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zoom RSS 小樽市にみる人口減少の縮図……選挙公示日に考えるこれからの日本の縮図。

<<   作成日時 : 2017/10/10 10:51   >>

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数日前から北海道の地図を見ながら、いろいろ調べている。そこで一番興味を持ったのが、人口12万人の小樽市である。最盛期には20万人以上がいた小樽市は、札幌からも比較的近く、その昔は、海運と鉄道の要衝で明治大正期には鰊(ニシン)の産地でもあった。

マッサンの余市町が近隣にあることでも知られる。北海道にはこういう町はたくさんあるが、小樽市に興味がいった最大の理由は、町の発展における歴史が比較的豊富であり、札幌都市圏に近いこと。人口が最盛期の20万から既に4割減少していること。手宮線という鉄道が昭和期まであったこと。ここ20年は、観光地化が進んできたこと。一方で人口減少は全く止まっておらず、石原裕次郎記念館が閉館しウィングベイ小樽を運営する事業主体が業績的に悪化していることなど、観光商業地としての小樽にも限界があることが見えるからである。

これは、未来の日本の縮図ではないかと思えてならない。


<緩やかだが確実な衰退>

これは、既に他の先進国でも移民を除く少子高齢化対策に失敗している国では、見られる傾向だが、都市の人口が本格的に減り始めたときに、少子化対策がとれない町は、急速に活気が無くなり始める。中小を含めた日本の地方企業が減る原因もここにある。日本にとって最悪の減少期である。

これが、どんな影響を与えるのか?考えてみると怖い。

小樽は放棄されたと思われる住宅や公共設備なども結構ある。たとえば、学校だが、小さな学校が廃校になるのはあることだが、若竹小学校のような学校が廃校になり、統合されるのは、人口減少による税収減が響いていることを意味しており、これが人の流出を広げる傾向も加速する。結局便が悪くなり始めているわけだ。
https://otaru.keizai.biz/headline/18/
http://otaru-journal.com/2013/03/0320-3.php

この流れは、1960年代から続いている。最初は、港に引き込まれた手稲線が旅客を終了し。国鉄民営化前に貨物が終了し廃線となった。今、このエリアは線路跡が残り、終着点は博物館となっている。鉄道と回転場(ターンテーブル)が残る。最先端の流通拠点だった小樽が、鉄道路線の変化や海運の衰退もあり、弱っていった証でもあるのだ。
一方で工業商業輸送の集積地から、商業・観光へと転換した比較的先駆な例でもある。

この線路軌道や施設の一部残した判断力はとても小樽市にとっては、プラスだったと考えられる。今の観光都市小樽を作る原動力になったはずだ。JR側が撤去コストを惜しんだ結果かもしれないが、人口減少速度はある程度緩やかになったはずなのだ。これができない町は、悲惨な結果になっている。地の利の面、北海道でも札幌に近かったこともあるだろうが……。

しかし、今それの効果も続かないことを示しつつある。
北海道に限らず衰退する地方に共通するのは、住宅の減少と、小型商業地の廃業である。東京近辺でも急速に都市型ショッピングセンター開発が進んでいるが、この流れはある閾値を超えると結果的に、急速な衰退を生むかもしれない。

1970年代のあのあたりの図を見ると、海沿いに工場やヤードがあり、住宅もまばらにあった。
廃校になった若竹地区には開発住宅やアパートが建ち並んでいたようだ。一部は取り壊されており、雑草地、さらには森に飲まれつつあるのも特徴的だ。

<商業地の衰退>

築港駅の海側にはウィングベイ(マイカルタウン小樽)が出来て貨物ヤード跡地が商業施設に生まれ変わったが、築港駅が貨物で賑わっていた頃の方がきっと人は多く出入りしていただろうことが窺える。逆に商業施設が、中心市街地を弱らせ法人税(中小企業税)を減らしたと考えられる。
大手企業は、本社で最終決算処理をされるため、大半の税を支店所在地では無く本社地に吸い上げられる。結局税収は予想以上に減ってしまう訳だが、ある条件を満たすと税収があがる。

それは何か?それは、隣の都市圏などから人を集めればよい。そうすると、税収が恐ろしく増える。ただし、それに対抗して隣の都市圏にもそれ以上に施設ができたら、その税収は得られなくなる。それが、ショッピングセンターの罠である。

