昔のカタログ-NEC PC-9800シリーズ。

掃除していたら出てきたので、1面(表紙?面)だけアップすることにした。この頃は、欲しい周辺機器が沢山あったんだな~。と感慨にふける。今では、スマホの中で完結出来ることも、この頃は周辺機器を何万~何十万掛けて揃えても、今の半分どころが性能不足で1/1000も出来ない時代だったのである。まあ、ソフトウェアも高かったので、人からコピーして貰ったりしていた。

ちなみに当時は著作権法違反ではない。著作権法が改正され施行されたのは、90年代後半~00年代である。だから、結構コピーは行われており、電気屋さんや、各パソコンメーカーの販売店でも販売員のサービスなどでコピーを入手することが出来るケースもあったほどだ。お高い物を買えばサービスされるのだ。ガバガバな時代であるが、市場が大きく成長しているからこそ出来たことだ。

今と違ってカタログを見るだけでもワクワクした。4Kとか別に欲しいとも思わないが、当時は3D(三次元グラフィックス装置)とか、凄いなと思ったものだ。


ちなみに、今回のカタログ画像は解像度こそ2066×1470だがフル画素の画像容量は3.7MBある。
当時のPCではメモリ不足になる。(まあ、そもそもフルカラーをサポートしていないので表示そのものが出来ない)

画像


多分、今PCをもっている人の多くはこのカタログにある機種を触ったことがないだろう。
何故なら、ここに掲載されている機種は1990年~1993年(平成5年)に投入された機種だからだ。あれっ?93年の新製品だよねと思う人もいるだろうが、当時は今のように新しい機種が出ると古い機種の販売が終わるということもなかった。

PCやテレビなどの製品でも実は型落ちが残ることも多く、後継機種がなければPC-98DO+のように2年半近く経過してもカタログに残っていたのだ。だから、カタログに掲載されているのは、販売2~3年目に突入している機種まで含まれている。


<高いお値段、今では低い性能、失われた技術>

標準のお値段は恐ろしく高く、税別(当時は消費税3%)である。まあ、当時は今で言う車屋さんのようなもので、高い機種だと価格交渉して物を付けたり、価格を下げて貰ったりするのが当たり前だった。

少しカタログの機種を説明しよう。DO+やGSはマニア向けなのでWindows 95以降から参加した人でも分かるものについてである。

ここに記載のMultiはPC-9821の初代である。その後、最初のテレビパソコン時代を支えるキューハチマルチキャンビー(98Multi Can Be)というブランドへと昇華する手前のモデルであったが、出荷されたのは92年11月だった。
http://121ware.com/support/product/data/spec/cpu/b194-1.html






それに対して、カタログ上新たに掲載された(新型)として掲載されているのは、93年2月に出荷を開始した9821Aシリーズである。これは、後に98MATE VALUESTARと、現在も続く事業所/ビジネス用のMATEブランドを継承するモデルとなるが、実はこの時点ではどちらかと言えば、VALUE STARのようなエンターテイメント性を9801より高めた製品だった。
http://121ware.com/support/product/data/spec/cpu/b199-1.html

尚、MultiはS2のみHDDとWindows 3.0を搭載。

MateはU7/M7以上のみHDD内蔵でMS-DOS5.0A日本語版が内蔵された。使い勝手は極めて悪いもので、大抵はHDD管理ソフトとしてSuper Operating System(緑電子)などのインターフェースを使うケースが多かった。

ちなみに、フロッピードライブは3.5インチが2台が標準だったのだが、オプションモデルとして5インチが1台で選べた時代である。今では3.5インチFDDドライブさえも搭載されていない。尚、98MultiにはCD-ROMドライブも搭載されている。そのため、それにはCD-ROM Exteintionsが添付されていたが、他の製品ではまだCD-ROMドライブが搭載される前の話である。ついでにいえば、まだ当時は横置きのデスクトップが主流で、省スペース型ではなかった。ディスプレイはブラウン管(CRT)である。タワー型でないものは、パソコンの筐体上にディスプレイを置いていた。


