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zoom RSS IDFの終焉に見るX86-PC時代は終わりの始まりか?

<<   作成日時 : 2017/04/19 08:07   >>

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Intel CorporationはIntel Developer Forum(IDF)を今後開催しない方針を固めたようだ。一時代の終わりである。
IDFはMercedの開発スケジュールや、PentiumIII(katmai)、Pentium4(Willamette)、結局キャンセルされ産まれなかったTimna及びTimma+、Tejs、今では当たり前のAudio CodecであるAzalliaなどCPU以外も発表された。コンピュータハードウェアを支えるイベントだったが、近年は目新しいハードウェア発表も減っていた。だから、いつかは来ると思っていたので、あまり驚きはない。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1055444.html
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1704/18/news054.html

今後の開発情報は、ネット上と不定期発表会ということになるようだ。まあ、IDFのようにフォーラムを開催してまで、大々的に年2回もやってもメリットがないと判断したのだろう。時代が変わったと言うことだ。
http://www.intel.com/content/www/us/en/design/resource-design-center.html

<組み込みとサーバーにシフトするコンピュータ/半導体市場>

最近のPC市場はメモリーの増設も出来ない製品が増え、もう拡張性で言えばスマホやタブレットと大差ないPCとしてはチープなものも多い。それでも、決まった用途で使うならもう困ることもなくなった。その結果、パーソナルコンピュータと、携帯情報端末デバイス(PDA)そして、スマートフォン・フィーチャーフォンという3つの領域の垣根が急速に取り払われ、家庭向けだけに限定すれば高付加価値のPC用半導体の売れ行きが鈍りつつあることが知られている。

その結果、昔はCM効果もあり雑誌社などの記事にもなっていたインテルの開発者会議は負担になり始めたのだろう。この開発会議は、基本的にWindowsとIntelのウィンテル向けの様相が強かったため、今のマルチプラットフォーム時代には沿わないのだ。しかも、昔からハードウェア色の方が濃い印象もあった。その延長線上に見られてしまうと、期待外れになるからだ。まあ、今後、開発者会議を続けるにしてもIDFという名称より新しいイメージの名称を付ける方が、インテルにとってはプラスになると思われる。

<IDFにトドメを刺したのはAtomとBroadwell以降か?>

インテルにとってIDFの必要性がなくなったのは、Broadwellの後からだろう。決め手を作ったのは間違いなくAtomだ。特にZ8000世代のAtomを大々的に発表した頃から、インテルのIDFにおける発表内容は様変わりしている。Haswell世代まで行われていたアーキテクチャの詳細発表はBroadwell以降は行われなくなり、都合の良い部分だけに変わった。しかも、Broadwellで製造スケジュールに遅れが生じ、Skylakeで機能削減させられるまでに追い詰められたことで、個人向けハイエンド市場の買替えは予想より縮小したのは間違いない。それを補ったのが、ブランドを強くしx3、x5、x7としたAtomだったが、今度はこれがプレミアム市場を喰う一方で、スマホモバイル市場(ARM系が台頭する市場)では普及しなかった。

そのため、結果的にFPGAのAltera Corporation買収で半導体事業をPC向けの性能重視からIoTデバイスなど多様なデバイス向けへとシフトさせたわけだ。市場を喰われ始めているX86でのTick Tockよりも、様々なプロセッサをそれぞれのIP向けに特化して製造するという方針に変わっていった。結果、PC色の濃いIDFはお荷物になったと考えられる。

<世の中はハードウェア主導からアプリ/ソフトウェア時代へ>

まあ、MicrosoftやAppleも似たような流れになりつつあり、フォーラム自体が不定期に行われる傾向も強まりつつある。また、勢いがあるGoogleやFacebookがフォーラムを開くようになり、フォーラムで話す内容が、クライアントからクラウドへとシフトしているという世間の流れもある。
即ち、クライアントの性能より、サーバーの性能の方が重視される訳だ。それだけではない。近年開発される技術の多くは、特定のハードウェアに依存しないモノが多い。日本ではPepperなどの形のあるハードウェア枠を重視するが、既に海外ではぶっちゃけハードの中身は何でも良いのだ。そこにAndroidなり、Windowsなりを載せて、ソフトウェアパッケージをインストールすると、クラウドやクライアント内のデータベースに繋がり、同じ動作をする。箱組や枠組みは後から好きなように組み合わせれば良い。

ハードウェアの性能が既に一定水準を越えた今、そういったソフトウェア(アプリケーション)が重要になり、ハードはアジアで作ろうが、日本で作ろうが、米国で作ろうが、欧州だろうが関係ないのだ。

だから、クラウド事業者の方がカンファを大きくしていく。そういう点では、日本は遅れていると言えよう。まあ、この手の技術は米国が進んでいるというべきだろう。日本が極端に遅れている訳では無いだろう。まだ、今は・・・。


<マイクロソフトはARM強化へ>

これでマイクロソフトがARMをプラットフォームに追加する理由もはっきりした。よほどの失敗が無い限り、マ社はARMの採用に今後も取り組むことが出来るだろう。何せ、Intelはハード色の濃いIDFを止めるのだから、Microsoftとの蜜月は完全に無くなったことを示している。まあ、ARMがx86と同じように扱うかは分からないが(後述するがスマホと同じで、x86とは違ってサポートフェーズが差別化される可能性がきわめて高い)、ラインナップを拡充する可能性はより強まったと言える。

