Appleの発表会に見る現実の厳しさと可能性

たぶん、ヒノキ花粉症(アレルギー検査はしていないが、この時期は幼い頃から鼻が緩くなる)で目がかゆく、くしゃみが一日数回出る今日この頃、Appleの新製品発表会が数日にわたって行われた。

新型iPadシリーズや、iMacなどが登場したが最後は、サービス分野の発表で織り込み済みの内容だったことと、内容が織り込みより少し低めだったこともあり、素晴らしい評価とは行かなかったようだ。

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1903/26/news061.html
https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1903/26/news060.html
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1903/26/news056.html

今回の残念劇場はいくつかある。

<中途半端なiPadシリーズ>

実は、タブレットがもう一台欲しいのだが、その中でiPadを検討しているのだが(Androidタブレットはあまり良さげなものがないので)、iPad Air/miniの発表を見て考えようと思ったが、この2製品はType-Cではなかった。Lightning対応のiPadは流石に買う気は無い。

Proは高いので難しい。ということで、Androidで探すことにした。Google Playが使えるなら、Kindle Fireでも良いのだが、流石にAmazon限定では使えないので(セキュリティレベルを考えると脱獄するつもりはない)、除外している。

iPad Proを中途半端にType-Cにしてしまったが、これならProもLightningのままだったら考えただろう。しかし、最終的にはLightningは廃止されるはずだとProを見る限りで私は思っている。そう考えると、これを買う気にはならない。ジョブズCEOがいたならやるときには全部一斉にやっただろう。


<iMacは安い>

iMac。あれは良い物だ。Surfaceと比べると性能もそれなりに高く安い。OfficeやWindowsはないが、それを別で揃えても、たぶんお安くなる。4K Retinaの21.5型はちょっと欲しくなる。これで、CPUが次世代のIce Lake(Sunny Cove Micro-Architecture)やZen2ならポチっているかもしれない。現行世代のCPUで買わないの?と思う人もいるだろうが、Skylake Micro-Architectureは脆弱性が多すぎる割にコア数以外での性能アップはHaswellに比べて少ない。だから、次を待っているのが現実である。

まあこれは、個人的な話だが、冗談抜きでMacは今Windowsマシンの多くより、お安くなってきている。たぶん、Intelの在庫不足の影響を受けないような供給形態になっているのだろうと思われる。逆に言えば、これが本来のプロセッサやプラットフォームの価格だと考えると分かり易い。


<問題のサブスクリプションコンテンツ>

これは、喜ぶ人もいるだろうが、全体的に見ると期待している人が多いとも思えない。

-Apple Arcade-

例えばゲームプラットフォームのApple ArcadeはGoogleがChromeで遊べるクラウド型ゲームサービスのSTADIA(スタディア)を発表したことで、完全に出鼻をくじかれている。STADIAはProject StreamとしてGoogleがテストしていたストリーミングゲームサービスの正式ブランド名である。

このゲームプラットフォームは、Chrome Browserさえあれば、CPU環境やGPU環境を気にすることなく動作する。強いて言えば、通信環境とその通信で送られてくる映像(ゲーム映像)を演算する性能が一定以上必要になるだろうが、最近のPCやスマホなら問題なく処理出来るだろう。

これと比べるとApple Arcadeは所詮AppleハードとApple集めるコンテンツ内での話だ。正直、ソニーやマイクロソフトのゲーム機と競っているぐらいの話である。Googleがマルチプラットフォームどころか、ブラウザベースで互換するのを考えると、霞むのである。


Apple News+

日本でどうなるのかは分からないが、News系のサービスや雑誌系のサブスクリプションは個人的にはあまり魅力的だと思わない。特に日本では、多くの人がYahoo!Japanやスマートニュースなどの広告型の無料サイトを使っているはずで、だからAppleはこれを日本で展開するという発表をしていないのだろう。

このビジネスが欧米で上手く行くのかも微妙だ。正直読み物系のサービスは、全部を読むのに時間がかかるため、見出しと無料で読める範囲だけでもある程度は十分なのだ。どうしても、有料のものが必要なら1つだけ契約するとか、駅売りなどの新聞やスポーツ紙を買うとかその方が楽だったりする。


Apple TV+

Apple TV+とマルチデバイス化は、Apple以外のハードウェア対応と、Primeも見られるとか、そういう部分とAppleTVにオリジナルコンテンツの強化が加わるというものだ。使っている人から見れば、サービスの拡充となりよいのではないだろうか。但し、使っていない人がこれを魅力に感じるのかというと、コンテンツ次第ではあるがたぶん、それほど大きなトレンドは生み出さないだろう。

正直、少し遅い気がするのは気のせいだろうか?iPodのように後から成功することはあるが、それには新しいハードやよほどの革新が必要になる。Apple TVに関して言えば、一昨年の段階で利用者が既に減少を始めていたことを考えても、何故今年の秋なのか?とか、いろいろ後手な感が強い。そういう雰囲気であることを考えると、相当なものが必要になるだろう。
https://ascii.jp/elem/000/001/833/1833995/?topnew=2
https://ascii.jp/elem/000/001/834/1834003/?topnew=1


Apple Card

これは、少し面白いクレカかもしれない。基本的にはApple Pay(クレジット紐付けとポストペイが選べる)のクレジットカード版だと思えば良いようだ。ただし、カードを利用する必要は必ずしもないようだ。Apple Payと同じようにソフトウェアベースで電子決済をする仕組みである。それが使えない場合のみチタン製のクレジットカードで決済するというものだ。
カード利用時にもカード番号などは打刻されておらず、プライバシー情報(購買履歴)をAppleが取得することはない。さらに、2%デイリーキャッシュバック(物理的なカードでの支払いは1%)が常にあるようだ。
Mastercardとゴールドマンが提携しているようで、支払い遅延金や年間利息を始め、国際トランザクション利息もかからないとなっている。

https://ascii.jp/elem/000/001/833/1833984/?topnew=4
https://www.gizmodo.jp/2019/03/apple-card-matome.html

まあ、正直これがサービス面では一番面白いかもしれない。PayPayやLINE Payなどを見て思っていたのが、何故、WAONやnanacoまたはクレジットカード会社もそうだが、彼らはいちいち新しい決済サービスを別会社で作るのかが気になっていた。

Yahoo系列なら、Paypayやるより、Yahooカード Payオプションを付けた方が良い。みたいなものだ。まあ、クレカを直接それに結ぶことは簡易決済(ポストペイ)とクレジット決済の違いから難しいのだが、日本では既に同種のサービスがある。

FeliCa(おサイフケータイ)がそれだ。WAONやnanaco、Suicaなどはバーコード決済などを始める気もない。しかし、AppleはPayの上位でクレカを作ったが、このように今ある決済サービスの上下にオプションとして付与するサービスを増やして行けば、必ず利用者は増えていく。取扱店舗も増えていく。そういう発想が日本では最初に生まれなくなっている。

具体的に言えば、WAON PayやSuica Payオプションを付けて、バーコード決済も出来るようにすれば、中小のお店にWAONやSuica決済のアプリ(タブレットツール)が提供でき、決済がより広がると言うことだ。SuicaやWAONなら高齢者でも持っているケースが多い。後は携帯電話やスマホのバーコードリーダーを自分で使えるかどうかの差である。

しかし、日本の大手はそれをやらないから、いつまで持つのか分からない事業者や個人情報を徹底的に集めることしか考えない新興事業者が、増えていく。すると若者しかそのサービスを使わない。そして、これからがある若者の決済データや趣味趣向データ、移動情報データは海外や国内の何に使うのか分からない事業者に流れていく。

Appleはそういう不安を解消できるサービスを全面にクレジットカード決済も打ち出すことにしたと考えると、まあクレジットカードを持つというステータスとして見ても、サービス面で見ても良いものだ。より高品質を目指しているAppleとして考えれば、一貫性があると言える。

まあ、成功するかは別の話である。


<コンテンツ時代に足りないApple>

Appleがやっていることが間違っているとは思わない。むしろ、正しい流れが殆どだ。

ただ、例えばiPad miniとAirのLightning端子はいただけない。ProがType-Cで出たのだから、MiniとAirもその流れを踏襲すべきだった。これは、今のユーザーに配慮したつもりかもしれないが、逆に言えばこれから入ってくるかもしれないユーザーが、ガッカリするのにも十分だった。下手をすればそのユーザー割合は、ガッカリの方が多いかも知れない。

