北海道の停電は電力バランスの崩壊が原因……発電所で火災と漏水も発生か。

朝日新聞社の記事である。どうも停電の原因は電力バランスにあったようだ。これまでこういう事態が日本で起きたことがあったとしたら、戦後にあったかどうか、戦前かも知れない。東日本大震災後の電力危機の時も心配されたが起きていなかった。近い事態が起きたのは、87年の関東ぐらいだ、あれは電力管内全ての停電には陥らなかった。

今回は、北海道電力の管内全てであり、これは、電力行政に大きなインパクトとなるだろう。

https://www.asahi.com/articles/ASL962408L96UTIL00F.html?iref=comtop_8_01


<電力バランスとは何か?>

そもそも発電所の電力は常に供給量が使用量を上回るように設計されている。これは、電流電圧を安定させ、変電所などの電力基板を安全に制御するために必要な電力を供給するためである。これが、崩れるとその電力で稼働している、安定装置などの稼働に誤動作(東日本は50Hzの周波数を維持できなくなることによる問題)が生じる恐れがあり、最悪の場合、変圧器の機能低下などが発生し、低電圧になるにも関わらず、一部で加圧が起きることによる過電流火災などが起きやすくなる。

また、低電圧に陥れば電力管内の機材が誤動作や破損することもある。それが起きないように、もし異常な低電圧状態を感知したら、使用率が低いところを中心に対象エリアの発電所、送電網などのリレーシャットダウンが行われ電圧を安定させる措置が講じられる。これは、大規模一部停電という形になるわけだ。

今回は大規模発電所が地震で完全に停止したため、利用優先度の低いエリアでの送電網(変電所)によるシャットダウンより先に、他の発電所までの全ての経路が異常電圧を感知し停止したのだと思われる。もちろん、その間に変電所の一部で自動シャットダウン(無効切替)もシステムが行っていると思われ、電力会社は各戸の漏電遮断機などの確認はもちろん、発電所の立ち上げ、変電所のチェックとさらには、倒壊が確認されている電線のバイパス処理など凄まじい数のステージを確認しなければいけなくなると思われる。

だから、回復時間が未定となった。

これをとても簡単に纏めると、電気の配線を安全に制御するのもまた電気だと言うことだ。原発も外部電源がなければ、起動しないのと同じで、それが失われると危険だと判断して止まる部分が、発電所、大規模変電所、中規模変電所、小規模変電設備にある訳だ。

本来なら地震による停電と言えば、漏電遮断機や地震による揺れ検知によって止まる家庭や企業施設、個々の問題が多いが、今回はそれどころではなくなり、管内全体で一斉に起きた。


<原発が動いていたら起きなかったのか?>

そこで、きっと話題になるだろう話が、原発が動いていたらという話だ。今回泊原発は点検中扱いで稼働していなかった。もし原発が動いていたなら、泊村の震度は2だったので、多分止めることはなく動いていただろう。即ち、今回に関して言えば、原発が動いていれば電源全損失は無かったと思われる。

まあ、その周辺で震度6以上が起きたらもっと重大な事故にもなり得るので、あくまで今回に関して言えばという話に過ぎない。ただ、これで稼働を求める声が増える可能性もあるだろう。
一方で、地震がこれほど頻発している現実を見ると、反対派も大きく声を上げるのは必死であり、1つの地震で大きな影響を受けない大きめの火力発電所を道内のどこか別の場所に追加することも北電は考えないといけなくなるのも確かだ。

電力会社にとっては、何の後押しにもならない。ただ、賛成派と反対派がより強い声を上げるようになるだけだ。
ある意味不幸な話でしかない。


今日中に復旧するのか?←復旧不能へ、明日以降一部で供給再開>

水力発電が既に復旧したという話はあるので、今日中には全体は無理でも可能な範囲では何とかするのだろう。

ただ、政府(経産省)が短時間(数十時間以内)にと安易に言っているが、通常大型の火力発電所が止まれば、再開して発電電力を安定させる迄には、本来のステップで行えば最低でも12時間~18時間は掛かるはずで、給電再開は通常24時間以上後になることが多い。

