Surface Pro XはArm系プロセッサーのSQ1搭載……性能が9Tera Ops(オペレーションズ)ってAI関連かな……勘弁してくれ。

各紙が、Surface シリーズの新モデル主に3機種(2020年投入のSurface Neo Win10X版とDuo Android版2機種、及びPro X)の記事を書いている。ちなみに他にもSurface Laptop 3(AMD Ryzenモデル)、Surface Pro 7なども発表されている。
その中で、実際に今回投入されるのはSQ1と呼ばれるQualcommと共同開発したプロセッサーを採用したPro Xである。内容を読む限りでは、全く性能の説明が出来ていないので、ワケワカメなのだが……


一部では、9 Tera Opsを9 Tera Flops(9兆回の汎用浮動小数点演算)が出来ると勘違いしている人もいる。書かれているのは、Opsなので普通に考えるとオペレーションズ(操作)である。だから、9兆回何か特定の処理を繰り返せる(結果が出せるかどうかは問わない)ということになる。普通に考えるとディープラーニング(AI)でループやニューラル処理で行われる演算単位のTrillionをOpsとして表したのだろう。

何というか今は性能が大して上がらない世の中になり、パソコンやスマホも買替え需要以外の新規需要は少ないため、メーカーが互いに限られた市場シェアを食い合う状況にある。そこで、情報弱者や勘違いする人をうまく取り込もうと、メーカーもあの手この手で、勝手に言葉を増殖させているから困る。

調べても言葉の意味が出て来ないとか、言っている意味は何となく分かるが、元々言葉が別にあるのに、何故そんな言葉を作ったというケースもよくあるからだ。売るために作って、それをよく分かっていない記事書きが意味も分からず、べた褒めして売れるなんてのは勘弁して欲しい。

本題である。

<SQ1の中身はほぼオーバークロックとチューニングをしたSnapdragon 8cxかな?>

SQ1の中身は、どうもSnapdragon 8cxに何らかのカスタマイズを加えた製品をベースにしていると思われる。もしかすると、この冬にでも発表されるであろう新製品のカスタマイズも有り得るが、そうじゃない可能性が高い。

その証拠にGPU部はAdreno 685のようだ。たぶん、AIを売りにしているので、Hexagon 690(Tensor AL内包※)の部分の性能をよりPC向けに最適化したとか、クロック周波数を引き上げたとかそんなところかもしれない。マ社ではAIエンジンを別実装しているように示していたようだが、それはないだろう。Hexagon DSPの開発プラットフォームに何らかのカスタマイズ(マ社の手心)を加えたとか、PCでは要らない周辺機能を排除し、PCIe(NVMe)のバスインターフェースを拡張したとかそんなところじゃないかと思われる。そう考えれば、9 Tera Opsの意味は分かる。これは、Snapdragon 855におけるAI(ディープラーニングコア)の性能、7 Trillionをさらに2 Trillion上げて9 Trillionまで引き上げた製品と考えることが出来る。



ちなみに、GPU性能はAdreno 6xx世代ではシェーダーユニットをSnapdragon 855のAndreo 640から4倍に増やしてクロックを倍に上げても、8TFlopsには達しない。まあ、SQ1のGPUは2Tera Flopsであることが示されているので、640の2倍のシェーダーユニットでクロックを1割か2割上げたものと考えられる。

尚、Surface Pro 6の3倍のワット性能とかは、純粋性能ではないし、そもそもワット性能が幾ら高くても、x64(x86-64)のアプリケーションが動かないので、Snapdragon 8cxでさえも厳しかった。

では、何故マイクロソフトはSQ1としてArm版を発表したのか?
それは単純だ。マ社が協同開発したと発表すれば、中身がSnapdragon 8cxのオーバークロック版や簡易カスタマイズでもスゲえって思うからだろう。実際にそうなっている人はきっと多いはずだ。その効果が購入の瞬間まで継続できるかどうかが勝負だろう。その魔法が購入までに解けるなら、これはSurface RTの二の舞になる。
もしかすると、Qualcommの8cx売上げが極めて低調なので、いろいろ大人の事情で取引が行われたのかも知れない。



