蛍光灯廃止へ2020年めど。政府指針

国際的にも水銀規制(2020年を目処)が進んでおり、肩身が狭くなるのは仕方が無いが・・・。LED電球があるからと突き進むのは勇み足にも見えるのは、LED電球に対する業界や政府の取り組み(基準作り)が不十分だからだ。

http://www.asahi.com/articles/ASHCT5JHKHCTULFA021.html?iref=comtop_6_01

尚、ここで書いている技術的な説明は、物理学を専攻するような人と会話できるレベルの内容ではないので気をつけて欲しい。あくまで、誰でもある程度分かるように、内容を砕いている。興味がある人は、そういう学問を専攻したり、そういう書籍を読めばより詳しく分かるだろう。

<蛍光灯はアルゴンガスと水銀の封止こそテクノロジー>

蛍光灯の強みは、何と言っても粗悪品の少なさである。これは、ある程度製造技術と専用のラインが必要であり、既に価格も下がっており、今から参入するには厳しいというのもあるだろう。しかし、それ故に品質は比較的安定している。半減寿命は1~5万時間(球切れも約5万時間程度)。また、LEDは4万だ5万だというが、実は既に蛍光灯もLED並の高価格帯では、そのぐらいの長寿命で、明るさは4万時間系化時に6割以上を維持できる製品が存在している。蛍光灯は球切れが起きにくいが明るさが徐々に低下するという欠点があるが、それもそこそこ維持できる時代に入っているのである。この部分を評価する人は今の世の中では少ない。まあ、蛍光灯は点灯管が必要になるので、点灯消灯の間隔が頻繁な場合は、点灯管が長持ちしない。

 

<何故か良いことずくめ、長持ちLED電球・・・>

4万時間が基準だとか言うが、それは嘘である。なぜなら、全部が全部4万時間持つわけではないからだ。そして、蛍光灯や白熱灯より、そういう不良率が高いのも特徴である。

はっきり言えばLED電球にも実は大きな欠点がある。それは、発光ダイオード(LED)さえ入手できれば、誰でも組み立てられることである。小さなLEDをいくつか集め、少し高輝度になるように電圧を強く掛ければ、明るく光るが・・・寿命は短くなる。そして、何より問題なのがそういう製品が、安価に売られていることが多いという点である。

発光ダイオード(ダイオードとは元々は二極真空管を意味する)を意味するLEDは、携帯やスマートフォン、PCなどの記録装置、演算装置でも使われる半導体技術を用いて作られる。仕組みとしては、陰極から陽極に電流が流れるのだが、その際に陽極側の半導体との接合部分より先(陽極側)に差し掛かると、電気エネルギーが光に変換される現象が起きる。これは、再結合と呼ばれる現象で生まれるエネルギーの放出なのだが、簡単に言えば磁石のNとSが引き合うように電気はプラスとマイナスでくっつきたがっている。そして、どちらか一方だけでは、エネルギーは生まれない。要は2つが出会って初めて一人前に力を発揮するのだ。そして、プラスが控えている場所に、マイナスがくっつくと光ったり、熱を発生させたりする。LEDでは光に変換する仕組みとなっていると思えば良い。具体的には陽極の正孔という場所にプラスがあり、そこにマイナスがたどり着くと、くっつき光を放つ。



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ちなみに、陽極側(アノード)はP型と呼ばれる半導体を使っている。陰極側(カソード)はN型と呼ばれる半導体を使っており、この2つの接合をPN接合という。

このBlogではPCやスマホ系の記事が多いので、半導体と言えば、熱が寿命に影響することは気がつくだろう。プロセッサでも電流や電圧を調整しクロックを高めれば熱量が増す。LEDでも実は同じで、明るさの上限(規定の上限)100lm(ルーメン)のLEDを、120lmまで明るくすれば寿命が劇的に短くなる。発熱も大きくなる。これは、CPUをオーバークロックするのと同じだ。CPUでも耐性が高くクロックの低い製品をオーバークロックすると、消費電力の差は少なくクロックは高くなるが、例えば4GHzのプロセッサを8GHzまでオーバークロックしようとしても、液体窒素でも使わない限り、動かないだろう。定格はある程度、上下のマージンを取り寿命をLEDとして相応しい寿命にしているが、もし上マージンを完全にオーバーしたりギリギリまで上げて常時使うように設定してしまえば・・・製品のばらつきの影響を受け、寿命の極端に短いものと、普通のものに別れてしまう。それを利用して低輝度の製品を、高輝度で光らせ安価に売るビジネスも横行しているのだ。この場合、当たりなら価格並に持つが、外れればほとんど持たない。

また、LED電球の光は実際に点灯する複数の光波長が混じった白熱球や蛍光体を紫外線ベースの光で点灯させるものとは違い、波長に偏りがあるのも特徴である。元々、LEDには赤、青、緑などの限定色を発光する力しか無い。これは電気エネルギーを光に変換する半導体の特性によって、決まった波長しか出せないからだ。もう少し分かり易く言えば、重さ150gのリンゴだけを仕分けする装置を作ったとして、それで120gのリンゴを仕分けできないというのと同じだ。定格で動かせば消費電力が低いというのもこれが作用する。元々光というものは、いくつかの色の光線からなるが、LEDを除く電球の光というのは、いろいろな波長の光が混ざっている。その中には暗い光の波長もあれば、明るい波長もある。だから、明るくする際には沢山の電気を使うのだ。これは、見た目では暗い光に変わる電気があると思えば分かり易い。

