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zoom RSS Cortex-A76がCPU市場の天下統一を果たすのか?……気になるのは発熱と消費電力。

<<   作成日時 : 2018/06/04 09:25   >>

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というのを、登場した直後から考えている。以下のPC Watchの記事を読むとまるで欠点がない素晴らしいプロセッサに見えるが、正直、x86並に性能を上げて、発熱や消費電力が上がらないはずはないからだ。これは、物理的、論理的に考えるとクロック周波数を下げない限り無理な話だ。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/1125098.html

Arm Architectureは毎年新型のプロセッサを投入してきたが、毎年、実質のTDPを何とか押さえ込む努力をしていた。しかし、現実にはそれが上手く行っているとは言い難い。実は、年々僅かずつだが、ハイパフォーマンス時の消費電力や発熱は増してきた。

その証拠にスマホの筐体は小型化が出来なくなっている。Xperia XZ1 Compactが昨年小型でSnapdragon 835を搭載していると評価されたが、実はあれもかなり熱密度に苦労していたんだろうなということが、国内外の中長期レビューをみると見えてきた。一部のユーザーが、プチフリーズや、動作の不安定を指摘していたからだ。

しかし、それらはゲームなどより高度な処理をするものに限られており、スマートフォンとしての基本機能は満たしているため、修理の対象になっていないものが多いようだ。実質の比率はたぶん、多くても1割に達してないと思われるが(ネットでの不具合報告は全体の評価の1割で出てくるなら1%〜2%ぐらいである。何故なら悪いという人は積極的に情報を出すが、そうでない人は面倒なレビューを意図的に書かないからだ)、症状の多くを見る限り、ファームウェアスロットル制御が何らかの理由で突如極端に機能しているのではないかと思われるものがいくつか見られた。

不具合では無いと判断する場合、それは熱保護によってクロックゲインが極端に作用している可能性が高い。特に、ゲームや比較的重いソフトでこの手の問題が出る辺り、製品製造時の僅かなばらつきが影響しているのかもしれない。

まあ、これはあくまで推測の域だが、現実を見てもスマホは大型な製品ばかりが出回る。需要がある程度中小型にもあるにも関わらずだ。そうなる最大の理由は小型化が既に高性能プロセッサでは厳しいからだ。その結果中小型は、ミッドより下がカバーするようになった。

では、何故小さくなるほど、高性能化が難しいのかというと、それは単純な話だ。
押しくらまんじゅうを思い浮かべれば良い。小太りで50代ぐらいのおじさんが10人で、あなたの周りを囲み押しくらまんじゅうをする。というと、50代のおじさんから怒られそうだが、年齢はともかく人が密集した場所は熱くなる。それは、隣り合う人の熱が自分に伝導するからである。熱を発する物が近いと、熱を発する物の密度が上がるため、その熱を発する部品同士が、お互いに熱を伝え合い、熱くなる。

小型化すると、その熱源が近づくため、発熱が大きな部品は使えなくなるというわけだ。大きな熱を発生する部品は高速動作をするものが多い。だから、高性能は大型化するという法則が半導体では生じてしまう。

スマホが大型化する一方で薄型化するのは、熱を逃がすのに適しているからだ。厚さを薄くした方が、熱は外に逃げやすくなる。一方で、大きな画面の方がその内側にあるプロセッサやGPU、メモリーなどがが発する熱は、一カ所に留まらず周りに分散させることが出来る。そして、加熱する前に外側に放散できる訳だ。

スマホが5インチ〜6インチへと大きくなるのは、その結果である。


そして、今回のCortex-A76は、4命令(オーダー)である。プロセッサを長年見てきた人なら、TDPが上がる可能性を考えるのは当然だろう。

では何故、そこまでしてARMは高性能を開発するのか?それは戦略的にそれが必要だと考えているからだろう。まあ、ソフトバンクグループなのも影響しているのかもしれない。


<目指しているのはデータセンター>

まず、A76が真に目指しているのは、スマホではないと思われる。いや、Qualcommなどはスマホ向けも開発するだろうが、ARMが目指しているのはそちらがメインでは無いと見るのが妥当だ。たぶん、ARMが売り込みたいのは、インテルが利益を伸ばす原動力となっているデータセンター市場だ。

Qualcommで言えば、Centriq 市場である。PC市場だろうと思っている人も多いが、それを狙っても短期間では、たぶん思った程普及はしないだろう。これは、Android市場でx86が普及しなかったことから見ても分かる事で、アプリケーションの互換性を考えるとすぐには普及しないのだ。この市場を取るにしても、数年はかかるだろう。(まあ、Appleが採用するならmac市場は除外する。)

データセンター市場なら話は別だ。サーバーOSやHPCの主流はLinux DistributionやUNIXであり、ハードウェア向けにカスタマイズされる。Windowsもあるにはあるが、大規模では使われにくい。まあ、管理者が必ず1人は配置されているため、それもWindowsじゃなければいけないという縛りを緩和している。だから、障壁は低い。これまでは、省電力だけで売っていたが、A76でマザーボード全体の電力性能の低さを加味すると、かなり強力なプロセッサとなり得る上に、相応に省電力、低発熱になる。それが、A76の役割だと見れば、納得は行く。

もう一つ理由がある。

<プロセスノードとEUVというリソグラフィー技術>

一番大きな理由は今年の後半には量産が始まるEUVでの7nmプロセスだろう。特にEUVが上手く立ち上がるなら、その影響は大きいはずだ。これまで、使ってきたF2やArFは波長が長いため、微細化では既に限界に達していた。端的に言えば波長が長すぎて、細かなパターンを刻むには、向かなかったのだ。

