携帯料金ちっとも安くならず……今更この話?

ASCIIの記事である。まあ、この政府主導で携帯料金をという話は、2015年の9月のことだった。安全保障関連法が参議院で通り支持率が下がりかけたタイミングで、いろいろ逸らしたのがこれだったと当時思った(それについてここで書いたかもしれない)が、当時これを否定したことを書いている。実際にその通りになり、むしろ料金が上がった人も多いはずだ。

国が主導で民間に対して改善を求めるのは確かに、一見指導力があり統率力があるように見える。しかし、政治家主導の専門家審議会が料金体系に対してあれやこれや言うのは、だいたい失策へと変わる。正直、国で料金を決めたいなら、国有化するべきだろう。そうじゃなく、制度で改善を促すなら、電波法制などにメスを入れて国会で審議して法律を作るのが好ましい。政治家は国民の負託によって行政を監督する立場であって、経済に直接指図する立場ではない。それは、社会主義や計画経済国家と変わらないのだから。

で、それが今になって分かった専門家の意見が記事になったようだ。


4年掛けてやっと4年前の私の考えにたどり着くってどういうことよと思うのは、私だけだろうか?

自由経済の民主国家で料金を下げるには、いくつかルールがある。

最も大きいのは、利用者が増えていくこととそれに対して設備の性能が上がっていくことだ。利用者が今も増えているなら、設備投資より多くの売上げが望めるため、実は料金が下がっていく。

簡単に言えば、1つのアクセスポイントに1人が毎日繋いで5000円の維持費を毎月払うより、3人が一つのアクセスポイントに繋いで2500円払った方がアクセスポイント辺りの2500円売上げは大きくなるからだ。

しかし、利用者数が増えないなら、設備投資や設備入れ替えの維持コストは、下がらない。まあ、携帯電話時代のままなら今もこんなことにはなっていないかも知れないが、スマホによってデータ通信が10倍~100倍に増えたことで、4Gでは通信料金が莫大上がったことで、料金が上がったのも原因の一つだ。まあ、それを下げるにはやはり利用者増加が必須だ。もし、利用者が減少でもしようものなら、価格は上がっていく。


即ち、日本で料金が下がるには、利用者が増え続けなければいけない。または、例えばライバルに新しい通信会社が生まれて、ユーザー争奪戦でも起きれば、価格が下がるかもしれない。何故、新しい参入があると下がるのかというと、初期設備が例えば、最先端のものを新規に導入する場合で、かつ利用者が多いエリアから順次広げている場合は、利益率が高くなることがある。古く維持費が高い設備がない分、1つのアクセスポイント(基地局)に高速で接続出来るデバイス数が増えるからだ。

しかし、楽天モバイルが参入の遅れを表明したが、総務省は新規参入に当初から全国一律サービスの開始を求めたことで、低価格で一部エリア対応みたいな方式はとれなくなった。これだと、初期負担が莫大大きくなり維持費も上がるため、実は料金も下がりにくい状況へと陥る。柔軟な対応も出来ないから、楽天の参入で価格が大きく下がるかというとそれも期待はしない方が良い。


そして、携帯縛りと極端に全国に沢山ある携帯ショップ(フランチャイズ店)が続いてきたのも結局のところ問題になる。ハードは家電店やスーパーでバンド確認表を示した上で、対応キャリアのスマホを買い、好きなSIMカードを入れて導入する仕組みに切り替えれば、携帯料金は下がっただろう。もちろん、一部キャリア専用というのを出しても良いが、それはあくまでオリジナルなコンセプトがあるものに限った方がよい。auとかソフトバンクとか、ドコモのロゴは要らないのだ。

これをやると、下手な奨励金政策が終わり、スマホを売るショップが淘汰される。そもそも、フランチャイズで携帯ショップがキノコタケノコのレベルであるのが問題だ。あそこに、売上げマージンを回すために料金が上がっている可能性もあるからだ。
あれを減らせば実は、僅か10円~100円だったとしても料金を下げることは出来るだろう。それでも、1年で120円~1200円になる。


これらに対して、何らかの法的な縛りを設けることが大事だった。審議会や委員会で専門家が安くするぞ!おー!と言って重箱の隅を突くようなことをやって、値段を下げろって、営利企業相手に言う話じゃない。もっと言えば、営利企業は投資家に対して利益を示さなければいけないわけで、是正しろ是正しろと言われれば、その是正の隙をより狙っていくことになる。そうしている間に、もし法などで下手に厳しくすれば、携帯会社そのものが一社2社と減る可能性もある。

競争が無くなれば、値段は高止まりするだろう。実際に、多くの携帯利用者は、国がやってくれるものと思って、MNOに未だに残っている。
本来なら、数年早くMVNOに移っていれば、例えば3年36ヶ月で、8000円/月だった料金が、4000円/月まで下がって多少の不便はあれど、毎年48000円節約でき、中価格帯のスマホを毎年1台買えるぐらいの余裕が生まれていたかも知れないのにだ。

そして、そういう状況を生んでしまったから、余計にMVNOが普及するはずだった市場で、競争が生まれない状態が続き、一気にMVNOに移ってくれるはずだと思って参入した事業者はこの4年で疲弊した。それでも、まだ圧力を掛けて何とかしようとか、馬鹿らしい。


はっきり言えば、MNOに居る以上、料金はこれ以上下がらない。もっと言えば、歪な状況に追いやったことで、サービスはたぶんこの4年で大きく毀損された部分もあるはずだ。1人用のプランも減っただろう?それは全て総務省や政府が必死でこれを票稼ぎに使おうとした結果だ。そして、もう彼らは官庁がこれはダメ、あれはダメと言えばその都度、抜け道ギリギリを探すはずだ。それだけ、関係が毀損されたということだ。消費者のためより生き残り利益を出すために……。

<消費者が出来る事>

というのは今もある。それは、料金を下げたいならMVNOに移ることだ。MNOやセカンドキャリアではなくMVNOに移るのだ。そうすると、MNOは一定よりシェアが落ちたタイミングで料金政策などを見直し始めるだろう。お金よりサービスの質だと思うなら、MNOを続けるしかない。サービスも高いままで、料金を下げろというなら、今すぐには無理だ。利用者数(総契約台数)が大きく増えない以上、料金は下げられないのだ。それは日本中の人が子供を沢山作りでもすれば、もしかすると20年後や30年後ぐらいに料金が下がり始めるかも知れない。あとは、移民でも受け入れるしかない。

そうじゃなければ、料金は下がらない。本来ならそれこそ、社会や経済で知っておくべき事であり、それを知った上で、通信業界として何をすれば、効率的に安く抑えられるかを考えることになる。


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