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zoom RSS 日本メーカーの有機ELは素晴らしい・・・現実は、LG製でカラーフィルター型

<<   作成日時 : 2017/01/13 12:06   >>

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ソニーのA1EやパナソニックのEZ1000はCESでお披露目された。そして経営危機にある東芝もCESが終わった今週に入ってX910を発表した。これで、国内テレビメーカーも今年は、有機ELディスプレイ(OLED)を搭載したテレビを一斉発表し、これからは有機EL時代になると宣言したことになる。

今年は、OLED元年・・・とまで言う人がいるが、そもそも元年はもっと前に、XEL-1が登場した時だった。あれから考えると、世代は進んだが、劣化も進んだように見える。

少なくとも、当初のOLEDが目指す形は大画面では未だ実現できていない。まあ、新生元年というなら良いだろうが、OLED元年で、やっと日本製がというのは、スペックが好きな身としては、残念だと思う。世界初のOLEDテレビXEL-1は何だったのかという話である。


<全て同じLG製モニターで・・・>

日本メーカーは最終的にLGで製造されたパネルを使うことに決めたようだ。これは、製造ラインを作るコストと製造コストが高く、その割に売れる台数が限られるとみているからだろう。今後、国内メーカーが自前のラインを持つとすれば、よほどこれがヒットを飛ばした時だろうが、多くの人がOLEDを買ってくれるかというと・・・価格的にも、魅力的にも微妙なところだ。

だから、ソニーはスピーカーを無くし、ディスプレイ共振型のスピーカーシステムなどを採用するが、昔、NECパソコンで使われたNXT テクノロジー(Sound Vu)のようなものだろう。あれは、バランスが悪く評価はまちまちだったが、ウーファーを別に用意すれば、音バランスがある程度良くなった。ディスプレイ画面と音が一体化して見える錯覚によって没入感もある。そういった画質とは違うオーディオビジュアル面の見せ方などで、差別化を図る辺りは、OLEDだけでは買って貰えない可能性を勘案していると思われる。

尚、音質とか画質というのは、個人の感性、好き好きの問題である。後は、その商品記事でお飯を食べている人は、貰っている額分は良いところを紹介しなければいけない。純粋に、そういう広告費がなく、比較している記事は最近の国内雑誌やメディアでは少ない。だから、日本では販売傾向に最近は偏りが見られることも屢々あるのだろう。
米国では、消費者団体などがスペック表の通りかどうかを数値を出すことがあるが・・・。

パナソニックはカラーバランスを重視しているのは、ハリウッド研究所(PHL)があるが故だろう。これは、米国では特に大きな意味がある。東芝は、国内でいち早く売ることを重視している。REGZAブランドの東芝マニアは多い、応答速度の速さなどゲーマーに定評が一時期あったこともテレビの東芝を作った。だから、CESの後で製品として発表したのであろう。東芝は初速で勝負することになりそうだ。


まあ、ソニーは画像処理エンジン以外にもオーディオ機構にちょっとした違いがあるが、基本的にどこも、漆黒が再現できることが今回のテーマになる。昔のPDPやソニーのCrystal LED Display、FED、東芝のSEDが再来したようなものだろう。果たしてLCD(液晶)の牙城は崩せるのかというと、今回が何度目かの正直になる見込みは低いが・・・。

<OLEDの方向性は当初から外れた現実>


もし、これからOLEDが大きく羽を開き舞い上がるとすれば、今のLGとサムスン電子だけがテレビ用OLED事業を製造する状況が変わらないと難しいだろう。何故なら、今のOLEDは、本来OLEDが達成するとしたLCDの欠点克服をなしていないからだ。その一方で、OLEDの欠点は未だに克服できていない。だから、欠点が発生するまでの時間を可能な限り短くし、コストを削減するために今のOLED技術がある。

-消費電力は下がらない-

それが、RGBカラーフィルターを使う白色OLED方式である。要は、XEL-1のように赤、緑、青(RGB)の3色を別々の材料を使ってそれぞれ発光させるOLEDではなく、色は白1色に限定し、その光をカラーフィルター(端的に言えば色眼鏡のセロファンのようなもの)に通すことで、フルカラー以上の色を再現するというものだ。ただ、フィルターを通ると光量が下がってしまう。そこで、RGB+W(白)という形で輝度成分を加えて補助する。

一般にRGB3色のフルハイビジョンLCDだと、207万画素のフルカラーを再現するのに、622万ドット(R=207万、G=207、B=207)になるが、これが、4K(8,294,400画素)×4色となるわけだ。

そのドット数はRGBWで一つの画素を再現すると仮定すれば、33,177,600ドット必要になる。
この数字を見て気が付く人もいるかもしれない。もし、カラーフィルターなしで白黒2値のモノクロモニターを作ったら、この解像度は7680×4320ドット(スーパーハイビジョン、8K)になるほど多くのドットが犇めいている訳だ。