<ArmがPC(Windows)に食い込む最後のチャンス>

筐体が大きいので日本では売れにくいサイズだろう。海外ではこのサイズなら十分売れる。ただアプリの互換性が問題となるだけだ。これが、問題で他社製品は売れなかったのだから。あとは、Microsoftのプロセッサーですアピールがどこまで、消費者の購買意欲を煽ってくれるかと値段(が安くなること)だけだが、価格は $999.00とやはり安くはない。どれだけ、このCPUのインパクトを消費者が信用するのかが試される。

既にIntelは数量が少ないもののArm版に匹敵する電力性能を目指すIce Lake製品の投入を発表しており、さらにLakefieldも計画している。Lakefieldが最初から潤沢に供給できるなら、x86の電力性能はさらにArmに近づくだろう。そのように考えると、Intelの10nm世代における歩留まりがいつ改善されるかに掛かっているが、そろそろArmがPC市場(日本で言うWindowsPC市場)に食い込めるかは勝負が付く時期にある。

そこにマ社とQualcommが賭けているのだろう。

まあ、ここまでマ社が力を入れているのはAppleがArmへの移行を目指しているのもあるのだろう。macユーザーの多くはWindowsもmacで使っているが、Arm/x86両互換アプリが整わない中では、そのシェアがAppleもマイクロソフトも落ちるリスクを抱えている。だから、必死だということも有り得る。

これで失敗しても再びの撤退はたぶんせずに細々とは続けるだろうが……マ社が続けるかは分からない。
尚、たぶん日本ではビジネスモデルじゃない限り、MS Office が付いてくる可能性が高く、10万は確実に超えるだろう。


<Surface Pro XがChromeOSかiPadOSなら良いかも……>

個人的な意見として、Surface Pro XがChrome OS(Androidも可)か、iPad OSで9万ぐらいなら欲しい。
しかし、Windowsなら必要性がないので要らない。Armではx64アプリケーションが動かないから、使い物にならない。x86でさえも動かないネイティブアプリが結構あることは既に分かっているし……。

ならば、AndroidやChrome OSを入れた方がきっと良い相棒になるだろう。
そっちを出して欲しいと思う。アプリケーション開発も近年はそっちの方が増えており、WindowsでデスクトップアプリのArm版はマイクロソフト社が提携でもして開発していなければ殆どなく需要も乏しいからだ。(尚ストア版なら多少増えているが、ストア版は同じ製品ブランドでもデスクトップ版とは使い勝手が違ったり、UWPやAppXによるコンテナ化に伴う制限や不具合生じるアプリもある。)


個人的には、Surface NeoでAndroid版も公開するなら、XもAndroidやChromeOSの採用を考えて欲しかった。


最後に、新モデルが出てくると旧Surfaceも安くなるはずなので、狙っている人には、Pro 6やGoを買うチャンスかも知れない。


※な様
コメントありがとうございます。分かり難くて申し訳ない。ALの部分はAcceleratorを略したものです。
Qualcomm Tensor Accelertor(クアルコムテンソルアクセラレータ)と読みます。ベクトル演算の一つです。主に、Nural Processingにおける枝分かれ(で答えや結果)のある処理を連続して行う時に、その処理を簡単に行うための短縮命令セット群となります。Qualcomm DSPであるHexagon 690から採用されており、開発環境ではQualcomm neural Processing SDK version 1.22以降から対応しています。


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 7

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い 面白い 面白い 面白い
ナイス

この記事へのコメント

2019年10月03日 15:13
すんません、Tensor ALってなんでしょうか。
きつね
2019年10月04日 16:09
今回はスルーします。
Pro 7をPro Xのようなモダンなデザインで発売してくれたら良かったのにというのが率直な感想です。
2020年01月14日 18:41
遅くなりましたが、補足ありがとうございます!
理解いたしました。
(Tensor ALでググっても出なかったので、混乱しておりました。)