小樽にとって頼みのマイカルタウン小樽が、親会社の破綻で連鎖破綻し、そこからは独立したウィングベイ(小樽市)そのものが債務を抱えて、税も十分に払えない状況になった。一時の夢はあったのだろうが、今のままなら、いったい何のために作ったのかもわからないレベルになりかねない。なんせ、4階建ての商業施設、4階の東と西棟は閉鎖中である。テナントが埋まらない訳だ。まもなく開業20年、先に故障と老朽化で観覧車は取り外され海外に行ったが、今後は施設老朽化の問題も出てくるだろう。

実際に、石原裕次郎記念館の閉館は老朽化の影響もあったようだ。20年は耐えても、30年40年は厳しい。約15年目以降は徐々に生まれる保守コスト老朽化との戦いになる。そして、冬は雪に閉ざされる。

この町は、これから多くの都市圏が苦しみかねない問題を如実に示している。そう、子供の人口やはたらく世代の人口をプラス転換させない限り……。


<長期的に働ける場所の減少>

この町は、観光都市となったがその結果、実は長期的に働ける場所は減っているように見える。たとえば、船舶鉄道貨物施設などであれば、それが廃止されても物流センターの一部が残る。実際に今でも港湾施設は規模を縮小しつつ残っている。鉄道は、JR貨物が貨車の扱いを取りやめたためなくなったが、貨物ターミナルの跡が残っただけでも大きな価値がある。

小樽の場合、マイカルタウン小樽を作ったことで、地元のお店というのが減ったのも影響しているのかもしれない。実は、欧州の観光地などで成功している地域は、極端な巨大商業施設はあまり作らない。商業施設を作るにしても、地元ベースにすることが多い。テナント料金をある程度抑えて、地元の店を中心に出店させるのも基本だ。

なぜかというと、大手は価格が安い一方で、業績が悪化すれば逃げやすいからだ。そして、観光地化を目指す場合に、大手ばかりの施設を作ると、そこには観光客が来なくなる。東京でも大阪でも、名古屋でも、札幌でも福岡でも那覇でも存在する店に、観光目当てで客は来ない。

しかし、地元の人間からすれば、日本では大手が来ることを望むというジレンマがある。日本は、画一性を望む傾向が強く、一方で地元の発展という観点で、魅力がどこにあるか?税やお金がどう動くかを、あまり学校で教えない。結果的に、都市の役割(差別化)を忘れてしまうのだ。そうすると、流動性のある企業が流れ込みやすくなり、長期で労働する場所が、奪われていく。効率のよい事業者が、画一的なサービスを広げるきっかけとなり、平凡な、どこにでもある町となる。

小樽は恵まれていたが、結果的にウィングベイという割に合わない大規模施設の誘致は、小樽市を苦しめる結果になりつつある。今更ここを閉鎖するわけにも行かないだろうが、何もできない訳だ。


<人口が減る日本で今から起きることは恐ろしい現実>

たとえば、海外から来る観光客を毎年100万人ずつ増やしたとして、2020年に2000万人、2030年に3000万人になると予測するとして、本当に2030年に3000万人にサービスを提供できるだけのキャパシティーがあり、実際に観光客が魅力的だと思う状況が続いているかは、重要だ。

これは、小樽市という観光地から思うことだが、今の流れで人口減少が続けば、2025年頃には最盛期の半分の人口という可能性がある。そのときに、この町は観光地の維持管理を行える予算と人材があるのか?考えてみると、どうだろうか?これは、函館の夜景が90年代よりも暗くなっているという話でもいえる。100万ドルが50万ドルになったときに、その夜景はありきたりになっていく。

そういう町が、これからさらに増えていく訳だが、全国の観光地が維持できず案内できない状況が作られ始めれば、魅力は減っていく。わざわざ観光地として整備もされていない場所にたくさんの旅行客がくることはないからだ。まあ、廃墟好きな人が来るぐらいだろう。

すなわち、どこかで、観光の流れは反転する。


そこを、日本政府は、または日本の地方行政府は、考えているのか?それを思った。もしかすると、その地域に住んでいる人でさえも、この現実から目をそらしているのかもしれない。


<なぜ日本は現実を見なくなったのか?>

今世界は好景気であるが、日本の少子化は改善する兆しがない。なぜかというと、労働力不足による過重労働が増え始めていること。女性が積極的に社会進出しているなんてのは、口先の話で現実的には女性が働かないと、社会が成り立たない時代も始まっていることが大きい。その中で、必死に男尊女卑と女尊男卑が生まれないように努めることで、国家にとって命となる社会の生産活動に支障が出ないようにしたいだけだ。皆が、たくさん働きたいと思っている訳では無いということだ。

