来年以降が苦しいIntel……データセンター向けも厳しくなる恐れ。

Intelの業績は今のところ良い。これは、サーバーデータセンター向けのプラットフォームが成長しているためである。しかし、これは来年以降変わるかも知れない。その理由は、Amazon、Googleなどの大手が来年から再来年に掛けてこれらのプロセッサを自社設計の製品に切り替える可能性が高まっているためだ。

即ち、Intel優勢時代は終わるだろう。

Intelはこれまで、微細化技術で1世代から2世代リードし、同じ微細化世代でも他社より優れた技術、ハイパースケーリングを用いて他社より優れた半導体(CPU)を製造販売することが出来ていたが、今年遂にそのハイパースケーリングによる先行戦略が他社より後退し始める兆候を示し始めた。

これは、Ice Lake(旧Icelake)とCannon Lake(旧Cannonlake)と呼ばれる10nm設計に凡そ4~5年間(最初の遅れは14nm世代から始まっており、その時点で既に10nm計画もスタートしていたのでそこまで計算すると約5年)も大きな問題が生じていることにある。

もし、この計画が予定通りに進んでいたなら、現在ハイパースケーリング技術は、7nm(EUV、第2世代)または6nm(5nm/第1世代)に突入しており、トランジスタ集積率も他社を圧倒する物でコンパクトなプロセッサだっただろう。

しかし、その優位性を既に失い始め他社に抜きんでるのは難しくなった。

実際に、AMDは来年Zen2でIntelに追いつくと思われ、価格競争力も合わせると、来年のAMDプロセッサは今の価格帯でZen2(Ryzen 3000)を投入すれば、一気にIntelより魅力的な製品群へと変わっていくだろう。まあ、ラインナップの数量や、熱密度の問題はあるだろうが、それも性能比の価格が良ければ時間の経過とともにバリエーションを増やし、解消されると思われる。

これは他のIPコアベンダーにもいえることで、Intelが停滞している間に他のメーカーは既にIntel並のプロセッサーを作れるようになってしまった訳だ。もちろん、Intelの優位性は、半導体の製造技術だけではなく、設計技術にもあるため、すぐに追い越されるとはいえないが、現時点で大幅な性能差は無い程度に追いつかれていると言ってよい。

この状況になると、Intelブランドの高価なプロセッサーを買ってまで入れるより、自社で設計して自社のサーバーに導入した方がお安いという話になる。

それが、今GoogleやAmazonを始め大手IT企業が考える流れである。

Appleも今のままだと自社IPへと切り替えるのは時間の問題だろう。まあ、全部がすぐに切り替わるとは言わないが、サーバーやデータセンターなどの個人の知的資産に影響しない企業資産の場合はリプレースのタイミングでどうにでもなるため、予想以上に早く脱Intelが始まるかも知れない。


<将来の業績悪化を見越すIntel>

Intelの内情はたぶん今年かなり悪化しているはずだ。これは、春にCannonlakeの全方位展開を事実上キャンセルし、来年にモバイルなど一部での利用に留める方針を決めた後、内部体制を見直し事業を3事業に分けたことから、既に今後の窮状を見据え、半導体製造事業の分社(証券化による現金化)を本気で考えている可能性が高い。

昔AMDが窮地でやったファウンドリーの処分を、Intelが行う日が来るかも知れない。それが、来年から再来年になるかも知れないわけだ。その選択肢を今準備しているのが内部の現実だろう。

そもそも、Intelのプロセッサ事業は半分の工場が最先端プロセス、半分の工場が先端プロセス、一部にオールドプロセスと、開発プロセスという構成だ。最先端では最新設計のプロセッサーが、先端プロセスでは過去のプロセッサー(主に産業用)も多少作っているが大半はチップセットなどのホストコントローラーが製造されてきた。

しかし、今年はそれが崩れ、本来10nmで動くはずだったCPUが14nmに残り、22nmで作ってきたチップセットが、14nmへと切り替わった。即ち、全てが14nmに集約され、10nmは一部のモデムとテスト中の新型プロセッサを少量作るのみとなった。この状態では、ファウンドリー投資(10nmへの切替、7nmテストラインの増強)は進められない。

多分、昨年夏から投資している14nmの追加ラインが多分22nmのライン(本来は10nmに移行)だった可能性が高く、10nm(11+~12+nm)と共用ノードになるのだと思われる。
では、7nmはいつスタートできるのか?

そこに厳しさを感じる。14nmで動いているラインは10nmが確実に立ち上がらないと、改修できない。新たに新規のラインを立ち上げるという手もあるが、それをやると、原価償却に時間が掛かるため、投資が莫大になる。それでも、今や微細化技術開発に相当なコストが掛かっているのだから、Googleなど大口が離れていく可能性を考えると、尚のこと下手な行動は取れない。

即ち、まず14nmに集中している半導体製造を10nmや他社の製造ラインに振り分けるしかない。実際に、14nmの一部のチップセットは他社や22nmに振り分けている。これは、下手に自社ラインに投資すると、将来の世代交代が極めて業績面にマイナスとなる恐れがあるからだ。

そこまでやっても、尚足りずに14nmを今更強化したことは、10nmがすぐには十全に立ち上げられないことを示したことになった。そして、追加減価償却が必要になったことも示す。7nmは2021年頃に立ち上げられると考えられるが、果たしてその予想通りに行くかは予断を許さない。


その2年の間に次のノードに他社が行くなら、Intelはファウンドリーを来年~再来年にも切り離すだろう。何故なら、他社で5nmが先に立ち上がれば、Intelの7nmと同等かそれ以上に達する可能性が高いからだ。無理に自社プロセスノードに拘る理由は既にないからである。


<多角化が唯一の光>

まあ、このところIntelはメモリー事業での技術発表が目立つのも、こういう部分を見据えているのかも知れない。
結局、ロジック部分で戦うには、先端ノードの技術と投入時期の確約がなければ厳しい。しかし、3D X-Point技術やFPGA技術などの事業が半導体の先端ノードに縛られない技術として使いやすい。
これらの技術は、先端ノードでは使えないものもあるからだ。

10nmノードの立ち上がりなどが不規則になる中で、中期的に過剰になるはずの14nmからの切り替わりを支えるのは、きっとこれらの技術だ。これらがIntelの期待程度に膨らんでくれれば、ファウンドリ資産を分社しても、インテルが100%保有し続けることが出来るかも知れない。

これは、あくまで予想なので、必ずこうなるとは限らない。
ただ、ノードで先行出来ないなら、Intelもファウンドリーを自社で維持する理由はなくなる。今の状況だと、7nmを来年のIce Lake登場と同時に次は数ヶ月後~1年後に、7nmやそれ以上のノードを動かすと宣言できるほど順調に立ち上げられるかで決まると予想される。その道はよほどデータセンターなどの事業でお得意さんを繋ぎ止められるだけの、製品を出し続けられなければ、既に厳しいと思われる。







CPU インテル(intel) Core i9-9900K BOX
パソコンパーツのアプライド
■ スペック・ プロセッサ名 : Core i9 9900K , (Coffee Lake-S Re


楽天市場



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック