高齢者に限定免許=事故防止へ安倍首相指示-「サポート車」後押し……政治家は経済団体の犬であり、問題解決する気は毛頭ない。

時事通信社の記事である。これを良いことと思う人は、良く考えた方がよいだろう。議論もしっかりせずにこの話だけが出てくるのは、ただ財界がそれを入れてくれといったからだと思われる。しかし、これが本当に事故を減らすとは限らないし、そもそも「自動ブレーキや、ペダルの踏み間違い時の加速抑制装置」の品質評価は未だに十分に確立されていない。

今の報道は、決してその問題点も利点もちゃんと伝えはしない。こういうこれから必要な議論に専門家が使われないから、後で大きな問題が発覚してからてんやわんやすることになる。政治も政治で技術を入れれば良いぐらいで考えている。議論することより、誰かの責任を追及するか、それを躱す(本来責任があるなら辞職させるのだが、それをしないことで野党が悪いぐらいに置き換える)ことで、こういう大事な部分を疎かにする。

結局、選挙で既存の地盤が強い議員が沢山通るから変わらないのだろうが、この国は既に高齢化によって、変化を恐れているから、政治が大企業の言いなりになって民衆が搾取され、滅んでいく可能性が高そうだ。


<限定免許では今の踏み間違い事故の大半には意味が無い>

そもそも、免許を限定しても、認知症の疑いがあるという人に対する免許の発行区分と免許の有効期間やそういう人の病状進行度の観察制度が見直されないと、事故は起き続けるだろう。自動運転が幾ら充実しても、プリウスミサイルとネットで揶揄された問題は、多量に起きている訳で、サポート車だから安全な訳では無い。もっと言えば、近場専用の車だから事故が減るとも言えない。そもそも、運転の能力が落ちてくる人は、遠乗りを減らす人が多いからだ。それでも、事故る人は多い。

これらの車両は、ステレオカメラやミリ波レーダーがそれを認識出来ても、停車出来るだけの速度と距離でなければ、事故に繋がる。制動停止距離は速度に比例して伸びるので、レーダーで監視出来る距離外で80km速度が出ていて、20m先に人が居ると判断してブレーキを掛けても殆ど60kmぐらいでぶつかるだろう。全く意味が無いとは言わないが、今起きている高齢者が起こすブレーキの踏み間違いは、この手の事故が極めて多い。

その問題が起きていない前提になっていることが私にはどうにも腑に落ちない。

そもそもの話、サポート車は以下のようにグレードが3つもある。この時点で品質と水準にばらつきがあることを示しており、本来ならこの話を出す前に、どれだけの水準を高齢者専用に仕向けるのかといった骨格をまず示してから、議論を始めるべきである。報道も、そこまで分かってこれから国会に出るらしいという段階で専門家も交えて報道すると、意味がある。何というか、これをやれば高齢者もハッピー、社会もハッピーのような議論が始まると流れているのが驚きである。むしろ、これどう考えても一般社団法人日本自動車工業会に推されたろうって言える内容だ。




<政治も報道も簡単な施策しか打たない>

今の政治にしても、報道にしても最近は質が悪すぎだ。
まず、最初にすべきことは認知能力が低下した人が免許の更新で突破されないような仕組みをどうやって作るかを議論し、それを法制度に反映させることだ。サポートカーより立法府(国会)や政府(行政)が真っ先にやることはそこである。

それと同時進行か、または終わってからやっと自動車などの車両に対して一定の枠組みを設けることが出来るようになる。
そうしなければ、事故は減らない。何故なら、認知能力が衰えた人等がアクセルとブレーキを踏み間違えたり、漫然、呆然運転をしてしまえば、車は簡単に暴走するからだ。サポートカーだから勝手に止まってくれる訳じゃない。どうやっても、80km/hで走る車を、20m先の障害物(人)にぶつかるまえに止める技術など今の車両技術にはないのだから。

どうでも良いニュースでは何故か最後に変なコメントを1行追加して、こうなるかもしれないと世論を誘導するが、こういう大事な事に関しては、その一文を載せないのは、情けない。この一言を載せると、世間はそれよりまずは免許の更新制度を見直すべきだろうとなるはずだ。


<日本は技術と金ばかり>

災害に対する考え方もそうだが、日本は技術と金で安易に解決できるような話しばかりが出回る。そのくせ、消費税増税はダメだ。社会保険料が高いなどと言い張る人も増え。それに乗っかる政治をしている。いったいこの国は将来どんな国を目指したいのか分からない。もっと俯瞰して国内外の現状を見ないと、経済大国どころか、国も崩壊しかねないだろう。

縦割り横割りでマクロ、ミクロ、マイクロ、ナノと小さな専門的な分野だけで物事を見る専門家が増えた事で、自分に脚光が当たり、予算が来ればそれで良いぐらいの話になっているように見えるのは、何なんだろうか?

それを、行政や国会が真に受けてやるようになれば、予算は幾ら合っても足りなくなり、国はこれから発展させるべき社会への投資を、分散に失い重点政策が機能しなくなるだろう。結果的に、国力は激烈に低下する。今、この国はそのスパイラルに陥りつつある。それを、後ろから押して後押ししているのが、報道であり、社会の考え方だ。

まあ、人々は楽な方向に流れたいものだ。だから、技術で何とかなるならそれで良いと思ってしまうのは、国民であれば普通だが……。上がそれになっているのが気にくわない。


今回のケースだと、車の免許をちゃんと取った人で、運転の基礎を覚えている人なら、制動静止の距離問題を当てはめてこれではダメだと誰もが思うだろう。限定免許といっても、認知症による漫然や呆然(記憶が飛ぶ)、パニック(記憶の連続性が剥がれ興奮する)のような状況が路上走行中に起きれば、終わりだ。こういう人が出てくる度に、しっかりした運転者は、運転免許を持たない人から見て、評価を落としていく。この制度でやらかしたら……自動運転の評価も落ちるだろう。

まずは、その部分で免許の更新制度をどうするのかが決まってから、やっと認知能力に対してどれだけのサポートが必要かというサポートカーの仕組み作りが決まる。

今ある3種類のサポートカーも、制動監視距離は晴天の昼間時速30km/h時に10m~15m以上確保することとか、制動に合わせた仕様の明確な定義が必要だろう。それをもし破って事故が起きるなら、車両メーカーは車両のリコールと賠償責任を与えるのも大事だ。そういう認知能力が低下し始めている人を前提に売るのだから、その責務を車両メーカーが負うのは当然だ。今の何となくサポートカー制度ではダメなのだ。

今から、こういうのは議論されていくと信じたいが、今の報道はこういう話では、一言余計な言葉がない辺り、有耶無耶で制度設計が出来て、国会に提出され、なんか中途半端なまま通るという酷い流れしか思い浮かばない。

もしそうなれば、後になって問題があれば、盛大に祭り(後の祭り)をするんだろう。
そうならないことを祈っている。


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