CPUはIntelのi486SX(Intel 486 SX、8KBキャッシュ搭載)でまだ、FPU(intel 487, Model No.P23 or P24 Series)はオプション扱いだった。486DXシリーズがFPUを内蔵したモデルでFPU演算を可能にしていたが約9万円も高い代物だった。現在のCPUやGPUはGFLops(FPU)で性能を量ることが当たり前になったが、当時はFPU(x87 Floating Point Unit/Number Data Processing・浮動小数点演算処理装置・数値データ演算)はようやく高い外部ソケットオプションからCPU内蔵へと切り替わる時期に入っていた訳である。

また、ウィンドウアクセラレータ(現在で言えばGPU)による1677万色中256色(それまでは内蔵RGBチップによる4096色中16色または8色)以上への対応も始まっていたが、当時3D(ポリゴン)演算は、以下のデバイスが必要だった。お値段は、希望小売価格ベースで750,000円(税別当時3%)である。即ち、2Dまでである。
http://121ware.com/support/product/data/spec/acb/a413-1.html

メインメモリーは1.6MB(2MB)である。増設RAMサブボードを付けることで最大14.6MB(16MBのこと)まで増やすことが出来た。何故、0.6MBという単位があるのかというと、これはDOSまたはN88BASICアプリケーションとPC-9800の仕様によるものだ。端的に言えば、intel 8086互換のアプリケーションでPC-98(厳密には限らないが)向けソフトを使う場合は、~640KBのメモリーが必要だったのだ。

それを超過した運用をするには、EMS(Expanded Memory Specification、XMMともいう)と呼ばれるメモリーフレームを使って拡張されているメモリー空間を認識させる必要があった。

簡単に言えば、1階は必ず640KB(平方メートル)で組まれていて、その上に上階がある訳だが、上の階を使うにははしごが必要で、そのはしごをセットにしたソフトウェアだけが上を使うことが出来たぐらいに思えば良い。

いろいろ、荒削りな時代である。


<昔に学ぶ>

最近は、ハードウェアやソフトウェア好きとしては、あまり面白い情報はない。
だいたい、SoCのスペックで全てが決まるからだ。後はギミックを喜ぶかどうかぐらいだろう。
正直、面白味はない。テレビもただ解像度とマルチチャンネルを追うだけで、後はAIだとか、IoTだとか……ワクワクはしない。


新製品の発表サイクルは短く、多くの品が出るのだが、何というか進化がない。特別な個性がない。形が違う機能が少ない多いばかりだ。私個人としては、1年以上3年ぐらい製品がずっと併売されるぐらいの方が物は売れると思っている。特に、今のアップデート全盛の時代では短いサイクルで新製品を出し続けると、保守が短かくなるため、それが多くのユーザーから見て質の悪いものに見えるようになる。

これは、90年代の終わりから00年代後半に掛けて起きたコンピュータの急激な進化によって、もたらされた弊害だろう。3年ぐらい経つと今のソフトウェアは3年前のハードでは遅くなり立ち行かなくなる。だから、買い換えようという流れで売り続けていることで、メーカーも短いサイクルでどんどん新製品を出し、古い製品を追いやった方が売れると思いこんでいるのだ。今売る人は、きっとその時代しか知らない人が多いだから、結局余計にそのドツボに填まる。


しかし、停滞が始まると消費者の需要と企業の売れると思っている法則は逆になる。特に、ネット時代の今は保守が長いほど重宝される。進化があまりなく、買い換えサイクルが長くなっていることを踏まえて、多くの人が選んでくれるようになるのだ。多少高くてもそういう品は売れる。

見た目では大して進化しないものを、短期サイクルで世代交代していくことほど、阿呆らしい製品開発はないということだ。そろそろ開発する企業もそこに気が付くべきであると思うが、なかなかどのメーカーもそれをやらないのは、戦略の原則がハイエンド、ミドルエンド、ローエンドと分かれているからだろう。昔は、ハイエンドが翌年型落ちになり、併売されることも多かったが、今は別々に開発して分けることも多い。

それがある意味間違いなのかも知れない。

掲載したカタログは、まさにコンピュータ市場でそれが始まる時期のカタログだ。廉価なFELLOW(PC-9801BA/BX)と呼ばれる機種が出る頃で(次ページに掲載されているのだが、公開する予定は今のところない)、PC-9821の始まりでもあった。ここから、Windows3.0→3.1そして爆発的ヒットを始める95へと時代は変わっていく。そうなっていく中で、忘れてしまったものがこのカタログにはあるのかもしれない。

