D-DAYから75年が過ぎて……近づいて遠ざかる

ニューヨークタイムズの記事である。

D-DAYとはノルマンディー上陸作戦の決行日のことだ。1944年6月6日に行われた連合軍による欧州上陸作戦である。これはOperation Neptuneと呼ばれる。これが失敗していたら、世界は帝国時代を維持していた可能性もある。何せ、当時第三帝国(Drittes Reich)を名乗っていたドイツは、軍事関連の技術に関して異常な程に金を掛け、世界最先端の技術を生み出し続けていた。

https://www.nytimes.com/2019/06/06/world/europe/trump-d-day-speech.html


だからこそ、このD-DAYという作戦は、絶対に成功させねばならないものだった。尚、作戦に参加した人数は約351,700‬人(35万人規模)である。

ちなみに、戦線を見た時の損耗率は、日本軍守備隊と米軍が戦った硫黄島ほど大きくはない。硫黄島の戦いは、玉砕覚悟の大日本帝国軍のゲリラ戦(決死戦)といのち大事にがルールの米軍で戦い方が全く違ったことも大きい。今で言えばテロリストの発想を持つのが当時の日本だった。そんなことをすれば、元服年齢を考えてやっと15年で一人前になる優秀な人材が、ドンドン減って行くという発想が日本には無かった。

これは、結局のことろ明治維新で流れた血というものを、その後の富国強兵政策と、いくつかの戦争での勝利によって、後の世代は忘れてしまったということでもある。


尚、ドイツはそういう部分では、まだ常識的だったが、戦時または戦前からペルビチンという覚醒剤(強い依存性があり今の覚醒剤と同等以上の副作用がある)が戦中では頻繁に使われていた。こっちはこっちで薬漬け国家だったわけだ。尚、当時ドイツの国家元首であったアドルフ・ヒトラーも藪医者を自分の主治医にしてしまったこともあり薬漬けだったことが、後に分かっている。

話を戻すと、もしこのD-DAYの作戦(ノルマンディー上陸作戦)が失敗していたらどうなっていたか分からない。
少なくとも、今のような世の中になるまでに、かなり時間を要しただろう。ドイツはそれほど軍事に対する科学力が高かった。


例えば、Enigmaという暗号機械は優秀なものだった。
ミサイルの原型とされるVergeltungswaffe 1(V1)を最初に開発した。
その後Vergeltungswaffe 2が開発されほぼ今のミサイルと同等に昇華された。

そして、Messerschmitt Me 262は実践で投入された世界初のターボジェットエンジンを持つ戦闘機だった。ただ、実践投入された頃には既にD-DAYを過ぎていたので、巻き返すことは出来なかった。まあ、既に当時は物資不足だったため、量産は出来なかった訳だが、これは量産またはD-DAYの開始日が1年違うと、戦争が数年長引いたかもしれない。

まあ、ソ連に侵攻した時に、モスクワ陥落を優先しなかったことで、どう転んでもドイツが完全勝利する道は無かっただろうが……戦線や被害はより大きく広がっていただろう。まあ、当時の日本はイタリアと共にドイツ側だったのだが。だから、これはあまり日本でニュースにならないわけだ。


<単純な矛盾>

トランプ氏の行動や言動は今や分かり易い。目の前で自分の意思に反することがあると強くそれを批難し、否定する。そして、都合の良いことは自分のことのように、褒めちぎる。

その一方で、自分に火の粉が迫ることが分かっていると、その火の粉の説明ではなく、火の粉を出す相手が悪いと立ち回る。端的に言えば、自分が悪いことに手を染めたかどうかを説明する前に、相手が出してきた疑義をウソだという訳だ。その割に、じゃあそのデータがそこにあるでしょう出してよと言われると、権利を主張し拒否する。

それでも、支持率があるのは、日本の総理大臣と似ている面がある。
端的に言えば、この人しかいないと思っている人が沢山いるということだ。

だから、まともな新聞社はこのように書く、矛盾していると。今や日本ではあまり書かれないことだ。
このD-DAYの式典でも、今米国(大統領)が行っている行動と、連合国と共にあるというスタンスでの発言が矛盾しているとされるのは、皮肉である。

そして、それが一部で一種の心配を呼ぶ。


<第二次世界大戦前夜>

リーマンショックが起きて世界同時不況が起きた時、世界ではまるで世界恐慌のような状況だという話を出した専門家が結構いた。悲観論の一種だった。しかし、そこからは世界は中央銀行が強調という形を取ることで、復活した。そこには中国やインドなどの公共投資や、Appleなどがスマートフォン市場を牽引してくれたという理由もある。

