業界初の3Dパッケージング技術「Foveros」次第……Intelの本命はこれかな?

Intelは新アーキテクチャSunny Cove Micro-Architecture(MA)を発表した。元々、Ice Lake MAと呼ばれていたもので、内容もたぶん変わっていない。Vector AES辺りがもしかすると、計画中の当初Ice Lakeで予定していなかった機能かも知れない。Tiger Lakeとして計画していた物をいくつかIce Lakeに取り込んだのが、このSunny Cove Micro-Architectureだろう。

尚、ここで発表された情報は実は、既に噂などで漏れていた物が多かったため、実質新しいという程新しい情報はない。他にGen 11 GPUも解禁されたようだが、こっちは期待するほど凄いものではないように見える。

1TFlopsって凄いって、来年のこの頃にはきっとSnapdragon 855の後継が1TFlops(とはいえPCではARMとx86-32プラットフォーム向けのアプリのみ対応なので期待ほどの性能は出せない)に達するだろうことを考えると、PCがそれと同等の内臓GPUで、IntelのドライバやGPUのこれまでの傾向で考えると期待しないで期待しても良かったかもぐらいがちょうど良いだろう。

今年登場なら、Geforce GT730並ということで評価は高かったかも知れない。いや、期待して待っている人には水を差すようなことを何度も書いて悪いのだが、GT730と比べて本当に1TFlopsなのかこれ?と言われる可能性の方が高いけどね。ちなみに、過去に2度ほど騙されたタチである。


さて、余興はここまでにして、記事の本命はここからである。
Intelにとってとても重要なキーはここからだ。Intelはこの発表でFoverosと呼ばれる異なるロジック回路を立体的(上下に積層して)搭載する技術を発表した。しかも、動く形で……。これがもし発熱の大きな高性能半導体で応用できるなら、少なくとも1世代か2世代分ぐらいなら他社を上回る高性能プロセッサを出すことが出来るかも知れない。まあ、コストは高そうだが……
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1158136.html


<何が新しいのか?>

そもそも3D積層は昔からやってるんじゃないの?と思われがちだが、これまで行われてきたのは常時熱密度の低いメモリーと、発熱が大きなCPUやGPUをまたは、低クロックで動くコントローラーを組み合わせるパターンだった。何故かというと廃熱放熱が下の層ほど難しくなること、下からの熱で上の熱密度も上がってしまうことが理由だ。

高クロックで発熱が多い異なるロジック半導体を積層すると、それらが同時に最大性能を必要とした時に、互いの熱が干渉してしまい、速度の低下や熱暴走(ハングアップ、フリーズ)の危険が生じる。そのため、これまで異なるロジックを1つのダイまたはパッケージに収める場合は、並列実装で一つのロジックの横に,ロジック半導体を繋げる形だった。この方法は接続が容易だが、場所(配線幅)を取ることで、電力や性能、さらにパッケージの仕方(コスト)の面で難があった。

しかし、今回の手法は、ロジック半導体(CPUやGPUなど)を縦に2層+メモリーやホスト1層まで重ねることが出来るため、より小さな半導体でより性能効率の高い物を仕上げることが出来る。これは、組み込みSoC向けに見ればかなり大きなメリットとなる。

また、性能を求める用途でも、発熱の問題さえクリアできるようになれば、より高速なものをよりコンパクトに出来ることを意味する。まさに、上記したIntel GPUを高速化するのにも適しているかも知れない。


ただ、これがx86プロセッサのIce Lakeなどに採用される可能性は今のところ低いだろう。まあ、将来的にY系でやるかもしれないが、どちらかというと、Atom系やARM系のFPGA関連での採用が先になると思われる。当初は、コストもそれなりに高いはずで、付加価値がある程度高い製品に使うため、産業用に使われているAtomやFPGAの方が、性能の割に価格を隠蔽できるという利点があるからだ。

それでも、これが成功すれば、CoreのYシリーズなどから順次使われる可能性があり、価値はかなり大きくなる。ハイパースケーリングを失ってしまったと思われる今、Intelにとってはこれをいち早く商品化することが生きる道ともいえる。


<崖っぷちには変わりない>

まあ、だからIntelは大丈夫とも現実にはいえないのが、Intelの現状である。10nm(他社でいう7nm)は既に来年の時点では他のメーカーから見れば枯れたプロセスになる。Intelはそれを来年から始めるのだから、10nmの期間は年~1年半程度で終わらせる必要がある。

その後7nmのEUVへと移行することになるわけだが、果たして予定通りにスタートできるかまではここからは見えない。それだけではないく、昨日も書いたが、GoogleやAmazonがデータセンター向けプロセッサを自社設計する流れもあるため、今まで通りには成長しない可能性もある。

このように考えると、今、発表会を開いたのは、顧客の繋ぎ止めに必死であることを示しているともいえるかも知れない。


かるろす様

コメントありがとうございます。
確かに素晴らしい技術で、これが早期に出てくればAMDだけでなくQualcommに対してもアドバンテージを示せるかも知れないと思いますが……。

この技術が、来年以降にSoCやFPGAを変えるのは間違いないと信じたい。
ただ、最近のIntelさんは、14nm(Broadwellは大々的に発表して出荷は少量だった)、
10nm(Cannonlakeは発表会は開かずiGPUレスの一部が8000番台として出荷された)と
サンプルが結構早くから出ていながら、転けてきたこともあったりで、
個人的には2019年~2020年に大量出荷出来れば凄い。

2021年で妥当、2022年以降まで遅れたら手遅れぐらいで見てしまう自分もいるのが、悲しい。
是非、この不安を払拭して欲しいものです。






【インテル】Corei7-8700K[3.7GHz/FCLGA1151/CoffeeLake] BX80684I78700K(2438572)
e-zoa 楽天市場 SHOP
■世代:第8世代 ■コードネーム:Coffee Lake ■ソケット:LGA1151 (第8世代専用


楽天市場



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

ナイス

この記事へのコメント

かるろす
2018年12月13日 21:14
私も驚きました「Foveros」
AMDがRomeでやってるようなMCMではなく3D積載なら性能やワッパへの悪影響は最小かつ応用範囲は広いので俄然、面白くなってきました

リンク先の記事にはFoverosで実装されるx86プロセッサーを2019年に投入するとなってるので、2019年はこの数年間にまれにみるx86プロセッサ大戦争が繰り広げられることになるかも・・と考えると今から楽しみです

この記事へのトラックバック