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zoom RSS 約2100人分の契約切れの臍帯血が示した、移植ビジネスのリスク。

<<   作成日時 : 2017/09/12 15:49   >>

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臍帯血を美容に有効だと売り込んだ医者がいたり、横流ししたりという事件が相次ぎ逮捕者が出た民間の臍帯血バンク問題(ちなみに、日本赤十字の臍帯血バンクと、一般社団法人 中部さい帯血バンク、認定NPO法人 兵庫さい帯血バンクは民間とは異なる)だが、ついには破綻した臍帯血バンク以外のバンクでも杜撰な管理をしていたことが判明したようだ。

これ、世間ではあまり理解できていない人も多いが、実は移植医療の信頼性を大きく損ねる大問題である。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091200350&g=soc


<臍帯血>

へその緒に含まれる血液を臍帯血というが、これには沢山の血を作る細胞が含まれている。だから、一部の造血幹細胞が機能しなくなる病気で、この血液を使った移植手術が行われる。病気を寛解(かんかい。病気の症状が治まること。)させることが出来るからだ。ちなみに、治癒や完治ではない。

私自身、民間のバンクというのがあることは知っていたが……医療現場にバラバラと出しているとは知らなかった。一体どの病院が民間のバンクの臍帯血の流用品を使い、どの病院が赤十字などの臍帯血を使っているのか分からないのが怖いところだ。

しかも、民間の臍帯血バンクに回っている約4万以上の臍帯血が、赤十字社やNPO法人などが行っている公的扶助の臍帯血バンクより、4倍もある点をみると、年間でどれだけ破棄されどれだけ漏れているのか気になってしまう。まあ、自己血の保管なので役割は異なるが、こんなに取れるなら、本来なら公的な方に回した方が患者は減りそうだ。

そもそも、造血幹細胞移植が必要な病気に罹る人は、日本では年間5000人〜1万人未満だったはずである。そのため、実は臍帯血を毎年全ての出産児から保管すれば、大方移植分が手に入る。後は、HLA型が一致するかどうかが問題になるが、生まれる子供全員から取ればまあ見つかる可能性は高くなるだろう。保管場所があるならばという条件が付くのだが。

そして、これ公的保管の場合は原則10年で抹消される。


<現実の造血肝細胞移植はいろいろ複雑>

元々、他人の臍帯血の場合では、他人の骨髄移植より5年後の死亡率が少し高い。造血幹細胞が定着して正常に広がるには、骨髄を移植した方が効率的なのだ。ただ、自己血の臍帯血ならリスクが低下するとしている訳だが、これには、上記した有効期限の罠がある。保管期間を過ぎた時に、病気が発症すれば結局、治療は出来ないのである。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002rml2-att/2r9852000002rmoy.pdf
(厚生労働省平成24年資料)


そして、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の改正に基づいて、日本赤十字が経過を報告しているが、その際の臍帯血利用率は、凡そ9割だった。処分率は1割ということになるが、これで開示されているのは民間バンクを含んでいない訳だ。時間差は2年あるものの民間がその4倍を持っていたとして……もし捨てていないとしたらそのリスク商品をどこに……というのが、この先にある闇だ。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000094018.pdf
(厚生労働省-平成27年法施行後の現状と課題)


<移植ビジネスの深淵>

元々、民間の臍帯血バンクは、産婦人科医療機関と連携して、子供が血液の病になった際のために、臍帯血を保管するための機関だった。そこで最初(または途中で期間延長が出来るプランもあるようだ)に数十万円を支払うことで、10年〜20年程保管するものだった。その後に廃棄する形だったと思われる。これは、米国等海外でのドナーバンクの例に従っているようで、18〜20歳(成人)までに血液疾患に罹った場合の保険という形になっているようだ。

何故20年かというと、先に簡単に述べたように、凍結していても細胞からの脱水や霜付きにより、最終的に細胞が破壊され死ぬからだ。冷凍していたお肉が数年経つとシワシワで不味いのを考えれば分かりやい。いくら冷凍しても、100年でも200年でもそのままの状態を維持し凍らしておく技術は今の地球にはない。そして、細胞の能力を9割維持できるのが凡そ10年だ。

ただ、そういう劣化の影響と自分の年齢変化による免疫の変化もあり、自己血として輸血しても、実は定着しない可能性もあるにはある。安全性と他の移植とのリスクバランスを考えると公的なバンクでは10年(赤の他人への移植であるため)となる。本人の場合は、自己血故にリスクが低いのを考慮して20年となっていると見れば妥当なのだろう。

そこで、重要なのが、じゃあ捨てる予定の臍帯血が横流しされていたとしたら……それは安全なのか?
という疑問だ。そもそも、公共の臍帯血バンクは10年で登録を抹消して処分しているぐらいの代物だ。1941人分の臍帯血が、10年契約なのか、20年契約なのか分からないが、それが医療に回っていたらと思うと、本当のリスクが見えてくるはずだ。しかも、それが自費(診療報酬の7割で皆保険請求できない)形で取られる。

それが、粗悪医療だったら、金をどぶに捨てて命も一緒に削っている可能性もあるわけだ。これ、いくら民間の話でも許されることではない。


これが、移植ビジネスの隠れた本命だったという企業が、このバンクの中に紛れていたとしたら、公的バンクはもちろん、真面目に運営している民間バンクも今後苦境に立たされる可能性が高い。その中で最大手のステム社が1900件も期限切れを保管している辺りを考えると、残念過ぎる。本来は、期限を過ぎたら廃棄すべきだろう。

これは、政府が

「契約切れの場合は原則返還か廃棄を求め、有識者委員会で対策を検討する。」

という中途半端な検討を始めている点でも言えることだ。本来、使われるかどうかは別として、民間に保管してもこの血は、医療用に使う目的として採取された血である。返還して横流しするなんてビジネスは生まれないと信じたいが、今はそんな性善説は既に通じない。今こんな状況であることを考えると、有効期限が切れたらその時点で、全て廃棄すべきだろう。それが嫌なら、血として使えない処理をするなど、何らかの義務づけをしないと返還したらしたで、別の販売チャンネルや回収チャンネルが生まれかねないのだから。





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