Itaniumが製造終了……IA-32e(AMD64)が残り、IA-64が終わる。

PC Watchの記事である。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1168049.html


Merced(マーセド/マーセッド)というコードネームが出たのは、確か95年頃だったと記憶している。HPと共同開発を始めたのが、1994年で、開発中のコードネームが判明したのが、95年頃だった。Intelがこの手のRISC系プロセッサ開発を開始したのは80年代後半だったが、成果が出ていなかった。そこで、HPと組んで当時DECがAlphaシリーズでいち早く達成していた64bitプロセッサに挑み開発を開始したと記憶している。

当時はP6(Pentium Pro)の後継はこれだと見られていた。VLIW系の思想であるExplicitly Parallel Instruction Computing Architecture(EPIC)を取り入れ、何か凄い物ってイメージの64bitプロセッサだったが、開発は難航し、最終的に登場したのは2001年だった。予定より、2年か3年遅かったはずだ。

そして、演算性能も低かった。特に、x86 emulation (Layer Software)を使った32bit処理の性能は絶望的だった。P5(Pentium)並と言うべき酷さであった。だから、登場が遅れたのかは分からないが、まあ残念だった。


その後性能は、Mckinley以降のItanium 2で数段引き上げたが、これでやっと97年~98年の最先端プロセッサ並にしかならないという状況で、32bitのx86環境と混在させるには不向きだった。その頃が2003年であり、既に64bit化は目に見えるほどに迫っていた。メモリーが4GBに達する迄にこの準備は必要だったからだ。そして、それを示すようにクライアント版のWindowsはXP 64bit Edition(Itanium Edition/Professional)がこれと同時に投入された。ただし、最初で最後だった。


その期日はLonghorn Windows(Windows Vistaの開発名)の登場までの期間だったが、2004年に登場予定だったLonghorn Windows(これはWindows XP SP2セキュリティ機能強化版開発のために1.5年延期された)に対して十分な性能が達成できないことが明確であったため、当時AMDが開発してOpteronで製品化していたAMD64を採用することをマ社が決めたのである。それに従って出した最初の製品がXP Professiona x64 Editionだった。それで、Intelは方向転換せざる終えなくなり、IA-32e(Intel 64)へと舵を切った。


そこからは、多くの人が知る、x86-64(IA-32e)一辺倒へと変わっていくPC市場の流れである。Itaniumって何だっけといういう流れになった。アイテニアムではなく、痛(イタ)ニアムと呼ばれる程度に、名前も浸透しなくなった。
一時期、Itaniumはデータセンターを中心に売り込まれていたが、それもなくなり、Xeonに置き換わる。Itaniumが最後まで残ったのはHPC(High Performance Computing)の市場だったが、これもXeon PhiやXeonに置き換わりやっと、今終焉を迎えた。

ちなみに、最後の世代は32nmであったため、終焉理由は製造ラインが終わったことで途切れたのだと思われる。10nmまたは7nm Readyへの移行が始まったことで、32nmラインはもうIntelには殆ど残っていないはずだ。


<殆ど良いところなしで17年+αは凄い>

しかし、このプロセッサ意外と頑張った方だ。本来ならもっと早くに消えていてもおかしくないほど、このプロセッサはよいプロセッサとは言い難い。今まで残った最大の理由は、HPがバックにいたことと、Intelにある程度の余裕があり、販売チャンネルを開拓し続け、且つSDKのサポートを必死に行ってきたが故だろう。

普通なら、数年で消えていてもおかしくないほど、投資したコストに対して利益率は予想以上に小さい物だった。
まあ、IntelとHPだったから出来たのだと思えば良いだろう。ただ、Itaniumが何らかの主力へと成長することはなかった。そんな壮大な黒歴史となったプロセッサーアーキテクチャが17年以上なのだから、実は言うほど黒歴史でもない。単に、x86の置き換えに失敗しただけで、プロセッサーとしてはそれなりのポジションでは使われた。

開発期間から考えると、約30年~31年、HPとの共同開発から25年である。四半世紀である。
誇って良いレベルであり、この先もいろいろな面で語られるプロセッサーなのは間違いないだろう。


<予想できない未来>

x86(IA-32)が生き残るとは90年代当時は思っていなかった。2000年代になってAMD64が発表された頃には、こうなるだろうとは思ったが、少し長い目で見ると、世の中何が成功するか、分からないものだと思う。まあ、今後128bit拡張されることがあるとは思えないが、もしそういう時代が来ても、きっとx86のアーキテクトを残したまま拡張されることだろう。

ただ、その時にx86やArmというプロセッサが主流なのかは誰にも分からない。突然降ってわいたプロセッサーが世界に普及することだってあるからだ。

IA-64に勝利したx86(IA-32)はこの先も暫くは生き残るのは確実だろう。x86は良くも悪くもIntelとAMDまたはその他のメーカーが切磋琢磨し頑張ってきたからこそ、これからもCPU市場をリードすることが予想されるからだ。

ただ、そこにはItaniumという、もしかするとPC向け64bitの主役だったかもしれない。
報われない64bitプロセッサの屍があり、パラレルワールドではItaniumが主流なんて世の中もあったかもしれないことを時には思い出したいものだ。

まあ、きっと世界で数年に何回かはMerced(Itanium)という黒歴史という記事が出るので、この手のオタクには歴史が伝承されるのだろうが……。






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