輝度不足を補正する分、パネルドライバー側ではRGB処理とは別にY/C処理を加える必要がある。また、輝度ドットが追加されている分、消費電力は増えてしまう。いわゆるLCDの詳細ローカルディミング(エリア駆動)対応パネルに比べて、凡そ2割〜4割消費電力が増えるようだ。

これは、LCD側もエリア駆動で動的な明るさを制御できるようになったことで、OLEDの強みがあまり機能しなくなっているという理由がより、OLED普及の足かせになる訳だ。


-LCDに劣る寿命-

LCDパネルは、バックライトがCCFLの頃は、バックライトが点灯しなくなったり、暗くなるのが結構早かった。また、液晶素子そのものの劣化が早く、影がでたり、反応しなくなる素子が数年で生じることもあったが、それは今では改善されテレビなら5年経っても壊れることは少なくなった。故障の原因もたいていは電源系統やエンジン異常の方が先で、バックライトが点灯しないとか、そういう問題は近年は減っている。

それに対して、OLEDは未だに焼き付きと、経年劣化の寿命がテレビとしてはぎりぎり売れるぐらいのレベルしかないと言われる。大画面のOLEDが白色OLEDを選んでいる理由の一つでもある。これは、RGBを別々の材料を使った3光方式にすると、輝度低下の寿命にばらつきが生じ、液晶全体の色ガンマがずれるだけではなく、色むらが起きるという問題があるからだ。
要は、最初はとても綺麗なのだが、数年使うと焼き付き(時計などを表示している場所に影が残る)が起きたり、一部にノイズっぽいちらつきが現れるようになる。昔のフルカラーOLED携帯電話などは、焼き付きもそうだが、ざらついたノイズ(解像感の低下)も早かった。

たいていの場合は、同じ製品を横に並べないと、その差は分からない程度だが、一般に1日4時間でも使うなら、1年経てばOLEDは徐々に劣化が見える。バックライトがLEDのLCDは粗悪品でない限り1年では輝度低下もさほどない。それが、弱さである。

-ブルジョア以上に向けた商品-

まあ、だから高級機から投入されるのであるが、高い機種を買う人は、買い換えサイクルも早いケースが多い。また、テレビ1台に何十万、100万もかけられる人は、予算そのものが大きくあるため、あまり小さなことを気にしないのも特徴だ。普通のテレビでも、最初に買った時には大きいとか、綺麗とか思うが、使っていればなれるものだ。その流れに、画質の低下があっても、多くの人は気にもしない。お金がある人は特にそうだ。

あくまで、ステータスは製品を持つことであり、買ったときに満足することなのだ。元を取ることではない。


当初の予定では、OLEDは焼き付きこそ改善は難しいとされていたが、消費電力はLCDより下がると言われていた訳だ。それは今のところまだ達成できていない。その最大の理由は、ローカルディミングが液晶に採用されたことと、バックライトおよびバックライトを集束する導光技術の発展、さらに液晶素子の開口率が大幅に改善されたことによる。


これは、実はスマートフォンのお陰でもある。OLEDも技術が発展する弾みとなっているのは、スマートフォンで培っている技術だが、先に述べたように、LCDは開発事業者が多く、今でも新技術がどんどん生まれている。それに対してOLEDは実用化しているメーカーがまだ少ない。iPhoneが使うだろうという理由で、急速にOLED熱が高まっているが、一部にはOLEDよりLCDに回帰する流れも出始めている。
昔の、日本の携帯電話のように・・・この流れをみると、下手をすればOLEDは、PDPの轍を踏みかねない。


<OLEDが目指すのは高価格維持か?それとも・・・世の流れに翻弄されるか?>

私が思うに、OLEDがもし生き残るとすれば、漆黒を再現できるという点で、テレビは差別化を図ることだろう。多くメーカーが大量に売れる体制を整えるつもりなら、たぶん最終的にメーカーがやるのは、4Kテレビにしか、倍速駆動液晶が無くなっていくような形と同じ流れで、LCDテレビからローカルディミングを廃止して、OLEDだけがしっかりした黒を再現できますと売るのが経済面で考えるメーカーのやり方だと思う。そうすれば、OLEDは高画質を欲する人に常に売れるかもしれない。

それに対して、そういう姑息な手段を使わない、量産も今のレベルからさほど増やすつもりもないとしたら、今後もプレミアムラインの一部だけ(最上位)を、OLEDにするぐらいだろう。最も、この方法がメーカーとしてまともな手段だと思うが・・・最近は、中国勢などがOLEDへの参入を決めはじめ、日本もOLEDへの参入に意欲を示しているので、どうなるかは分からない。

結局、大量生産を始めたら、売り先を開拓するために安くすることになる。そうすると、製品も増える。製品が増えれば、売るために良いところを紹介して売らなければいけない。良いところを紹介するために、そういう紹介が好きな人に、悪いところは目をつぶって素晴らしいところだけを褒め称えて貰う・・・という流れになるだろう。


