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zoom RSS IBM、世界初の単体で動作する汎用量子コンピュータ……量子コンピュータって何?

<<   作成日時 : 2019/01/09 12:16   >>

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まさかCESで量子コンピュータについて登壇するメーカーが出てくるとは思わなかった。
消費者(コンシューマ)向けの祭典だが、量子コンピュータはまだまだ未完成な上に、一般受けするような品物ではないからだ。とはいえ面白いので、これ(量子コンピュータ)について考えることにした。

https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/1163693.html

<量子コンピュータは偉い、普通のコンピュータは遅い?>

というほど、話は簡単ではない。
というより、多くの人は、量子コンピュータは高速だと思いこんでいる節もある。実は今の量子コンピュータはまだその域を語るレベルではない。

世間では重ね合わせだとか、0と1以外の状態を計算できるとか、いろいろ言われているが、現状ではノイマンコンピュータも高速化されたことで、今ある不完全な量子演算より高速に処理を実現している面が多いからだ。

そのため、実は量子コンピュータが世界を一気に大きく変えてしまうという発想そのものが間違いである。まあ、突然、京より高速なHPC(High Performance Computing、高度性能演算)を行える量子コンピュータが出てくればコンピュータの歴史は大きく変わり、世界のセキュリティ技術も丸裸になるだろうが、その見込みは今のところ立っていないと思われる。

では、改めて量子コンピュータについて私なりにかみ砕いて書いてみる。かなり長い内容である。


<従来のコンピュータはノイマン型-お仕事には事細かな説明が必要です>

現在使われているノイマン方式(型)と呼ばれるコンピュータの演算は、常に二股の別れ道が連続してそのどちらかを選ぶ状態と言われる。

簡単にノイマン型のコンピュータで迷路を抜けてゴールを目指す(プログラムを実行する)としよう。
迷路の先にたどり着くためには、二股であろうが、三叉路や四つ叉であろうが2つに一つの選択をすることが求められる。

どうやって2つ以上の3つや4つの別れ道で選ぶのかというのが求められる。これは通常はプログラミングでルールを決めるわけだが、これを、2つからコンピュータに選ばせるとしたら、

・どれにしようかなてんのかみさまのいうとおり……というランダム方式と

・とりあえず左右どちらかから順番で……さらに分岐を作って左から、1番目、右1番目と決める

といった選択肢のどちらかを提示するみたいな扱いを常に決めては、分岐の繰り返しだ。
常に二者択一の選択をするために指令書(プログラムコード)を重ね続ける必要があり、その指令を処理するために、行ったり来たりを繰り返すこともある。要は右から1番目が行き止まりなら、前の分岐に戻って、2番目を選ぼうという訳だ。分岐はプログラムを書いたことがあれば、loop定義と変数カウンターを設定して行うことが多い。

こうやって、2つに1つの選択を重ねていき、プログラムで設定している最終目的地(ゴール、答え)にたどり着く。一発で上手く行くなら早くなるし、上手く行かないなら失敗を繰り返すため遅くなることもある。分析では、並列で演算出来るプロセッサの数によってゴールにたどり着く可能性のあるルートを同時並行で潰していき処理速度を見かけ上早くすることや、周波数を引き上げたり、本来なら複雑なランダム計算の処理を1つの追加命令(乱数生成コマンドを内包する命令)でパッと出してしまう手法もあるが、基本的には答えにたどり着くまで、ずっと2つに1つの選択を続けている。


まるで、1回きりの人生を分岐点でセーブし続け、セーブポイントでやり直すみたいな気の遠くなるやり方である。ただ、その途中によく使う分岐方式を命令セットとして追加することも出来るだろうし、場合によっては探索パーティを分けて多人数(マルチコア等)で一気に攻略することも出来る。そういうのがノイマンと呼ばれるコンピュータである。


<量子コンピュータは、量子に”餌”を与えて何に進化するかの定義が肝>

それに対して、量子コンピュータは物質全ての根源となる物(量子)の動きを計算に応用したものであるというべきだろうか?

