「いきなり!ステーキ」が、減速した理由……これで皆は満足出来るのか?

ITmediaの記事である。以前はここはImpress WatchやASCIIと似た情報サイトだったが、最近はビジネス系のジャーナル記事が人気なようでそれ関連が多い。

ただ、日経やロイター通信、WSJ、産経ビジネス、ブルームバーグなどより、中身は人気が上がるにつれ年々質が下がっているように見える。もう少し、記事のサイクルを抑えてでも、詳しく分析した方が良い気もするが……
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1906/11/news044.html

後で何故この記事を書いたかは書くとして、個人的な見解で言えば、

いきなり!ステーキが減速したのは、飽和した云々より、出店速度や出店計画、回転率、コストの問題が発生しているように見える。それを解決できなければ、衰退していくだろう。

それが出来るなら、まだ多少は伸びるかも知れない。その分岐点なのは確かだが、飽和かは分からない。たぶん、この記事はきっと先にそう振っておいてやっぱりそうだったと後で出せるようにするための記事なのかも知れないが……その会社(事業)そのものの分析がないからいくらでもそれは出来るだろう。

これは、
最近は減っている駅ナカやホーム上の立ち食いそばの法則を当てはめたようなものだ。あれは、忙しいビジネスマンや列車待ち、通過待ちの乗客が僅かな時間で食事を出来るようにというスタイルだった。

しかし、近年は減っている。何故かご存じだろうか?

通過待ちが減ったことと、そばじゃ無くても食べられる品物が増えたからだ。別に急ぐならコンビニおにぎりを食べても良い。ゼリー飲料など飲み物として腹に堪るものもあれば、栄養補助食品も手に入る。即ち、立ち食いである必要がないわけだ。今では弁当だって引っ張ると温まる温熱剤がセットされたユニーク駅弁もある。高いけど。

そうなると、回転率が高かった駅ナカの立ち食いそば屋やうどん屋はその出店料(テナント料)の割に儲からなくなる。駅側も昔は、安く出店して貰っていたところもあっただろうが、今は駅のメリットを利用して出店料を上げているところも多く、他の店も人通りを見越して出店したがることもある。そうなると、この手の店は撤退や廃業する。まあ、美味しい店もあるにはあるが、全体で見ると駅ナカで美味しい立ち食い店は少ないのも影響する。

これが、立ち食いそば屋が駅から減っていく理由とされる。これをいきなりに当てはめる訳だ。

いきなり!ステーキのような店が苦しむのは、昭和~平成初期ならご馳走だったステーキを果たして立ち食いでさっさと食べてそこそこの安いお金を払って帰るというのが誰から見ても良い選択肢になっているか?というのがまず1つ重要だ。

そして、この手の立ち食いスタイルのお店で問題なのは、客が並んでいるなら店に入る人も増えるが、店に入って客が少ないと、客は減るというのも面白い点だ。何故なら1人で食べて1人で去るというのは、実は意識していなくとも人は心理的に寂しいからだ。馴染みの喫茶店ぐらいの感覚になれば別だろうが、チェーン店なら他のある程度人の居る店に逃げる訳だ。

結果、一定の人気が去ると人はやってこなくなることもある。後は出店する場所次第だ。本当に忙しい人が多い場所なら、結構上手く行くが、子連れの親子が多いとか、高齢者世帯などが多い場所で、回転率の高さを売りにする店を出しても人は来なくなるという傾向もある。子供が多いと、滞在時間は一定より長い方が良い座敷席などの方が喜ばれる。高齢者は回転率の高い店より、落ち着いた店の方を好む。

まあ、実際にこのケースでそれが正しいかは、分からない。あくまで、立ち食いそば屋の法則の一つであり、いきなり!ステーキではないのだ。これを、関係あるかないか分からないところから、理由を借りてくるルールという。ちなみに、もしこれをくっつけて成立させるには、会社のIR情報(実態の業績データ)が必要だ。


IR等から見た限りでは、この店の場合は、約200店の出店経費(2018年)開業費に対して、利益の見込みが予想より減ったことが国内での敗因ではないかと思われる。出店ペースを少し抑えれば違うかもしれないし、商品の質などで何か対応が必要だったのか?
内実は業態を同社の別事業店舗からいきなり!に変更した店が失敗しているケースもあったぽい上に、人件費高騰等の市況の変化もあると思われる。まあ、一見さんの目新しさが減ったのも大きいかもしれない。ただIRに書かれている以上、そういう部分が影響しているのは間違いない。