ボイラーを動かし蒸気タービンの回転が連続し安定していることを確認するまでには、結構時間が掛かるからだ。

政府内や官庁内にはそういう常識的な(安全を最大限に考える)人はいないのだろう。とにかく、メンツより安全性であると思うが……もちろん、救助や病院の設備に問題がというのは分かるが、それで二次災害が起きては本末転倒なのだ。まあ、何も起きなければ良いのだろうが、こういうことはあまり早回しの前例を作ると、将来同じようなケースで失敗をする恐れがあると思うが……。

-12時30分追記-

どうも、最大の発電所(苫東厚真発電所)でボイラーの水漏れと、一部施設内火災が発生したようだ。そのため、この発電所の稼働予定は、一週間以上後ろにずれると経産省から発表された。そのため、回復には一週間以上掛かるということだ。

但し、管外(青森からの海底送電網)による供給と、他の火力発電所、水力発電所による最大供給にて280~290万キロワットの供給見通しが明日までに立つ予定だという。ただし、これは、昨日の最大供給電力の225万~230万キロワットを下回っており、一部では停電が続くか、計画停電が行われると思われる。

完全に道内の停電完全解消までの予定は長引くことになる。


<災害時に携帯を長持ちさせる>

電力供給が再開するまでには、相当頑張って夕方ぐらいまで掛かると私は思っているが、それまでは携帯など情報端末の利用を最小限に留めた方が良い。特に、電波関連の機材は、停電状態で基地局も省力モードに入り、電波が繋がりにくくなると電波を掴むために大量の電力を消費する。

使わない時には、機内モードなどに変更して電波の送受信(発信)を止めるという対策をすること、液晶の輝度を最小に抑えること、エマージェンシーモード(緊急災害モード)のような機能がある場合は、それに切り替えておくと、1日ぐらい電力は持つだろう。

一番マズイのは、とにかく圏外やアンテナの本数が1本程度にまで下がっている状況で、モバイルデータ通信をオンにしてオンライン状態を維持することだ。災害伝言板などで、自分の居場所などを伝えたら、停電が解消するまで電波オフ(機内モード)に切り替えることをお勧めする。


-長期停電時情報入手に役立つのはラジオ-

尚、長期停電の際に最も良いのは、災害ラジオ、乾電池が使えるFM/AMのラジオなどを持っておくことだ。これらは電源を入れっぱなしでも連続数日物によっては1ヶ月近く持つ物もある。停電状態の場合、携帯電話や携帯テレビよりも遙かに良い情報デバイスとなってくるはずだ。


-病院などの電力は持つのか?-

大きな病院なら、無停電電源装置と発電機があり、特に三次救急病院なら2日~3日は重油などを使った発電機で耐えられる場合が多い。ニュースの一部では、数十時間以内という専門家の意見もあったが、通常は1日以上必ず持つ程度の燃料を用意しているはずだ。

もちろん、空調などのレベルが最小に下がり、無停電電源(非常電源)に繋がっているコンセントのみしか給電されないが、それで数日は持たせるようにしている。

だから、24~72時間以内に回復するなら、大丈夫だろう。
即ち、大病院は大丈夫なはずだ。ただ、二次救急以下になると、何時間もの停電は厳しくなる。
救助活動などに参加する人は、二次災害などに気をつけなければいけない。


<地震の回数>


尚、有感地震回数は10時30分現在で、47回である。熊本地震では有感地震が約7時間で37回(気象庁の当時集めたデータを元に集計)だったので、回数はこ北海道の方が10回多い。一方で、震度情報は、今回

震度1 22
震度2 14
震度3 8
震度4 2
震度5 0
震度6 1

と震度1と2が多く最大震度5以上は最初の地震から起きていない。
これは、熊本地震が同じ時間中震度3や4の方が多かったことを考えると、穏やかに推移しているように見える。これは、震源が比較的深いからということもあるが、熊本地震のように数カ所で大きく動いているわけではないのだろう。もちろん、あうまで、今のところの話である。今のペースだと、余震の大きさが全体的に小さいため、たぶん熊本地震のようにさらに大きな本震が喫緊で来ることはないと思う。

暫くは震度5以上の地震が来る可能性はあるが、それが来ないなら、これで徐々に余震は減っていくだろう。こればかりは、もう一度大きな余震が増えることがないように、皆祈るしかない。

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