Core i9-9900KS投入されるも評価は微妙……仮称:Willow Cove Micro-Architectureまでお預けかな?

Core i9-9900KSが投入されたことで、ASCIIが早速簡易レビューをしていた。比較対象は、Ryzen7 3800XとCore i9-9900Kである。

電力評価などはまだ行われていないが、CINEBENCH R20の評価だけでは、Ryzen 3800Xと僅差というレベルのようだ。ちなみに、Ryzen 7 3800Xは3.9GHz/4.5GHz動作なので、実際問題で言えばこの差だとCPUとしての性能は完全に負けている。
TDPも公称の通りなら、Ryzenより劣るだろうから、まあよほどIntel freak(インテルフリーク)でなければ、KSを選ぶ理由は無さそうだ。


<パフォーマンス市場は最低でも今年から来年夏頃までAMDの天下>


今確かなことは、パフォーマンスPC市場では来年の夏前まで既にAMD天下が決まっていることだろう。
現在、Intelがこの市場で投入をしているまたは予定しているプロセッサーは全て14nmのみで、それらは全てSkylake Micro-Architectureのリフレッシュ製品である。コアを増やしたり、メモリホストやPCIe帯域などを変更した製品に過ぎず、最新版はComet Lake-S(第10世代Core)となる。ちなみに、変わるのはコア数が10、スレッド発行数が20のCore i9が追加される。
Core X(EP/EXの派生品)とは違い第9世代のIntel GPU内蔵となり、AVX-512はサポートしない。尚、TDPは95~127Wの範囲内には収めるだろう。

では、これが新しい世代に変わるのはいつかというと、今のところは来年の夏以降であると思われる。
今の予定通りに行けば、来年の夏にはSunny Corve Micro-Architectureの後継となるWillow Cove Micro-Architecture(仮称)を利用したTiger Lake/Alder Lake世代(10nm)が投入される見込みである。ここで、S系とH系のコアを出したいとIntelはしているようだ。まあ、Intelは出すつもりだろうが、CannonlakeとIce Lakeは完全に立ち上げに失敗しているので、でない可能性もある。

その場合は、きっと来年中に12コアのComet Lake Refresh-S(14nm Penta PLUS/+++++)が投入出来るかどうかを頑張るのだろう。今も必死にそういうチームが頑張っている可能性はある。(ちなみに、14nmのプロセス技術で16コア化は厳しいだろう。)


このような状況なので、既に14nmのCore i製品(GPUレスのXを除く)でAMDのRyzen 7/9を上回るのは無理だろう。
まあ、IntelにはGPUレスのCore X製品群があり、こちらはAVX-512が使えることもあり、そちらと比較すると良い勝負になる。問題は、AMDでこのクラスに対抗するのは、Ryzen Threadripperであり64core版の第3世代Threadripperはまだ出ていないことにある。EPYCベースの方も生産量がカツカツであるとされるため、AMDはThreadripperを選別する余裕もないと思われる。IntelはAMDの生産数量不足に助けられている面もある。


<それでもIntelは持ち直しつつある>

ただ、現状としてIntelの将来性は徐々に持ち直しつつあるようだ。実際問題としてSunny Corve Micro-ArchitectureのIceLake-U/Yが少量であるが投入されたことで、U/Y系のプロセッサーの性能は大幅に向上した。クロックが低くても性能は高いので、Ryzenを採用するほどには至らなくなってきている。


また、先日発表されたTremont Micro-Architectureの評価イメージはかなり良好だ。
このプロセッサの改良点は発表時に書いたが、もう少し改良点を詳しく書くと、

レベル1のデータキャッシュが24KB→32KBに増えた。
これにセカンド(L2)キャッシュが4コア共有で4.5MB(1コア時1.5MB、2コア時3MB、4コア時4.5MB)実装されている。

フロントエンド(デコード、分岐予測)は、同じ構造の2クラスター構成で将来的にSMT(Hyper Threading)でも意識しているかのような構成である。
デコーダーは1つのクラスター辺り3つで構成され、2つのクラスターで6となる。これをmultiplexer部分までに結合させ、ポートへと配置するポートは10あり、3~4増加した。

Vector(ベクトル)系の演算はCore iとは異なりSSE4.2までしか行えないが、本来AVX512で実装されるはずのGalois Field New InstructionsをSSEレベルでサポートする。他にキャッシュ降格に関連する命令や、Split Lock Detectionなどの命令が追加されているようだ。


これは、10nmで製造されており、それほど苦も無く登場しそうだ。AVXレスでダイの大きさも小さくクロック周波数もさほど高くないAtom系製品群なので、Ice Lakeが出はじめている現状では、問題が出ることの方が不味い。

公称を元にして実際の性能を予測すると、およそクロック辺りの性能はCore i7-2000世代(Sundy Bridge)~3000世代(Ivy Bridge)と同等かそれ以上になると思われる(GPU等も加味するとたぶん上回る)。AVXレスでAVXありの2000世代に匹敵するということは、脅威的なパフォーマンスがあることを意味している。ちなみに、2000世代の2コア/4コアなら、SSD(SATA/3-600MB/s)さえ実装していれば、現状でもWindows 10は特にストレスなく動作することを考えると、UFS2.1 L2(1166MB/s)のストレージを繋げば、より快適になるだろう。

これで、Atom系の省電力コアなのだから、よほどゲームとか開発とか映像制作とかしないならCore iを選ばなくてももう良いんじゃね?というレベルである。

LakefieldはこれにIce LakeのSunny Corveコアが1つ搭載される見込みなので、期待は大きくなる。
まあ、Intelの発表通りの性能上昇率ならばであり、Lakefieldは量産が予定通りに出来るのかとか、いろいろあるが……


これに、3D XPointの量産と評価が上々というのもあり、実は逆境を撥ね除けつつあるのが今のIntelである。
脆弱性があろうが、CPUはもちろんそれ以外も含めた総合的な面で、Intelの層の厚さが同社を立て直しに向かわせている。後は、9900KSを出さねばならないパフォーマンス市場でいつ10nmの製品をちゃんと投入できるのかだけだ。

来年もComet Lake Refreshのような製品に逃げることがなければ、AMD次第ではあるが再び改善に向かうだろう。


しかし、そういう状況にあっても、9900KSを出すと決めたのは、なかなか凄いと思う。個人的には、9900KSのような製品をだすなら、Tremont Micro-Architectureで省電力なAtom x9-Z9800ぐらいで組込のボックスPC(限定生産)を出した方が、評価は得られそうな気がするが……。まあ、そういうのはIntelのプライド的にいやなのだろう。

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