後は、これがこれからの出店増加で悪化するかしないかだけだ。悪化すれば、出店しすぎ、改善すれば出店速度などの問題である。


尚、米国出店については、私の感覚的予想だと、そもそも米国にこのスタイルに合わなかったことが原因かもしれない。ハンバーガーやステーキで沢山肉を食べる米国は、そもそもステーキというか肉料理が安い。立ち食いでお高いお肉を使い人件費抑えて安いだけではいかない。あっちは短時間で食べるなら、赤みの肉肉しい肉(霜降りではないもの)が好まれるのも理由だろう。霜降りの脂肉は確かに味は美味しいが、それが主食というぐらいに食べる人だと、お腹に貯まるため好んで食べないという特徴がある。(食べるなら専門のレストランで座ってゆっくりワインを飲みながらとか、ビールを飲みながら優雅に食べる)

これは、分かり易く言えば、米国で流行っている米国発祥のお寿司屋さんが、日本に進出してカリフォルニアロールと、アボカドとサラミのSUSHIを1200円で売り出した。1度はいってみようかと言う人はいるだろうが、「1回で十分です」と言う人の方が多いというものだ。逆輸入で大事なのは、食べ物の場合は、よほどその国の商品よりお安いか、またはむしろ、その国には無くて高い(サービスも質が良い)方が好まれる。

尚、いきなり!ステーキの業績などはペッパーフードサービスのIR情報を見れば自己分析も書かれている。それだけが現実ではないだろうが、事情はある程度分かる。本当はこれをまず絡めて、内実を考えないといけない。
特に投資家やビジネスマンなら大事な常識だ。
https://www.pepper-fs.co.jp/ir/library.php

ITmediaの記事では、全て外から当てはめる解決できない問題で決まっているように見える。そこが限界なんですという予想だ。これは、外国人の経営者や管理者から見て日本(人、日本で産まれ大人になるまで育った人)のビジネスマンは保守的と言われる要因でもある。


<店舗数の壁も微妙>

何店舗の壁というのも時々出てくるが……。壁理論はどうなんだろうか?

まず、
国内最大店舗数の店と言えば、ファストフードの日本マクドナルドだが、約3000店舗ある。
ファミリーレストランのガストは3月末現在で1364店舗。
西日本に多いジョイフルは700店舗以上だ。

そもそも、○○店舗の壁はいつでもどこでも常にある。10店舗とか50店舗とか100店舗とかキリが良い場所にあるわけではない。これが現実だ。そういう言葉を組み込むことで、まるでそこが本当に大きな立ちはだかる壁に見えるように仕向けている訳だ。コンピュータのメモリー容量や処理単位の壁のように絶対に条件を満たさないと越えられないものがあるわけじゃないということだ。

ちなみに、本当に大きな壁は、3店舗から5店舗の間にある。この理由をご存じだろうか?

1人または2人の敏腕社員や経営者が面倒を見ることが出来る上限が、この辺りだ。ワンマン経営者でも個人が個人の見える場所までやるのと、本格的にワンマンで社員を動かす力を発揮する部分の敷居がここにある。ここを越えると下に従える役員(幹部社員)を信じる力や、質が大事になってくる。だから壁や敷居と呼ばれる……まあもう一つ理由があるが後にして……

店舗数が増えると、50店舗を越える辺りでその地域では盤石の店舗数となることが多く、全国で見ても中堅から準大手になることが多い。そこから店舗数を増やすかは、店次第であり、それ以上で衰退する場合は、たいていは壁では無くただの物理的限界か放漫経営(市場調査不足)、または急拡大しすぎたかのいずれかだ。いきなり!ステーキは拡大速度が速すぎるのと、市場調査の不足が重なっている可能性が高く、いわゆる破綻を示す壁ではないだろう。

即ち、何店舗という決まった数字の壁と考えるべきかという話になるわけだ。
実は、ちゃんとしっかり書かれた経済書籍では、何店舗から何店舗の間がどういう時期、何店舗から何店舗がどういう状態、または何年目がどういう時期と分析することが多い。

決まった壁という点ではなく、ある種の範囲を考え、全体を総合的に見て分析した時に、どこで何が問題になりやすいかという特徴はある程度チェーン店や支店を持つ企業ならどの産業でも、似通っている。そこを、知っているか知っていないかは重要だ。

