<ギリシャ>チプラス首相が勝利宣言 反対派、大きく上回る

日本にも短期的に円相場での影響は出るだろう。欧州への輸出が中心の企業は少しばかり予想を下方修正する事になる可能性もある。

http://mainichi.jp/select/news/20150706k0000e030116000c.html
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0PF0YE20150705
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0PF15K20150705


ギリシャの問題はギリシャに不幸をもたらすのかは、不明である。本当に今のギリシャ政権が賢くビジョンをもって望んでいるなら、WSJが書いている以下の記事のように、ギリシャがユーロ圏から離脱して、ハイパーインフレに陥るという話は杞憂に終わるだろう。例え、ドラクマまたはそれに相当する自国通貨に移行したとしてもである。
http://jp.wsj.com/articles/SB10468926462754674708104581085121389238598


しかし、もし政治が国民投票だけで強くでれば、ユーロに残れるだろうと判断しているなら、それは国民という世論のナショナリズムを利用した賭であり、政治家ではなくただのパフォーマンス団体に過ぎない。政治的な高次の駆け引きではなく、多数の知識がないものを知識や経験、十分な考察のないものが誘導した愚策と愚民になってしまうだろう。

その場合は、結果的にドイツなどユーロ圏が勝手に緊縮財政を押しつけ、そしてギリシャを切ったと考えるギリシャの人々は、ユーロ圏を恨み、下手をすればテロを起こすような過激派が生み出されかねない。それも、今の社会における中途半端な正義感の産物であり、失策のツケである。


<協議離脱や妥協の失敗は、信用の喪失に繋がる>

基本的に、安定した社会は、議論と互いの妥協によって生まれる調和である。批判だけからは生まれないし、況してや日本でも、某ポータルなどで見られるが、自国の主張が通らなければ、すぐに○○からは離脱すべきという発想をしていると、お互いの協議はなくなるため、より距離が離れるようになる。

まあ、2カ国3カ国の小さな枠組みだと、離脱して別のチャンネルを使うことが政治的駆け引きとして役立つこともあるが、大きな枠組みから離脱すると、周りを理解することも理解されることもなくなり、脅威と見なされることを忘れてはいけない。全く新しい高次の多国間の枠組みに移行することがないなら、意見を述べる場から離脱するのは絶対に最後まで避けた方が良いのである。


<世界的地位が低い国を救済する手段がない>

今、日本も欧州も米国も自国の安定を保つのに必死であり、他の国に目を掛ける力は年々衰えている。
それは、未発展の未開拓地が既に底を突きつつあるのに対して、物を作り出す製造設備は世界中に生まれているからである。
要は、日本や米国、ドイツなど発展した産業を持つ国家は、お互いに発展する過程で、発展途上の国家に商品を売ることによって販路を広げてきたが、それぞれの国が発展を終えると、途上国が製造技術をもつようになり、彼らと競合するようになった。

そして、貧国が今、発展途上国になり、中国などはむしろ発展が一段落した成熟国家になり始めた。すると、それらの国も内需+外需→外需頼みになる。生産設備は、内需が高いときと同じ物を使いつつ、成長のための投資は続けるため、結果的に外需は内需が旺盛だったころより、大きくなる。

既に世界中の人に商品を供給しても余る時代に向かっているのだ。その状況では、税収や経済面での利益が、減るためどこかの弱い国家を助けるために、強い国家が財政支援をするのは難しい。

即ち、地位が低い国は、今からこの自由経済圏に参加しても、ただ商品を売りつけられ、開発援助金がでるだけで、開発が完了したときに、果たして借り受けた金を返せるまで経済が伸びるかというと・・・。それでも、市場開拓は必要である。そうしないと我々の自由経済圏は衰退する。

幸か不幸か、景気や財政というものは、信用で測っているため、成長している間は信用で、予測される経済規模より多く金が供給されやすい。それは、結局のところマネーを多く投資した国が、多くの実益を得られるという癒着構造を持つからである。特に、中国などの台頭でそれは大きくなったといえる。
結果的に、後で負のスパイラルが訪れる。特に、先進国に対して途上国ほど過剰流動性に対する意識は低いため、結果的にバブルが起きやすい。

そこが、これからいろいろな面で、自由市場を脅かす火種となると思われる。

<もし、ギリシャの首相が真に賢いなら・・・>

この首相が本当に賢い政権政策を採っていける人なら、全てこれも計算なのだろう。
離脱後に食糧自給率をあと5割(今の1.5倍の生産量)ほど増やし、120%程度にすれば農業と観光で独力でも生きていける可能性ある。特に、主食生産が低いギリシャで、主食生産率は今の3倍ほどに高めないといけないが、それが出来れば、国家は一時的に破綻して、ハイパーインフレ状態に陥っても、食料と衣料、住居さえ十分に提供できれば、国民が極端に飢えることもないだろう。

