NANDフラッシュとDRAMに冬の時代到来……三四の舞が来るか?

最近になってNANDフラッシュとDRAMに在庫過多による価格下落の兆候が出ている。しかも、この流れは暫く続くと思われており、価格の下落基調が続くと思われる。

その背景には、スマホ市場(販売台数2年連続減)とゲーム機市場(Switchの需要効果が終了)の2つが急低下していること。さらに、ビデオカード、マイニング向け市場も低調に入ったことが影響していると思われる。また、PC市場でもIntelのCPUが軒並み値上がりしていることも影響している可能性がある。

本来、ストレージが値下がりすれば、PCは買い時だが肝心のプロセッサやマザーボードなど主要部品はIntelの供給不足で高止まりしており、±で考えると同じCPUグレードでのPC単価は3年前より少し高くなる程度に高い。その上、主力のIntel製品にはSPOILERなど新たなハードウェア脆弱性が見つかっているため、ライバルのAMD製品と比較しつつ次のSunny CoveやZen2を比べようという様子見ムードもある。

即ち、安くなったから凄く沢山売れるようになるという要素は全く無い。それを求めるのは、故障して買い換える人や、プロセッサーライフサイクルがまもなく転換することを知らない人である。

まあ、オフィスPCはWindows7がサポートを終える前に買替えが進むだろうが、それがスマホなどの需要に呼応して製造量を大幅に増やしたNANDやDRAM市場を吸収するほど大きくなることもない。何せ、スマホは最盛期から既に8500万台近く需要が減少している。

最盛期の2016年は14億8400~8800万台だったが、昨年は14億490万台に減っているのだから恐ろしい。

この製品全てにDRAMが2つ搭載されているとしたら、1億7000万個のDRAM需要が減退したということになる。
1チップ5ドル(約550円)と仮定して、935億円の純減である。因みに、これは半導体サプライヤーのみの話で、延べの経済減速(スマホを製造するメーカーのマージン、販売店のマージン、キャリアマージンを介した延べの売上げ減少)はこのDRAMだけで約7~10倍はあるはずだ。即ち、約1兆円ぐらいだろうか?

尚、これは半導体だけであるLTE無線チップやNANDフラッシュメモリー、CPU、基板、ケース、ディスプレイユニット、アンテナ、バイブレーションモーター、バッテリーなどを全て加味すると、最盛期から数兆円単位で減退していると考えられる。


<遂に始まったスマホ減速の可視化>

まあ、予想通りの状況ではあった。
東芝メモリーが徐々に業績を悪化させ始めているが、あれもあの時点で分かりきっていたことだった。当時そういう記事も書いたが、本当に分かっていて投資を拡大するのだから凄い。研究開発費に専念して、ラインの増強をしないという選択を取るべきだったというのに……。

これは、他の事業者にも言えることだ。ソニーはセミコン事業が悪化の兆しを見せている。しかも急速に。これは、画像半導体事業Exmorなどの製品が需要減で振るわなくなってきているからだ。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-02-04/PMDIFL6S972801

しかし、分かりきっていたことなのに、拡大投資を続ける企業が多いのが、資本経済の悪いところである。景気が悪くなったら、期間工を減らせば良いとでも思っているのかもしれないが、それをやると景気は急減速する。だから、もう少し長い目で需要を見渡す必要があるのだが、競争を考えると投資を他に向けるというのが恐ろしくて出来ない訳だ。

尚、拡大再投資で怖いのは、社債や銀行借入による債権化されている設備投資がどれだけあるかだ。
新規で作られる工場は、多くの場合、一定以上の稼働する前提での案分が、設備の価値として算定されている。それを元に、利益見通しを出しお金を借りたり、社債を発行するのだ。

3年で1000億の利益が出るなら、1000億まで借りようとかそういう話だ。出来た時点での設備の価値も1000億だとして、自己資本投資も含めた投資額が1800億とし、5年で償還するという流れを作る。しかし、1年目に予定した製造量の半分しか作れないなんてことになれば、設備の減価償却は10年になるかもしれない。

さらに、在庫がだぶついて市場価格が下落すれば、製造しても赤字続きなんて流れもあり得る。そうすると、施設は土地代以外の価値を持たなくなることもある。そうなると、累積債務をどこかの決算で債務として計上して損失を確定しなければいけない。

これが、これまで日本企業が好景気の後に、度々何年も掛けて赤字を出してきた流れである。
しかも、大赤字が出るのを恐れて、ギリギリまで損切りをしないか、今は大赤字でも必ず成功すると大量投資して、技術の進化を図るなどする手も取らず、中途半端に維持だけに没頭するため、後でどちらかに舵を切った企業に負け撤退に追い込まれる。

半導体市況の回復が今後半年やそこらで見られなければ、再び起きるかもしれない。
それを防ぐには、新しい市場を作るか、今のスマホ事業を復活させる手立てが必要となるが、今の政治や社会情勢でそれを夢想するのは容易ではない。


<スマホが再成長しても……サプライヤーは厳しい>

という点を考えると、台数ベースでは超えることがまだ出来るかも知れない。2016年超えとは行かなくても、去年より数百万台程度上回ることは出来るかも知れない。しかし、それでサプライヤーの製造が安定するのかというと、難しい。暫くは調整し続けないと……。

これは、iPhone Xシリーズより、iPhone 8シリーズの方が売れているという現実を見れば分かるだろう。
毎年出てくる上の製品より、一つ前や2つ前の世代が売れると言うことは、部品点数が増えていく流れが消えていることを意味している。iPhone8でも過剰と思う人が、お安いAndroidを買ったとして、そのDRAMがこれまでの4枚モデルではなく、2枚、いや2枚ではなく1枚だったなら、1台辺りに使われるサプライヤーの供給するメモリー量は下手をすれば1/4まで減る。

1台で4つうれていたものが、1つになれば台数以上にサプライヤーの生産量は縮小しなければならなくなる。
即ち、サプライヤーの旨みは、既にスマホでは殆ど無くなっているということになる。実際に、多くの人はスマホの高性能を望んでいない。最近は、価格の割に性能が良いものを探す人が多い。型落ちや、中古を選ぶ人もいたり、ミッドレンジでも十分ゲームや動画を楽しめるため、それで満足する人の方が多くなっている。

だから、スマホを製造するAppleなどのメーカーよりもその下にいる事業者の方が辛い状況へと追い込まれていく。
今、半導体業界はこの状況が目に見えて現れるようになったところである。


ちなみに、製品とサプライヤーの間での需給ギャップは凡そ2ヶ月から半年の差があるとされる。昔は1年ぐらいあったこともあるが、今はだいぶ短くなった。そのため、今も販売台数が減り続けているとしたら、実は2ヶ月後も下がっていくことになる。

市場の状況を見る限りでは、スマホが今急回復しているという話は出ていないので、少なくとももう1四半期ぐらいは下がるだろう。


<SSDやSDカードを買うなら今は良い時期>

消費者からすれば、SSDやSDカード/MicroSDカードを買うには良い時期かも知れない。MicroSDカードの400GBが1万円を切るようになったのだから、凄い勢いで価格は下がっている。そうでもして、売り込まないと製造ラインを維持できないのだろうが、どのメーカーもそれをやっているから、価格が下落していると考えられる。

今年は、さらに2TBオーバーの製品も大きく値を下げ始めるかも知れない。SDカードも2TB達成なんて話が出てきてもおかしくない。こういう在庫がだぶつく時期は、容量が増えることが多いからである。SDUC元年が今年か来年辺り始まるかもしれない。







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