先に書いたが、小さいときには確かにその失敗は壁や敷居になる。本当に立ちはだかる壁なのだ。
何でか?3店舗を運営し1店舗が、何らの理由で潰れたら残りの2店舗もそうなる可能性は高いからだ。これは全体から見た1店舗の売上げや利益の比重が関係する問題である。何せ全体の33.4%の売上げや利益見込みが消えることになる訳だ。店のオーナーは続けたくても、出資者は出資中止を宣告するかも知れない。

このクラスだとスポンサーも付きにくい。
即ち廃業の危機になる。

では、200店舗あるチェーンで、3年間黒字を出し成長し、この1年が赤字のグループチェーンが、明日破綻するのか?
答えは、よほど財務を誤魔化していない限りない。即ち、軌道修正はいくらでも出来ることになる。事実上、会社(の経営)が詰まる(破綻する)ような完全な壁は店舗数が増えるほど店の数では計れなくなっていくのだ。例え廃業しそうでも、大きなチェーンなら出資して救済してくれる事業者があるかもしれない。
まあ、店舗数を増やしたいと思い続けて固執し、業績が伸びずに赤字が出るようになると、そこが見えない壁に見えるというだけだ。

しかし、お店や会社が維持されることを望むなら、別に同じ業態の店で無くても良い訳で、すかいらーくグループのガストについて店舗数を書いたが、ジョナサン(約296店)でも、バーミヤン(約328店)でも良いのだ。合わせて何店舗ってことだ。ちなみに、すかいらーくグループは他にも以下の店舗を持つ。
https://www.skylark.co.jp/company/group_number.html

いきなり!ステーキもペッパーフードサービスはいくつかの事業をやっており、それだけではない。それら全体を足した時に、その会社がどうなのかが問われる。ペッパーフードサービスはいきなり!ステーキに頼ったことで、不信に陥ったが果たしてそのまま落ちるかはまだ分からない。記事が書かれたこともあってそうなるかもしれないが、そうはならないかもしれない。

本来ビジネス記事は、その難しい未来を、もっと多角的に比較的分かり易く成長軌道に乗せられる方法論で、示すのが仕事である。落ちていくよって記事は、そこで働いている人に逃げろって言っているだけだ。それは、誰かの予言に誰かが同調する話に過ぎない。


<他にも過度な広告効果も有り得る>

まあ、この手の急に成長した店に言えることがまだある。

会社がCMをする前にテレビや雑誌など有力な情報筋から「流行っている、急成長していて今一押し!」と報道されたことが、急成長、急鈍化、減速、または衰退の原因になるというパターンだ。

以前妖怪ウォッチの妖怪メダルが入手困難になってメーカーに苦情が殺到し、増産しても間に合わず転売で高騰したということがあった。その昔は、たまごっちでもあったことだが、売れているものを、ニュースで売れていると流すと、既に燃え上がっているものに燃料が投入され再加熱する。

すると企業は、その求めに応じて無理な投資をしてしまうことが多い。やらないと、イメージがむしろ低下してしまうこともあるからだ。しかし、現実は短期的に加熱するだけで、後の事を考えていないと悪い結果をもたらす。

増産をして流通が安定した後に、過剰在庫が生まれ暴落が起きるからだ。人々はその時(その瞬間)に欲しいのであって、時間が経過するにつれて欲しいという人は減って行く。いわゆる、みんなが持っているなら、自分もと思う訳だ。私が嫌いな発想だが……。世の中ではそういう人が多いのが現実だ。

そして、それには消費者だけでなく投資家も反応するのだ。これは儲かる。もっと店舗を増やせば儲かると思えば、そこに出資(株式投資など)する。出資されれば、事業者はその市場で集めた資金を、店舗増などに回す。


それで、沈み込むこともそれなりにある。最近は昔よりたぶん増えている。何せ、テレビや新聞、ネットではそういう今の流行というのをニュース番組のコーナーで頻繁に扱うからだ。しかし、市場の開拓は1年や2年では出来ない。本来は、人気は1度に全国に知られてはいけないのだ。少しずつ店舗を新しく出したところで、人気が出るぐらいの方が結果的に長く多くの利益を集める。
ある程度足場を固めつつ、新しいところを一歩一歩着実に踏み固める必要があるのだ。

それもあるから、ビジネス記事も理由で書く場合は気を付けないといけない。


<データをしっかり>

では何故、この記事に至ったかを書こうと思う。
PVが高い割にという点でもあるのだが、

個人的にこれで最初に引っかかりを覚えたのは、レストランチェーンの市場規模動向の出典データがホットペッパーグルメの以下のデータを元にして推測している部分があったからだ。これ3圏域のデータで全国データではないのは明記がある。まあ、それは良くないが良しとしよう。詳しく言えば首都圏、関西圏、東海圏の「夕方以降」を中心とした推計データのようなのだ。尚元となったデータが悪いわけじゃない。大事な事なのでもう一度言うがこの元データは悪くない。使い方と出展の説明が足りず全国出展している事業者で、昼時間帯も営業しているなら説明の根拠として不足してしまっている訳だ。
https://www.hotpepper.jp/ggs/research/article/marketing/201904
https://www.hotpepper.jp/ggs/research/article/marketing/201903

