Ice Lakeが発表。ブランドはCore i-1000G……ベースクロックが伸びない怪しさ。

PC Watchの記事である。昨日の記事だが今日になったのは、いろいろ調べていたからである。
10nmをキャンセルして7nmにするのではないかとまで何度も噂されても、10nmを出した理由が見えてきた。

14nmがサーバーデータセンターセグメントのお陰で過去最大レベルで利益を出しているが、それで得た利益の一部は10nmの改善しない歩留まりに注ぎ込み、底が抜けたバケツのように漏れ出しているのは今も変わっていない可能性が高い。だから、当初クロックが上がれば、CPU性能も段違いに上がるはずだったが、それが伸びないことは明確でむしろ下がるので、GPUを強化することにしたのだろう。これなら、EUさえ増やせば何とかなる。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/1187002.html


<設計上の進化点は順当も……歩留まりは……悪夢か?>

Sunny Cove Micro-Architectureは設計上の進化は順当である。むしろ、μOPキャッシュ(命令キャッシュ/Iキャッシュ)や2次キャッシュの増加、SIMD(SSE/AVX)命令ポート割付の見直しなどを考えると、これでクロック周波数が上がっていれば、大きく性能を伸ばすだろうが、Broadwell臭のする状況になっている。

たぶんだが、先行品の出荷を急いだのだろう。元々、Intelはこの秋以降遅ければ、来年に全ラインで一斉投入すると噂されていた。AMD Zen2の情報が出はじめるにつれ、その予定は早まっている。さらに、既存のCore i製品にFというGPUレスが出はじめているのも影響しているのかも知れない。Fは在庫がだぶつき始めている可能性が高いが、それでもラインナップを増やしているということは、Coffee Lake-Refreshのコア数増分モデルにおける歩留まりもあまり良くないのだろう。
しかし、まだ流通在庫が足りないラインは残っている。

だから、少々荒っぽい状況でも、10nmを早めにスタートしたいと考えた可能性は高い。そうすることで、14nmの負担を減らさないと、今のIntelの製造ラインや在庫ラインには余裕がないからだろう。14nmの在庫が過多になってはどう考えても今後にとって不味いからだ。

しかし、Intelの内情がこれにマッチするかこれに近いなら、10nmでデスクトップ向けを出しても、AMDに対抗するのは困難かも知れない。価格や性能の面で……。


<クロックの低下は深刻なレベル>

残念なのは初期ロットととして投入される製品が、モバイルのみで最大クロック4.10GHz迄とかなり低いことだ。執筆時点で、まだ正式情報ではないが、Core i7-1065G7というSKUで言えばUライン(TDP15W/cTDP10-25W)の最上位製品は、ベースクロックが1.3-3.5GHz/最大1コアで3.9GHz(4C/8T)であるとされている。

Intelの発表ではTDP28Wラインがあるようなので、これのベースクロックが少し高く、4.1GHzまで行くようだ。たぶんベースクロックが1.4GHz~1.5GHzになっているのかな?1.3GHzのままならそこが初期ロットの限界ということになる。
https://wccftech.com/intel-10nm-ice-lake-18-pc-ipc/

ちなみに、参考までにいえば、
Core i7-8559Uはベースクロックが2.70GHz、最大が4.50GHz(TDP28W)である。(eDRAM128MBのirisモデル)
Core i7-8625Uはベースクロックが1.80GHz、最大が4.60GHz(TDP15W、cTDP10-25W)である。

上記した新型i7は
Core i7-1065G7でベースクロックが1.3GHz、最大が3.90GHz(TDP15W)でIrisモデルとなる。

いわゆる8559のIrisと同等以上のGPU(EU数が48→64)で、消費電力は8625並と低くなるが、CPUのコアクロックは大きく下がるという状況に陥る。とても分かり難いが、簡単に説明すると、グラフィックス性能は大きく上がる。CPUの性能は同等品と比べて同じぐらいを維持するか、下手をすればクロックが低い分少し下がるということだ。

もちろん、AVX-512のサポートなど対応アプリが増えれば大きく性能を引き上げるかもしれないという特徴もあるが、GPUのEU数増加を除けば、クロックの低下分を何とか吸収し、プラスになる程度(±ゼロぐらい)が限界だろう。

この辺りを考えると、昔のBroadwellを見ているようだ。ただ、Broadwellよりラインナップが広いだけだ。しかも、機能を段階的に無効化した製品が多いだけで、見た目殆どワンライン派生である可能性が高いと予想できる。即ち、ここからも歩留まりの傾向が見えてくる。

デスクトップ用は昔のGPUだけ評価されたCore i7-5775Cみたいになって、同時展開する型番が広がるのかも知れない。


<デスクトップはZen2に軍配かも?>

Intelが不調なときに、AMDがいるのは良いことだ。ZEN2 Micro-Architectureは世間の予想以上に先行テストデータが高いという情報が出はじめており、Ice Lakeのデスクトップ版の目処が発表されない今、もう既に、AMD祭りの様相を呈している。

ただ、これでIntelが大きくシェアを落とすこともまだないだろう。パソコンで売れる中心は今やデスクトップよりノートが多く、その用途の大半はWeb処理が多い。性能が必要とされる用途でも、カジュアルゲーミングと動画処理だろう。Core i7-1000G7などのGPU性能が上がっているとするなら、Ice Lakeで十分だ。