ノイマンに対して考えれば生まれたての何かが持つ可能性というべきだろう。まあ、お若い人ならポケモンやたまごっちなどの育成系のゲームみたいなものかもしれない。

数学的には謎解き(ミステリーや暗号解読など)にはとても効果を発揮すると期待されている技術である。そもそも量子とは、原子の構成要素または原子や素粒子を指す。この量子というものは2つに1つの何かをするという命運がきまっているものではない。
可能性として何にでもなれるが、何もしなければそのままでもある。ただ、可能性が広く、0と1という2つに1つの存在では無く、もっと広く高く大空に羽ばたくことも出来るのだ。


それなら、人だって動物だって最終的にどんな行動をするか分からないなら、量子コンピュータの代わりみたいなものというと、実はそうだったりする。ただ、量子の場合は、存在の法則性(科学的に量子力学という学問がある)があり、計算式が存在し、今存在してほしい量子の状態を模倣できる。要は、量子に一定の餌を与えると、ある種の決まった姿を模倣する可能性がある。また、量子の変化は、短時間で行われ、人が育つまで待つような途方もない時間も掛からないのだ。

具体的に分かり易く言えば、
量子の方向性(大きさなどから来る状態、と波動という力)の違いをルール立て差別化し、その変化のレベルを数値に置き換えることが出来れば、無限の代数=算数や数学でいえば、方程式に使うXやyという変数に相当。をその量子状態に与えることが出来る。それと変化のルールが正確に分かれば、計算に使えるという訳だ。※


※だから、単に量子コンピュータといってもその演算手法(アーキテクチャ)には今のところ、いろいろなアプローチがある。


先ほどノイマン型のコンピュータで大量の人員を使って突破した迷路がある。それを、量子コンピュータに行わせることにしよう。ノイマン型では、分岐点の度に皆でルールを決めて、2者択一(2つの提案に仲間内で挙手をさせて決めていた)を常に行い突破してきた。

しかし、量子コンピュータでは、分岐が2つなら、2つに1つを選択できるのは当然として、3つならその中の1つ以上を選択することも不可能ではない。4つならそのうちの一つ以上をとにかく選択して、勝手に進んでいくことも出来るかもしれない。要は、最初から2つより多い選択肢が用意でき、その中から1つなり複数なりを選べる状況になるかもしれない。

最終的にゴールにたどり着くことが目標なら、その間にある分岐点のルールは可能性が高そうなものを選びなさいと指示し、さらに仕組み次第では大量の量子ビットや重ね合わせを使って並列的選択性を生むことで、短時間で答えを導き出せる可能性も出てくるかもしれない。

これのどこが高速化なのか?というと、これを例えばパソコンのプロセッサで言えば、4コアや8コアのような形で行えば、間で2者択一を繰り返すために、考える時間やお代(プログラム)を読む時間もなく、どんどん選択肢を選んでいくため、凄まじい速さで求めた答えにたどり着く可能性がある。

−「(かのうせい)」「かも」って多すぎだよ何だよ!−

……と思ったあなたは正しい。そもそも、量子コンピュータの演算方法は、プログラミングの手法も原理も異なる上に、先にも※で書いているが有力なアーキテクチャが未だ固まって居らず複数実験機や実証機があるのだ。ノイマンの場合は、とにかく結果的に、遠回りでも2つに1つの選択を繰り返せば答えに到達できる上に、Arm、x86など既にアーキテクチャも定まっているほどに長年の実績がある。

しかし、量子コンピュータは、選択肢を最初から一つの中に沢山もっているその仕組みの定義がまだ開発者(開発社)によって変わるのだ。すると、どういう用途にどのように使っていくかによって、この量子にはこの役割を与えて、この結果に繋げるという「あなたは何を意味しますよ。」「何をしなさいね」という量子に与える基本的なルールがまちまちになる訳だ。すると、持たせる命令によって早くなる処理もあれば、遅くなる処理も出てくる可能性がある。

おいまた可能性かよ……って、それぐらいやろうと思えば凄いことが出来るが、より広いデータを持たせたり、広い処理をさせられる分、それを定義づけるのは難しいということを意味している。枠を決めないと正確な計算は出来ないが、枠を決めてしまえば、性能の限界を定めることにも繋がる。今は、まだその枠を決める前段階で、実は最小限の範囲で正確な動きを確かめている段階なのだと言えば、分かるだろう。

何故なら、量子観測による動きが最終的にどの答えに帰結するかを決める要素がまだ不安定である(とはいえ既に不確定性原理によるズレをある程度盛り込めるから製品化されたようだ)からだ。だから、実はある種の補正が必要になる。


例えば、量子に4という数字を与えるとしよう。計算式で4−1=いくつを行うとして、4という状態に相当する量子を作り、そこから1という量子の値分を引きなさいという命令を受けて、-1して3の量子が残れば答えにたどり着ける。

