ヤフーとLINEが統合検討 月内合意目指す…… 合弁で国内No1は衰退への一歩になることも……。

時事通信社の記事である。最近のソフトバンクグループ傘下の動きは急である。

それは、たぶん親会社のソフトバンクグループ本体の業績が芳しくないからだろう。ただ、ソフトバンクグループで当初より遙かに成功しているビジネスは、Zホールディングス傘下のYahoo!Japanと、ソフトバンクぐらいしかない。実はソフトウェアやAI最先端を売り込むために出したPepperは事業的には失敗したし、sprintの買収も事実上失敗である。ビジョンファンド関連も上手く行っていない。

Yahoo!がアスクルと行っていたロハコも、赤字で今年揉めた。PayPayが成長を見越して膨大なキャッシュバックをしているが定着するかは分からない。そこで、行ったのがLINEとの統合なのだろう。Pay系の支払いでは期待しているほどの情報が集まっていない恐れが高い。

だから、市場で同じようなキャッシュバックを使って支配率を上げようとしているLINE Payを食えばほぼ盤石になるし、LINEの事業はスマホ中心でYahooはPC中心だったこともあり、重なる部分は少ない。M&Aによって成長してきた企業ソフトバンクグループとしてはこれほど大きな成長の可能性はない。


ただ、これを官庁が認めるのかというと、難しいところだ。この2社は国内トップ企業であり、合併すれば世界でもそれなりの規模になる。一方で、最近この手のネット系企業で各国の大手に対する風当たりは悪い。M&Aや合弁でGAFAと同様の事態になってしまえば、結果的にGAFAやFAANGの一角が、それに置き換わるだけになるからだ。自力で成長したならともかく、買収や合併でそうなられては官庁の管理監督が問われかねない。投資家からすれば利益が出ればそれで良いが、それで長い市場の歴史(大型企業による独占や寡占化は成長を妨げ衰退を早める)が潰えるようでは目も当てられない。

そのあたりの判断を日本の公取が今後することになりそうだ。まあ、政府を見ていると通るだろうが……条件は付けるべきだと思う。


<何故今統合なのか?>

これは、両社の業績と親会社の関係があるのだろう。そして、QR決済もPayも問題だ。LINEの場合はPayの影響で業績が悪い。実はこれはPayPayにも言えることで、ソフトバンク系のITmediaの記事などではPay系決済(QR決済)は好調のような記事が並ぶが、期待しているより若者を中心とした若年層の利用者が少ないという話が、このところ聞かれる。中国などでは逆だった。ちなみに、QRを一番使っていると思われるのは、30代~40代だと思われる。それでも、低調で2割もあれば良い方だ。ちなみに、キャッシュレス払い自体は市場の8割以上に浸透しているはずだ。その多くは、FeliCa(おサイフケータイ、Suica、WAON、nanacoなど)払いである。これらは高齢者でも使う人が多い。そして若者もその傾向が強い。


では、何故若者が使わないのかというと、今中国ではQR決済よりもNFC(FeliCa)決済も始まりつつある。新興国でQR決済が広がったのは、NFCが普及していなかったからだった。それが透けて見えるからという点が一つ、それから操作が面倒くさいというのが2つ目、3つ目はこの手の支払いはクレジットカードや預金口座と連動させるケースが多く、仕事を持たない子供は使いにくいという点だ。正直、WAONやnanaco、Suicaの方がお小遣いをチャージし易い。そのチャージをすることで、お金を幾ら使っているかの管理もしやすい。

だから、QR決済の魅力は、ポイント還元止まりになり、若者は使う率が下がる。そして、店頭でお金を出すよりは楽なケースもあるが、FeliCaが使えるならそっちの方がよいと誰もが思っている程度で、5%とか10%とか、20%とかの還元目当ての利益優先なのだ。

その状況では、この2社は還元を止められない。だったら統合という話になったのかもしれない。

それ故にLINEはNAVERが期待したほどの成長力を持たなくなった。何より韓国ではLINEは普及しておらずカカオトークが中心である。今の韓国情勢とLINEの日本重視の姿勢を考えると、沈んでいく企業と見ている可能性もある。(普通なら日本事業を強化するより海外での成功を広げようとするからだ。LINEは既にその点では落第である)まあ、上手く行けば、NAVERがソフトバンクグループの一角であるZホールディングスの主導権を握ることも出来るだろうから、これが狙いかも知れない。

Zホールディングスからすれば、実はこれによってソフトバンクグループ(親会社)の資本関係を薄めることが出来るという狙いがあると思われる。
要は、Zホールディングスはあくまでソフトバンク(携帯通信会社)やソフトバンクグループ(投資会社)の配下であり、その親会社2社があまり芳しくないわけだ。前者は、親子上場を果たしたが、株価は公募時の予定価格近辺をうろうろするほど停滞し、遂に社債発行にまで進むことになった。
後者は、ビジョンファンドがどうなるかで会社の先行きが決まるが、そのビジョンファンドの投資がどうなるかを決めるのは、経営トップの孫正義ではなく、どう考えても世界経済だ。

万が一が起きれば、Zホールディングスの投資先行きにも影響を与える。だから、薄めたいというのがあるのだろう。

ただ、それが公的に許可されるかは分からない。LINE PayとPayPayの状況を見ると、この2つの事業のどちらかを切り離して、売却すればという話も出てくるかも知れない。(一般的に考えるなら、その判断ぐらいは出来るべきだと思われる)


<業界再編というよりも……>

このところの動きは、ソフトバンクグループが徐々に盤石な地盤を失いつつあり、その中で子会社が危機感を抱いて、必至に親資本を緩め、自社の魅力をアピールするために再編に見える状態を仕掛けているように見える。しかし、実際の状況をみるとやっているのはあくまで国内での内向きなM&Aや統合提案であり、より大きな再編でもない。

何というか、日本の公取が許可するかしないか程度の話だ。国内でどんなに最大手になっても、海外では足場を広げることが出来ないなら、それは結果的に少子高齢化の進行で、小さくなっていく国内市場で最終的に大きくなった体を再び縮めなければいけなくなる日が必ず来るだろうから、一時的な話に留まるだろう。

それなら、国内でのM&Aよりも積極的に海外で一緒に組めば(ソフトバンクグループのようにただ株を持って放置して大きくなるのをまつとか、ジャブジャブに金を入れて肥やすのではなく、ちゃんと協業して)成長する企業を見つけて広げた方がよい。NAVERはある意味で、それが出来るかも知れないと思っている節がある。Zの親であるソフトバンクグループに何かが起きれば、事実上NAVERが資本上の親になれる可能性が出てくるからだ。

しかし、ZにLINEを食って世界の足がかりにするようなメリットがあるのかは、微妙だ。LINEも世界性長は既に止まっていてLINE Payにお熱だったからだ。


この辺り、この2社の自信のなさとNAVERの強かさを感じるが……まあ、これはあくまで個人的な憶測なので、実際に何故このような話になったのかまでは分からない。ただ、どちらかというと一番大きな理由はソフトバンクグループの大元の国際的信用度の低下にあるのだろう。












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