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zoom RSS 8086プロセッサ登場40周年記念に思う−ライバルの貴重さ。

<<   作成日時 : 2018/06/06 10:09   >>

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PC WatchやITmediaの記事でIntelで公式に限定販売されるプロセッサの話だ。Intel Core i7-8086K Limited Editionというプロセッサ、4GHzで駆動しTB時に5GHzで動作可能となる。もちろんUNLOCK版なので、もっと高い周波数でも動くかも知れないが、公式に出る一般向けプロセッサではIntel製x86で最高クロックとなる。

ただ、型番の付け方が歪だ。何せCore i7-8700Kより型番上は下で、性能は上という扱いになるのだから、この最近のIntelの迷走ぶりにマッチしているといえばそうかもしれない。無理にi8086に合わせずに、8786にすれば良かったのにと思う。そうすれば、その昔はCoProcessorだったFPU(x87)の数字も入りFPUを内蔵した86でぴったりだったのに。まあ、87の方は知る人が少ないので、仕方が無い。何せIntel i386DX以降FPUは内蔵されてきたのだから、知っている者はそれ以前からコンピュータを使っている者か、またはその後で好きが高じて調べたものぐらいだろう。

https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/1125668.html
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1806/05/news158.html


<40年なのにそれほど感じない、感慨も少ないintelの86プロセッサ>

ちなみに、〜80286時代まで日本では日本電気(NEC)のPC-9800シリーズの方が8割のシェアを持っていたため、実はIntel製のプロセッサが日本で大量に売れることはなかった。NECは互換プロセッサμPD70108(V20)や70116(V30)、さらにはμPD70208(V40系)なども登場し、NEC製品とEPSON互換機の多くに採用されていた。

まあ、Intelとのライセンス問題が激化し、結局NECはx86互換プロセッサ開発を止めて、当時大きく成長していたメモリー(DRAM)事業やSX系プロセッサ、システム制御LSIに特化していったが、その後の末路は多くの人がご存じの通りだろう。ちなみに、Intelは90年代までにDRAMから撤退している。この判断が今のIntelを作っていると言えよう。

どちらにしても、NECがAMDのようにライセンスを得てこれらを続けていても、勝てはしなかっただろう。この手の互換プロセッサは各国で出ていたが、最終的に訴訟によって消えて行った。その一つがNECのμPD-x86及びx80互換シリーズである。尚、μPDはCPU以外の製品にも割り当てられているため、これがx86だけを意味する訳では無い。どちらかというと、NECエレクトロニクス(現在はルネサスエレクトロニクス)のブランド型番として代々使われていたものと認識した方が良い。

まあ、日本視点で見るため、私としてはx86は2〜30年ぐらいの印象の方が強いのである。むしろ、当時はこれまで文句を言わずに使えていたものが使えなくなるということに対して違和感を感じたものだ。別に今これに対して悪感情を抱くことは無いが、考えて見ると徐々に自由度は無くなってきているなと思う一方で、ライセンスは重要とも思う。そして上記したように、ライセンスを得て開発していたとしても、DRAMでさえも失敗した国が成功することはない。

まあ、これこそルールが作られるというものであり、貿易摩擦というものでもあったのだろう。30年以上経てばそれも皆知らない。何故なら、皆がこの後継プロセッサを使い始める前に、その問題は終わっていたからだ。要は、今我々がNoだと思っているものでも、明日生まれてくる人が20年後に素晴らしいと思えば、それが浸透していくということだ。
だからこそ、絶対にこれだけは壊されては困ると思うものがあるなら、少なくとも自分の子や孫には、余すこと無く伝えておくことだ。

<Pentiumが出るまでは少し普及が遅かった>

話はそれたが、40周年というのは、感慨深いはずだが私的にはそう感じないのは、結局そういう部分があることと、そもそも当時のプロセッサ進化は鈍足で、普及も遅かったからだろう。8086が出たのは1978年だがその後に登場した80186や80286は82年まで後になる。しかも、80186に至っては近年まで使われており、286は90年代に入るまで使われた。その後継である386が本格的に下位レベルにまで使われ始めたのは登場から2年〜4年後と遅い。89年には486が出ているがその頃はまだ386が全盛期だった。これが本格的に市販ラインにのるのは1年〜2年後だ。

実際にCPU登場(発表)と同時期に製品が出始めるのは、Pentium頃だろう。当時の新聞記事は探すと、FDのどれかに入れていると思うが、FD駆動装置がないので、確認することが出来ない。Intel i586(開発名P5)として開発されていたが、発表時にはブランド名がPenta(第5)-ium(金属を表す接尾)という造語から作られ、それが今もPentiumとして残っている。


