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zoom RSS Windows 10音声をサラウンド化するDolby Atmos・・・なんか違う。

<<   作成日時 : 2017/02/01 12:02   >>

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この記事は一昨日にASCIIで読んでから、ずっと書いては修正して暖めてきた記事である。
http://ascii.jp/elem/000/001/425/1425380/

この手の記事を読んで思うのは、Atomsが全てに使えて使えば良くなると思っているように見えるということだ・・・それはちょっと違う気もする。

そもそも、Atoms環境はしっかり構築するとしたらセッティングがかなり難しい。
個人宅で、Atomsの本来の音を出すには、天井スピーカーが必要であり、いくら自動機能が進みマイクでバランスを取っても劇場などで再現するAtoms品質には及ばないケースも多い。場合によっては、True HDとさして変わらないケースや設置状況によってスイートスポット(最適な音場の場所)の僅かなエリアを除いて、相当苦しい音になることもある。それでも、迫力は違うのが悩ましい。

Atomsという新しいオーディオ技術だから、素晴らしいという流れは微妙なのだ。
このクラスのサラウンドは5.1や7.1chよりさらに調整が難しいのだ。とにかくスイートスポットを十分に作るには、ある程度の部屋の広さが必須となる。完璧に再現するなら、閉塞空間であることも大事だ。(5.1chなら別だが、リビングはNG。書斎やシアタールーム辺りが妥当)

そして、それを普通のヘッドホンや2chスピーカーでやると・・・確かに他のサラウンドより精細度は上がるが・・・。ゲームに最適かは分からない。別に全方位になるわけでもないし、上から下から正確に音が出るわけでは無い。聞き比べると、確かに差はあるが、それが正確かどうかは、コンテンツやヘッドホン、その人の耳の形や性能(感性)にもよる。

マルチスピーカーでチャンネル数が増えることは、商業的意味合いで見ると、迫力を演出しているが、その効果が投資に見っているかは、微妙な部分である。商業施設では確かに効果的だが・・・。


<リアルタイムゲームオーディオは上下方向等を昔から考慮している>

その昔、Aureal Semiconductor Inc.という会社があった。1998年にサウンドブラスター(Sound Blaster)でおなじみのCreative Labsに買収されたが、この会社が手がけたVortexシリーズ等では、立体音響が2chスピーカーで実現できた。また、Quadro Speaker System(4チャンネルスピーカー)に対応した製品もでつつあった。

Aurealが凄いとされていたのは、Aureal 3-Dimensionalと呼ばれる3次元オーディオAPIが他社より秀でていたことにある。
当時Windowsで使われていたDirectSound(DirectX Sound)は平面オーディオだった。とにかくステレオ、モノラルで音が出ればOKだったわけだ。そのため、立体音響には、外部APIの橋渡し機能もあった。

そこで、使われたのがEAX(Environment Audio Extensions)とAureal 3Dであった。その後この技術はDirect Sound に少しずつ統合され、Direct Sound 3Dで再現できるような技術になったが、最終的にWindowsのオーディオAPIはDirect Soundから、OpenALに置き換わる。

Aureal 3Dは2.0で上下方向の立体音響もある程度再現できるようになった。これは、1990年代の話であるが、その後、Creatvieに買収され、EAX3.0や4.0、HD 5.0が物理反響モデルのパラメーターを増やしながら、それを引き継いでいった。今でもCreativeの製品にはEAXにエフェクト機能が残っているものあるが、これがゲームの立体音響を再現するために作られたリアルタイム音場技術であることを知っている人は今では、少ない。
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ちなみに、90年代当時はこれらに互換するソフトウェアもあった。これもCreativeが買収したが、Sensaura(センソーラ)のPositional 3Dである。これは、EAX2.0とA3D2.0までのDirect Sound 3Dが取り込んだ技術に対応していた。

