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zoom RSS 東芝のメモリが生き残る最も効果的な方法・・・面白いが、それは甘くないか?

<<   作成日時 : 2016/09/06 09:06   >>

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JBPressが面白いコラムを載せていた。東芝の投資効率の高さを理由に、半導体だけに投資すれば他の企業を出し抜いて高成長するという話である。まだ、この手の発想をする人がいるのは、驚きであった。

まあ、これは、昔からあった半導体あるあるだが、これまでにNEC、日立製作所、三菱などが半導体では、スピンオフ(分社)を行い尽く失敗してきた。

何故失敗したかというと、一言で言えば、専業に固執しすぎた結果である。成長している企業は、儲けている事業から成長予定の産業にどんどんお金が回ってくるため、そのラインに乗ると、凄まじいレベルで技術革新が起きる。これは、昭和時代の日本企業が行ったことであり、平成に入ってから韓国企業、今は中国アジア企業がやっていることだ。

一方で、事業のスピンオフでは、確かに儲けが出ている間は、事業投資を直接的に自社内で行うことが出来るため、高収益体制を確保できるが、それが回らなくなった瞬間に、収益体制は崩壊する。例えば、DRAMのエルピーダは日立とNECが出資して生まれたが、DRAM事業が最終的に伸び悩み、今では米Micron Technology, Inc.の傘下に収まり、Micron Memory Japanとなっている。
これは、一度流れを失うと、事業回復は難しいことを意味するが、一番問題なのはDRAMだけ、NANDフラッシュだけ、ロジック半導体だけといった具合で分社していることだ。そして、分社の際に必ず親会社の出資と関係が維持され、親会社が作っているものは作れない。株式会社VAIOとそれを支援する産業パートナーズのように、ソニー(親会社)の出資から相当程度離れる企業は日本では少ないのだ。

結果的に、気が付いたら何度も業績を悪化させ何とか立ち直りはじめたルネサスや、今まさに、失敗中のジャパンディスプレイ(産業革新機構)のようになる。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47766

<今やるなら事業売却でWD行きが一番・・・>

もし、今から東芝の事業を分社するなら、単体で東芝NANDを独立させるのはリスクだろう。どちらかと言えば、他の半導体関連事業者と補完的な統合を行うのが妥当だ。ストレージ&デバイスソリューション社事業を、ルネサスエレクトロニクスと統合でも良いだろう。そうすれば、NANDが失敗しても他の半導体で生き残れる可能性は高い。ルネサスはNAND事業を手に入れ、業績の成長が予想できる。これがいわゆる成長補完である。

ただし、普通に考えるとWDに売ることになるだろう。分社するなら、きっとWDに譲るしかない。それは、守秘扱いの事業が多く、合弁事業工場が大半だからである。そう考えると、出資率が変わり、他に流れる恐れのある東芝ストレージの情報が漏れることをWDは嫌うはずだ。だから、分社しても東芝から離れることは出来ないし、離れればWDの傘下に入るしかなくなる。(ちなみに、出来るかどうかは別だ・・・後述する)もし、これが中国系のファンドやMicronのような事業者に食われれば、目も当てられないのだから・・・。結局、東芝単独の話ではないのである。

それが限界だろう。そもそも、半導体事業は年々投資規模が大きくなっている割に、事業競争率は高く、頭打ちも短期間で来ることが多い。今はNANDフラッシュが伸びているが、これまでのDRAMやロジック半導体の流れで見ると、だいたい成長曲線は数年で終わり、過当競争に入る訳だ。例え、首位でその瞬間に生き残っていても、今度は工場の統廃合などを求められる時代になる訳だ。そうやって、90年代にDRAMで2000年代には、ロジック半導体(CPU/MPU関連)で、2010年代にはシステムLSI(ASIC、SoC、FPGA)で・・・負けてきた。

果たして、そのときに専業メーカーが生き残れるかというと、大方NECや日立、三菱の半導体事業と全く同じ道を辿るだろう。本当に分社するなら、絶対に一つの事業しか出来ない企業にしてはいけないのだ。

もちろん、3年や5年だけ株価が上がればOKというなら別だが・・・。

<シェアよりも強かさ>

ちなみに、最大手は基本的に守りに入るため、価格競争や商品競争を余儀なくされるという問題がある。要は、最大手を売りにすると、最大手であり続けることを投資家から求められたり、業績が少しでも落ちると、今度は合理化を突然求められるようになる。