もちろん、Ice Lakeのデスクトップ版が出てきたときに、十分良いものとして出てくれば別だが、今のCoffee Lakeでも結構無理をしているのが見えるので、登場してもクロックの高い製品は出せない可能性や数量が十分に出ない可能性もある。

私の勘ではもし、モバイルからのSteppping更新で期待するほど改善出来ないならSkylakeの後にKaby Lakeでやったような、中途半端なプロセスノードの変更をやるだろう。AMD次第でコア数を無理に増やすことだって有り得る。

実際に、今Intelはそれをやって持ちこたえているのだから。


<本当にプロセスノードだけの問題なのか?>

しかし、ここまで来ると本当にプロセスノードの問題なのかは疑問だ。
何年も掛けて開発したプロセッサの設計に無理がある確率の方が明らかに高い。

個人的には、AVX-512そのものが欠陥の原因なのではないかと、以前から疑っているが、そっちの方がしっくりくる。

まあ、Ice LakeのAVXの追加命令VNNI系の命令がどうかは分からないが、AVX512はいくつかの国内、海外評価で期待した程性能が伸びないという話が以前からポツポツある。その割に発熱が多いためアプリ開発も進まない。
https://lemire.me/blog/2018/08/13/the-dangers-of-avx-512-throttling-myth-or-reality/

では、何故AVXの問題ではないかと疑うのか?それは、極端に幅の広いSIMD演算装置は近年高速化(高クロック化)が難しいことが分かってきているからだ。

これは、横に10人を整列させて同時に綺麗に一歩を踏み出すのは練習すれば出来ても、100人だと、200人だと、500人だとと人数が増えると、ズレやすくなるということを考えるとよい。音など指示が伝わる速度、判断の差や、それぞれの足の動きの差が人数が多いほど出やすくなる中で、クロック(単位時間辺りで進む速度、足を前に出す回数)が上がるということは、1分間に50歩が1分間に100歩になる訳だ。ムカデ競走でイチニイチニと声かけして前に進む中、その声かけの早さを早めて、進む速さを上げるほど歩幅は体力や身長など僅かな差で大きく乱れるようになる。

これと似たようなことが、広い命令単位で高速な(高クロック)演算をさせたときに起きる訳だ。それだけではなく、1度に同時に動かす人(トランジスタ)が多ければ、一緒に動く人が密集して同じだけの熱を出すため、熱の密度も増える。

Skylakeが遅れて投入されたが、これも当初予定していたAVX-512を止めての展開になったのは、こういう問題があったからだと考えられた。

Cannonlakeは限定生産でGPUを止めたが、あれにも、同種の問題、たぶん熱密度などの問題があり、GPUか、AVX-512かの選択肢に揺れたのではないかと思っている。少量出したのは、Ice Lakeでのテスト用として限定生産し試した可能性もある。AVX512が予想以上の癌だったならそういう役割だった可能性もある。

何故そこまで思うのかというと、単純だ。流石に4年も5年も最先端の技術を持っていた企業が止まるはずなどあり得ないからだ。投資資金力も、Samsungなどより遙かに大きな企業のはずで、世界最大(最近はSamsungと同規模)の半導体メーカーだ。そして、関連特許も10nmや7nmに繋がる物は沢山もっている。なのに、何故ということになる。

しかし、AVX-512を動かしたいが為にだったとしたら……バカらしいだから、誰もそうは思っていない。
ただ現実にはそういうことは、最先端で長年最強だったからこそ起きるのである。4年、5年でもまだトップベンダーとしていられるほどの技術があるIntelは、4年前なら、まだその対応が出来ると思っていたはずだからだ。資金力も技術も人材もあるなら出来る。今までそれでやってこられた。そういうことだ。

早い段階で再設計に入っていれば、今7nmや10nmでAVX2迄にはなるが、Skylakeに対してクロックも性能も数段上にあったかもしれない。ただ、その当時はそこまでし無くても余裕だった。それが徐々に時間が経っても改善しない中で、結局いままで来てしまった。
IntelはもしかするとXeon Phiの開発を凍結した辺り(実はこの前にCannonlakeのGPUレスが出ている)で、やっとそこに気が付いたとしたら……それは2018年になるわけで、これが改善されるのは最低でも2年~3年先。2021年になる。もし、徹底的な設計変更なら4年以上先になるだろう。

そう考えると、7nmのタイミングがギリギリ間に合うかぐらいだ。

ベースクロックが思った以上に上がらないのは、いろいろと怪しい。普通はプロセスノードが微細化され歩留まりが良ければ、僅かでも上がる。少なくとも他社のプロセスノードでは僅かでも上げているか、同じを維持しているのだから。

杞憂ならよいのだが……。もし、そうだとしたらIntelは10nmを耐えて7nmでやっと元の道に戻るための挑戦をすることになるのかもしれない。

その間に出来ることはパフォーマンスレンジより、モバイルでシェアを棄てないことと、少し遅れて投入することになっても、GPUレスのサーバーセグメントをAMDと同等程度かAVX512実行時の廃熱を調整して負けない性能で出し続けることに固執するという流れが妥当だろう。
後は、Lakefieldのようなbig.LITTLEプロセッサ(正直ちょっと期待している)が救いになるかもしれない。







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