まあ、それが利用者にとってプラスかどうかは分からないが・・・。何せ、ARM系は組み込み前提のものが多いため、自作も現状では出来ない。アップデートサイクルもたぶん固定されるはずだ。メーカーが保守を止めれば、その時点でサポートが終わるケースもあり得る。それは、Anniversary UpdateやCreators Updateなどで対応が即座には困難で、出来れば買替えをとか、アップグレード自体出来ませんというハードが出てきたのを見れば分かる点だ。
組み込みの弱みは、そういう部分にある。その分安く、多様なデバイスを作ることが出来るだろうが・・・。簡易な使い捨て文化にPCも一気にシフトすることになりそうだ。


<AMDとIntelの価格競争はもうこないかもしれない>

AMDのRYZENがIntelを上回る程度の成績を残したことで、Intelは価格を下げるとみていた人も多いが、Intelは今のところ動じていない。これが、IDFが終わる全てを物語っているのだろうなと私は思っている。既にIntelにとってx86は一つのラインナップ製品に過ぎないということだ。そして、売れ残らない程度に売れているなら、価格はそのままで良い訳だ。それだけ、個人向けに提供するx86の占める割合が減っていることを意味している。

そこから見えるのは、Intelが価格を下げたいと思うほど、RYZENがシェアを取れなければ、ZEN2(ZEN+)では、AMDもプロセッサの値上げに動くだろうということが予測できる。競争力ある価格を維持するが、Intelが競争してこない中で、極端に値下げしてまで競争する必要もないからだ。

それが分かるのは、IntelのCoffeelakeが出た後だろうが、Kabylake-Gの噂などを聞いていると、Intelは既にx86 CPUにおいても、AMDやパワーユーザーが見ている方向とは違った何かを見ているのは間違いない。そして、それにAMDも気が付いているのかもしれない。
その違った何かというのが、きっと組み込みソフトウェア/ハードウェアなのだろう。

ARMと同じで拡張性はほとんどない組み込みベースに注力して、5年も10年もアップグレード出来る製品ではなく、何年かしたら買い換えないと保守は出来ないよというものを、増やそうしているのではないか?場合によってはソフトウェアの利用を月額ライセンス制にするというスタイルで保守する流れを模索している可能性もある。

そして、ハード構成にゆとりがあり、保守を長く出来る製品。ハイパフォーマンスレンジは値段を高めにして、ハード単価で儲けるというスタンスなのかもしれない。市場が思った程成長しないということは、結局価格を上げて、利益を確保することと、今まで注力してこなかった市場に重きを置くしかない。そのように考えると、もうPC市場が昔のように競争するチャンスは巡ってこないかもと、思えるわけだ。


<Intelのこの先・・・と日本の対比>

もしもの話だが、AMDがRYZENで大きなシェアを得たら、Intelはどう動くのだろうかと考えてしまう。データセンター向けのx86は残すとしても、PCの販売シェアがIntelの予想通りに伸びないなら、正直PC向けをAMDと競争してまで残すのだろうか?ということだ。最近はファウンダリーとしての事業もIntelは始めており、全て自社でプロセッサを開発製造する必要もないと言えばない。

米国系のメーカーは日本企業とは違って、成長性が期待値ほどないものを、長く持つ企業は少ない。AMDのようにRYZENでシェアを奪うぞという場合は別だが、成長しきった事業者が、それを続けるメリットがあるかどうかは、また別の話なのだ。それなら、これから伸びる事業にもっと資金を投資した方が、会社の未来は明るいだろう。

しかも、半導体プロセスノードは、もう10年持たないか、少し遅れて2030年ぐらいまで持つか、そのぐらいで終わることがはっきりしている。Intel Corporationはそれを見据えて、プロセッサというハードウェア事業から、組み込みIPやソフトウェアインフラ関係の事業者へと生まれ変わる準備を始めているのかもしれない。

まあ、WD(SanDisk Limited)との契約の問題がある中で、東芝にどこが出資するかを、メディアが記事を書き立てる日本には関係ない話だろう。東芝もNANDでは元祖でトップベンダーだったが、どこでこんなに差が付いたのやら・・・。日本の悪い点は、誰でも作れるようになったものでも小さなところをクローズアップして、日本の物作りと言い続ける点かも知れない。

その小さな差を別のより細かく技術やアイデアが必要な成長性ある分野に投じて、早め早めに脱皮を図ろうとするのが、一流メーカーである。まあ、それでも、失敗することが間々あるが・・・これは蛇足であるが、IDFがこのタイミングで終わることが発表されて思ったことだ。

この先、IDFに変わる別のカンファが産まれるかどうかは分からない。しかし、GoogleI/OやFacebookのカンファのように、再び近い将来、何か開発者や一般に向けた定期イベントを開催する日がくるかもしれない。その日を夢見て待ち続けたいものだ。


まあ、WinHECのように止めて数年で復活するケースもあるのだが・・・。



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