ちなみに、労働力として求められる求人の大半は、30代以下である。有効求人の増加は厳密には、年齢制限や資格制限を伴う求人を含めたものであり、制限なし倍率はかなり低く、労働条件と実際の労働環境の乖離がそれなりに過酷だろう。

これが現実だ。

そして、少子高齢化が解消されないのも、ここにすべて理由がある。
要は、ずっとその仕事で働くことができる保証はなく、セーフティーネットも年々弱まっていることが原因である。
不景気になれば、正規雇用されていない人は、切られるところも多い。一方で、正規雇用されている人は、少ない人員で、大量の仕事を抱える時代、その割に賃金が上がらない企業組織も多いのだから。


既に社会構造が子供をたくさん産み育てるには向いていないのだ。それに、誰も気がつかないフリをしている。


-なぜ昔は子供が増えたのか?-

考えたことがあるだろうか?子供が増える最大の要因は、幸福であること。社会が明らかに成長していること。または、子供が多くなるほど豊かになると人々が実感する要素があることの3点に集約される。

たとえば、戦後のベビーブームは、復興の労働人口増加と法的制限が少なく、仕事ができたことにある。要は、誰でも自営業者になれた訳であり、店を持てば人が来る、高くても買いに来る場所が多かった訳だ。これは、流通網が発展しておらず、ものが無かったからこその恩恵だ。そして、特に食料が少ないということは、農家などは人が足りないわけで、労働力として子を増やすことにつながる。
田舎では夜の遊びも少ないわけで、子は増えるだろう。

第二次ベビーブームは、経済が豊かになる中で、マイホームを買うという夢がそうさせたと思われる。
要は、家に家族と暮らし、その家にある品物が豊かになっていく流れだ。子供がいる幸せと給与も増える幸せだ。


実は人口が急速に増えなくなるのは、その後80年代に入ってからだが、これが終わった最大の理由は、バブルだ。バブル景気の過熱で、物価が上がる割に、現金収入は物価より低い上昇にとどまった。そして、既にその頃に親になるはずの世代は、ある程度満たされた世界で育っていたため、子供を育てるより、自分に回すのがやっとになった。

ここで終わった。その先は、悲惨なものだ。国家は高齢者重視へと舵を切るし、経済政策でいくつも失敗を重ねた。大企業と中小企業が破綻した。公共事業もいくつも消えた。こんな時代に子供は増えない。

そして、それが今まで続いている。今の理由は先に述べたとおりだ。労働階級に余裕がなく、一方で社会不安も多い。現在に至っては、国や公共団体がやっていることを、積極的に評価できないというのも大きいだろう。


<小樽市から見る本来の政策>

小樽がもし復活するとしたら、2つの方法がある。1つは、どこか大きな企業が進出してくることだろう。ただ、ここが適地になる可能性は今では低い。冬は雪に埋もれるし、緩やかな衰退から加速度的な衰退へと舵を切りつつある。

もう一つは、観光をするにしても、個人起業を呼び込む観光を作ることと、要は再開発特区と箱を作り、そこに販売系の個人商店を集めることだ。いっそ、町中の既存店を一カ所の商店街に集め、新規をそこに加える形でもよい。後は、数年間それを支援することだろう。なぜ起業が増えることが重要なのか?それは、大企業や既存企業は業績がよほど伸びている場合でも、給与に直結しないからだ。その上、大企業の労働者は賃金体系が定まっており将来設計が定まりやすく、子供の数は一人と決めたら一人しか増えない。そういうきっちりしたものが多い。

何より、大企業のマイナスポイントは、学歴が高い人を集めやすいという点だ。実は、学歴が高い人ほど先を計算する。そのため、社会情勢が不安定なら出生率は減る。高校や大学を無償化すればむしろ、子が減る可能性もある。その最大の要素は、キャリアのあり方として、ビジネス(組織)での成功を最高報酬と考えるように育てられる(教育される)傾向が強いからであり、最終的な生涯利益を加味する。

要は、高校や大学を無償にして、幼児教育を無償化するために、得られる利益が長くても10年だとして、それよりも40年間〜60年間搾取され続けるなら、搾取されない方がうれしいって話だ。

さらに学生結婚は避けしない。晩婚化も進み世帯あたりの子供は増えにくい。そもそも、親が大卒なら子も大卒になりやすいため、さっさと結婚してという流はれにはなりにくく、教育(進学塾など)に金がかかる。