少し、新し技術を蓄えてそれらを混ぜ合わせ昇華して新しい時代の製品として示すことも大事であるのだが、そのためには無理に短サイクルで商品化を急がないことも大事である。


通りすがり様

コメントありがとうございます。一時期は、家電やパソコン等のカタログを集めるのが好きで、集めていたのですけど、殆どは棄ててしまったことに今後悔しています。その昔の三菱の家電カタログには、テレビが観音開きのテレビ棚に入っていたカタログもありましたけど。15年ぐらい前には棄てたかな?

まあ、時々整理すると、棄てていないものが出てきます。後は、買った商品のカタログは一応取っていたりするのです。それが説明書と一緒にしまってあるので、その時に記事になることがある訳です。昔の商品は、個性的なものやアナログとデジタルの中間技術が多いので、読むと面白い。

>これに関連して私がもう一つ気になっているのが製品自体の寿命の短さです。

洗濯機、エアコン、暖房器具、冷房器具は短絡(ショート)などによる火災を防ぐために、一定の製品寿命期間に達してから、故障する際には短絡回路の方が、先に安全な形で焼き切れるように出来ているというのは、ありますけど。これは、独立行政法人製品評価技術基盤機構や、消費生活センターなどによる事故調査の結果から始まったとされます。

その頃から、元々丈夫で長持ちだった情報AV家電製品まで、徐々に質が低下し始めたように感じます。まあ、デジタル製品は半導体パーツが多く、落雷や静電気などに弱いですから、そういう影響もあるのでしょうけど、それで美味しいと思ったのが、今のハイテク家電や最先端のスマホやテレビかも知れません。

結局、開発サイクルを短くしていくと開発費をペイしないといけないですから、定量は売らないといけない。しかし、定量売ろうとしても、開発サイクルが短い品は、差が少ないため、買い換えたいと思う人も少ない。なら、壊れちゃえとは言いませんけど、数年でバッテリーが寿命を迎えたりして買い換えた方がと思うようになってくれた方が、売れるということなのでしょう。

昔は買い換えたいと思って買い換えていましたけど、今は前の製品と同等機能の製品に、買い換えたら価格は上位になり、要らない機能がある新世代ということが多くなるように作られています。同等はなく、それを選ぶと、前の製品より下になるように作られるのも特徴です。

そう考えると、経済は成長しているとか言っていますけど、ある意味昔のような自発的に商品を買う成長ではなく、セコい成長になっているんですよね。それだけ、物品は満たされたということなのでしょう。


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この記事へのコメント

通りすがり
2018年12月10日 21:51
Palme d'Orさんの昔のPCや家電の記事面白くて好きです。
確かに最近の製品の不必要に思える発表サイクルの短さは90年代PCの負の遺産と考えるとすっきりしますね。
これに関連して私がもう一つ気になっているのが製品自体の寿命の短さです。
高価格のPC・スマホで薄くて軽くて着脱不可の内臓バッテリー、有機ELディスプレイ搭載といった製品が多く出てきていますが、
これって購入後2~3年使った時点で使用不能とまではいかないものの購入時に消費者に高価格を納得させていた製品の利点や実用性はかなり低下しているはずです。
それを分かっていて買うならいいんですが個人的にはなんかなあと思います。
バッテリーと言えばBluetoothヘッドホン&スピーカー、ロジクールのハイエンドマウスなど最近は必ずしも内臓バッテリーにする必要のない製品まで内臓バッテリーになっていますよね。
企業が製品サイクルを短くするのは買い替えサイクルを短くしてお金儲けをしたいのか、常に話題性を維持しないと売れないのか、本当の理由は分かりませんがちょっと姿勢を改めてほしいです。
通りすがり
2018年12月12日 22:10
返信ありがとうございます。
機械の中身については詳しくない私ですが、80年代の家電や玩具に多い直線的なデザインやレトロなロゴなんかは今でもカッコいいものが多くて魅力的です。
家電の寿命減少は安全対策のためという側面もあるんですね。勉強になりました。

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