尚、DirectSound 3Dが対応した技術はCPUでリアルタイムエミュレート出来るのも特徴である。そのため、2000年代に入ると安価なAC'97 Audio Codecでステレオ立体音響が普及することになる。もちろん、Sound Blasterなど専用のサウンドカードほど多くの音場モデル(DSP、イコライザーで音を自由に変えたり調整できる)機能はなかったり、マルチスピーカーで綺麗に再生できるものは少なかったが、ドライバさえDirectSound 3Dに準拠していれば、ゲームでもステレオ、ヘッドホンによる立体音響は実現できるようになったのである。
それは、OpenALベースになった今では標準で難なく出来ることだ。


<Dolby Atomsで何が変わるのか?>

というと、端的に言えばAtoms対応のアンプがあれば、Atomsベースで出力し、そのスピーカーから音が出せるということだ。実は最大の理由はここだけだ。それ以外の用途は、気持ちの問題の方が大きいかも知れない。

では、昔のA3Dなどと何が違うのか具体的に説明しよう。

まずは、スピーカーの数だ。元々A3Dなどが実現していたのは、2本のスピーカーで3Dにするための技術だった。徐々に進化してEAX5クラスでは、マルチスピーカーに割り振る技術も作られ、さらに音質もラジオ並みから、DVD Audio並みまで発展したが、リアルタイムに生成されるゲームオーディオの音場を、より立体的に少ないスピーカーの中で実現するというテーマから始まった。

実はそれとは真逆なのがDolbyとDTSだ。これらは、最初から収録された4chや5.1chなどの音を、独立したスピーカーに出力する技術を研究してきたメーカーだ。元々これらのメーカーは、HRTFは邪道だと言っていたが、コンピュータオーディオやゲームオーディオが無視できない時代に入り、コンピュータにもDVD等によるマルチチャンネルの流れが来たことで、Dolby HeadphoneやDolby Virtual Speaker、DTS Headphoneを遅まきながら、提供しはじめたという経緯がある。今では、それが結構儲かるビジネスになっている。

尚、実は今ではDVD再生ソフトにその面影はないが、その昔のDVD再生ソフト(PowerDVD、WinDVD等)にはA3D、Direct Sound 3Dの立体音場機能を利用してバーチャルサラウンド再現する技術が搭載されていたのも、今の人が知らないことかも知れない。


話を戻す。
ゲームオーディオは少ないスピーカーでより立体的にするという技術から普及し、しかも最初は音質も悪かった。パソコンの性能が上がり、CPUに掛かるHRTFの計算に余裕が生まれるにつれて、音場をよりリアルに再現するようになったという経緯がある。そして、最終的に到達したのが物理スピーカー数を7.1(8)chまで増やすというところまでであった。これを早期に達成したのはA3DとSensauraを買収したCreativeである。
そこで終わった理由は、需要がないからだ。流石にゲーマーでもスピーカーを8本も置ける家は少ない。だから、そこで終わったのだ。ただこれは2005年頃までには達成しており、もし需要があったなら、今のプロセッサ技術なら今最先端の22.2chオーディオだってリアルタイムに作るとは出来るだろう。しかし、そこまで需要が無かったため、そういう出力技術はサウンドカードからは生まれなかった。

結果的に、上下左右などの音場は作ることが既に出来るのだが、独立したスピーカー数の上限によって、再現できる範囲が、劇場用の最先端に比べて下がってしまった。


Dolby Atomsは劇場用のオーディオとして発展してきたDolby Stereoの系譜になる。そのため、最初からチャンネル数が増えるほど臨場感が増すという前提にある。だから、これまでもそしてこれからも、劇場オーディオの音質や臨場感を高めるために、技術を開発していくだろう。それがドルビー研究所としての仕事だ。その研究所が劇場以外で稼ぐ柱としたのが、ゲームオーディオでもある。

Dolby出力は今に始まったことではない。ゲーム機はとにかく、PCゲームなら、EAX対応ゲームなど過去の製品においても、S/PDIF出力を選ぶと、ソフトウェアエンコーダーを使いDolby Digitalで出力できる設定を持つゲームやコンテンツ、ハードは多々あった。

今、Windows10のアナログオーディオ出力時にDolby Prologic相当のMatrixエンコーダーが使えることは、ご存じの人も多いだろうが、それもそういう流れで存在するものである。
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Windows10でAtomsも使えるようにするというのは、「それ」(マトリックスエンコーダーの扱いと同じ)である。
OpenALが持つ上限を超える独立したスピーカーに音を割り振るなら、Dolby AtomsかDTS:Xぐらいしかない。だから、それに対応させる訳だが・・・インパクトを持って報道するのは日本ぐらいだろう。

