起きている可能性はあるだろう。

だから、COVID-19起因だったかは別として、SARS-CoV-2関連での自殺が増えたとか、そういう可能性もあるし、別の病気の可能性もあり、決して良い話じゃない。それは間違いないだろう。

それから、この自粛期間中でたぶん死因のいくつかは減っていたり傾向が全く変わっているはずだ。屋外での外傷による死亡などは必ず減る。逆に家で刺されたりが増えている可能性はあるが、自粛期間中故に外で事故や事件に巻き込まれる率は人が動かなくなる分減ると推定される。そういうモノがどういう形で影響しているかも、実はかなりこの4月中(5月1日集計)のデータは月単位でもし病名などを出せば、いろいろ変化が実感できるデータになるだろう。

即ち、コロナ関連で何かあるのは間違いなく数字に出ている以上の影響を及ぼしている可能性が高いと言うわけだ。

そして、それは死者数に対しては悪いものであった可能性は高い。ただ、COVID-19を逃したと見るにはデータが無いし、COVID-19より危険な何かが隠れている可能性も無きにしも非ずだろう。その先に進むにはあまりにデータが少ない。だから、データが今年はいつもより早く処理されたり、より詳しく早急に集計され出てくる事を願っている。いつもは出さないこれを早くに社会に公開することで、今後の対策を行政が社会から得る機会にもなるため、メリットは大きい。

まあ、未曾有の今だからこそ、日常の処理が結構立て込んでいるのでそう簡単にはいかず、むしろ遅れかねないのがこの難しい点だ。


<データ分析で大事なことは、結論を決めつけず常に進化させ続けること>

これは蛇足だが、分析で大事なのは、良いデータと悪いデータを必ず示して最初から結論に向かわないことである。何故両方が必要で結論に向かうべきではないかと言うと、結論が最初から決まっていたらそれに向かって答えを探すからだ。

全てが良いまたは悪いデータなんてあり得ないし、答えが最初から決まっているならデータなんて見なくてもよい。データは証明するために使うものだが、自分の中で決まっている答えに向けたデータを作るためのものじゃない。むしろ、自分が判断に迷っているときにデータが示す指標を見て判断するために使うものだ。

だから、良いデータばかりなら悪いデータを、悪いデータばかりなら良いデータを探し続けることが大事だ。絶対にどこかに良いまたは悪い点がある。それを見つけ出しておかないと、それが生み出す不確定要素の広がりを未然に阻止できなくなる。金銭とか公共性などが絡んでいる場合は、これを前提にデータを「取り続ける」ことが大事だ。もし、全体が同じ傾向になったら、それ以上の範囲でデータを分析して悪いまたは良いデータを探しあて続けないといけない。

これは、分析も進化し続けないといけないことを示す。
A~Cまでのデータで状況が同じ方向を示すようになったら、次はfactor Dを探して、それが同じになったらEを探せということだ。また、どれもずっと同じような雰囲気で分析結果が変わらない場合も新たな要素を探し続けないとだめだ。

尚、近年は一部の専門家においてこのFactor X(未知の変数/要素)を探さない人が増えている。これまでの分析ではこうだから、こうなるだろうと定点的な過去分析論が増えてしまっているのだ。これは、専門性の細分化による弊害であると思われる。だから、今回のSARS-CoV-2/COVID-19でも、当初と見解が変わっていった。これは社会の複雑化による時代の変化でもある。

昔はこの統計を手でやっていたので、誤りや抜けも多かったがその一方で、意欲的に範囲を広げていく人が多かった。しかし、今は統計をするのは機械で、その結果を見るのが分析の専門家になる。だから、統計を見る人に言われてシステム側の人や下の人間が入力やスライスをする。即ち統計を処理する人と、分析して解釈する人が違うぐらい専門がバラバラになってしまったのだ。

その結果、自分が出したい結論を出すために、分析をお願いするという質の悪い専門家も出はじめている。これが今世界で一番怖い要素だ。

ブルームバーグの記事がそれなのかは難しいところだ。この記事には分かり難いがハイパーリンクが張られていて元データの参照が出来るようにされているからだ。経済通信社であることも考えると、最終的にこれをどう分析して経済に活かすのか、投資に活かすかはお前らの判断だと言っているとも言える。しかし、これが大衆紙にも引用されてリンクなしだと、結構間違えて解釈する人も多いだろう。

今回のデータの場合は、良いデータは東京都の人口は増えている中で、悪いデータとして死者も増えているということをピックアップしている。それしか全体で見られる傾向は無かったからそれで示したが、COVID-19に対するfactor Xは傷病名の振り分けがないと分からないので、新型コロナの超過死亡は示唆されているとは判断出来ない。まあ、その可能性はあるという程度だ。

そして、外出自粛などがあったなかで、交通事故などは減っている(ひき逃げなどは増えたかもしれないが、一般の事故や外出先などでの怪我は減っているはずだ)と思われる状況において、増えているのを見るとSARS-CoV-2によって影響を受けた死は増えている可能性が高いと言えるだろう。即ち、数字の増加分より、SARS-CoV-2の広がりに伴って生じた死亡者増加の影響は大きいと見るのが妥当だ。

しかし、それもまた、あくまで予想であって死の原因となった傷病名が必要となる。
私としては、その方向で見た方が、これからの東京や日本の在り方を考える上では重要だと思っている。だから、興味深い話だが、これまでの日本の自治体が出す統計の発表時期から考えると、そのデータが出るのはずっとずっと後になるので……これ以上は分からない可能性があるのが大変拙いということになる。



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