厳密には意味合いが少し違うのだが、端的に言えば、0.5ミリのシャーペンの芯で、0.2mmの線を均一に書くのは難しいと言うことだ。これが、0.1mmになれば0.2mmの線でも短時間で正確に引ける。その結果、歩留まりが向上し、電力性能も安定する。

設計時にこれでテストノードを作り、良好な結果が得られたなら、モバイル(スマホ)環境でもこれまでのプロセッサと同じ程度にファームを管理すれば使えると見たと考えれば、ある程度辻褄は合うだろう。

しかし、それはARMらしさを失う流れになるのかも知れない。それでも、その流れを維持できるのは、今Arm市場はこれまでのARM holdings史上で最も活況であり、期待されているからだろう。それが、ずっと続くのかは分からない。ただ、今やらねばチャンスはない。何せ、これまで成長を牽引したスマホ市場は落ち始めており、最近はARMに拘らないライセンスフリーのプロセッサプロジェクト研究も一部で始まっている。

盤石に見えても、永劫の発展が約束されているわけでは無い。


<天下統一の野望>

現状で言えば、ARMの評判は上々である。少なくとも、MIPSなど一時期ある程度のシェアを持っていた市場が既に力を失う程度に力が強くなり、残す牙城はSPARC、x86、Powerが持つHPC及びPC市場である。ここを獲得すれば、ARM天下もあり得る。

まあ、Intelが賛同メーカーを失いAtomやSoFIAの開発を止めたこともあり、省電力はARM天下になった。それが、より高性能へと攻める理由になっていると考えられる。

これには、親会社であるソフトバンクの意向もあるかもしれない。シンギュラリティを売り込むソフトバンクは、ARMプロセッサ(ソフトバンクの孫氏はチップと呼んでいるが)に対してパワフルさをさらに求めているように見えるからだ。これらを考えると、ARMが次に目指すのはさらに上の領域だ。Intelと同じ程度の性能で、消費電力はプラットフォーム全体で考えた時に若干でも低ければ良い。

その代わり、性能はほぼ同じを求めてくるのは予想が付く。

ただ、それが果たして良いのかどうかは、Intel次第だろう。もし、リソグラフィーを利用して性能を上げ消費電力を抑えているなら、Intel社がそのリソグラフィーに手を伸ばした時、その時間差だけ天下を取り、すぐに逆転されるという流れもあるにはあるからだ。

来年には歩留まりが安定し量産される予定のIntelの10nmや同じ7nmを予定しているAMD ZEN2が、来年製品として出てくるであろう、Cortex-A76と比べてどう見えるのかによっては、ARMらしさがないと言われるかも知れない。

それが、Cortex-A76における確率が低いながらのリスクだろう。


<ここまで来るとスマホで売るのも難しいが……だからこそ>

しかし、ここまで来るとスマートフォンのプロセッサで売るのは難しい。これは、今皆さんが持っているスマホのCPU性能が満足いくのか行かないのかを考えると分かるだろう。最新の高性能プロセッサを使っている人の場合、たぶんそれほどCPU性能に不満を持つ人はいないだろう。

もっと良い物をという人の大半は、どちらかというとゲームなどでのGPU性能や、RAM、ストレージ性能を求めているケースが多いからだ。CPUに拘る人の大半は、ベンチマークの数字が高いことなどを求めている人に多く、その性能が否が応でもソフトウェア(アプリケーション)を利用にするのに必要という人は少ない。どちらかというとステータスなのだ。

A76はそこを突き抜けるために作られたのは間違いない。次のターゲットはスマホではなく、本気でHPCやデータセンターを喰らうつもりなのだ。でなければ、こんな高性能は開発しない。

ただ、だからといってスマホを一切考えていないわけではないだろう。たぶん、実用上で電力性能が大きく下がるプロセッサにはしていないはずで、リソグラフィーなどの進化を考えると、妥当な電力性能にはしているはずだ。その代わり、電力面で他との差がまたワンランク縮むかも知れない。他社が性能向上を行わずシュリンクだけしてくると、CPUの電力パフォーマンスは近づきかねない。

まあ、プラットフォーム全体で追いつかれるには、Atomのようなプロセッサでなければ難しいが、それの後継開発がないからこそ出来ることであり、これは避けては通れない道だ。スマホの市場が縮小する流れも見られる中で、高付加価値のデータセンターやサーバー、PC市場は絶対にARMが取りたい成長のため、天下統一のための市場だと思えば、納得は行く。

問題は、スマホ筐体がまた一回り大きくなったりしないかどうかだろう。

本来は、小型でパワフルなものが作れるからこそのARMだったが、ローパワーマイコン向けのCortex-Mと、性能を重視し始めたAの2種類のまま全方位向けで開発を続けていると、どこかで評価が変わる可能性もある。CortexはそろそろA、Mとは異なる3つ目のライン(デスクトップサーバー向け)を作るべきかも知れない。それが、76でスマホにも使えるぐらいの電力として発表されていたら、もっとワクワクしたかもしれない。






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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
なるほど、HPC/データセンター向けですか。言われてみれば確かにそれしかないという感じですが盲点でした。
モバイル市場が完全に冷え切らない内にAシリーズコアでどこまで切り込めるかの試金石としてA76はベストですね。
最後にご指摘されているような分化措置をもし図るのであれば、モバイル向けにはA73的な2命令オーダーコアを存続させて欲しいと個人的には思いますね。
名無し
2018/06/05 06:33

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