また、ゲーム事業やコンテンツ事業など、1年2年前なら確かに評価を得られていたが、それは1年2年前にも言っていたことがあまり伸びなかったから、てこ入れしている一面が見られる時点で、かなり息切れしているように見える。時期も本当に今が良いのかは分からない。もっと、インパクトのあるディスプレイデバイスや、オーディオデバイスとセットなら評価されたかも知れないが、HomePodの失敗からこの手の新しい製品発表がないことから考えると、たぶん新しいデバイスの開発に二の足を踏んでいて、コンテンツで何とか巻き返したいのだろうというのは分かる。それが、空回りしているように見えるのが悲しい。

正直、売れなくても良いから新しいコンセプトは新しい発表の度に行うべきだと私は思うが、どうもそれが出来ないほどにハード面では消極的になっているように見える。

確かに世の中は、これから先さらにハードウェアよりソフトウェア中心になるだろう。有力なコンテンツやソフトウェアが時代をリードし、ハードウェアはそれを使うためのツールに成り下がる。昔は、ソフトウェアツールがハード全体から見た機能の一部だったが、これからはハードはあくまで、ソフトを彩るためのツールへと変わる。

ソフトウェアは、iOSやmacOS共通化されてきたのがその証拠なのだ。スティーブ・ジョブズ氏はそれを考えて、製品を作り上げてきた。腕時計、携帯電話、携帯オーディオ、パソコン……たぶん、その先には自動車やホームオーディオ、テレビ(ディスプレイ)もあったかもしれない。即ち、一番それを理解しているのがAppleだったはずなのだ。しかし、後継と言われた彼が、そういう未来を見ているかというと、どうも見ていないというか、そういうインスピレーションの人ではないのだろうというのが端から見ると見えてくる。
場合によってはAmazonが出した据え置き型の時計や掛け時計などもあったかもしれないというのに……。

AppleはHomePodの失敗から、ハードとしての次を開発することを止めているか、躊躇しているように思えてならない。私個人として言えば、5.1chや7.1chのシアターシステムに、汎用プロセッサーを搭載し、高度なOSとオーディオエンハンスメントソフトウェアによる制御、さらにスピーカーそれぞれに位置情報を相互に把握する機能を内包すれば、オーディオも大きく管理の仕方が変わるみたいな商品を出せば、一部では沸くと思っている。

売れるかはやはり別だが、受注生産でも良いなら、出来ることだ。

別にGPSを内包する必要はない。
WiiやPS3、Xbox360時代のゲーム機がモーションコントローラーとして使っていた技術の延長線上で、スピーカーの位置情報をアンプやシステム本体が認識出来れば音場の調整も出来るというだけのことだ。

こういうことを、最初にやるのはきっとAppleだろうと昔は本気で思っていたが、今その可能性があるのは、AmazonかGoogleだろう。センサーとソフトウェアの技術で優れているのは、既にこの2社の方になってしまったからだ。


コンテンツ(ソフトウェア)がハードを決める時代に、ハードをソフトウェアに対してどう組み合わせていき、どんな利便性を消費者に見せるかは重要だ。しかし、今のAppleはそれが完全に崩れてしまっている。コンテンツを使うためのハードを提案できないならこの先、Appleの業績は厳しくなりかねないだろう。何故なら、他の事業者は、新しいハードと新しいコンテンツの融合を必死で模索しているのだ。

ソニーでさえも、皆が喜ぶものではないかもしれないが、21:9のディスプレイを搭載したスマホを提案した。そうやってただのありきたりの延長ではない新しさを考えているのだ。例えその製品に対する評価が酷評でも「止まったら」その時点で先の未来は終わるだろう。Appleに足りないことは、サービスを広げるには、ハードでも未来を見せる(魅せる)必要があることだ。もう一度考えて欲しいと思う。


まあ、それを示しているのは、Apple Cardかもしれない。これは、決済関連でハイテクとはぱっと見では無縁かつ、退化に見えるので評価しない人も多いだろうが、情報化時代において、一歩下がり(有形に戻り)つつ、一歩進む(個人情報保護やキャッシュバックで魅力を出す)というなかなか面白いサービスである。

これは、クレジット関連(信用取引)のツールなので、誰でも得られるものではないこともあり、売れるサービスなどといったものではない。だから、普及などを評価するものでもないが、本当はこういう新しいものを、他のデバイスにも広げて欲しいのだ。

Appleは資金力もある。ソニーモバイルのように予算が少ない訳でも無い。やろうと思えばまだ多くのことが可能なはずである。もう一歩前に進んで欲しいものである。





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