<技術革新が小さくなる社会の行く末>

最近は普及しているテクノロジーが、最先端のテクノロジーと比べてぱっとみただけでは遜色ないものも多い。要は、不満はないが、あれば便利かもしれない。別に無くても生活に困らないというものだ。まだ、それでも、何か良い部分が見つかり続ける間は、開発の価値があるが・・・。

例えば、ある技術はその産業で研究してきた人からすれば、待ちに待った技術だったとしよう。しかし、その技術と既存技術との差は、既存技術が普及し売れていく中で、僅かな差になり・・・待ちに待っているのは、僅かな人だけになり、しかも商品化出来るラインでも、既存技術の普及品の方が優れた点がまだ沢山あるというケースも増えている。

昔は、次世代の技術が発表されて、翌年にはその技術を応用した商品がでて時代を塗り替えたが、今は技術理論が確立されて、そこから商品化するまでに10年掛かるものも多いのだ。その間、既存技術は小さな改善をこつこつ稼ぎ、多くの欠点を克服し、近いところまで追いつくのである。

例えば、既存技術がレベル10の技術だとしよう。技術革新で誕生する技術は、一気にそのレベルが倍の20になるわけだ。しかし、既存技術のレベルが毎年1ずつ上がると仮定した場合、10年後には新技術と同じ20になる。

新技術は研究レベルで確立されたと公表される訳だが、そこから製品化に11年掛けていれば、上記の場合は、新技術を既存技術を上回ってしまう。それが現実に今起きつつあるのだが、開発には相当な投資を行っているわけで、出来れば売りたい。そういう状況も今はあると思われる。

これに加えて、昔は新技術で10上がっていたレベルが、今では2ぐらいしか上がらないものもある。それなのに、何年も商品化に時間がかかり、その割に技術コストは高いというケースまである。そうなると、人は商品に手を出さなくなる。それでも売るとなると、既存技術の最高峰がレベルが23だと仮定したなら、22の新技術より下の商品しか出さなければ、最上位は新技術に置き換わる。


テレビはその典型であり、特にOLEDは、これに加えて広げた風呂敷が大きすぎたという問題もはらむ。当初はレベルアップが10になるつもりだったが、最初の製品で確かに大きくアップするものを商品化したが、それには期間限定という欠点があり、製造コストも高すぎ、思ったほど売れなかった。その結果、5や6アップするものを数年後に商品化した。しかし、数年の間に、LCDがそれに近づいた。

その結果、3社揃ってなのかもしれない。そうすることで、OLEDがこれからの高級製品の主役になると言えるのかもしれない。


これから、OLED市場がどうなるか考えると、他社も大量に工場を作るような時代が来るなら、たぶん多くの製品が出回ることだろう。付加価値商品として・・・。そして、そのためにきっとOLEDの欠点は全て隠されていくと思われる。その一方でLCDは、機能性を減らし意図的にOLEDに誘導されることだろう。これが、いわゆる最悪の道筋である。

それに対して、韓国勢や日本メーカーは今のところ、そういう流れで考えているようには見えない。どちらかというと、付加価値商品だけをLCDと棲み分ける方法を検討しているように見える。これが、メーカーにとっても消費者にとっても、一番良い流れと思われる。結局、LCDに困る部分は少ないのだ。

問題は、不安因子としてAppleと中国企業があることだろう。OLEDディスプレイをスマートフォンに組み込みたいAppleや、LCDの製造ラインをOLEDに変えて利益を上げたい中華メーカーが増えていくと、結局LCD製品を格安に落とさざる終えなくなる。そうなると、ディスプレイ全体の平均をとると、質が下がるという悪夢もあり得る。


そうはならないことを祈る。


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LG Electronics Japan
2015-11-26

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
昨日家電量販店で実売価格80万円のVIERA EZ1000を観てきました。
液晶の弱点である黒の表現を可能として流石に綺麗な画質であり、開発費や工程を考慮すると妥当な価格であると思いました。
ただ一般的な人が購入する価格ではないとも思います。
しかし企業側から見ればこれほど儲からない製品もないことも事実ですね。
工程の開発、維持だけでも膨大な金額。
大量生産して多くの方が購入するようにならないと新たな開発は難しいです。
個人的には大画面という方向が一般人には分かりやすいと思いますが、日本の住宅事情を考慮すると厳しいです。
私は田舎暮らしなので問題ありませんが。。
ブログの内容の様に先進技術の進化の一方、現製品の退化は望ましいことではありません。
しかし予想通り起きるでしょうね。
ごまお
2017/07/17 08:57
はじめまして。
この記事を読んで、昔ディスプレイがCRTからLCDに変わっていったときのことを思い出しました。
そのときは本音半分、貧乏人の強がり半分で「ブラウン管の方が発色がいいのになあ」などと思っていたものですが、実際デザイン業界などで当時のLCDの発色の悪さが問題視されていた段階で業務用CRTディスプレイの生産終了が告知され、ユーザーが在庫品を余分に確保するなどの対応をしたことが記事になっていました。
メーカーさんには話題性や売り文句欲しさに妙な売り方をするのだけは避けてもらいたいところですね。
ごうな
2017/09/26 04:09

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