Intel入ってるが始まる前。x86のCISCがRISCに対抗し市場にアピールするために、ブランド名を付けたということだろう。ここから、比較的早いサイクルでプロセッサはすぐに市場に流れ込むようになったのである。まあ、Windows3.xが登場した影響もある。

ちなみに、当時は1年で性能が倍数単位の成長をしていた。周波数は1年経てば2倍以上になることも多かった。そのため、性能は2倍になっていたのだ。最近ようやくコア数が増え始めたことで、性能が倍数に近づいているが、激しい進化競争を繰り広げていた90年代後半〜2003年頃までは、命令セットの強化や、IPC(CPI)の改善、それに周波数の倍倍ゲームが行われ、年率の実効性能は劇的に伸びていた。それに合わせてアプリケーション環境も1年経てば大きく変わっていた。

この頃を知る人から見れば、今は大人しいのである。


実はこれが、それでも計画通りではなかったという話になる。まあ、Intelの場合はそもそも、x86を今も活かす予定は無かったので、今x86が生きていること自体が当時から見れば何かの間違いなのだが……


<99年には2010年に10GHzが目標、20年迄に20GHz〜30GHzを目指していたIntel>

99年のIDFでIntelは当時最先端の周波数に重きを置いたプロセッサのコアアーキテクチャ、Netburst Micro-Architectureを発表している。 この頃に、IntelはAMDとの競争に晒されており、AMDのK7(Athlon)が優れた性能を発揮していたことに焦っていた。そんな中で周波数を一気に引き上げて周波数至上主義の市場で成功させようとしたのが、Netburst(後にPentium 4と呼ばれるプロセッサ)だった。

ちなみに、Pentium Vまではローマ数字だが、これは意図的に算用数字が使われており、コアアーキテクチャが完全に刷新されたため、P5及びP6との差別化であると考えられていた。まあ、実際にどうなのかは分からない。

このNetburstは当初こそ大きな成果を上げた。SSE2の実装でSIMDの性能は高かったし、何より周波数がワンランク上だった。しかし、周波数至上主義はプロセスノードと一致しなかった。当時は微細化すれば、電圧が下がり、消費電力が低下すると簡単に考えられていた。実際にそれが機能したため、倍の以上の性能(クロック)で消費電力はほぼ同じという製品を出し続けることが出来た。

しかし、250nm(0.25μm)→180nm(0.18μm)→130nm(0.13μm)までの世代で機能した微細化による性能アップは、90nmで突如ストップした。半導体回路は電気が流れる回路とそれを隔てる絶縁体で出来ている。微細化すると、回路も絶縁体も薄く狭くなっていく。

そして、周波数を上げると言うことは、細いホースの中に、より強い勢いで大量の水を流し込むようなものだ。大きなトンネルのような場所で、毎秒500L(500MHz)の量を流しても問題がない。むしろ隙間があるだろう。しかし、これが家庭用のホースで、毎秒1t(1GHz)だったらどうか?

ホースははじけ飛ぶだろう。

これは極端な話だが、微細化して周波数を上げれば、必ず漏れが出る状況が始まった訳だ。その漏れは、演算では使われず熱として流出する。熱は、CPUなどの部品を加熱するため、故障の原因となり、スイッチ処理の妨げとなる。

その漏れを防ぐためには、壁を厚くするか、回路の幅を広げるしか無い。そうすると、演算部も大きくなり、多くの演算機能(トランジスタ)を内包することは出来ない。バランスを取ることが求められることが判明し、周波数を漏れなく簡単に10GHzにするなど出来ないことが分かった。

5GHzに迫るとされた第2世代Netburstのtejas(テハス/テジャス)が中止されたのは、そういう限界を突破できないことが確実に分かったからだ。

AMDはIntelのそれと自社での評価もあり、Intelより早くに、コア数を増やす方針へと方針転換していたが、Intelはプロセスノードに自信を持っていたので、それが遅れたのだ。

この問題がもし出てこなかったなら、きっとIntelは2010年に10GHzを本当に達成するつもりだっただろう。これは、当時のAMDにも言えることで、AMDも実は当初は周波数至上主義で考えていた。ただ、AMDにはクライアント向けのDual Core計画もセットであり、それがAMDを救ったに過ぎない。


<ライバルの存在がなければ、x86は無かったかも……>

しかし、ここまで考えるとAMDから生まれてIntelが捏ねる餅が多いことに気が付く。Dual Core、x86-64、APU発想のGPU統合CPUコアもIntelより先にGPUに目を向けたのはAMD(とAMDが買収したATI)である。さらに、最近もIntelが足踏みしている中で、AMDはZENでコア数を増やす流れを示し、Intelの目を覚まさせた。


