第10世代Core XはCascade Lake-Xで登場価格は大幅値下げ……エンスージアストでは最強だけれど、消費電力は最高クラス。

PC Watchの記事である。Core Xシリーズの第10世代目が登場したというものだ。実際には10世代でもIce Lake/Comet Lake系のEP/EXではなく、SP系のCascade Lakeを選別した物であり、完全にパフォーマンスレンジとエンスージアストでは別物のコアといっても過言ではない。



<お値段は大幅下落も、性能はCascade Lake-SPと同等の月並み>

お値段は大きく下がったようだ。これは、Ryzenが圧倒的にお安く高性能なので、下げざる終えなかったということだろう。TDPは165Wと高いのは、Cascade Lakeの選別品で14nmだからだ。これは、Xeon Wシリーズ(Workstationやサーバー向け)の選別品ということだ。

ちなみに、このコアにはAVX-512VPOPCNTDQ(Vector Population Count Doubleword and Quadword)などなどの命令が搭載されているので、Comet Lakeよりも新命令の恩恵分性能は高いが発熱もデカい。ALU/FPUはIce Lakeよりも低性能だが、ベースクロックが高くコア数が多いので全体としては高速になるだろう。あとは、AVX512命令を使うアプリならそれなりに高速だろう。(それを多用するアプリなど未だ殆ど無いと思うが……)

まあ、だから半額になったのだろう。

尚性能は、Threadripper 2990WXよりは、コア数が少なくとも僅かに高速になるが、平均消費電力も2割から3割高くなるはずので、その点に留意した方がよいだろう。あとはこの先の話だ。


<AMDに戦々恐々とするIntel>

たぶん、Intelがこれを出したのは、AMDが間もなくThreadripperのZen2版を今年終わりから来年の春までには出すと見たのだろう。これはEPYCの選別品であるため、第2世代Threadripperと同じレベル製品だとすると、最大コア数は3990WXで64C/128T(EPYC 7742相当)となると予想されており、ほぼ間違いないと思われる。

これが、出てくると性能は再び一気に突き放されてしまう。AMDの恐ろしい点はコア数が毎年倍倍のペースで増えていることにあり、しかも、コア辺りの純粋なクロック性能も10%~20%ずつ向上していることにある。これはキャッシュ容量やバスの改善だけでなく純粋に演算部分も見直していることが、Intelとの大きな違いだ。

性能は一気にThreadripper 2000シリーズに対して2倍以上に跳ね上がることになるからだ。

Cascade Lakeではサイドチャンネル攻撃対策などを加えて確かに改良はされているが(それでも新しいサイドチャンネル脆弱性がボロボロ出ている)、コアの性能向上に掛かる部分は、AVXの命令改善やキャッシュ周りの僅かな修正に留まっている。それ故に、驚く程の性能向上はIce LakeのEP系が出ない限りはゲームチェンジャーにはならないと思われる。そして、それがいつ出てくるかはまだ不明確だ。

しかし、AMDはコア数は倍、性能は前の世代に対してクロック辺り1割以上上げているわけで、これでIntelが価格を据え置いて売るのは無理がある。
もしも、ここにAMDが64コアのThreadripperを出せばCascade Lakeは霞むことにになる。実際に、EPYCは急速にそのシェアを伸ばしていることからも分かる話だ。

だから、モデルナンバーを10世代に引き上げ、価格も大胆に下げることで、そのハイエンドの需要を先に食い尽くす方策を目指したのだろう。


<Threadripperの投入時期>

今、Ryzenは生産が追いつかない状態が続いている。それ故に、Ryzen 3950X(16C/32T)でさえも11月まで販売開始が遅れている。
そのため、発表が早くて、11月の3950Xを出荷する前後に、何らかのアナウンスをしてThreadripperの発表時期(出荷ではない)が決まるぐらいだろうと思われる。

この辺りが、AMDにとってライバルのシェアを大きく奪えるほど良い物が出来ていても、製造ラインの都合で攻めきれないという苦しさに直面していることを示す。ただ、来年の春までには出てくるんじゃ無かろうかと思う。何せ来年の春から夏にはZen3が登場する予定だ。
それまでには投入しなければいけないが、需要が増えていることで予定が狂ってしまっているのが嬉しいのか悲しいのか?複雑なところだろう。


しかし、これでIntel製品の価格は大幅に下がり、競争に沿った価格になってきた。
これまで、Intelの天下だった市場がやっと崩れ始めたということは、消費者にとって良いことだ。

これはコンピュータに限ったことでは無いが、高止まりすると言うことはライバルがおらず、市場が寡占化されていることを示す。そして、その寡占状態に甘んじている(ライバルからユーザーを盗み取る気もない)わけだ。今や日本市場ではそういうのが当たり前の市場も多いが、その状況になると技術革新も、市場の進歩も未来への希望も徐々に減速していく。

ただ、新しい企業でも新しい技術でも何でも良いから、出てきて再び切磋琢磨するようになれば、市場は蘇り、動き出す。
それをこのx86 CPUの市場はしっかりと示している。

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