では、そこにたどり着くために、量子はどのような反応をすれば良いのか?そして、その量子を制御するプログラムはどのように書けば正解なのか?実は、それに少し(なのかだいぶなのかは各種の資料を見ても良く分からない)の不安がある。即ち、量子を扱うコンピュータは量子さんの、量子に対してどういうお願いをすれば動いてくれるのか、動かす際にどんな順序で行えば、ノイマン型より早くなりそうなのか?がまだ完全に定まっていないコンピュータが多いのである。

それでも、製品化されているのは、いわゆる真空管レベルでトランジスタまでには達していなくても、製品化して多くの人の手に触れていれば進化が進むことが多いからだ。

そして、ノイマン型がそうであったように、これから、お願い(プログラミング)の部分と、プログラミングを量子にデータとして、渡す部分の在り方(アーキテクチャ、ハードの構成や型を決める定義)が定まっていく上で、商品化は多くの人の意見を集めるのに最も手早い方法であり、そのアーキテクチャがデファクトスタンダードとして使われる可能性を高めるからだ。要は、黎明期に製品化すれば、それを元にソフトウェアが作られるため、他社が参入しにくくなるかもしれないという訳だ。


まあ、現状では、まだ実験の要素が大きいだろうが……。これを、発展させるには量子コンピュータによる演算の技法(重ね合わせるデータ量量)を確定することはもちろん、命令のサイクルや仕方などがある程度固まること、さらにそれが決まった後に、OSプラットフォームが出来上がり、ソフトウェアを開発するのにし易い環境ができなければならない。

これが出来る時代が来れば、コストにもよるがノイマン型をある程度置き換えることも出来る可能性が見えてくる。

現状で言えば、不完全だから速度は出ないし、出たとしてもこういう数学的な答えを求める物に対しては、正しいかどうか、ノイマン型コンピュータで再計算して確かめるか、条件補正を足さないと難しい部分もある。これが、量子コンピュータの現実である。ただ、答えが一定の要素を持たない(別にランダムでも構わない)ものに関しては、量子処理の並列性を美味く使えば、ノイマン型より高い運用性になる目処が見え始めていると思われる。


もしこれが完全な実用レベルで実現できれば、今まで複雑な乱数処理で作っていたパスワードや、暗号化が全て丸裸になるような時代が来てもおかしくはない。

また、人を遙かに凌ぐ新型AIが生まれるなどという時代が来てもおかしくはないだろうだからこそ、時代が大きく変わるかもしれないハードウェアとして、企業もそうだが、政府もこれには注目しているわけだ。何せ、これの最終形を実現できれば、ネットワークやコンピュータ市場の覇者になるのは間違いない。一般にとって役立つかは別として、主に軍事や科学研究では、欲している人は多いのだから。


<Q System Oneは世界初が売りだが……>

これが、単体では世界初と言うことになる訳だが、これでWindowsが動く訳でも、iOSが動く訳でも、Androidが使えるようになるわけでも、MacOSでiTunesの音楽を再生出来るようになるわけでもない。あくまで、これまでHPC(スーパーコンピューターや高速な汎用コンピュータワークステーション)で行っていた分析や計算の一部をこの小さな筐体に任せて試せますよという品である。

演算性能も指標がある訳でもないため、結果が出るまでの時間も分からない。いや、ノイマンではないため、そもそも、ノイマン発想のベンチマークで計れるものではない。
即ち、創世記に作られた一号品である。どちらかというと量子コンピュータを研究するための道具を公開したというイメージの方が適正かも知れない。価格は相当高いと思うが、昔のマイコン感覚で使う物だと思えばよい。どれほど使えるのかは、使ってみてのお楽しみなのだ。

単体で製品化したということは、特定用途の演算には、多少の補正さえすればほぼ間違いがないことを確認できているのだろう。

まあ、22世紀や23世紀ぐらいに量子コンピュータが市場で当たり前になっていて、今のような経済システムがあるなら、このQは博物館に展示されている可能性が高いだろう。ただ、今の時点で一般ユーザーが買っていろいろ出来て凄いという代物ではないのは確かである。

そう考えると、凄いと同時に、Windows世代からスタートした人から見ると、ガラクタにしか見えないかも知れない。いわゆる今はまだロマンを求める品ある。


コンピュータそのものが珍しかったマイコン時代とは違って今は、家庭や大学で量子コンピュータじゃないとという人は少ないはずなので、「研究所の外で、単体で動作する初の汎用量子コンピュータシステム」という前に、どこまで簡素にコードを記述でき、正確で高速な実行が出来るの方が重要だ。しかし、それが示せないほど新しい流れが、これから、徐々にではあるが確実にそして本格的に始まるかも知れないと思えば、ちょっと楽しみだと思う人もいるかもしれない。














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