ちなみに、飲食の市場実態調査は、日本フードサービス協会が会員からの聞き取りを元に店舗の市場推計を出しており、そっちが実は全国においては本物に近いのである。ただ、特定の業種(肉系のファミリーレストランチェーン)だけでの集計はない。ちなみに、こっちを元にすると少し成長している可能性がある。たぶん外国人観光客等の影響もあるのだろう。即ち、データを沢山調べると、もっと可能性の幅は良くも悪くも広がるのだ。
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html


<記事の移り変わりの早さと質と、PVの問題>

結論だが、当該記事を強く非難する気はない。そうなっているように見えるかも知れないが、私が言いたいのはPVが多いから素晴らしいとは限らないと言う本質かも知れない。素晴らしく分かり易く見えてもである。

ネットの個別記事(コラム)は大抵週1本~2週間に1本である。それだけのネタを何ヶ月何年と続けるのは大変だろう。そうなると、近場から拾うことになる。その結果、記者が書く記事が浅くなっていく。

難しいのはそれでPVも取れてしまう現実である。

まあ、○○な理由が記事の上位を占めるのも、これが誰にでも分かり易いからだろう。中学生でも理由と書かれると分かるからだ。悪い内容なら悪いことだけを書けば良い。良いことなら良いことだけ書けば良い。

ただ、それは一方通行なので、実は社会常識への応用には使えないことも忘れてはいけないが、多くの人はそこに疑問を感じなくなっている。

例えば、店が潰れた理由は、店員の態度が悪かったからだとなったとしても、その店員の質が悪い店がそこそこ続いた理由も、店員が優しかったからだったとしたら……。その間にあるのは、店員の接客の質がまばらだったということだ。どうだろう。これは、接客の教育体制に問題があった可能性が高い。これが本当の原因になり、改善可能だった。

これがビジネス記事が示すべき道になるわけだ。


即ち,悪い所だけあげても、本質にはたどり着けないし、良いところだけあげても本質にはたどり着けない。ただ、そういうタイトルの方が、考え成しに悪いと判断出来るから、人々はその答えだけを求める記事に群がり自分の考えとどう違うか、同じかだけを見て納得する。結果、それが支持率を高め、PVを集める。それが社会の発想になると、社会は悪化していく。本質が何か分からないか、本質をはき違えるようになるのだ。

本来ビジネス記事(政治経済記事)は、落ちていく上がっていく理由だけ書いても、何のメリットもない。
そこには、既定路線しかないからだ。そのまんまやってれば落ちていく。理由はこれだけある。後は自分で考えてねって、どこがビジネスなのか考えて見ると良い。記事にするなら、それをどう解決するか、または上手く行っている中でどこに問題があるかを、逆論的に示し、先に手を打つ方法を伝えるか一緒に考えて貰うべきだ。

日本では今それが不足した記事が増えている。私「も」そう思うじゃダメで、私「は」こう思うと意見を持つこと持たせることがビジネス記事には重要なのだ。

まあ、ある意味では、この記事は私には意見を思わせたわけで、ビジネス記事なのかも知れない。結構、○○な理由はビジネス記事としては、没入型(信じるとそうだと思いこみやすいタイプの記事、逆に自分に合わないと完全に否定したくなる記事)なので上級者向けである。


データに気になるところがあったから、これを書こうと思った。実は過去にも何度か軽く書いたことはあるが、今の日本は、記事全般が理由を述べるだけが増えており、怪しい。さらに、データもその理由を証明しそうなものを選んでいることが多い。

ちなみに、私がここで記事を書くときには、データを可能な限りいくつか探して、それを足したり割ったりする。
そうするうちに、自分の考えとは違う答えが出てしまうこともある。まあ、近いうちに消費税の記事を上げる予定だが、それがその一つだ。予定した記事にはならずに、答えが変わったのだ。それが、本当の意味で社会や経済を考えた記事である。その代わり、内容は一筋縄ではない。

あっちを建てればこちらが立たないかも知れない。それを纏めるのが本当の意味で記事書きだと、私は思っている。





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