だから、本来は大企業にはある程度の課税が必要だが、新規参入する企業は、ある程度支える必要があるわけだ。日本は既に正反対に近づいている。


<口先だけの地方創生>

地方創生をするには、抜本的な社会改革が必要だが、税金を使えば地方が活性化されるわけでは無い。
たとえば、上記した例を実施しても、たぶん小樽は衰退する。その理由は、日本そのものの人口が減っていることと、町の人間が納得しないこと。何より、起業したいと思う人が少ないことが理由だ。

日本でまず出てくるのは、起業=プラスではなく、起業=マイナスという認識が広まっているからだ。
これは、日本国における教育のたまものである。今では、一番よい職業が公務員であり、事業者が最も喜ぶ案件は、期間限定でもその間は安定する公共事業なのだから……。これでは、子供が増えるはずもない。

これは、利益のない循環市場にただ金をばらまいている訳であり、若いこれから学べば成長する人材を温々とした、公務員に捧げるようなものだ。緩やかな衰退をこれまで支えたものでもある。既に麻薬である。
昔と比べて、今の公務員は民間中小企業のそれよりよい所得と、福利厚生があるところも多い。それでは、国の人口は減っていく。いわゆるギリシャの二の舞(全く同じにはならないが、今のままだとどこかで円市場の金融バランスが崩れる恐れがある。後は海外とくらべてどこがましかぐらい)だ。

これで、地方創生などできやしないし、国全体が潤う時代は、かなり先まで進まないと来ないだろう。それまでに、いくつの町が消えていくのか考えると恐ろしい。


<オリンピック前から先>

2020年のオリンピックまでは日本経済は大丈夫とも言う人がいるが、実際に危機がやってくる恐れがあるのは、2018〜19年以降であるとされる。世帯人口がピーク越えして減少に転じる年であり、オリンピック特需の投機目的での住宅販売が、逆回転する恐れがある年だ。2020年まで良いだろうと思うと大間違いで、投機(高く転売)する場合は、それが始まる前に、高く売り抜けないと、赤字になる。だから、2019年が投機はピークを越える時期になる。

今の社会の流れを維持すれば、緩やかな衰退という恩恵を、しばらくは多くの地域で受けられるだろう。しかし、衰退を止めるための止血(改革)をしなければ、ずっと衰退が続き、消えていく町が増えていく。そして、世界経済が落ちたときに、日本のような国はたいそう危険だ。


<この国は少子化対策をしたいのか?それとも選挙視聴率対策をしたいのか?>

選挙公示の日に思うのは、日本は何でも蒔けば良いと思っていることだ。
たとえば比例代表並立制の党名投票を廃止するとか考えない。国家として東京以外をどうするかも、あまり議題にならない。すべて党利党略の東京視点で、放送される。

国を守るにはというのも、重要かもしれない。しかし、その前に地区が年にいくつ消えているか?学校を無償化すれば子供は増えるのか?本当に政治家は考えているだろうか?
人が望んでいるのは、きっとそこじゃなく、未来が今より豊かで幸せかどうかだ。危機をあおっても、子供は増えない。むしろ戦争の恐れがあるなら平和国家のこの国では減るだろう。この国は、言っていることと、やっていることが真逆である。

戦争をするならしても良いが、その場合は戦争が終わるまでは、観光収入が途絶えることを説明しなければいけない。国家はそういうものだ。危機をあおって戦争になれば、子供は増えないし経済は伸びないだろう。大企業の誘致は、成功したときには大きな利益になるが、撤退するとその税収を充てにしていた場合に反動が大きい。
中小を地場で育てる研究を低予算でも少しずつやった方が成長する可能性はある。

本当はそうやって地道に人や社会を育てることが重要なのだが、日本は経済特区にしても何にしても、10年先も不透明で、場当たり的だ。30年先なんて見ていないものが多い。そして、経済効果の計算も本当にアバウトだ。それで失われるものを、差し引いて考えないからたちが悪い。

日本はまだ良い国だ。しかし、それが果たして良い(好い)国なのか?頭にどうでもや都合のがついているように見える。

政治家は、あらゆる都市や国家の実情を常に勉強してほしいものだ。今回は小樽を例にしたが、別に思い入れがある町というわけではない。故郷でもない。ただ、この都市の発展と衰退を見て興味深かっただけ、それは重要だ。

こういう全く自分とはゆかりも無い町を、どうするか真剣に語れる人が国政に限らず政治家になってほしい。そう思う。これが、真のビジョンだ。




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