第3世代Ryzen Threadripperは32コア/64スレッド止まりなのが気に掛かる。……プロセスノード(CMOS)が12nm!?

AMDが昨夜第3世代Ryzen Threadripper(Zen2 Micro-Architecture版)を発表したようだ。ただ、コアスレッドの数は32コア/64スレッドに留まっているのが、気に掛かった。そこで、スペック(仕様)を詳細に調べてみた。


スペックは以下の通りとなる。

CPU Ryzen Threadripper 3970XRyzen Threadripper 3960XRyzen Threadripper 2990WX
MAZen 2 MAZen 2 MA
Zen Core MA
lithography12nm※12nm※
12nm
PIB  
YD299XAZAFWOF
発売日2019年11月25日2019年11月25日2018年8月13日
コア数/スレッド数
増減率(2990WX比)
32C/64T
(100%)
24C/48T
(75%)
32C/64T
(100%)
ベースクロック
クロック上昇率(2990WX比)
3.70GHz
(123.33%)
3.80GHz
(126.67%)
3.00GHz
(100%)
最大クロック数
クロック上昇率(2990WX比)
4.50GHz
(107.14%)
4.50GHz
(107.14%)
4.20GHz
(100%)
命令キャッシュメモリー(L1-I)
データキャッシュッメモリー(L1-D)
64KB(8-W)×32C(2048KB)?
32KB(8-W)×32C(1024KB)
64KB(8-W)×24C(1536KB)?
32KB(8-W)×24C(768KB)
64KB(4-W)×32C(2048KB)
32KB(8-W)×32C(1024KB)
セカンドキャッシュメモリー(L2C)512KB(8-W)×32C(16MB)512KB(8-W)×24C(12MB)512KB(8-W)×32C(16MB)
サードキャッシュメモリー(L3/LL)
増減率(2990WX比)
128MB
(200%)
128MB
(200%)
64MB
(100%)
TDP

280W
(112%)
280W
(112%)
250W
(100%)
メモリーホスト最大
帯域ピークレート
DDR4 2933MHz@64bit 4ch
25.6GB×4ch=102.4GB/s
DDR4 2933MHz@64bit 4ch
25.6GB×4ch=102.4GB/s
DDR4 2933MHz@64bit 4ch
23.4GB×4ch=93.6GB/s
最大温度仕様68度68度68度
パッケージ
チップセットサポート
最大PCIeレーン
sTRX4(sTR4と互換なし)
AMD TRX40
PCIe4.0×72
sTRX4(sTR4と互換なし)
AMD TRX40
PCIe4.0×72
sTR4
AMD X399
PCIe3.0×64
価格(発表時点)1,999USドル1,333USドル1,799USドル
-CPUコアの仕様-


Zen MA FPU/Core
2x 256bit SIMD
2x 256bit SIMD 
2x 128bit SIMD
(AVX2は2x分割で処理)
Zen MA ALU/Core
180 register
3 AGU
4x16 ALU Scheduler
1x28 AGU Scheduler
224 Reorder Buffer
180 register
3 AGU
4x16 ALU Scheduler
1x28 AGU Scheduler
224 Reorder Buffer
168 register
2 AGU
4x14 ALU Scheduler
1x14 AGU Scheduler
192 Reorder Buffer
    
    
    
※AMDのプロダクトに基づく情報3970X3960X(2019年11月8日時点)に基づいています。一応確認時の画像。誤りだった場合は同社サイトの情報が後に変更される可能性があります。(このBlogの記事は変更する予定はありませんので、正しい情報が必要な場合はAMDサイトを確認してください)


重要な点は、※でも説明を書いているlithographyの部分である。プロセスノードが12nmになっている点だろう。

一応Zen2にはなっているようだが、製造ラインが切迫しているなどの理由で、大型製品を12nmのラインで製造することになったのかもしれない。サーバー向けであるEPYC 7742 (64C/128T)はベースクロックが2.25GHzで最大3.4GHzとクロックが低いもののTDP/225Wに収まっており、32コア版EPYC 7542も2.9GHz/3.4GHzで同じTDPであることを考えると、7nmならきっと250Wに収まった可能性が高い。

予想するに、7nmで製造する新型EPYCの引き合いが強すぎる一方で、12nmが空いてきたことで、大規模コアはこちらに変更したのかも知れない。まあ、もちろんAMDの記載間違いという可能性も否定は出来ないが、12nmであることが事実なら64コアがまだ出て来ないのは、12nmだからということだろう。

確かなことは、これを見る限りでRyzen Threadripper 3960Xでさえも2990WXを性能面で下回る可能性は低いということだ。コア数が少ない分を、ベースクロックのアップで補い且つ、Zen2はAVX2の性能が大幅に上がっているからだ。即ち、もう性能選択だけで見るなら2990WXより3960Xの方が魅力的と云うことになる。もちろん、実際には製品が出てみないと分からないし、オーバークロックするならクロックや電圧耐性の差も出てくるだろうから、最終的な評価は製品がでないと分からないが、スペック上で魅力的なのは39x0X世代である。

但しこれが、価格という点になると難しい。
問題は、ソケット互換性が今回は失われたことだろう。もし、導入するなら既存パーツの流用がなければ、マザーから全て揃えて30万~50万コースになり、マザーとCPUの入れ替え中心でも、予算は20万台(3960X)~30万台(3970X)を見ないと厳しい。

何より、3970Xという名称からみると、EPYC 7742と同じ64C/128Tの3990WX(7nm)がどこかで出てくる可能性も否定できない。


まあ、性能とコア数を考えると、熟れてくる(価格が落ちてくる)であろう2990WXでも多くの人はその投資をしたいと思うほど必要性を感じないだろうから、こういうワークステーション向けのPC分野に投資したいと思っている人がいるなら、39x0世代が出てから2990WXの枯れた製品に投資するというのも一つの手だろう。

いや、ボーナスが潤沢に出るからというなら、3970Xはとても魅力的な品である。きっと、映像制作でもゲーム制作でも物理演算によるシミュレーションでもよく活躍してくれるだろうが、3970Xであって3990Xや3990WXじゃないところだけが、少し心配である。もしかすると、IntelのTiger Lake/Alder Lakeが順調に動き始めたという情報でも入手したのか?なんてことも考えてしまう。それでも、おおよそ今は最強に違いない。




<更新履歴>
11月8日17:00 表の項目を修正追加






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