しかし、それも8年で変わった。ちなみに、世界恐慌は1929年に始まった。実は、そこから欧州と米国は約10年(実質7-8年)近くマイナス経済に苦しんだ。それに対して、リーマンショックからは3-4年ほどで立ち直った。実は、これがもし世界恐慌と同じ水準だったなら、立ち直りに使った実弾の過剰分があった場合、それより大きなショックがこの後にやってくる可能性というのが今でもある。


第二次世界大戦前に世界がその後大きく成長に舵を切り始めた頃、軍産産業が活発になっていった国もいくつかある。社会階級の在り方を見直したり、植民地での生産拡大を行ったりというのを行った国はすぐに成長へと向かったが、実はその後連合を組む国々の方は決してすぐに景気を取り戻した訳では無い。経済学で見ると、その間ににはいろいろな見解があり、学問になっているが、成長するための原動力に欠けていた訳だ。

一方で、日本やドイツは軍産や領土(植民地)での経済活動によって成長を始めていた。イタリアは当時ムッソリーニによって保護主義政策を行っていたため、29年の恐慌による影響がほぼ無かったとされる。何より、その頃には既に自由経済を推進していた企業の多くを国有化し複合産業化していたため、賃金なども制御されており、成長とは言えないが、悪化しているとは思われない程度の社会になっていたようだ。この頃の正確な経済データは、たぶん無い(簡単に言えば、偽装だらけということ)と思われる。そして、そこからは支配権拡大が……帝国と民主社会連合の戦いとなり、その後米ロの冷戦へと時代は変わる。


時代の変わり目には優秀な人がリーダーシップを取るという人がいるが、実は時代の変わり目は優秀な人が出てくる訳では無い。はっきり言えば、ある一部の産業を守るぐらいしか力が無い人が、リーダーに選ばれやすくなる。理由は単純だ。先が暗い中で、ある一部(それが社会の半数近くになる人)でも守ってくれる人なら、その一部に該当する人々は守ってもらえると信任するからだ。

そして、それが結果的に争いを呼ぶ。
そこからあふれ出した人は、どん底に落ちるからだ。これが、双方の人々の間で猜疑心を生み出し、相対するものを認めない姿勢へと変わる。後は、どちらの側が勝利するかだけの話だ。勝った方(強い方)が優秀なものとして評価される。それが、古来から我々の遺伝子に紡がれた弱肉強食という社会構造である。


ただ、これが第三次世界大戦を起こすと決まっている訳では無い。あの当時とは情報も社会の仕組みも教育のレベルもまた違うからだ。今は、SNSで世界が繋がるため、目の前の人が、あなたと同じ思想に染まっているかは分からない。即ち、個々が異なる思想を持っているわけだ。これが、これから良い社会に戻す原動力になるかは分からないが、今の社会は第二次世界大戦前夜に違う形で近づいているのかもしれない。一つの大きな国などの動きでは無い別の何かが近づいているような気もする。


<遠ざかる問題解決は果たしていつまで持つか?>

今、世の中は問題を先送りすることばかりだ。

米中の貿易戦争による関税、メキシコからの不法移民問題に対する米国の関税、問題は解消していないのに、FRBの利下げ意欲で金融市場は上げとなっている。

これは、いわゆる根本問題の解消を期待する(体制側の変化を促すこと、双方が合意できる内容を探るように歩み寄ることを求めることより)、とりあえず今利益を取っておきたいという現実が働いている。長い目で見たときにそれが正しいかというと、間違っている。
よほどのウルトラCをしないと、この弊害は必ず出てくるだろう。結局、米国はこの1年その繰り返しだったし、イギリスのメイ政権が道半ばで終わったのも、その繰り返し(議会否決の繰り返し)だったからだ。

D-DAYから75年経ち、欧州で大きな戦争もなく、極東やアジアでも各国を巻き込む大戦は起きていない。しかし、争いが遠ざかっているようにも見えず、むしろ戦争とは違う対立が深まっているのは、D-Dayを経験した人々や、日本でも大東亜戦争(太平洋戦争)を経験した人から見れば、何とか出来ないのかと思っていることだろう。


この先送りがいつまでも持つことはない。相手が悪い自分が正しいという、正義感も大事だが、その破綻までの時間は有限だ。互いが妥協するための歩み寄りを示さなければ、取り返しのつかないことも世の中には沢山ある。大きな破綻をもたらす前に、所々の問題が解消されることを祈りたい。

そして、各国の政府高官(首脳や首相、外交官、役人)はそれを自覚してほしいが……結局、誰もが情報が増えていく中で、その一部にしか触れることはなく、その一部を一方向だけで信じてしまうことは多い。結果的に、不満は言えても、その不満を解消するための術(交渉や折り合うための条件)について、考えることがなくなってしまっているから、上手く行かないのかもしれない。(互いに相手が何を望んでいるかを知らないと交渉は出来ない)




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