しかし、東芝とWDの合弁事業のように、効率の高さを売りにしている事業者は、今、他の企業より高品質の半導体を安定して製造できるポテンシャルを持っており、例え値崩れしても調整できる力が強いことを意味する。ここで、数量を追いすぎれば、価格が落ちたときにこのポテンシャルが機能しなくなる。
要は、自社の製品がだぶつきやすくなり、価格が落ちるということだ。そうすれば、強みの効率は下がる。独立させれば、間違いなく数を追うことになるだろうから、今のようにはいかないだろう。東芝とWDという2社合弁だからこそ、他の事業があり調整して販売出来ることだ。

もちろん、完全に赤字になりそうだというなら、このスタイルは見直すべきだが、黒字が今後も予定されているなら、無理に数量を追うよりは、堅実に強みを高めていく方が長い目での勝ちに繋がるのだ。

市場において重要なのは、確かに安さや沢山のシェアをとって利益を出すことだと思う人は多い。しかし、本当に大事なのはとにかく長く成長を続けることと、個性をもって自分達しか作れない評判のよい商品を、作り続けることだ。そして、生き残ることである。潰れるようではいけないが、既により多く投資すれば優れた品質の品が出来る訳では無いというのも現実として考えねばならないだろう。

下手をすれば、SHARPのように数を追って投資し、大失敗することだってあるのだから・・・。
東芝はそういう点では、心配はないと思うが・・・。まあ、粉飾決算(日本では不適切会計と呼ばれる)さえしなければ、今のような状況にはなっていなかっただけに、ゼロとは言えない。


<少ない成長市場で生き残るには・・・>

今や市場は、売れる物を探すのに苦労している。スマートフォンのように、僅かな売れる品を大量に作り、すぐに飽和させるのが今の市場である。それを、既に外資は理解しはじめており、だからDellがEMCを買収するなど、補完的な投資を強める。強い企業は、既に単なる分社は考えず、相互補完を強めているのだ。一本足は、利益が出ている間は成長するが、それを失った瞬間に投資も失うことを、多くの過去の倒産した企業を見て学んでいるのだ。

だから、本来は、自社で維持できないなら、そういう目的での買収を目指す企業に、事業を譲渡し権利を譲るのが一番よい。社員にとっても会社にとっても。

分社というだけでは、結果的に親会社と分社した子会社の関係が中途半端に残ったり、または一時的な成長期に子会社が成功しても、その後お荷物になり・・・親会社が見捨てたりということも多々ある。
そうなると、ただ目先の利益のためだけに動いただけで、会社の従業員を預かる役員としての、経営など小指の先も考えていないに等しい。成長させるということは、長い目で流れを読み、社会(社員、企業、国家、人類)の成長に必要だと思う方策をとることである。

私はそう思っている。儲かっているからこそ分社や、儲けが少ないから分社というのは、最近日本の一部でよく聞かれるがそれは、外国人投資家が日本の半数近くの投資を持っているからだ。彼らからすれば、今すぐの大きな利益の方が大事で、切り売りしようがどうしようが、実は関係ない。それに毒されると、それが正しいと思ってしまう。

ただし、それは長くは続かない。結局のところ、普通に経営として考えれば、ただ分社して業績が良くなることも、成長が長く続くことも決してないからだ。これらは、短期的に連結から見た見た目のダメージを減らすかまたは、投資意欲を一時的に高め株価を上げるための戦略にしかならない。特に後者は、成長が終わったら・・・投資そのものが劇的な早さで退潮するのだから、その先にはエルピーダのような破綻が待っている。

もし単なるカンパニー制として事業部を持ち株会社の下に置くのではなく、本当に親に置かず分社するなら、本当にその事業を心から成長させてくれる企業に、早く売って(譲渡して)あげた方が、Samsungが、半導体の別事業で成長した金を、NANDに振ったように、その事業を買収した会社が沢山の資金を入れてくれ成長する可能性が高いのである。それが、本来の経営や経済の考えであり、世界の一流企業が行う企業戦略である。

<東芝の現実はたぶん>

ちなみに、東芝のストレージ事業(セミコンもセット)は、大方WDには売却できないということもついでに書いておこう。これは、ストレージ事業のシェアがST(Seagate Technology)、WD(Western Digital)、TSD(東芝-東芝ストレージアンドデバイス)の3社で国際的に寡占状態にあるからだ。そしてWDとの合弁が守秘に関わる話なのも響く。東芝にとってはWDと合弁のままでスピンオフはきっと難しい。
分社しても、東芝の出資比率を下げるのは難しく、しかも今では主力産業と思われるため、旨みはない。さらに、他社に事業の売却をするには、買う側と時間を掛けた調整が必要になる。よほど不適切会計の段階から、どこかと秘密裏に協議していたなら別だが、今分社してというのは・・・ないだろう。そもそも、合弁は合弁する相手側との関係性があってこそだ。自分だけが投資を増やせば、OKという話ではないのだから・・・。











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