考えてみて欲しい。ステレオスピーカーでAtomsを再現できますといわれたとして、2つしかスピーカーがないのだ。どうやって下方向や上方向の音を上だ下だと判断するのだろうか?それらの技術はEAXなどで使われて来た技術を使うしか無い。大きな違いは、Atomsコンテンツを再生した場合、コンテンツに収録されている独立したスピーカー本数が多いというだけだ。

ゲームの場合、5.1chの音で上下の成分があらかじめ5.1ch含まれて生成されているオーディオと、物理的にAtomsの用に上下スピーカーの音が分かれていて、それを5.1chに混合するという場合どちらが正確で良い音になるだろうか?

最初から上下方向が計算されて作られているゲーム音なら、別にAtomsで処理しなくても良い音かもしれない。むしろ、Atomsのダウンミックスでは、物理的な距離データなどを見ることは出来ないだろう。そうなると、スピーカーの数に最初から合わせて出力されている音の方がよいケースも出てくるかも知れない。


現実に必ずそうだとは言わないが、PCに置ける対応は、あくまで幅が広がるという話に過ぎない。
これにマイナスはないが、プラスになるにはそれに対応した製品を用意するのが望ましい訳で、全ての環境がAtomsサラウンドになる訳でも無い。例え、対応したコンテンツを使っても、Atoms準拠の再生(意図した音)になる訳では無い。


<サラウンド化は別にAtomsに拘るものではない>

対応していない製品環境で、その機能があるからと無理に使おうとすると、もしゲームなら次のような無駄もあり得る。

まず、ゲーム内でDolby Atomsに対応した音源を上下含めて生成する。
しかし、コンピュータはステレオなので、それをダウンミックスデコーダーで機械的に2chに戻す。
その音を聞いて、流石Atomsなのか?。今のPCだと性能も高く遅延も訪れも見た目には無いが、リソースの無駄遣いである。環境がぎりぎりのスペックなら、下手をすれば音ずれやノイズの原因になる。

本来なら、ゲームコンテンツは、ステレオスピーカー相手であれば先にOpenALに基づく音場処理が行われる。ゲームそのものが上下の音場も考慮しているなら、そこまで考えて、ステレオに立体感を入れた音を作ってくれるのだ。そこに、Atomsが入る必要など無い。


スマートフォンなどがステレオスピーカーでAtomsを謳うのは、ドルビーが監修して認証したからである。だから、どの製品でもある程度似たような質感にはなる。

ドルビーが認証していない場合や、単なるVirtual Speakerのような何でもある程度のサウンド効果を生むというソフトウェア技術は、昔からさほど差はない。演算の高速化によって考慮できる部分が増えるため音は密になるが、サラウンド効果が激烈に延びることは既に、昔ほどない。

やはり、物理的にヘッドホンやスピーカーそのものをそれに最適化しないと、限界があるのだ。
その限界は、既に2005年頃にPCでやってきていたことであり、だからこそ、PCのゲームオーディオはOpenALに統合され、進化を止めたのだ。Atomsがやってきたからといって、ゲームが全てAtoms準拠になるとか、大きく変わると思わせてはいけない。

むしろ、Atomsはあくまでパソコンを越えた出力や、相応(対応)のスピーカー環境がPC上だけで実現できるようにならないと、厳しいと思うが、それをCreativeやASUS、Realtekに期待するという話なら別なのだが、OSが対応しただけで、凄いというのはちょっと違うと思うのだ。



人にとって、テクノロジーの進化はとても重要なものである。生活を支え経済活動を支えるからだ。
しかし、WindowsのDolby Atomsを本気で凄いというなら、少なくとも対応アンプを紹介するなどして、これを使ったときには最高になるとか、そういう話にするか、またはこれからPCサウンド関連のパーツにAtom対応の製品が出るかもというぐらい書かないと、ミスリードになりかねないと思うが。






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