それに対して、LEDは常に決まった波長(多少ばらつきはあるが)の光しか生み出さない。赤なら赤、青なら青、といった具合なのだ。例え少々暗い色でも、波長にばらつきがなければ明るく見える。しかし、波長が同じだと光が拡散し難くなる。直進性が強くなるのだ。砕いて言えば、全部同じ自動車で同じ速度で同じ方向に向かって進むなら、ぶつかりもしないし、反射しても同じ方向に同じ速度で曲がる。これが光の波長が同じで、直進性が強いという理由である。色もおなじだから、家具など何かにぶつかった時に吸収される光の量もほぼ一緒。波長が短かったり、長かったりと複数の光が混じっていれば、反射しやすい光とし難い光が生まれて広い範囲を照らすが、LEDではそれが難しくなる。まあ、最近は光拡散可能な導光板(反射板)やLEDの配列、RGB全色モデルなどもあるので、かなり変わってきているが・・・。そもそも、その多様性がLEDの選び方を難しくしている。

それ故に、電球の交換が出来ない機種や純正外品は推奨しない製品も増えている。

この他に、LEDは徐々に暗くなることは(少しは暗くなるが)あまりなく、突然点灯しなくなるのが特徴である。蛍光灯は暗くなったり、点くのに時間が掛かったり、ちらつけば、必ず交換時期だが、それが分からないのがLEDの難しいところである。何せ、明かりが必要なのは夜や朝が多いため、夜キッチンなど、主要な場所の電球が切れると・・・大変なのだ。

 

<蛍光灯のように交換が出来ない製品が多い?>

これはシーリングライトに多いのだが、実はLED電球は蛍光灯タイプで交換できるものと、シーリングで完全直付けタイプの2種類があり、特に後者が最近は増えている。その理由は、LED電球と一言で言っても、白色の光を出すための仕組みがいくつもあること、そしてその機能を別の役割に拡張した製品があることなどが理由に挙げられる。

一般的なのは、青色LEDの外側に蛍光体を塗り、白色(黄色系)の色を再現する手法であるが、最もポピュラーな方法である。それに対して、自然な色を出している製品は、他のLEDで少し色を補っている。高級なシーリングライト(いろいろな演出色が1つのライトで再現できる製品)では、これに別の赤や緑などのLEDを混ぜているのだ。さらに究極は光の3原色(Red、Green、Blue)の全てを使って白を再現しているものもある。

そして、そういう製品の上位モデルでは、光の色を雰囲気に合わせていくつか変更できるのだ。これは便利だと思うだろうが・・・この手のタイプは光源となるLEDの光量をソフトウェア制御できる仕組みを備えているため、実は電球のみの交換が出来ないものが多い。出来ても、専用品となる。要は、長持ち4万時間といっても、4万時間でユニット毎交換で工事費込みうん万円なら・・・・。本末転倒という話になるかもしれない。

そのため、LEDのシーリング照明器具で、電球交換できるタイプを求めるなら、電球のみの交換が出来るかどうか、また交換電球は安価に手に入るかをしっかり確認しなければいけない。

 

<LED電球の業界標準を・・・>

本当に、蛍光灯を廃止することが政府の方針なら、業界側もLED照明の規格をしっかりまとめるべきだろう。今の状況では、粗大ゴミと変わらない照明から、取り付け後電球のみの交換は不能な品、さらには本当に蛍光灯の変わりとなる商品まで、素人には分からない品揃えが満載である。これを、しっかり整理して明るさや色を調整できる交換型電球の規格の統一や、蛍光灯の代替品としての寿命基準を定めないと、後になって蛍光灯を勝手に廃止しやがってと言う人が増えるかもしれない。

最近は、知らない人にこれは良いから、最高だからといって売る商売が増えている。しかも、それを情報メディアが一緒になって広めようとする。スポンサーがいるからある程度は仕方がないのかもしれないが、後から無くなってみたら、必要だったという話も多い。

即ち、中身の説明は不十分なモノも多いのだ。これは、WEB検索でLED電球を調べれば分かるだろう。販売サイトでは全て良いことしか書いていない。現実は、確かに長寿命を売りにするそこそこの価格の製品もあるが、蛍光灯とは違うのだ。LEDは長寿命と売る前に、まずはどういう基準なら長寿命か?どの電灯なら電球交換が出来るのかなどをもっと分かるように、基準として示すべきだろう。Wi-Fiではないが、LED Light Allianceでも作った方がこれからのためになるかもしれない。

行政も政府も経済対策は考えるが、全て誰かが発した言葉を聞いて、「そりゃあいい。スタートだ。」と言っているように見える。このままでは、きっと日本の経済は続かないだろう。ロードマップとして、廃止を決めるなら、業界に対しても、消費者が不利益を掴まされないように、ルールを決めるように求めなければいけない。それを先に求めてから、2020年を目処にしようというのがあり方である。まあ、表にそういう話が出ていないだけで、裏ではしっかり行動しているなら、良いのだが・・・。

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