ただ、それには最低でも5年以上の期間が必要だろう。その間に国民を我慢させる必要があるが、こうなるなら本来は2010年の時点で緩やかな離脱を模索すべきだっただろう。今の状況でも悪くなっているのだから、いくら国民が覚悟していても、5年以上も持つかというと、ロシアなど西側諸国などが支えてくれない限りは、かなり苦しい。


ギリシャが良いとは思わないし、今の政権が良いとも思えないが、WSJの記事にもあるように、bias(バイアス)は必ず存在する。問題は、そのバイアスを否定できるだけの実力者が、国の長として国を動かしているのか、それともただのハッタリで動いているのか、そこが問題である。

これがもしハッタリなら、ギリシャにとってはさらに悪い結果になる。

まあ、既に経済は落ち込んでいる国家であり、若者の失業率が若者の4人に一人という国である。それを考えると、ギリシャもユーロも単に緊縮か、それとも現状維持かではなく、税の回収率の改善や、若者の起業を促進する制度の創出など出すところと、減らす部分のメリハリを付けなければいけなかったのは確かである。


<これが日本にどう影響するか?限定的で織り込み済み?とは>

影響は限定的である。これは、確かだ。ただし、「限定」という言葉は結構都合が良い。織り込み済みもそうだが、織り込むというのは、ある程度影響を受けることを織り込んだという場合もあれば、影響はないように対処されるという点で織り込んでいるのか、そこを不確かに隠蔽できるからである。限定もそうだが、問題ないとは言わない。要は、何か起きるが、それはある部分にしか影響しないという意味である。

これは、簡単に言えば、静かに見守って欲しいと言うことを提示しているのである。まあ、しばらくは売り買いが錯綜し、下げが大きくなるが、それが根拠なく極端に混乱するような状況に向かわせた人は、金融取り締まりの対象となるのである。この状況では、市場の流動性を、1つの方向に意図的に誘導するものは、裁かれますよと警告しているのである。

だから、織り込み済みであり、限定的なのだ。実際にどう動くかは、これから先の話である。果たして本当に織り込み済みで限定的だったのかは、数年後に分かるだろう。ちなみに、怖いのは暴落よりじりじり長期間下げることである。暴落は、一時的な乱高下になるが、暫くすると安定する。しかし、折り込みが失敗すると、経済指標が長期的にマイナスにぶれる。そのため、リスクから安定資産や安定した会社に徐々にお金が移るようになる。
この場合は、折り込みに失敗したといえる。


<財政問題は、日本でも将来重要な問題になる>

日本も、基礎的財政収支(プライマリーバランス)は赤字である。今のギリシャより実は悪い。
それでも、体裁を保てるのは、コア預金比率が高いからである。要は、債券の大半を国内で償却しているからなのだ。しかし、人口が減少を始めると、一人あたりのGDPが人口減少曲線より上がらないと、経済成長が見込めなくなるため、先行投資としての債券の価値は暴落するリスクが上がる。

要は、国の債券の価値を維持するには、今突然生産人口が半分になったと仮定すると、今から先はGDPが一人あたり2倍にならないと、債券市場の信用が落ちるのである。他にも財政バランスや為替の問題もあるため、あくまで単純に言えばの話だが、日本は経済政策と、消費税増税などの事ばかりで財政再建はほぼ手つかずである。そのため、年々この財政リスクは増大している。

まあ、公務員ボーナスは物価スライドと民間の給与増を反映して増えている現実を見ると、税金を納めるがわからすればギリシャと何が違うのかと言う人もいるかもしれない。
ちなみに、民間の物価スライドを考慮して算定した給与は25ヶ月連続でマイナスとなっている。ちなみに福祉関連(今年度は40歳以上の介護保険料が増額)の費用は年々増えている。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0PA04P20150630
http://www.asahi.com/articles/ASH6Z3D1GH6ZUTFK001.html

既に、楽観主義者が減っているのは、旧来の経済成長モデルとしての公共投資の利用に対して、少子高齢化などから来る社会の負担感増とのバランスが崩れてきているからと言える。しかし、それに対して、こうすれば誰も痛みを強く受ける事無く、解消できるという提案が可能なものは既にいない。誰もが幸福な夢の島はないのだ。
要は、日本も実は手詰まりが近い。だから、ナショナリズムに流されるようになる。

自分では、解決策はないが誰かが出してくれる意見が、その突破口だと思うのだ。それは、結果的に委任になるため、議論事態がありき、またはなしという点だけで進み社会構造はより悪くなる。


ギリシャの現実を見ると、市場経済のあり方をブレトン・ウッズ体制からの移行以上の規模で変えなければ、いつかギリシャの次が現れるのは目に見えている。そろそろ、5年や10年持たせるための政治や経済のてこ入れではなく、30~40年先の世界があるべき経済や社会の形を議論する時期なのかもしれない。


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