Optane DC Persistent Memory登場……NVRAM時代へ?

PC Watchの記事である。米IntelとMicron Technology, Inc.から3D X-pointとしてこれが発表されたのは2015年だったかな。当時来年辺りと言っていたので、すぐにでも始まると思っていたが結構掛かった。

まあ、DC自体はPCIe版が既に出ているが、DIMMスロット版はこれが初となる。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1177791.html
https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/architecture-and-technology/optane-dc-persistent-memory.html


尚、Optane Memoryとは何かを説明すると、PCRAM(Phase-change Random Access Memory/相変化メモリー)技術を使った不揮発メモリー(Non-volatile random-access memory)のことである。これをフラッシュストレージとして販売したものが、Optane SSD DC P4800XOptane メモリーと呼ばれる。

今回は、このフラッシュメモリーを物理メモリーと同等のポジションに置きCPUと直接データやりとりが出来るように(とはいってもアプリケーションソフトとOSの対応が必須である。その対応手段のいくつかがPC Watchでは紹介されている)したものが、DIMM型NVRAMとして登場したOptane DC Persisitent Memoryである。

では、このメモリーが一般向けに降りてくることはあるのかというと、たぶん今の状況ではないと考えられる。理由は単純で、期待していた割に性能がないからだ。その一方で、SSDのランダムアクセス性能が年々増し、容量も増え、価格も大幅に下がっているため、DRAM+MVMeのSSDや、DRAM+UFSストレージの組み合わせでも一般の人なら困らないからである。


だから、少なくともこれから短期間のうちにOptaneメモリーがデスクトップPCで使われるようになる可能性は低いだろう。次にもし降りてくるとしたら、Xeon Workstationである。それが終わってようやく、EX/EP系のXマザーモデルに需要があれば降りてくるぐらいだと思われる。それまでに、OS環境やアプリケーション環境がこの特殊なメモリープールのバリエーションに対応する必要があるが、果たしてこれを必要とするクライアントがあるのかというと、なかなか個人やグループクライアントの中では見つからないような気がする。

単一の端末(PC)としてそれを求めるより、データセンターやHPCサーバー側をOptaneにして、クラウドのアプリケーションをクライアントでコントロールした方がコストが安く、より高速に扱える可能性が高いからだ。
たぶん、今のIntelはそちらを狙う方向に方針転換しているように見える。


<2015年とは違うOptaneのイメージ>

実は、発表当初のOptaneはDRAMメモリーとNANDフラッシュの間の性能を発揮しNANDより数倍高速で寿命も長いとしていた。しかし、現実の製品はNANDフラッシュの進化と、Optaneが求めるPC側の性能要件の問題もあってか、NVMeのストレージと発表で行ったほどにランダムアクセス性能の差が出ないという結果になった。

そのため、PCIeとM.2などでMVMeドライブをRAID化するとOptaneを遙かに超えることも可能という流れになり、価格差なども踏まえて考えると、Optaneの魅力は、高信頼性をよほどお金を出して求めるようなケースを除けば、低くなってしまったわけだ。

しかも、昨日も記事に書いたが、NANDフラッシュは今大きく価格を下げ、容量も増えている。そこに、Optaneが入り込むには厳しい。いや、もっと言えばOptaneを使うにはソフトウェアの対応が必須であるため、データセンターやサーバーなどオンリーワンで性能を求める用途でも無い限り、投資の割に合わない結果になる。

だから、少なくとも今後2年ぐらいは、Optaneが下に降りてくることはないだろう。


まあ、そもそもOptaneはメモリーとして見ると容量が大きいことが評価されている訳で、一個人で使うなら容量をそれほど使うこともない人が多い。だから、Optaneが一般市場でメモリーとして使われることはないかもしれない。即ち、一番下でもXより下には下がってこないという可能性もある。


<NVRAMの本命はSST RAMとMRAM>

尚、NVRAMとしていわゆるPCやスマホの主記憶装置(物理メモリー/DRAM)と同等の存在になれるものがあるとすれば、SST RAMやMRAMかもしれない。SST RAMは近い将来1チップ辺り2GB(8Gbit)を超えるだろう。これを達成すれば、IoTデバイスで常用が可能になる。あとは量産出来るかどうかだけだ。

これは、X-pointの格子型積層構造がヒントになり、容量を急速に増やせるようになったとも言われ、遅延率もDRAMとほぼ同等にまでなっているというので、こちらの方がもしかすると、デスクトップやモバイルのDRAM置き換えという点では先に達成するかも知れない。

歩留まりと価格次第ではあるが……。


<NVRAM時代は近くて遠い>

どちらにしろ問題は、生産コスト、消費電力、ソフトウェアの対応、後は既存媒体の低価格化に対抗できるかどうかとその利便性が消費者に伝わるかである。データセンターは、大容量をビジネスで扱うが故に速度の速さと大容量を売りに出来る。そして、ソフトウェア開発も専任者がいるため、可能だ。

しかし、これが一般市場になるとクライアントOSとアプリケーションソフトの対応が必須となる。しかも、大容量を売りにするなら、それなりに大きなデータを扱うアプリケーションを皆が扱う前提で無ければその効果はない。
その上、値段が高ければ、差は感じないだろうから高いだけで買う人は、玄人の一部とただただ新しいだけで選ぶ人以外いないだろう。

だから、データセンターでDDR4互換のNVRAMが出たからもうすぐそこに、全市場でMVRAMがという時代があるわけではない。むしろ、一般の人は知らないだろうが、データセンターであれば、メモリーの欠陥管理(ECC)もサポートしており、エラーが出たらすぐにわかり、訂正されるからこそ、運用支障が出てデータが壊れる前に、パーツの交換も出来てテストにももってこいという大人の事情まである。

実はここからが長い可能性が高い。

まあ、そもそもの話、一般人がOptaneを使うなら別にDDR4である必要は無い。
Optane メモリーという32GBや16GBの緩衝装置(キャッシュ)をSkylake(第6世代Core)以上の環境でサポートしているので、そちらで十分Optaneの効果を実感できるだろうし、Optaneの限界も分かる。それを見ると、電気的互換があったとしても、RAMの完全な代替にはなりにくいと感じるだろう。






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