Intel誤算は結構多い。今日現在もIntelは誤算の中にいる。10nmの立ち上げや、Spectre、Meltdownなどの問題、さらには迫り来るARMの問題もあるだろうが、AMDがいるから成り立っている面もありそうだ。もし、AMDがいなければ、ARMがIntel市場にもっと浸透していたかも知れない。何せ、2〜4コア止まりだったのだから。
A76が発表されたた今、ARMのインパクトはもっとあっただろう。



個人的な話をすると、私はARM系よりx86系の方がCPUとしては好きだ。ARMは一つの会社が技術を開発してそれを他の会社がカスタマイズしたり、利用するだけであるため、実は技術としてはあまり目新しさがなく好きになれないからだ。端的に言えば、SPARCの中で、富士通のセミコンダクター事業がオリジナルを出すようなものだ。面白いのは面白いが、所詮SPARCの範囲である。

しかし、x86は最初のx86こそIntelだがその後ろには、ライセンスがまだ不十分な時代に、NECなどの企業がオリジナルな要素を加えて開発した互換プロセッサや、それが終わった後にはCyrix、IDTそして今も開発を続けるAMDが続いた。そして、AMDはIntelがIA-64に進むつもりの流れを、x86-64に戻させたり、周波数からコア数の拡張へと進めさせたりとバカにならない行動を行っている。

まあ、MMX(整数演算向けの命令セット)を真似て拡張し、3D Now!を出した頃から、この2社は単一互換アーキテクチャのCPU市場において特異な関係となり、それがデータセンターやPC向け、さらにはゲーム機向け市場でx86を揺るぎない存在したと言える。少なくとも、Intelが40周年を祝える程度に。


これから、どうなるかは分からないがこのx86は計画通りに推移したわけではない。むしろ、誤算の中にある成功だろう。もし、この市場に過去に存在した互換プロセッサや今存在しているAMDのような企業がいなければ、Intelが今もx86を祝うほどに製造しているかは分からない。

いやむしろ、2016年にItanium15周年が祝われ、2021年に20周年という流れだった可能性の方が高く、もっと最悪だと、Arm Architectureの方が主流だった可能性もある。あの頃Itaniumへと乗り換えるように促していれば、その後の流れを考えると、Arm Architectureへの移行も今より早かったはずだ。


<計画通りでは無いからこそ成長する>

ここから分かる事は、計画通りではないことは決して悪いことではないということだ。特に、ライバルがいることはとても大事である。先に述べたように私がARMよりx86というのは、そういう側面もある。一つの会社が基準を設計するだけだと、絶大なインパクトはどうやっても生まれない。あくまで、延長線上にあるサプライズ止まりだ。

そのサプライズも、製品が期待通りの結果とは限らない。
ライバルがいると、面白いことに期待通りじゃない製品を一方が出す間は、ライバル側が奮起する。
ライバル側が弱っていると、自分が奮起する。x86市場はARMが伸びる一番重要な時に、AMDが性能から逃げていたため、今ARMに迫られているが、zen Micro-Architectureは期待以上(Intelに劣るとは言え当初はこれほど性能があるのか懐疑的だった)の成果を上げつつあるため、今後も暫くは大丈夫だろう。

そして今後も、期待外れ、期待通り、それ以上を互いに繰り返してほしいものだ。その方が、50周年を祝える可能性に近づくのだから……。


まあ、今世の中はARMに目が行っている。そのARMが目指す目下の目標は現在x86である。しかし、もしARMがx86を越えて、x86消えることになれば、その先で指標を示せるかというと、たぶん無理だろう。自社でプロセッサを作らないメーカーは同じアーキテクチャの中にライバルがいるわけじゃ無い。しかも、ライセンスカスタマイズをするメーカーが出ても、それらのライセンスカスタマイズする企業が内を全て見せようとすることもないかもしれない。

そもそも、ライセンスでの開発には限界がある。
Armは目指す別のアーキテクチャのライバルが消えれば、そこからの進化は乏しくなることも予想される。

だからこそ、x86登場から40周年を迎えたIntel、そしてそれを支える好敵手AMDには頑張って欲しいものだ。これが今後も続くなら、場合によっては長い目で見たときに、Arm※より残っている可能性は高い。


※ARMのようなライセンスで怖いのはPowerVRがそうであるように、最大のライセンスベンダーが他のアーキテクチャに離れ始めた時に、成長見込みと投資計画が外れることも常にある。それは、MIPSでも証明されたし、他の産業でも証明されている。











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